フィードバック理論
種々の機械はPID制御と言われる理論で成り立っている。
しかし、ながら大きい機械はD成分はほとんど不要である。
なぜ、D成分が不要かというところであるがD成分は追従性能を上げる
要素であるがD成分は同時にセンサのノイズの影響を大きく受ける。
このため、人より大きい機械ではD成分は不要である。
なぜなら、その成分が必要なほど追従性能を求められることはないからである。
更に言えば設計者の立場からすると不用意にD成分を上げると機械試運転時の調整時間が長くなるからである。
では、D成分が必要なほど追従性能が求められる機械はどのように設計するかというと
状態フィードバックという理論を基に設計することになる。
状態フィードバックは出力(操作量)と検出量(センサ値)が全て完璧であることが
求められる。(オブザーバを導入することによって多少ごまかせるがその範囲は狭い)
種々の機械は調整を考え設計することが求められるが前ポストで述べたようにモデルの範囲が経験による部分が多いため(これらを共有知として文書化している所が少ないかも)、設計ミスが起こりやすくなるのである。
制御モデルの特性について
制御についてかじりつき始めた頃に何故、物理モデルと制御モデルは一致せず、この世に存在する機械(メカ)は非定常(時間によって一定の特性でないこと)なのかと悩んだ。
何故悩むかというと現在当たり前となっているモデルベースによる制御設計には部品(モジュール)ごとに定常でなくては制御コントローラ(制御ループ則)を設計できないからである。
しかし、非常に当たり前のことであるがこの世に存在するものは数学でも数式でもなく
物体に過ぎない。
式は物体のある時の一部分を切り取った性能に過ぎない。故に機械を真値で測定できるシステムが存在すれば(測定者の誤差を取除けるとするのであれば)
モデルとは機械はある範囲でこのような振舞いをするという程度の指標に過ぎない。
多くの技術者は経験からこのことを初学者は教科書もしくは設計仕様との矛盾に
苦しむであろう。
よって機械を部品ごとに分けて要求性能を網羅する、またモデルを構築するには
どの程度の範囲の特性になるかを経験者から教えを請う必要がある。
コントロール技術について
最近コントロール(制御)に関する技術への興味、需要、雇用が無くなってきていると思います。
実際は大企業ではコントロール設計に関して四苦八苦しているかと思います。
安全規格との適合作業など(安全計装等)の後追い作業は増えているものの、実際の
理論・設計・実装に関する知識は業務に余裕がないため、専門的学ぶ機会が少なくなってると思います。
需要(予算)はないのだが機械設計には必要不可欠であり、熟練難易度が比較的高い分野です。
少しづつ筆者がまとめたノートをもとに今風の表記にしたコントロール技術をまとめようと思います。