青少年健全育成条例 Q&A

この問題のスタートは、多くの反対派が考えているよりも前から始まっています。
そして、ずっと他道府県で有害指定されているジャンルが存在し、一向に改まらず、東京ではそれらを指定出来ないため、指定できるように条文を追加したにすぎません。出版社側のいっている、自主規制が出来ているという発言や、対話がされなかったという発言は、実は正しくはないのです。詳しくは以下を読んでください。


青少年健全育成条例 関心がなかった人への説明用


それから、ここにある内容をみて、嘘だと叫ぶのはかまいませんが、嘘だとわかる


Q.
条例で犯罪を描いた漫画が読めなくなるのか? ワンピースや銀魂は??


A.
なりません。


第15編第6章青少年 東京都青少年の健全な育成に関する条例で現状の条文を確認してみてください。


http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_menu.html


第七条 図書類の発行、販売又は貸付けを業とする者並びに映画等を主催する者及び興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条の興行場をいう。以下同じ。)を経営する者は、図書類又は映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認めるときは、相互に協力し、緊密な連絡の下に、当該図書類又は映画等を青少年に販売し、頒布し、若しくは貸し付け、又は観覧させないように努めなければならない。


今、すでに有効な条文に "又は自殺若しくは犯罪を誘発し" という文言は入っています。これは、平成13年に追加されています。
それ以降10年近くこの条文で運用されています。つまり今規制されていないなら、規制されることはないと思ってください。
今回の改正は、今までの条文の運用を変えないために、新しい条文を追加したのです。


今までの前例が足かせになっていて、それから大きくハズレる運用はできないのです。
東京都は大きな役所であり、前例というのはとても大事なことなのです。
実際に、その条文で不健全図書となったものを挙げておきます。


青少年健全育成条例 残虐性・犯罪・自殺



また、ワンピースが引っかかるというネタの源についても調べてみましたが、次の Q&A で書いている通り、そもそも条文を無理やり切り刻んで解釈したもので、施行規則が出されて、そのようなことは無理だということは更に明白になっています。


Q.
条文がいくらでも拡大解釈できるようになっている。


A.
今回追加された第7条の二は以下の通りです。


二 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交
    若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは
    性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することに
    より、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を
    阻害するおそれがあるもの


上記の部分から、「刑罰法規に触れる」の部分だけを取り出して、拡大解釈が出来るということを言いたい方がいるようですが、「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為」であり、「刑罰法規に触れる」というような解釈は強引すぎますし、また、条例施行規則を読めば無理であることがわかります。


条例施行規則 第十五条より


イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条から第百七十八条の二まで、
  第百八十一条又は第二百四十一条の規定の違反行為
ロ 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
  (平成十一年法律第五十二号)第四条の規定の違反行為
ハ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十四条第一項第六号の規
  定に違反する行為
ニ 条例第十八条の六の規定に違反する行為


ここまで規定されています。この他の刑罰法規に触れることは、取り締まることは出来ません。
拡大解釈がどこまでも出来るなどということはありません。
他の部分でも実際に条例及び条例施行規則を読み直してから、どこに問題があるのか考えてください。



以下に抜き出してまとめたものを提示しておきますから、最低限これを読んでください。


青少年健全育成条例 条例・条例施行規則。 その他関連する法律


そして、ストーリーではなく、性描写が取り締まりの基準です。
未だに神話や過去の話を持ち出している人がいるようですが、エロを描くためにそういう題材を用いれば引っかかると思いますが、普通にストーリーを描くなら引っかかるものではありませんよ。
そういう普通に考えれば判る話を、無理矢理話をねじ曲げて、近親相姦の描写があればとか、未成年と性的関係を持つから引っかかるというようなミスリードをするのはやめてほしいものです。


Q.
石原都知事がマンガを嫌いだから、規制するに決まっている


A.
石原都知事は3期目であり、すでに11年以上都知事でいます。
しかし、今までそのようなことをして来ていない事実があることを理解してください。
それから、反対派の方が、読んでもないのに規制しようとしたと言われますが、
それはつまり、目に入っていないレベルなのです。嫌い以前なわけで、
からしたらその程度のものにいちいち関わる必要性はなく、そのことからも
石原都知事がマンガが嫌いだから規制がされるということはないと思います。


