映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』
※映画と原作本のネタバレを含みます。
原作本を読んでいても、映画でハッとさせられたことがありました。
それは思いの外、きちんと三角関係の話だったということ。
原作本で、シカノさんが結婚と離婚を経験していることは知っていたはずなのに。
でも心の何処かで、映画では首と手首から先しか動かせないひとと、恋愛関係になるはずないって思っていたことに気付かされた瞬間。
ミサキがシカノを好きになると言っても、人として好き、の範囲だと勝手に決めつけていた自分に気づいた瞬間。
とても恥ずかしく思ったのです。
その人のことがもっと知りたいと思い、触れたいと思い、触れ合いたいと思うことは、至極自然な流れです。
でも、車椅子に乗ってるひとを性的な目で見るなんて、失礼で不謹慎なのではとさえ思っていた私の考えを、この映画はぶっ飛ばしてくれました。
人間同士なのだから、強い口調で責めたっておかしくない。
そして、抱きたい、抱かれたいと思ったっておかしくないのに。
ちなみに、ジョンは海綿体だから筋ジスと関係ない、という言葉は実際にシカノさんが語られた言葉だということを言い添えておきます。
ちゃんと本に書いといて、とおっしゃったそうです。
あとやっぱり皆さんお芝居が素晴らしくって。
セリフを言ってるのではなく、生の言葉を話しているかのようなお芝居に長けた人たちばっかりだったので、リアル感が半端じゃない。
大泉さんがまた、苦しさは伝わるけど、見ているのが辛くなったりはしない、の塩梅が絶妙で有り難かったのです。
そして筋ジス患者という枠組みにはおさめず、その時その時の感情を丁寧に真摯に向き合って演じておられるのが素晴らしく。
私はこの映画で涙は流れませんでしたが、筋ジス患者が主役の映画で、泣けないのにこんなに面白いってすごい。
大泉さんが藻岩高校に入学するころ、シカノさんは窓から藻岩山の見える精神科のクリニックに通っていました。
そしてシカノさんが実際暮らしていた部屋で撮影できた映画がこのたび、公開されています。
もし、映画を見て原作本は未読だという方がいましたら、ぜひ読んでみてください。
お忙しければ、まずはプロローグだけでも。
映画ではあんなに“鹿野さん”以外の何でもなかった鹿野さんですが、原作本を読むとすごく大泉洋っぽくて驚かれると思います。
さて。
私がこの映画で好きなシーンは、ミサキにAVが見つかったシーンと、皆が笑顔で歌っている中、ベテランボラ役の宇野さんが必死にアンビューバッグを握っているシーンです。
そして、鹿野さんの両親が、息子からの手紙を読むシーンです。
あの手紙がいつ書かれたものかはわかりませんが、おそらくボラの代筆なのだろうと思います。
手紙の文字を点々と滲ませる涙の跡は、鹿野さんの声を聞き取り代筆するボラのものなのだろうと思ったら、たまらない気持ちになりました。
もう一回劇場で見たい!!
『PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて』3/28夜
※千穐楽を迎えられたということでネタバレしております。
円盤化をお待ちの方はご注意ください。
TEAM NACS最新作。
5人が舞台で芝居をしているのを生で見るのは今回が初めてでした。
オープニングから“演出・森崎博之”全開で、リーダーの華々しい演出と、NAOTOさんのドラマチックな音楽があわさり生み出される爆発力たるや。
全編通したその色の強さ。
なので、泣けるとの評判が目立った今作でしたが、私は泣かなかったです。
感動しなかったわけじゃないんです。
悲しくならなかったわけでもないんです。
裏方含めたプロフェッショナルたちのお仕事に、ただただ目を奪われてしまいました。
そしてリーダー演出ならではの、怒涛の音合わせに、既存の曲の効果的な使われ方。
というかぶっちゃけますと、ずっとニヤニヤしてました私。
頭の中で中島誠之助氏が「い〜い仕事してますねぇ〜」と唸りっぱなしで御座いました。
第二次世界大戦の折、日本領において行われた地上戦は沖縄、硫黄島あたりが有名ですが、北の地、千島列島もその舞台となりました。
この島の名前を読めるひとは少ないと思います。
それが一体どういうことなのか。
強く考えさせられる内容となっておりました。
確かに、デリケートな題材です。その出来事から100年も経ってないのですから。
いままでNACSが題材に選んできた、戦国時代や幕末時代とは訳が違う。NACSが題材に選ぶには重いかもしれない。
でも、これはプロパガンダではないのです。
北海道を愛し、恩返しをしたいと語る彼らのいる劇団だからこそ打てた公演だと思います。
森崎さんはこう語っています。
「自分たちより先に、他の誰かがこの題材を扱ったとしたら、地団駄踏むほど悔しいだろう」と。
それでいいのだと思います。
やりたかったからやった。
年齢も40をこえて、役者としての地位もある程度確立された今。
伝えたいと思ったから。演じてみたいと思ったから。
難しい題材に挑む彼らと、混乱の中で侵攻してくる敵兵に挑んでいく舞台上の彼らが被って見えて、よい効果を生み出しているように見えました。
今回のこのPARAMUSHIR、NACSはもちろん、アンサンブルが素晴らしかったなあと思っていて。
カテコで出演者全員並んだとき、「これだけ!?」と思ったんですよね。観劇中はその倍はいるかのような錯覚を起こしていたので。それだけのご活躍、そして熱量の高いお芝居。
みなさん良かったんですが、特にスパガのお二人が良かった…
本編終盤、何か特別な言葉を発することはなかったですが、桜庭を見つめるひとりの老人。
ヒゲ等で分かりづらかったんですけど、あれは松尾さんでよかったんですよね?
