このブログでも折り入ってご紹介している中央アジア。
どんな場所か、景色か、を紹介しておりますが、いざ会話のトピックになると
・実際に行くには遠い
・なんだかんだ、行くのは怖い
・言葉(ロシア語、現地語)がわからない
等のハードルは少なからずあるかと思います。(現在は外出自体が足かせになっている状況ですが。。)
そこで、まずは「料理を通じて興味を持ってもらおう」ということで、日本国内でも中央アジア料理を堪能できるレストランを紹介しようというのが今回のエントリーの趣旨です。※店舗随時更新
アロヒディン(東京都中央区)
都内で本格的なウズベキスタン料理を食べるならここ。
八丁堀と日本橋の2店舗あります。
※緊急事態宣言下で営業時間に変更があるため、詳しくはアロヒディンさんのホームページをご確認ください
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中央アジア料理にとにかく挑戦してみたいのならば、アロヒディンさんにまず行ってみるのがおすすめ。有名どころ(ザ・中央アジア)の料理、知る人ぞ知る料理、どちらも堪能できるところが魅力です。
プロフ(中央アジアの炊き込みご飯)ももちろんあります。前回のエントリーでご飯と具材の層を作る・作らないに二分されると書きましたが、こちらのお店は層を作るタイプです。
※プロフは事前予約が必要なので要注意!
手前はサモサと呼ばれるミートパイ。サクッとした食感、中には肉が詰められており、1つだけでもメインディシュに対抗できるポテンシャルがあります。
奥に映るのはシャシリク。こちらもまた前回のエントリーで大きさについて触れましたが、トングがある通り、日本で食べても大きさは担保されています。ちゃんと中央アジアの雰囲気も味わえます。
その他、マンティ、ラグマン、ロシアまで踏み込めばボルシチやペリメニもメニューにあるので、繰り返しにはなりますが、はじめての中央アジア料理として僭越ながらおすすめいたします。
レイハンウイグルレストラン(東京都文京区)
中央アジアはロシアのほか、ウイグル地区の文化にも影響を受けています。
レイハンウイグルレストランさんはその名の通り、ウイグル料理をメインとしているお店です。
お肉は基本的に羊肉、そしてこちらでもプロフ(メニュー名:ポロ(ウイグル風ピラフ))を楽しんでいただけます。
私が訪れた際はラグマンを注文しました。
日本料理でもうどん、そば、ラーメンと一口に言っても種類がたくさんあるように、ラグマンにも店舗ごとに味わいが異なります。中央アジア料理、ウイグル料理を取り扱うお店にはほぼラグマンもあるので、行脚する際は好みの味付け・盛り付けを見つけてみるのも、また味わい深いですね。
ちなみに横浜にあるカップヌードルミュージアムには世界の麺料理を体験できる「NOODLES BAZAAR -ワールド麺ロード-」がありますが、この中にカザフスタンを代表してラグマンもメニューに加わっています。
カップヌードルの歴史体験とともに、ぜひラグマンも注文してみてはいかがでしょうか。
※レイハンウイグルレストランは2020年7月中旬で駒込店は閉店されるということです。再オープン場所はわかり次第アップデート。
紹介した絶品ラグマンのほか、プロフ(ポロ)を食べに、ぜひ行ってみてください…!
ウズベキスタンワインショップ キャラバン(東京都杉並区)
レストランとは異なりますが、珍しいウズベキスタンのワインを楽しめるバーです。
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西荻窪の飲屋街でウズベキスタンのワインが飲めるとはおもしろいと思いませんか。
フランスのイメージの強いワイン、その起源はジョージア(グルジア)とも言われており、個性的な銘柄を取り揃えているお店ならジョージアワインが並んでいることもあるかと思います。一方でまだウズベキスタンやカザフスタンのワインが目に入ることはなかったではないでしょうか。
品評会で受賞する銘柄が出始め、徐々に知名度をあげつつある中央アジアのワイン。日本でトライしてみるなら、このお店です。
お店に立つマダムのお話は本当におもしろく、一人で訪れましたがかなり話し込んでしまいました。曰く、現地とのワイン輸入での苦労話(在庫が少なく、日本になかなか入りづらいと言います)は感慨深いものがありました。。
日本人の感覚からすると、かなりマイペースに感じる中央アジアの雰囲気については、別記事にて詳しく触れてみようと思います。
TABASSUM(愛知県名古屋市)
都内だけではなく、実は愛知にもウズベキスタン料理のお店が2019年にオープンしました。
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私はオープン時に訪れたのですが、なかなか気のいいウズベキスタンのお兄さんが経営しており、日本語も堪能な方でした。ちゃっかり自宅でプロフを作ったり、パフラヴァの料理教室を開いたりしていると会話したら「ヤルネー!」とハイファイブした良い思い出…。
オープン当時からあったメニューで、この時もプロフとマンティを注文。こちらのプロフも、綺麗に層を作っていますね。右手に映るのはアチチュクサラダと呼ばれるもの。地域によっては、最初からプロフに盛り付けられていることもあります。