Q.
読んだこともないのに規制する必要があると言うのは偏見だ。


A.
東京都は非常に大きな地方自治体です。
色々な部局があり、それぞれが様々な案件を抱えています。
大きな組織というものでは、当然のことですが、全てをトップが理解して実行しているわけではありません。
単純に、この件についても、都知事が自ら関わるレベルのものではなく、対処すべき部署がきちんと行っているということで、進めているということだと思います。
普通に社会に出て、それなりの規模の会社に勤めていれば、これくらいは極々普通に理解できる理屈だと思います。


実物を見ていないというのは、2010/03の発言であり、その後見たようですが、最初の扱いから考えれば、都知事の意思ではなく、都庁の青少年課が大きな役割を担っていたのは明白です。


Q.
石原都知事の発言が許せない。


A.
彼の発言を直接聞いていますか?
ニュースなどから抜粋された内容で判断していないでしょうか?
世間で流れている発言が、そのまま彼の口から出たわけではないケースがあるようです。
まず、きちんと1次ソースに当たってみましょう。


調べたものをおいておきます。
青少年健全育成条例 「卑しい仕事」発言
青少年健全育成条例 「遺伝」発言
青少年健全育成条例 「DNA」発言


また時間がある時に、このレベルのものは書いて行きたいと思います。


Q.
警察権力の天下り先のために改正したんでしょう。


A.
審査をする第三者機関は、ずっと以前から存在しており、今回新たに作られるわけではありません。
そして、月1度の開催であり、専任の委員がいるわけではありません。
メンバーの一覧や、実際にどういう会議を行い、どんな本を不健全図書として指定したかも確認できます。


http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_kenzensin.html


現在の条例の条文が上にありますから、それを見て、実際にどういう本が規制されたのか確認してみれば良いと思います。
恣意的に色々指定する気なら、もう影響が出ているのが普通じゃないでしょうか。


Q.
違反するものを描いてはいけないのでしょう?


A.
いいえ、この条例では、条文に触れるものを18歳未満に販売することを禁止しているだけです。
そもそも18禁であれば対象外になります。
描いてはいけないとか、18禁で出していても対象になるのであれば、まずここが大きな声を上げるはずです。


http://www.akaneshinsha.co.jp/online/lo/lo-top.html


彼らが上げている声には耳を傾けるべきだと思いますが、それは今回の条例についてではありません。
それから、罰則を見れば、販売規制だけだというのがわかるはずです。


青少年健全育成条例 罰則まとめ


Q.
コミケはどうなるの?


A.
まず、同人誌は規制対象外であるということを理解してください。
委託販売で店頭で売られている同人誌は、流通に乗っていることになるので対象となりますが、
コミケのような同人の販売会は対象外です。
また、18禁であれば、そもそも対象になりません。
これらは、東京都が作成した回答集に書かれています。
また、条例の条文を理解すれば、販売会が規制出来ないことも理解できるはずです。


青少年健全育成条例 コミケは?


Q.
AV を規制すべき


A.
この条例は青少年のための条例であり、青少年には売られることがない18禁のものについては対象外です。


Q.
区分販売されているから、未成年が買える本は問題がない


A.
不健全図書は、区分販売されていない本を買い集めた中から指定されています。
それから、東京都が一番規制がゆるいため、他道府県では規制されているものも規制されず
区分販売されていないということを理解してください。
道府県有害図書となっている TL誌や、BL誌が東京では普通に本屋やコンビニに置かれています。


Q.
今のままの条例でも取り締まれるんじゃないの? なんで改正したの?


A.
現行の条文は、長く使われてきて、そして、それによって、使い方が固定されてしまっています。
そのため、ここで使い方を変えた場合、恣意的に使われていると言われてしまう危険性があるので、
新しい条文を用意しようということです。
これは、春先に出された回答集に書かれています。他にも同じような意味の発言をしている議事録もあります。


青少年健全育成条例 条文追加の必要性について


Q.
東京がこういう規制をすると全国に広まる


A.
現在、東京が最も規制が緩い地方自治体なのです。
道府県では、ある決まった量の性的な描写があれば、自動的に有害図書となる包括指定がありますが、東京ではそれはありません。
今まで他道府県有害図書だったものが東京では指定されない状態です。
それをカバーするための条文の追加だと考えてください。


