サーフカルチャー、宿泊業の今後について考えたこと
海、サーフィン、ファッション、旅、ゲストハウス...
何もかもをせせら笑うかのように世界中に広まってしまったコロナウイルスの被害
世界全体ですでに何万人もの犠牲者を出しているウイルスがもたらす害悪は、身体に対するものだけではない。
「経済」と「こころ」も多大なダメージを受けている。
サービス業を中心とした中小企業や個人事業が壊滅的な被害を受け、休業や倒産が相次いでいる事は報道の通りだ。
僕の仲間や知り合い、お世話になっている人も、この理不尽な状況にひどく苦しめられている人が少なくない。
将来サーフペンションの開業を目指している以上、そういった苦しんでいる人々に対しては単なる同情心を超えて、この理不尽な状況を乗り越えるには何が出来るのか一緒に苦心している。
認めたくはないが、しばらくのあいだレジャーに関連する事業は衰退していくのかもしれない。
それに対して、僕のような人間が未来に向けてどういった準備を進めるべきなのか、正直自分の中でも正解が出ていないのが現状だ。
とはいえ、良い打開策は天から降ってくるようなものじゃない。
ひと落ち着きしたら、資金づくりのための仕事選び、自分の目標に賛同して後押ししてくれる人たちと出会えるように、個性やコンセプトをしっかり硬めていく必要がある。
もうひとつ、僕がコロナウイルスに対して懸念しているのが「こころ」への脅威だ。
こころ、いろんな意味でのこころ
毎日静かに増えていくどこかの国、地域の犠牲者、誰もが知っている著名人の突然の死、テレビをつければ嫌でも人の死と向き合わなければならなくなったいま、精神的負担は大きいし、上でも述べた通り、経済的な見通しも全然つかない。そういったなかで心を病んでしまう人も多い。
もうひとつ、他者に対する思いやりや友愛精神にもコロナウイルスはひどい傷を与えているように思う。
他の人種や民族、さらには他の地方の人間に対する無根拠な差別感情が世界中で高まっている気がして、ものすごく憂慮している。
ヨーロッパ全土でアジア人がいわれのない差別を受けているとか、日本国内でも地方の感染者が地元の町や村で排斥されているとか...
このときとばかりに露骨な差別感情を抱く者、
コロナを恐れている自分が「絶対的な正義」の側にいると勘違いして、それに反する人間には何を言っても良いと思っているような連中...
そんな人間たちもまた、コロナウイルスの犠牲者だと僕は考えている。
こういった世界的な試練は、未来にも繰り返し現れるのだろう。
そういう時にこそ、他者や自己に寛大な心をもつことが幸せに生きるためのポイントなのかも知れない。
今回のコロナ騒ぎがいつ収束し、観光業を始めとしたあらゆる産業が立ち直るのか、まだ誰にもわからない。
とにかく命がある限り自分にできることをやり続けるしかない。
立ち止まる訳にはいかない。
There is one question I'd really love to ask,
Is there a place for the hopeless sinner
Who has hurt all mankind just to save his own?
Bob marley "One Love"
ビギナーサーファーから始めるサーフトリップ コスタリカ編
前回のブログで、ビギナーサーファーでも楽しめる海外のサーフスポットを随時紹介したいと書いた。
けれど、なにを基準にして
「ビギナーにもおすすめです」
「誰でも良い波乗れますよ」
などと断言できるのだろうか。うねりや風のコンディションは季節によって全然違うし、時にはカレントで危険なコンディションになることもあるからだ。
そこでサーフトリップ先に触れるときには、その土地にどれだけサーフィンが根付いているのか、旅行先としてどれだけ魅力があるのか、というところを中心にアピールしていきたい。
トリップ記事の第1号として選ばせて貰ったのはコスタリカだ。
中南米の中間あたりに位置するコスタリカは、バリやオーストラリアと比べると、日本での知名度は高くない。
その分ゆったりとした雰囲気でサーフィンもできるし、自然に囲まれて濃い時間を過ごすことができる。
サーフトリップ先として第1にオススメする町が、首都サンホセからバスで6時間ほど、ニコヤ半島の西側にあるサンタ・テレサという小さな町だ。
https://www.lonelyplanet.com/costa-rica/peninsula-de-nicoya/mal-pais-and-santa-teresa
参考:ロンリープラネットによるサンタテレサの観光情報(英語)
やることはマリンスポーツとトレッキングくらいしかない本当にのどかな地域だが、多国籍のレストランやバーが多く立ち並び、滞在に飽きることはないだろう。
宿泊施設も安価なゲストハウスからリゾートホテルまで様々で、ユニークなコンセプトを持つホテルが旅行者を楽しませる。
多くの宿泊施設が海からほど近いので、午前中がっつりサーフィンして、疲れたらホテルに戻って昼寝。その後またすぐにサーフィンといった過ごし方ができる。
それに加えて人が少ないスポットは、世界中を探しても意外と多くないだろう。
しかも数日間でも滞在すれば、町の人たちも何人か顔馴染みになれる。
