その1で、治療費、手術代、乳房再建など試算したところ、3割負担でも軽くミリオンを超えた乳がんの際のお金ですが、私のような一介のOL(子育て中)+がん保険加入無しの為に何か助けになるような制度はないのでしょうか。
結論から言うと、あります。
さすが国民皆保険の日本、社会保険の制度は本当に手厚いです。ありがたやー😚
※制度の詳細については、必ずご加入の健康保険にてご確認ください。
また、筆者が会社員のため会社員よりの記載になっていることにご留意ください。
高額医療費制度
ざっくりいうと、同一月(1日~末日)で、医療機関で一定額(自己負担額)を超える支払があった場合、申請すれば超えた分のお金が返ってくる制度です。
ありがたやー!
この一定額というのは、年齢、所得によって異なります。
例えば、アラサー正社員で平均的日本人のお給料をもらっている人は、80,100円+(医療費-267,000円)×1%なので、ざっくりいうと、1日~末日で8万を超えた医療費は、申請すれば返ってくるという計算になります。
抗がん剤を1月に2回やると、だいたい3割負担で15万くらいかかるところ、およそ8万で済む!!す、すごい。
ちなみに、払い戻しを受ける為には、加入している健康保険に申請する必要があります。
そして、払い戻されるまでには3か月程度かかります。むむむ…。
※また、入院/外来 は別で計算、多数回該当の制度などもありますので詳細は加入している健康保険でご確認ください。※
参考→協会けんぽHP https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150
そんな多額なお金立て替えられないあなたに① 高額療養費貸付制度
高額医療費制度があれば、毎月の負担額が所得に応じて決まるじゃん!じゃあ、100万を即金で用意しなくていいのね、と思ったあなた。
残念ながら、高額医療費制度は一度自己負担しなければならないのです。
抗がん剤治療を受けるたびに財布から4万円がなくなり、入院すれば何十万も消え…
でも限度額超が戻るのは3か月以上先
破産するやん!!
というあなたの為に、高額医療費貸付制度という無利子の貸付制度があります。
払い戻し金額のおよそ8割相当額を無利子で借りられます。
※詳細は、加入している健康保険にお問い合わせください。
参考→協会けんぽHP
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31716/1944-2531
そんな多額なお金立て替えられないあなたに② 限度額適用認定証
貸付制度も無利子とはいえ、借金だしなんか嫌だ…。そもそも限度額が決まっているならそこで支払いがストップすればいいのに。健保もお金を返すとか手間やん?!と思ったあなた!
正しいです。
どやあ
そんなあなたの為に、限度額適用認定証という制度があります ✨
印籠よろしく、病院の窓口に毎月1度この認定証を提出すれば窓口での支払いを自己負担限度額にすることができます。
つまり、抗がん剤治療を月に2回受けて本当は15万円支払わなければならないところ、アラサー平均収入会社員のあなたなら、およそ8万円の支払いですむということです!!!
※これはあくまで事例であって、入院、通院は別、歯科は別など一律に8万円というわけではないので詳細はご加入の健康保険にお問い合わせください※
申請方法は、所属の健保で確認してください。
きなこまめママは会社の人事経由で書類を申請して、2~3日で認定証を頂けました。
これのおかげで本当に助かっています。
日本ってすごい!
ちなみに、裏技ではないですが抗がん剤開始日は選べるなら月初がよいです。
なぜなら、抗がん剤を2回やって1回7万円で合計14万円かかった場合、同じ月でやればおよそ8万円の自己負担ですみますが、月をまたぐと7万円をそれぞれの月で払わなくてはならず合計14万円かかります。
同じ治療なのに、月をまたぐとかかるお金が変わります。
大きな治療はできたら月初でやる、これは鉄則!!
※制度の詳細は、加入している健康保険にお問い合わせください。
参考→協会けんぽHP
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat550/1137-91156
さらに手厚い制度があるかも?!付加給付制度
毎月の支払額もアッパーがかかって安心。と思っていたら、数か月後所属の健保からお金が振り込まれていたなんて事があるかもしれません。
そんなあなたはラッキーです。健保によっては付加給付制度を設けているところがあります。
付加給付の給付額は、加入している健康保険組合によって異なりますが、厚生労働省が指導している金額は、1人1ヶ月の自己負担限度額で25,000円です。
例えば、総額100万円の保険診療を受けた場合、窓口での支払いは3割負担の30万円となりますが、高額療養費によって実際には87,430円の支払いで済むことになります。
そこからさらに付加給付が行われ、自己負担限度額が25,000円であれば、高額療養費から自己負担限度額を引いた残りの62,430円を健康保険組合が負担してくれることになります。
出典→
http://www.paci-iryo.com/kenpo/613/
す、すごすぎる。8万円負担で済むだけでもありがたい上に、後から6万円返ってくるなんて。
これは健保独自の制度なので、必ずご加入の健康保険にご確認ください。
休んだ間のお給料はどうなる?
治療費自体はなんとかなりそう。でも治療や入院の時って有給がなくなったら欠勤扱いでお給料でないよね…。
その不安わかります。そんなあなたに傷病手当があります!
これは、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったときに、4日目から手当金がでる制度です。金額はざっくりいうと標準報酬月額の2/3。
※傷病手当についてはまた別途記事を書きます※
参考→協会けんぽHP
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139
まとめ→自分から申請しないと1円も保障されない!!
ここまでいろいろな制度で守られている日本。
ひと月の窓口負担が8万程度ですむなら、がん保険に入っていなくてもなんとかなりそうです。ほっと安心した筆者(アラサー平均OL 子育て中)でした。
アラサー平均会社員が乳がんになった場合、まずは健保や人事に「限度額適用認定証」を申請しましょう。
そして、付加給付があるかも合わせて確認しましょう。
有給消化しすぎちゃうのが怖い場合は、傷病手当の利用も考えましょう。
そして、ここまでの制度全てで言えることは
自分から申請しないとどの制度の恩恵も受けられないという事です。
制度については病院のソーシャルワーカーさんも相談に乗ってくれます。
私も病院で、医療費や傷病手当の相談をしてとても安心しました。
制度の概要を把握したら、人事や健保に問い合わせをする習慣をつけることが一番身を守ります。
そして、会社員の病気への一番の保険は「仕事を辞めない事」だと思いました…。
(特に付加給付のあるような会社の場合)
乳がんになっても、勢いで仕事を辞めず両立する方法を模索する事が賢明な判断だと思います。