Q.
ゲームも規制されるようになってる


A.
元々ゲームを規制する条文は存在しています。
今回は、条例の改正に合わせて、その部分も改訂しただけです。
内容的には、もともと18禁であり、対象にはならないと考えていいと思います。
18禁な内容を全年齢向けに出せば、規制される可能性はあります。


青少年健全育成条例 電磁的記録媒体に記録されたプログラム


この件や都の職員の説得が違憲な政治活動だとかいうのは PJ ニュースを元にしていると思いますが PJ ニュースの信頼度は、個人ブログと大差なく、それを元に検証もせず騒ぐのはやめた方がいいと思います。


ここより上の質問について知らずに騒いでいた人は、東京都がだした回答集や、新旧の条文などをきちんと読んでください。
事実を調べず、嘘に乗せられて騒いでいるのは、結構恥ずかしいことだと思います。


東京都が作成した 回答集は以下から見ることができます。
条文が以前の物だといいますが、東京都が行いたいことは一緒ですので、参考になります。


http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/04/20k4q500.htm


条例の新旧比較は以下から参照できます。


http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/08_kaiseijourei_kisoku.html


Q.
15万の署名を無視して議決された。


A.
東京都の主権者は、東京都民です。
それ以外からの意見によって、左右される方が余程問題となります。
また、実際に議員たちはそれぞれの地元に支持者がおり、その方たちからの意見も尊重しなければなりません。


名古屋市議会のリコール運動の流れを見れば、署名の有効性を確かめる作業に多くの日数が必要であることがわかるはずです。
有権者の数の確認の出来ていない署名に左右されるような議会ではなかったことは、民主主義的に正しいと思います。
手順を踏んで署名を集めて提出されれば良いと思います。


ただ、改廃請求でも、20万以上の有権者が必要になりますが。


実際に、議会は賛成多数で条例の改正を可決しました。
これがどういう意味をもつのかしっかり考えてください。
反対することよりも、賛成することの方が、それぞれの党の支持者の意見を反映しているという判断を、賛成をしたそれぞれの党が行ったということです。
それはつまり、党に属する人々の間での多数の意見だということにもなるのです。
1つの条例についてだけ自分たちの意見を聞けというのは、普段から支持してくれている地元の支援者を蔑ろにする行為を議員に行えという行為であり、あまりにも愚かしい要求です。
顔の見えない署名よりも、自分を支援し盛り立てくれる人々を大事に思うのは議員としては当然のことだと思います。


※ 何やらツイッターで、15万の署名があったという発言をしていないから、取り消せ的なことを言われたので書かせてもらいますが。
  元々これは、mixi で書いていたものが元になっています。そして、mixi の日記でのやり取りで何度か15万の署名を無視した、民主主義を冒涜したなどという戯言を書かれたことがあるため、これを書いた経緯があります。
  実際に、検索しても、15万の署名を無視したという意見を見つけることが出来ます。


Q.
取り締まりが厳しい国ほど、性犯罪が多い。


A.
東京と比較し、長野を除いた残りの45道府県は、より強い条件で有害図書を指定します。
それらの道府県では、東京よりも性犯罪の発生率は高いのでしょうか?
条件が違いすぎる他の国と比較することに意味があるとは思えません。
それから、規制が厳しくなると犯罪が増えるという主張は、規制されるマンガを読んでいるのは犯罪者予備軍であるという意味にも取れるので、あまりこの論調は勧められません。
目の前の事だけではなく、その発言の意味をしっかり吟味してから発するようにしてください。
それから、元々18禁の物は規制対象外ですよ。わかってます??