旅行者をamigo/amiga(友達)として受け入れてくれるカルチャーが、ここには確かに存在する。
それから波の質について言えば、サンタテレサ近辺ではコンスタントに波があるといって良いだろう。
太平洋と面した海岸には、ダイレクトに良質なうねりが押し寄せる。
ビーチブレイクがメインなので、初心者にも合ったポイントだ。
他にもオススメポイントはたくさん挙げられるが大きく分けると、
- 波の質が良い割に人が少ない
- とにかくローカルが優しい
- 開放的なバーやユニークな宿泊施設がたくさんある
これだけでもサンタテレサを訪れるのには十分な理由だ。
バリなどと比べて日本から遠く、必要日数もかなり多い。
それでもこのラテンアメリカ有数のサーフスポットは、ビギナーからエキスパートまで是非とも訪れるべきだと思い立ったので、この記事を書くことにした。
ビギナーサーファーとサーフトリップ
国内でサーフィンを始めて1年、2年と経つと、次第にサーフィンする海を広げてみたいと思ってくるのは、きっと多くの人に共通する想いだろう。
いつものポイントから少し離れた所に足を伸ばしたい人もいれば、バリやオーストラリアなどにある世界的に有名なサーフスポットに憧れる人もいる。
僕もサーフィンを始めて1年ちょっと経った頃、
ちょうどテイクオフがだいぶ安定してきて、横に滑れるようになったぐらいから、
なんとなく海外へのサーフトリップを意識するようになった。
とはいえ、はじめてのサーフトリップ前には不安も多かった。
インスタグラムでwslやnobodysurfが配信しているような海外のサーフィン動画の多くは、日本では台風がヒットした時でも見られないようなビッグウェーブばかりで、自分がそんなところにゲットしていくのは正直言って怖すぎた。。。
「ビギナーのうちに海外を訪れて、本当に楽しめるのだろうか?」
「ビギナーサーファーとサーフトリップ」は永遠の問題
・・・なのかはわからないが、結論から言えば、どんなビギナーであろうとサーフトリップをしない理由は無いと僕は考えている。
これからは、実際に僕が滞在した海外のサーフスポットに関して、観光とサーフトリップの観点から随時記録を残していきたいと思う。
楽しむこと。カッコつけること。
僕自身も含めて、何かを諦めてしまったり、長続きせずにやめてしまった経験のある人は少なくないと思う。
仕事でも部活動でも、辛い思いをしても何かをやり切った人間は強い。
その反対に、何も長く続けることができずにふらふら生きている人間もいる。
この差は一体どこから生まれてくるのか?
趣味に関して言えば、その人が心から楽しんでいるかが分かれ目だと考えている。
「遊びなんだから楽しむためにやっているに決まってるだろ」
などと言われてしまいそうだが、本当にそうだろうか。
新しいことを始める動機は色々だが、
「周りがやっているから」とか、「これをやってればモテそうだから」で始めたことはいつか熱が覚めてしまう。
なぜならきっかけが自分の外側にあるからだ。
カッコつけようとしてもいつかは本心が出て嫌気が差す。
カッコ良いこととカッコつけることは、似ているようで実は全然違うのではないだろうか?
誰がなんと言おうが、どう思われようが、自分はこれが好き。
そういうものはいつでも心から楽しめるし、自分の一部みたいな揺るぎないものとして自信になる。
サーフィンや音楽、ファッション
そんな宝物に出会えたことは本当に幸せだし、「楽しむ」というメンタリティを仕事のシーンでも忘れないようにしたい。
ローカリズムについて
サーフィンを続ければ続けるほど実感させられるのが、「ローカルサーファー」の存在。
拠点となる海が住処の周囲に無いのなら、どこであろうとビジターサーファーとしてサーフィンをすることになる。
日本にサーフカルチャーが伝来して半世紀以上経つが、未だにローカリズムは多くの地域に存在する。それは場合によっては理不尽なローカル優位主義なこともあるのだ。
確かに彼ら彼女らがそれぞれの土地でサーフィンを根付かせるために、ビーチクリーンなどの環境保全活動を行ってサーファーの地位を向上させたり、漁業組合や自治体との利権に関する交渉を長年行ったりしてきたことは紛れもない事実だ。
それにサーファー人口が増えることで、海へのリスペクトを欠いたビジターサーファーが増えてトラブルを起こすなどの問題が出ていることも認めざるを得ない。
だが、どんな背景があろうと、海に格差や上下関係を持ち込むことは絶対にあってはならないと僕は考えている。
リーフブレイクや強烈なカレントが発生するコンディションなど、技量に応じて入るポイントは制限されるべきだろう。だが、あくまでも海は平等で平和な世界であるべきだ。
誤解しないでもらいたいが、僕はビジターサーファーが勝手気ままに振る舞えるようにするべきだと言っているのでは無い。
海を愛する気持ちにローカルとビジターの区別は無く、サーファーみんなが自立した個人として他のサーファー、そして大自然を心からリスペクトすることが理想だし、僕自身そんなマインドを忘れずにサーフライフを楽しめるように心がけたい。
誰であれ、海で出会う人には挨拶をかかさず、マナーを守って行動する。
それでも文句を言うサーファーがいたとしても気にしなくていいと思う。
「可哀想なヤツだなあ・・・」
そう思いながら少し離れたところへパドルアウトしていけばいいのだから。