ライブビューイングでは抜かれたりしたのでしょうか。仕事で行けなかったのが悔やまれますが。
彼はあの後、桜庭に声をかけるんでしょうか。
わかりませんが、ただ黙って桜庭を見つめるその姿に、胸が締め付けられる想いでした。
…ここまで言っといて松尾さんじゃなかったらどうしよう笑
そして、舞台に彩りを添える婦人のみなさん。
歌はもちろん、よかったなんて言葉では片付けられないくらいだったんですが……あの無力感っていうんですか。
自分たちのために戦う兵隊さんたちを残して疎開しなければならない、あの残酷な無力感。
だからこそ際立つ桜庭の想い。
好きです。
あと、過酷なシーンであればあるほど、透明感のある美しい曲がかかるのもとても好みでした。
チハを盾に銃撃戦が繰り広げられるところとかね。
そうだチハといえば!!
今回のこのお芝居、NACSとアンサンブルに加え、もうひとりの出演者と言っていいんじゃないでしょうか。
中型戦車のチハ車。
またイ〜イ表情をするんですよ……舞台セットに何言ってんだと思われるかもですけど……
NACSで言うと『HONOR』の白樺、あとKKP『TAKE OFF』のハエもそうなんですけど、セットそのものが愛おしくなる舞台ってあるじゃないですか。
好きなんです。ああいうの。
ONE PIECEのメリー号のエピソードで、頭痛くなるくらい泣いちゃう人間なので。ああいうの弱いんです。
観劇中こそニヤニヤしてた私ですが、一晩置いた後の引きずりっぷりといったらなくてですね。
喫茶店のメニューでカレーを見つけてはしょんぼりし、ナット・キング・コールのスマイルをダウンロードしヘビロテしてはしょんぼりしてます。
題材の重さもそうですが、みなさんの芝居に食われた、というのが最も近いように思います。
人の命を奪うという行為は、過去のNACS本公演でも描写されましたが、その奪われた人命の数で言うと今回がダントツですかね。
いままでは戦国武将だったり幕末の志士だったりしたので、自らそこに飛び込んだような人たちですけど……
今回のPARAMUSHIRは士官学校出身の小宮はともかく(家の事情で仕方なかったとしても)徴兵組の心中たるや…想像が及びもつきませんが。
そういえば、それぞれの階級の話。
小宮は士官学校出身なので少尉ですけど、
田中は二等兵なので、見た目通りにおそらく一番若いんでしょう。
桜庭は上等兵。戦場で何か手柄を上げたか、単に長くいる間に階級が上がっていったか。
矢野は整備兵なので置いておくとして、気になるのは水島ですよね。
軍曹ということは、彼も田中や桜庭と同じように二等兵から始まって、手柄を上げる等して階級を上げていき、そして他薦か選抜を経ているというわけですからね。
序盤でも描写されているとおり、玉音放送のそのときまでは彼も確かに武人だったんでしょうが、やっぱりあの〜…置いてきた妻と娘に対する想いを吐露するシーンが強烈だったのでね……
私を滅したままソ連軍を迎えていたなら、彼もまた違った道を辿っていたろうなあと……
そういえば、リーダー作の舞台は(今回は別に脚本家さんがいますが)“主役”のいる舞台だったよなあと、終盤も終盤で思い出しました。
50年後、桜庭だけが生き残ったと知ってようやっと。
役柄としても、やっぱりダントツ難しかったんじゃないでしょうか。サブリーダーは。