Q.
弁護士会が反対声明を出している。


A.
弁護士会は、一部の犯罪の時効撤廃の時にも反対声明を出しています。
高校無償化の時に、朝鮮学校を除外することにも、死刑の執行にも、
自衛隊ソマリア沖派遣にも反対声明をだしています。
彼らのルールは、一般人のルールとは少し違います。


法律の専門家ではありますが、正義の番人ではありません。


日本弁護士連合会会長声明集


それから、もう既にそれは反故になったのではないかと思いますよ。
青少年健全育成条例 日弁連の会長声明


Q.
実写が対象外なのはおかしい


A.
ここにある議事録の6ページ目中頃を読んでください。


平成16年くらいまではビデオの審査をしていたそうですが、それ以降は、審査をすることがなくなったそうです。
ビデオを売る自販機への規制とビデ倫の自主規制などのせいのようです。


実際に自主規制がきっちりと効いていれば、このように信頼されて任せておけば良いとなるという証左だと思います。


Q.
業界の自主規制は出来ている、規制を強める必要はない


A.
とても出来ているとは思えません。
こちらをきちんと読んでください。
ついでに言うと、業界の自主規制団体に自主規制について聞くと、必ず、成人向けのマークの話や、グレーゾーン誌をテープで封をしているという話をするのですが、内容については言及していないことに気付くはずです。


彼らの言う、自主規制出来ているは、内容についてではないのです。
求められている自主規制は、内容に関わることです。
内容に関わる自主規制のルールがあるのであれば、どういうルールで18禁と全年齢をわけているのか、きちんと分かる資料を提示してください。
そして、それに照らし合わせて、東京都や他道府県で不健全図書や有害図書に指定されたものがきちんとそのルールに則っていたか検証して示して貰いたいと思います。


Q.
条例の可決まで、きちんと対話がなされなかった。


A.
青少年健全育成条例 東京都と出版業界の対話を読んでください。
対話を出版業界側から拒否しています。


パブリックコメントを求めた時も、また意見交換会の時も、東京都はレイティングについて話を進めようとしています。それを出版側が拒否している状態です。
対話がなされなかったのではなく、東京都からすれば、次に話をするならレイティングについてきちんと資料を提示することが必要だと考えているが、出版側がそれに応じないという形で止まっていると考えた方が良いと思います。
自主規制が出来ているというのであれば、客観的にわかる資料を提示すればいいだけの話です。


Q.
犯罪率とのデータがないのに、規制するのは問題がある。


A.
東京都が出した回答集の5及びに15を読みましょう。
性犯罪の発生を防ぐのがメインの目的ではありません。
結果として、結び付くのではないかと思います。


個人的には、こういう風に理解しています。
青少年健全育成条例 私が支持する理由


筋道をたてて、きちんと資料を提示し、そして反論してくれるならいいですが、部分部分を取り上げて、単に感情的に反論するのはやめてほしいものです。逆にそこしか反論出来ないという風にも受け取れます。


規制が恣意的に行われるというのであれば、まともになるほどと思うような資料と筋道をたてた話をしてくれれば良いだけなのですが、それが出来る人をみたことがありません。
内輪だけで、そうだそうだと言い合うのでは、世間では受け入れられないのです。


エロを一切規制する必要がないという方は、別に戦うものがいっぱいあるでしょうから頑張ってくださいとしか言えませんので、あしからず。

都知事選が終わってしまいましたが、言いたかったことを。

ブログは久々のアップです。
東日本大震災の被災者の皆様にお見舞い申し上げます。


何もなければ、東京都知事選に石原慎太郎氏が出馬を表明したことで、このブログで色々書いていたはずなのでしょうが、出馬表明のあと直ぐに、地震が起こり、正直、エロマンガの規制なんて、どうでも良いことも1つになってしまいました。


東京都知事選も終わり、震災から一ヶ月が経過しましたし、ちょっとだけ書いてみようかと思います。


反石原に凝り固まった人々は、条例の白紙撤回を宣言する共産党の小池氏を推すような流れが、当初はありました。
しかし、議会で圧倒的少数である共産党では、そもそもそんなことを実行するのは不可能であることは論議されず、みんなで投票するればというような話ばかりでした。
実際、共産党の票数は60万前後であり、これに20万以下でしかない規制反対派の票が流れても、どうにもなるものではありません。その時点で、現実が見えていないと思うのですが。。。


さて、そこに東国原英夫前宮崎県知事が、東京都知事選挙に出馬すると、反東京都青少年健全育成条例派は、東国原氏の言う条例見直しという言葉を信じてなのか、石原慎太郎氏が落選することだけを願ってなのか、彼を押す声があがりました。