最近はビーツを使ったサラダが新メニューに加わるなど、積極的に更新しているTwitterでTAMASSUMさん(とウズベキスタン情報)をキャッチアップしてみてはいかがでしょうか。
〜スタンと国名に含まれるとひとくくりにされてしまいがちなのですが、ここで紹介するお店はアフガニスタン料理。南アジアの国ではありますが、中央アジア料理もメニューに含まれています。
paoco.jp
料理好き、あるいはドラマ好きの方なら聞いたことがあるかもしれません。孤独のグルメSeason3でも取り上げられたお店です。
JR東中野駅 西口よりまっすぐ進むと迷うことなく見つかります。
中央アジア料理としては説明不要、ラグマン。ラム肉は何度食べても飽きません。ここでは油そば的なニュアンスのあるラグマンですね。
奥に映るは馬乳酒というお酒。羊もしくは馬の乳から作られ、薄めの甘酒、あるいはマッコリに味は似ています。
小・大ポットの2種類がありますが、小でもひとり飲みなら十分な量です。
カザフスタンでも馬乳酒を飲んだことがありますが、そちらは酸味がとても強く、さすが現地モノ、好き嫌い分かれるかなと思いましたがそれに比べると、このお店で飲んだものは馬乳酒初心者でも抵抗なく楽しめます。
なお、お肉系はほぼラム肉、かつパクチーを使われることが多いので苦手な方は要注意。せっかくのご馳走ですから、楽しんで食べられるのが一番ですよね。
VATANIM (東京都中野区)
中野駅から徒歩10分ほどにあるVATANIM(ヴァタニム)。もともと高田馬場でオープンされていたものを、2019年に中野へ移転。
こちらのお店では、定番のプロフのほか、ラグマン(ラグメン)、ディムラマ、ベシュパルマク(要予約)を堪能できます。
プロフをオーダーするとアチチュクサラダがついてきます。2人で分けてもちょうど良いボリューム。お腹を空かせた男性なら1人でもペロリと完食できそう。
グシノン。肉詰めされたベーグルのよう。羊肉が詰められており、アツアツな状態で提供されます。
かわいい見た目に対し、これひとつでもかなりお腹にたまるパンチが魅力です。
シャシリク。羊肉のほか、チキン、ビーフがあります。最もリーズナブルなのは羊肉で¥300/本(チキン:¥500/本、ビーフ:¥700/本)。
いわゆる串焼きですが、焼き鳥を想像しているとびっくりするそのボリューム。これもまた、2人で分けても満足できるほど。
こちらはオリジナルメニューのヴァタニム。ナッツとドライフルーツ、スメタナ(東欧のサワークリーム)をベースにされているとのこと。
ドライフルーツの甘味とスメタナの酸味で甘過ぎないところが罪悪感なく、思わずペロリと食べてしまいます。
2021年に銀座にてオープンしたロシア食料品店。
東銀座駅から徒歩5分ほど歩くと見えてくるお店。直球な店名、目立つカラーで見逃す心配ありません。
ロシア旅行時に思わず買ってしまうチョコレートなどのお菓子類、ジャム、がっつりロシア料理を楽しみたい時はチーズやペリメニなどのオカズ系も充実。
さらには、今やネットミーム的に広がり、知らない人が少ないであろう”プーチン大統領グッズ”のご用意もあります。プーチングッズが日本で大々的に販売されていることに珍しさを感じるとともに、意外と手にとって買っている日本人のお客さんもいる光景を目の当たりにしています。
在日ロシア人と見られる方々も訪れていて、故郷の味・雰囲気に思いを馳せているようで暖かい空気感のお店でした。
The Ancient World(東京都杉並区)
中央アジアからは少しずれますが、トルコやアルメニア、レバノンなど周辺国のワインやコーヒー、ジャムなどを扱っているお店です。
ancient-w.com
※こちらはレストランではなくあくまで小売店である点に要注意です
ワインと聞くとイタリア、フランス、低価格で質の高いチリをイメージされる方も多いと思いますが、シリアやアルメニア、ジョージア(旧称グルジア)でもワインが作られています。特にジョージアワインはスターリンの愛した赤ワインでも知られ、甘みが特徴的。赤ワイン入門にもぴったりです。
荻窪駅北口から徒歩5分ほど歩くと見つかるThe Ancient Worldさん。入店すると所狭しと各国のワインが並んでいます。
東京西側エリアには外国の中でも珍しげなエリアのレストラン、食料品取り扱いが多い印象です。
荻窪まで遠い…といった方へは、オンラインショップも展開されていますので、The Ancient Worldさんのホームページをご覧ください。
訪れたこの日、私はアルメニア産のザクロワイン、ブラックチェリーワイン、シリア産のジャムを購入しました。ワインは飲みやすく、夫婦であっという間に空けてしまいました。その他、珍しいアプリコットワインもあり、次回来訪時に買ってみようと思います。
憚りながら、今回 中央アジア料理を楽しめるレストランとしてご紹介できたのはほんの一部。
東京は西側、特に中野方面に多く、視野を広げれば愛知や福岡にも点在していると聞いています。
何をするにもエネルギーを使うこのご時世ですが、息抜きに、あるいはシルクロードの風を感じるために、中央アジア料理を食べに行ってみようという私からの提案でした。