涙も出ないほどの絶望の淵にいる彼。
でも戦場の真っ只中、ラジオで敵性音楽の『smile』を聞き、仲間と語らい、冗談を言って、笑う。
声や表情にあそこまでの感情を乗せつつ涙は流さないというのも、また難しいのだろうなあと思いました。
そして5人の中で唯一官吏の小宮。
リーダーといえば叫びですが、今回マイク越しとはいえ生で聞いた叫びの圧ったらなかったですね。胸の奥深くを揺さぶられる(物理)って感じで。
あと動きの華々しさがもう。あんなん見ちゃうわ。常にいくら目があっても足りない状態だったんですが、主にリーダーのせい。あんなん目を奪われるに決まってますわ。
田中は、キャラとして悪童のチャックと似たような系統ではあるんですが、チャックはやっぱりどこかファンタジーといいますか。
ほんとに四十路か?というお花畑な面があるキャラクターでしたが、田中はそういうのはないんですよね。
ちょっと暢気なところがありますけれど、それも生い立ちが生い立ちですからね、ちょっとやそっとじゃ動じない強さのある人物なのかなあと。
かと思えば、誰よりもパニックになってたりするんですが笑
敵を味方のところへ引き連れてきちゃったところなんて、絶対笑うような事態じゃないのに笑っちゃうのは、戸次さんのあの必死フェイスのせいだと思う笑
矢野整備兵も難しそうな役でしたねー。
序盤の「あいつは頭がおかしい」の流れからの、チハのハッチが開いてひとりの兵士が出てきたときの「そういうことかぁ〜!!」の気持ちよさったら。そういう方向の頭のおかしさかぁ〜!!
同じ風景を見ていたとして、桜庭に対して親近感というか…憧れ?に近い感情を向ける矢野がまた危なげでね…
稽古から千穐楽まで、アクシデント等いろいろあったみたいですが、最後まで走り抜かれたこと、誇りにおもいます。
……本当です。
劇場版『東京喰種』
※ネタバレあります
※あんまり褒めてないです
※原作もアニメ版も全く知らないまま見に行ってます
さて。見てきまして。
完全なキャスト目当てに。
何を隠そう、私はミッチー目当てというだけで、キャシャーン実写版を楽しく見られる人間ですので、
今回の東京喰種もマドクレさんのビジュアルが解禁になったとき、これはイケる!と思ったものでございましたが。
さてこの映画、とんでもなくベタです。ドの付く王道です。原作に全く触れてない人間でも、解らなかったことが何もないくらいの親切設計となっております。
丁寧なフラグ立てと迅速な回収によって、伏線自体を忘れてしまうということもなく。
まあ解りやすいのはともかくとして、「んな馬鹿な」な御都合展開も多々あったりしてるんですけどね。
真戸の指輪の見え方とかね。
全体的にこう、笑うとこじゃないんだろうけど笑いそうになるシーンやカットがチラホラと見られまして。
カメラに対して正対しているマドクレさんのバストアップで、前髪が優雅になびくカットとか。
(おじさんの前髪が美しく揺れるカットをわざわざ撮ったのかと思ったら吹き出しそうになった)
カネキとトーカの特訓シーンとか
(ベス○キッドかな?)
あとカグネの描写やグールの眼の描写、アクションの雰囲気とか、あと日常シーンの演出とかが、どことなく往年の特撮っぽいなあと思いまして。
80~90年代くらい?