「あの漫画条例を行政でコントロールしなきゃいけないのか。検閲ではないか。コンテンツ産業、文化は日本経済の要。ここをつぶす気か」と、条例見直しに言及した。


というような発言が報道されていましたしね。


しかしですね、彼の言っていた発言については、実際に氏が知事を務めていた宮崎でどんなものを有害指定してきたか確認した方がいいんじゃないのかと思うわけですよ。


ということで、20009年度の有害指定の状況を抜き出してみました。
宮崎県では、宮崎県青少年健全育成審議会が年に4回開かれているようでして、毎月開かれる東京都からすると頻度は低いようです。
そして、一応議事録は公開されていますが、発言者が誰かは伏せられており、また、審議会は非公開になっています。


http://goo.gl/NGllx


で、実際に個別指定されたものは、公報で公示されることで、確認をすることができます。
以下に、2009年度の公報の内容を載せておきます。


宮 崎 県 公 報 平成 21 年 6 月 11 日(木曜日)第 2090 号


21年-1 書籍 BOY’S ピアス 5月号 (平成21年5月1日発行)株式会社ジュネット 平成21年6月2日
21年-2 書籍 コミック JUNE 6月号(平成21年6月1日発行)株式会社ジュネット
21 −3 書籍 Bug Bug 5月号(2009年5月1日発行) 株式会社サン出版
21 −4 書籍 テックジャイアン(平成21年6月1日発行)株式会社エンターブレイン
21 −5 書籍 月刊メガストア 6月号(2009年6月1日発行) 株式会社コアマガジン
21 −6 書籍 コミック 真激 6月号(平成21年6月1日発行)クロエ出版
21 −7 書籍 熱写ボーイ 6月号(平成21年6月1日発行)株式会社東京三世社


宮 崎 県 公 報 平成 21 年 8 月 27 日(木曜日)第 2112 号


21年−8 書籍 コミック JUNE 8月号(平成21年8月1日発行)㈱ジュネット平成21年8月19日
21 −9 書籍 DVD JUNE 8月号(平成21年8月1日発行)㈱ジュネット
21 −10 書籍 BLゲーム完全ガイド(2009年5月10日発行) インフォレスト株式会社
21 −11 書籍 Sweet プチ 2009.7(平成21年7月1日発行)笠倉出版社
21 −12 書籍 miniパラVOL.34「ウーマン劇場女の感動物語8月増刊号」− 2 −(平成21年8月6日発行)竹書房
21 −13 書籍 miniシュガーVOL.4「漫画ボン9月号増刊」(平成21年9月2日発行)株式会社 秋水社
21 −14 書籍 絶対恋愛Sweet 2009.8(2009年8月1日発行) 笠倉出版社
21 −15 書籍 恋愛ラブレボ「恋愛白書パステル8月号増刊」(平成21年8月1日発行)宙出版
21 −16 書籍 みやざきあそパラ遊本パラダイス8月号No.5(平成21年7月27日発行)株式会社ビーコン
21 −17 書籍 シティヘブン九州版8月号(平成21年8月1日発行)株式会社ダブリュケイコーポレーション
21 −18 書籍 月刊ダウンタウン鹿児島&宮崎版(平成21年7月1日発行)ダウンタウン鹿児島/宮崎編集部
21 −19 書籍 宮崎ナイトプレスVOL10 2009.AUG(平成21年7月10日発行)トライデントみやざきナイトプレス
21 −20 書籍 月刊えんじぇるぷれす VOL.73 7月号(平成21年7月1日発行)㈲メディアワークス えんじぇるぷれす編集局
21 −21 書籍 チャンプロード8月号 通巻 262号(2009年8月1日発行) ㈱笠倉出版