特にカグネの質感やなんかは、ハイテクノロジーな技術を駆使して造られてるんでしょうけど、なんだかゴムっぽいといいますか。
外皮がウルトラ怪獣っぽいといいますか。
ワイヤーアクションも、とても懐かしい感じがいたしました。
私が子供の頃見てたワイヤーアクションの、まさしくあの動き。
そんな中でも、出演者のみなさん、豪速球でねじ伏せる系の芝居で振り切ってて素晴らしかったですね。
特に主演の窪田くん。
そして村井さんに大泉さん。
このお三方は剛腕というか強肩というか。いや~、投げる球が速いこと速いこと。
亜門の鈴木さんは、そこまで球速はなくとも、ブレのないストレートをバシバシ投げられてて。
鈴木さんのお芝居は、ルースヴェルトゲームからずっと好きです。
あのドラマでは不気味な敵役でしたが、こちらでは真っ直ぐな正義を貫く捜査官で。好かったです。
そういえば真戸の「手足をもがれても戦え」という台詞。
最終的にまさにその通りになられまして、「モロかよ」と心の中で突っ込まざるを得なかったわけですが(笑)
でも原作ファンの同行者の話だと、原作にもあった流れらしいので。
まあ……元が漫画ですからねー。
こういうとこ、エピソードの取捨選択むずかしいですよね。
捨てすぎると原作ファンが怒るし。
採用しすぎると、映画としての成立が厳しくなってくるし。
二次元では成立しても、三次元では難しいことって、やっぱりどうしてもどの漫画でもありますもんね。
脚本はプロペラ犬の楠野さんだったということですが、ほんとお疲れさまです(笑)
まあ、大泉さんの声のお芝居の器用さは堪能できましたし。
(アニメ版の真戸が大川さんだと聞いて、もしかして大泉さん、大川さんに芝居寄せてる?と思ったり)
前述の実写キャシャーンのミッチーばりの、美しい吐血も見られましたし。
美しい死に様という意味では、カウラに次ぐ美しさだったんじゃないかなあ。
そういった意味では、けっこうおすすめです。
あとグロ描写に関してですが、血液や肉片の描写はそこまでリアル感もないので(やっぱりゴムっぽい)大丈夫なんですけど、
嘔吐描写のほうがわりかしリアル、というか本当に吐いてる感がすごいので、そっちの意味では食欲なくなっちゃうかもですのでお気をつけて。
『子供の事情』8/3夜
※千秋楽を迎えられましたのでネタバレしております。
2時間強の上演時間で10人もの登場人物が出てくるにも関わらず、死んでるキャラがひとりもいないのが、とても素敵なお芝居でした。
ストーリーテラーで傍観者的立ち位置のキャラでさえ、ちゃんとそのクラス内を生きています。
「物語を展開させるための装置」はひとりもいません。
かつての教室で、わたしたちがそうだったように。
かれらはそれぞれに物語の主人公です。
観劇前、Twitterでオペラグラスの持参をすすめるツイートを幾つか見かけてたので、私もそれにならってはみたのですが。
二階席最後列にも関わらず、着席してまず感じたのが舞台の近さ。
というか10人の子供たちが実にいきいきと教室内を動き回ってますので、ただでさえ目が足りない状況なのに、オペラグラスで一人だけに注目しちゃうのは勿体ない!
ラストの、教室がズームアウトしていく演出もあって、後ろの席だからこそ楽しむことのできる演出が多々ございまして。
そういった意味でも本当、三谷さんありがとうございます
ただ、蘭さんの色んな顔と色んな動きだけは、近くで細かいところまで見たかったなあと思いましたね。
学芸会の練習中、洋さんが噴き出したのはあれマジですよねたぶんwww
小手さんのTwitterを見ると、ある日の本番中、蘭さんが洋さんを集中放火、近くの小手さん小池さん春海さんが流れ弾に被弾したという旨の呟きがございまして。
火の海になった顔ぶれ的に、前述の学芸会シーンだと思うのですが(笑)
さて、登場人物全員が10歳を演じたというこのお芝居。
無理のある、というかそもそも10歳にそこまで寄せようとしてない人もチラホラいらっしゃるんですが、
ドテ(小手)、リピート(浅野)、ヒメ(伊藤)、ホリさん(吉田)は、リアルなサイズ感と動きもあって、出てきた瞬間に「子供だ!!」となりまして。
また教室セット自体が大きく造られているぶん、 ドテが窓に近づくたび、リピートが廊下へ近づくたび、脳が混乱するんですよね。
そしてカーテンコール、新国立劇場のあの奥行きを使って小さく小さくズームアウトした教室から演者が出てきて舞台前方へ向かってくるにつれ、その魔法がとけるのが気持ちよくって。
さっきまで子供だったはずなのに、あれ!? みたいなね。
また傾斜がかかってるから余計に小さく見えるんですね錯視で。
好き。あそこ好き。
登場シーンといえば、ジョー(大泉)が廊下に姿を現したときの、客席のざわざわったらなかったですねwww
こちらからはちょうど掲示物に隠れて、教室に入るまでは誰が入ってきたのか解らなかったんですが。
その全貌が見えた瞬間に、なるほど!と。
そらざわさわするよね!と。
客席、大喝采でしたwww
更に喋ったと思ったら常にイイ声だし。
常にニヒルに笑ってるし。
常に動きがほんのりYAZAWAだし。
なんだこの面白さの塊のひと。
かと思えば、ディズニーアニメの悪役かな?って高笑いをみせてくれたりですとか。
というか全編通して、洋さんが歌うときは常にどこかディズニーヴィランズですねwww
これを機にディズニーヴィランズの吹替えオファーがあればいいのに。いや本気で。
さて、みなさん予想以上に無理のない10歳の子供たちでしたが、特にドテとソウリとヒメとリピート、そしてホリさんは、見てて「あ、知ってる」と思いました。
彼ら彼女らは私の子供時代に、確かに周囲にいたはずの子たちでした。
他の子供たちも「どこかの教室にはいたかもしれない」感がすごくて。
あ、いや、ジョーはちょっと難しいかもしれないけどwww
でも転校や進学やクラス替えを機にハッチャケちゃう子っていたよなあと。
また10歳っていうのが絶妙で、クラスの中での立場や役割に、ギリギリ性差があるかないかってラインなんですよね。
ゴータマ、アニキ、ジョーあたりはそれが男女逆っぽかったりしてね。
ゴータマみたいな男子はいるだろうし、ジョーみたいな女子もいたような気がするし。
(人心掌握に長けた暗躍系の裏番長みたいな女子っていませんでした?)
そういう色んなところで、自分の子供だった部分がちくりちくりと刺激されるような、見ていてなんとも痛痒いお芝居でもありました。
「あれは私だ」が何度もあった。
あの教室にいた、10人の子供たちは、
悪ガキも優等生も、
トラブルメーカーも巻き込まれる側も、
みんなみんな、可能性に満ち満ちた、10歳の守るべき愛すべき子供たちでした。
最後にひとつ、妄想めいたことを言いますと。
ホリさんが鼻筋の通った美人であるということを、ホジョリンは真っ先に見抜いていて、他のクラスメイトも知っていて。
でもジョーはそこに気付けてないんだろうなあって感じが凄く好きでした。
ジョーの好みは、ヒメみたいな「THE女子」ですからね。
でもメンコかなんかでヒートアップしたジョーの腕が、たまたま後ろにいたホリさんに当たっちゃったりしてさ。
衝撃で眼鏡が外れて、そのとき初めて目にしたホリさんの素顔に、ジョーが一目惚れしたらいいのに。
でもホリさんは色恋には死ぬほど鈍感ぽいし、面白がったゴータマや、ホリさんを利用したことをまだ完全には許してないアニキあたりに邪魔されて、
その想いは届けられないままだったりすれば!
いいのに!!
ミステリー修学旅行LV【追記あり】
レポと言えないくらいの断片的な備忘録を。
時系列バラバラです
○最初の登場のとこ、ナックス内トップバッターの音尾さんのあまりの渋さに ヒィー!!? ってなったし、鈴井会長がまた更に体を絞られてて断トツのエロさでしたありがとうございます
○登場時、他のメンバーはハイタッチや握手なのに安田さんはヌルッと指を絡めていわゆる恋人繋ぎなのヤラしいんですけど何でなんすかwww
しかも階段で早々に転んだと思ったら、その後の下り階段を一段一段慎重になりすぎた結果、曲終わりまでに所定の位置に行けなくなりそうになって結局終盤は小走りっていうw
○と思ったら登場した途端に客席の間を全力で走り抜け、早々にけつまずき手から出血する鈴井会長w
師匠は怪我しちゃうけど弟子はいくら転んでも怪我はしないのがお二人の違いですねwww
○会長の赤平のご自宅についに行った大泉さん。
来た人にサインしてもらう部屋があるらしく、犬が苦手な大泉さんのため、会長が犬3匹に揉みくちゃにされながら「今のうち書いて!」と。
それを見た4「なによコレ!?」
○大泉さん、ネネ嬢のことは撫でたりしてましたし、顔中ベロンベロンに舐められたりしてたので犬嫌い克服したと思ったら、全然でしたね。
トイプーだけか……というか、ネネ嬢だけなのかな
○音尾さん単体で見るとそうじゃないのに、リーダーの隣に並んだ途端に小さく華奢に見えるのツボでした
○XXから、週刊大泉のコーナー復活。2002年のゴルゴの酷さねwww
打ち合わせ中にレスリングに淡々となだれ込むのももちろん面白いんですが、タレント二人がくんずほぐれつしてる側で真顔で真面目に打ち合わせに取り組むスタッフが面白すぎます
○ノールやネクステが加わったときに際立つ、オクラさんの安定感。
感動おじさんも絵かきおじさんも大好き
○戸次さんが全力でキメてるときに後ろで死んだ魚の目になってる音尾さんがツボでした
○25年を振り返るCUEコレクション、アド街かなと思ったら左上に番号ついててアド街でしたね
ていうか1秒映るか映らないかの細かい写真がkwskしたい写真ばっかで勿体なくないですか!?