平成 21 年 11 月 2 日(月曜日)第 2130 号 宮 崎 県 公 報


21年−22 書籍 コミック JUNE 10月号(平成21年10月1日発行)株式会社ジュネット平成21年10月20日
21 −23 書籍 恋愛熱情 ラブパッション(発行日不明)一水社
21 −24 書籍 まんがグリム童話 11月号(平成21年11月1日発行)ぶんか社
21 −25 書籍 微熱SUPERデラックス(2009年10月15日発行)セブン新社
21 −26 書籍 Sweet プチ 2009.11(2009年11月1日発行)笠倉出版社
21 −27 書籍 miniパラ 10月号(平成21年10月5日発行)株式会社 竹書房
21 −28 書籍 miniシュガーVOL.5 「漫画ボン11月号増刊」(平成21年11月2日発行)株式会社 秋水社
21 −29 書籍 恋愛天国パラダイス 11月号(平成21年11月1日発行)株式会社 竹書房
21 −30 書籍 b−BOY Phoenix⑯(2009年1月30日発行)リブレ出版株式会社
21 −31 書籍 チャンプロード11月号 通巻 265号 ㈱笠倉出版社(2009年11月1日発行)


宮 崎 県 公 報 平成 22 年 2 月 4 日(木曜日)第 2156 号


21年−32 書籍 無敵恋愛S*girl 2月号(平成21年12月28日発売)ぶんか社平成22年1月25日
21 −33 書籍 miniパラ 2月号(2010年1月5日発行) 株式会社竹書房
21 −34 書籍 BOY'S LOVE 2月号(平成22年2月1日発行)㈱ジュネット
21 −35 書籍 職業・殺し屋。第1巻(2009年4月15日発行) 株式会社白泉社
21 −36 書籍 チャンプロード 2月号 通巻268号(12月25日発売)    ㈱笠倉出版社
21 −37 書籍 鬼畜眼鏡公式ビジュアルファンブック(2008年9月30日発行) 株式会社エンターブレイン


年4回で37冊の指定があり、一部には、18禁のモノも含まれています。
2009年度の東京都の不健全指定の本の数は、28冊になっています。
個別指定では、東京都よりも宮崎県の方が指定された数が多いわけです。
そして、よく見れば分かるとおり、TL, BL という東京都が狙いを付けているジャンルがすでに個別で指定されているわけです。


更に、宮崎県は包括指定も併用しています。


条例施行規則より


第 3 条 条 例 第 1 3 条 第 2 項 第 1 号 に 規 定 す る 規 則 で 定 め る 内 容 は 、 次 に 掲 げ る も の と す る 。
( 1 ) 全 裸 、 半 裸 又 は こ れ ら に 近 い 状 態で の 卑 わ い な 姿 態 で 、 次の い ず れ か に 該 当 す る も
の ( 陰 部 を 明 ら か に 連 想 さ せ る よ う に 陰 部 を 覆 い 、 ぼ か し 、 又 は 塗 り つ ぶ し た も の を
含 む )。
ア 陰 部 の 部 位 を 誇 示 し 、 又 は 露 出 し た 姿 態
イ 自 慰 の 姿 態
ウ 愛 撫 の 姿 態
エ 排 泄 の 姿 態
オ 緊 縛 の 姿 態
( 2 ) 性 交 又 は こ れ に 類 す る 性 行 為 で 、次 の い ず れ か に 該 当 す るも の ( 陰 部 を 明 ら か に 連
想 さ せ る よ う に 陰 部 を 覆 い 、 ぼ か し 、 又 は 塗 り つ ぶ し た も の を 含 む )。
ア 男 女 の 性 交 又 は 性 交 を 連 想 さ せ る 行 為- 2 -
イ 強 姦 そ の 他 の 凌 辱 行 為
ウ 同 性 間 の 性 行 為
エ 変 態 性 欲 に 基 づ く 性 行 為


これが、全体の 1/3 を占めると、包括指定に引っかかります。
まあ、全国の包括指定の中ではかなり緩いので、数は多くはないでしょうが、個別と包括の2本立てで規制をしてきていたわけです。


さて、宮崎で東国原氏が公報で有害だとした本のリストと、東京都が不健全だと指定した本のリストを比べてみて、どちらが厳しい規制なのでしょうか?
東京都の新しい条文の部分が有効になっても、宮崎県が有害とする範囲(個別+包括)より厳しいとは思えないのですが。
もし、東国原氏が、東京都の条例が厳しいとするのであれば、彼は宮崎の青少年には見せてはいけないとしたものを、東京都では見せてよい、しかもそれは、コンテンツ産業を潰してはいけないという理由だというなら、問題なのではないでしょうかね。