○北川さんも小橋さんも若いときと顔が変わってないんですがどういうトリック……?
○ツアーの参加者に安田さんがボソリと言われた一言「あの人、足音がしない……」
5「浮いてんですか?それとも死んでんですか?」
しかも地面は砂利
○ツアー中、しあわせのパンのコスプレ(片方本人)で登場したファンタン。割りを食ったのはTAN兄さんですが、シゲさんがしあわせのパン未見なので原田知世さんの台詞を言うことができず、苦肉の策の
「水縞くん、ブレンディ」
○動く短髪大泉さんを見たのははじめてでしたが、俳優やタレントというよりある程度キャリア重ねたロッカーに見えますねw
○そういえば大泉さん、寝不足で目の下にクマがあるのも含めて顔は痩せて見えたんですがわりと脚や腕がムチッとしてるように見えまして。
筋肉つけたりしてるのかなあ。散髪も含めて役づくりなのかしら
○痩せてるといえば、週刊大泉にて、例のダイエット対決の映像が初公開。
シゲさんももちろん痩せたんだけど、三週間で10.5キロも減量した(71キロから60.5キロ)大泉さんが引くほどの細さ。
きっかけは、「今まで痩せる痩せるって言って痩せなかったんだから、佐藤くんに勝てるわけないでしょ?」
と安田さんに優しく諭され、大泉さんに火がついたとw
ダイエット対決終了後、「(痩せすぎで)ダイエット失敗だね」と言った安田さんw
○ダイエット対決の映像、カメラを回してるのが藤尾さんで司会が安田さん←大泉さん推しポイント
○CDJ2008のヌルヌルプロレス、女子部でのリハ中に小橋さんのアバラにヒビが入るハプニング。
結果、試合中の顔が厳しいから、という理由で言い出しっぺの大泉さんが却下wwwひどいwww
○修学旅行というテイのツアーだったので学年分けされた所属タレント。
ナックスと会長でいうと、1年生がファンタン、2年生がワンツー、3年生が音尾さんと会長
○舞台裏で普通に下級生に「先輩に挨拶無しか?」と絡む鈴井先輩。
その流れで
4「鈴井君、じゃない、みすた君からだできてるもんな」
5「(会長の持つマイクを指し)あれこれ栗生のじゃね?」
4「違う違う、それを言うならコイツ(安田)に言わなきゃwwwそれでみすた君が『返してやれって……』ってwww」
○他にも音尾さんがどうでしょうネタを挟んでたんですが何でしたっけ……音尾さんが出てるシリーズではなかったような……
○25時間で100号の絵画を完成させるチャレンジ中の藤尾さんに、まず大泉さんから電話(その後テンション上がりすぎて寝不足)、そして酔っ払った会長から長電話。
直後の深夜2時、着信画面に「亜由美」と表示され震え上がる会長→それを聞いて地団駄踏んで身悶えるほど笑う大泉さんと藤尾さん。
会長の「『社長』で登録しなおそうって思ったね」に悪いとは思いつつもめちゃめちゃ笑いましたwww
○社長と会長がまだお付き合いされてるときのエピソードを暴露されそうになりしぶる会長。
4「でもまあ、このたび離婚されたわけですし」
ついにハッキリ離婚て言ったwww
○「タカ、あたし辛いっ……」
なんというか改めて、会長のスペックが
『社会的地位を持ちながら全力でお茶目』
『若いとき怖かったけど今は丸くなった(でも今でも怒るとこわい)』
『年齢を感じさせないプロポーションとビジュアル』
『高身長』
『愛犬3匹と森で暮らす』
っていう、漫画の世界の住人のようですね。
ていうかナックス含めて、個性豊かで属性も見事にバラバラで、少し前に流行ったオジプラスとかの乙女ゲーにいそうなんですよね。
いそうっていうかもう、そんな乙女ゲームが出たらいいのに。買うのに。絶対買うのに。
ナックス全員のトゥルーエンドをクリアした後に、隠しで会長ルートが追加されればいいのに。
【追記】2017/05/14 15:20
○後々触れる予定だった話題に先に触れてしまい、会長にチクリとやられたトザさんに対して
4「顔色おかしいぞお前www」
3「鼻血でてくるぞ後で。たらーっと」
※戸次さんは遅刻し乗り込んだ車に会長が先に乗っていて、あまりのことに鼻血を出したことがあります
○週刊大泉にてCUEの年表が登場。
実は1とオクラホマと小橋さんは同期入社。
3と5はその後輩ということで、ため口をききだす河野さん。
河「先輩なんやから当たり前でしょ」
3「そのわりに先輩におごってもらったことないですけど!」
○会長が登場した途端に会場中を必死に駆け回るのを見た4、「高速で徘徊する老人みたい」と。
再現時の4の顔www似てるから笑うwww
『死の舞踏』03/30
千穐楽、無事に終えられましてお疲れさまでございました。
ネタバレ解禁していきますよー。
『死の舞踏』、観てきまして。
Bunkamuraシアターコクーンを『令嬢ジュリー』とで二分割するという荒業(笑)
令嬢ジュリーが客席スペース、死の舞踏が舞台スペースを利用して建て込まれてるんですけど、そうなると客席に座るまでに袖の中を通っていくことになるんですよね。
私は右ブロックの座席だったので上袖を通過したんですが、普通なら滅多にお目にかかれない綱元や操作盤なんかも見られて、観劇ファンにはちょっと嬉しい配置だったのではと思ったりしました。
あと、袖に向かって台詞を言う芝居って他の舞台でも結構ありますけど、空間に限りがあるので、エフェクトかけない限りは声が多少こもっちゃうじゃないですか。しかし今回は、令嬢ジュリーぶんのスペースが袖の向こうにちゃんとある訳で。
そのおかげで声がこもらずに抜けてく感じが好きでした。ちゃんと窓の外に向かって喋ってる感といいますか。
そして死の舞踏の客席、あれキャパ250くらいですか?
その人数でこの舞台を独占していいんだろうかと、不安を覚えるほどの贅沢感のあるお芝居でございました。
そのぶんかどうか解りませんがチケットは少しお高めとなりますけど、パンフはお安くてね。
「さすが日活ロマンポルノ俳優……!!」となったあれらのシーン、凄かったのは実は成志さんだったというwww
そういえば!
クルトがアリスをピアノの上に押し倒すとこ!
右の客席からは、音尾さん演じるクルトの左手の挙動がばっちりだった訳ですが、右手では乱暴にアリスを鍵盤に押さえつけてるんだけど、左手ではちゃんと腰から腿のあたりをフォローしてたのがグッときました。
そのシーン、こちらからはクルトの唇からしたたる血液が見えてたんですけど、左の客席からはアリスの首筋からしたたる血液が見えてたのかなあ。
演出だと気付くまでは、本当に音尾さんが怪我したように見えてしまったくらいに段取りが自然だったので、血糊の袋がどこに仕込まれてたのか気になるなあ……
アリスの下着の肩紐あたりかしら。
観客からの死角がないような舞台でああいう仕掛けがあると、驚きが大きくていいですよね~。
あとグッときたといえば、エドガーの目の前でアリスがクルトの唇にむしゃぶりついたとこ。
あそこでエドガーが二人から目を逸らすんですけど、少なくとも「見たくないものを見ないようにする」という表情ではないんですよね。
浮気への怒りというよりは、気まずさが勝っているような。「見るのも悪いし見ないであげよう」みたいな。
そんな風に私には見えてたんですが、その目線の外すタイミングとか外し方とかその長さとか。
好きだったんですよね。ものすごい細かい話になりましたけど。
あと、客席が向かい合わせなので、あんまりジロジロ見るもんじゃないって解っていても、開演前は何となく向かいの客席を眺めてしまいまして。
その中に八十田さんらしき人をお見かけしまして、少し浮かれてしまいました。
後日Twitter等で検索してみたらご本人だったらしく、更に浮かれてしまいました。
眼鏡もマスクもなんにもしてなかったな……いやもしかしたら眼鏡はしてたのかな?
客電っていうか普通にバトンに吊られた灯体で真上から客席も照らされてたんで、お互いの顔は基本的にはよく見えないんですよね。影になっちゃうから。
それでも滲み出る八十田さんのオーラ。
さて中身の話。
序盤~中盤、というかほぼ全編通してとてもサスペンス翻訳劇らしいといいますか、登場人物ひとりひとりの言葉の真意をはかりつつ慎重に台詞を聞き取る作業が続いたんですけれど。
最後の最後で……あれこれ喜劇?喜劇かな?
なんかね、見終わったあとの気持ちをしいて一言であらわすとしたら
「勝手にしてくれ!!」
だったんですよね。
誰目線かは判りませんけど……島の他の住人目線かなあ。
頼むからこっちに迷惑のかけない範囲で、あんたら夫婦で一生勝手にやっててくれよ!! みたいな。
音尾さん演じるクルトも……あれクルト可哀想すぎやしませんか。
いやまあ自業自得感は否めませんが。アリスがどんな“女”であるかを、若い頃から知っていたはずなのでね。
判ってて、自分から蜘蛛の巣に引っ掛かりに行った感はね。ありましたものね。
実は本来、この演目は二部構成らしく。
一部のみの上演なんですね今回。
道理でなんか、なんとなく不完全燃焼感。
ちなみに、二部のサブタイトルが「吸血鬼」だと聞いて、口許をアリスの血液で濡らしたクルトの映像が、フラッシュバックしたりしなかったり。
いやしかし……音尾さんはやっぱり毎度のことながら巻き込まれっぷりが素晴らしいですし
(メルシーといいノケモノといい)
神野さんは「もし実在したら絶対にお近づきにはなりたくない」感じの女を演じられたらピカイチだよなあと思ったりしたんですが、
でもやっぱり成志さん……好いなあ……やっぱり好きだな成志さん……
滑稽と狂気のはざまが……好きだな……
『ダブリンの鐘つきカビ人間』とかさ。
『鈍獣』とかさ。
あの塩梅が堪らんのですよ。また、面白いシーンだったとしても何でかセクシー、っていうかエロイんだよなあ……いや~至福。
昨年亡くなられた平幹二朗さんの代役ということでしたが、実年齢が役より10歳ほど若いぶん、得体の知れない感は強まってそうなエドガーが好きでした。
特にやっぱり、アリスのピアノに合わせて誰にも見られずひとりで踊るところが好き。
あと地味に、クルトの言葉を反復するとこで、判るか判らないかの微妙なラインのモノマネで言ってたのも好き。
『スルース~探偵』12/26夜
※もちろんネタバレ無。
行って参りました。『スルース~探偵』、音尾さんのスルースバージョン。
二部構成で、途中に20分の休憩ありでございました。
この休憩、腰痛持ちにはありがたかったwいくら新国立劇場の椅子がふかふかで座りやすいからといって、二時間座りっぱなしはツライですからねw
でも二時間で休憩挟むって珍しいなと思ったら、見てみて、なるほど、と。
西岡徳馬さんももう70歳でいらっしゃるんですもんね。その年齢であの台詞量と熱量の芝居を、中々のロングランでしかも2ステもありって……超人。西岡さん超人。
あれだけ汗もかいたら、着替えやメイク直しにも時間要るでしょうしねー。
スルースは会話劇とはいえ怒鳴りあうことも多くてわりとハードなので、西岡さんも音尾さんも汗でびっしょびしょだったんですが、シャツが汗でしっとり濡れて着衣や髪型が乱れ始めたとき、西岡さんの色気が爆発的に匂いたつといいましょうか。
西岡さん演じるアンドリューという男は、非常に滑稽で醜悪な人間であるのは確かなんですよ。
にも関わらず、青みのかかった冷たい水のような光の洪水の中で、昂り激情の炎を眼に宿した破壊的美しさが……
っていうかもうはっきり言うと超エロかったです(真顔)
音尾さんのマイロはね、ふしぎでしたねー。真意がわからないんですよ本当に。
まあ、マイロは増悪と愛のはざまで揺れ動いていたわけですから、彼自身にも自分の真意は掴みきれないままに、大きなうねり(アンドリューが起こしたうねりだったりマイロ自身が起こしたうねりだったり)に呑み込まれてしまったのかしら。
いやー、新納さんのマイロを見てないのが悔やまれました。これは比べたい……!
そういえば、『スルース』という作品自体が未見のつもりだったんですが、2部のはじめのほうでデジャビュかなと思い始め、終わる頃にやっとジュード・ロウ版の映画を観ていたことを思い出しました。
すっかり忘れてました。まぁ忘れてて結果オーライではありましたがw
あと、パンフレットはご購入されることをおすすめします。
音尾さんのインタビューが、巧みにナックスファン心理を煽ってくるというかなんというか、「本公演とハナタレナックスDVDを見返さねば……!」って気持ちにさせてくれます。あと水曜どうでしょうもね。
他にもパンフレットをおすすめしたい理由は幾つかあるのですが、まぁそこら辺はね。
観劇後にはまんまと欲しくなっちゃうと思うので、私がわざわざおすすめしなくてもいいっちゃあいいですからね。
パンフレットにさえ重要なネタバレは記載されてないので(ないはず)、開演前にめくるのもアリだと思いますよ!