東国原氏が、東京の条例と規制の実情を理解しないまま、人気取りのためにそう叫んだというのが一番ありそうな線ですが、それはそれで、やはり政治姿勢としてあまり褒められるものではないだろうなと私は思います。


まあ、結果として、石原氏が4選を果たし、また、都議会の補欠選において、自民の候補が勝利したことで、都議会でも自公が多数派になったので、この条例の問題は、ある意味では収束してしまったと言えると思います。


個人的には、もっと厳しいルールを設けてほしいと思っているので、どうなるか見守りたいと思います。

青少年健全育成条例 ジャーナリスト長岡氏の発言。

長岡氏は、業界の自主規制を条例に組み込まれたことに業界は不信感を募らせたという趣旨の発言をしています。
ですが、本当に表示図書について条例に組込んだことは、業界にとって不利なのかという点が気になったのです。


何を言ってるんだと思った方、元々自主規制で行っていたことを条例に組み込むと、何かデメリットがあるのかを、まず考えてください。
強制されることと気持ち的にというのは、あるかもしれないですが、実際のデメリットというのはないのではないでしょうか。
区分販売が強制されるということを言いたい方がいるかもしれないですが、ここがポイントです。


条例に組み込まれることで、表示図書が区分販売されていない場合には、販売店に対する罰則が適用されるようになりました。
条例に組み込まれていない場合、その自主規制を守らない書店があった場合、どうなるか考えてください。


青少年が手に入れられるということで、不健全図書に指定される危険性が生まれるわけです。
実際に、区分販売が徹底される前には、表示図書で不健全指定されたものが存在しているという話があったと聞き及んでいます。
実際には、打合せ会で弾かれると思うのですが、その場合、条例で売ることに対して規則を設けていないと、そういう本を未成年に売られても、東京都は何も手を打てないことになるので、組み込みは必須なわけです。


と、結果からみた場合、18禁を出す側からすれば、安心して出せる状況が出来ただけな気がするのです。


次に、自主規制のルールを出した場合、条例に組み込まれるという発言ですが、これもかなり偏っている発言だなと。


東京都が求めていたのは、どういう表現で表示図書、グレーゾーン、全年齢を区分けしていくか部分であり、これは表現的な意味合いをもつため、これを条例に組み込むというのは、それこそ表現規制であり、東京都が行うとは到底考えられません。


実際にゲームの場合には CERO と共同で作業を行っています。
ですから、こんなページもあるわけです。


出版側がきちんと自主規制のルールを提示し、それが妥当であると判断され、守られるのであれば、このようなことになると思うのですが、東京都が条例に組み込むに違いない!となってしまっています。


なんでもかんでも東京都の行動は悪意に満ちているとするような言動は、あまりいただけないなと思ってしまいます。

青少年健全育成条例 フライデーの記事に対する山口弁護士のコメント

フライデーに掲載された、角川書店社長 井上伸一郎のインタビューのその中に、以下のような部分があります。


 成人向けマンガの猥褻性が争われた松文館裁判( '07 年判決)で主任弁護人を務めた山口貴士弁護士が指摘する。


「まず"不当に賛美し又は誇張する"という表現が曖昧すぎますし、規制対象も拡大できる。"刑罰法規に触れる"とはすべての犯罪行為を指しますから、18歳以下の性交も対象となってくる。また、"婚姻を禁止されている"という文言から、ゲイ、レズビアンといった同性愛関係も対象になる。『非実在青少年』に対象を絞った改正案より範囲が広くなっています」



これに対して山口弁護士が、ツイッター上でコメントをだしています。


コメントその1 コメントその2


2つを繋げたものは以下の通り


明日(2月10日)発売予定のFRIDAYp84に、山口貴士名義のコメントが掲載されていますが、これは私への取材なしに作成されたコメント案であり、私のコメントではありません。コメント案に対し、修正を依頼され、私は記者宛にメール送信しましたが、何故か、修正前のコメント案が掲載されました。なお、記者からは、私宛に丁寧なお詫びの連絡がありました。 前のtweetだとFRIDAY編集部に悪意がないことが伝わり難いと思いましたので、改めて、tweetしました。



これを見る限り、不当に賛美し又は誇張するという表現部分が曖昧であるという指摘や、すべての犯罪行為が含まれるとしたこと、また、同性愛者も対象になると言ったことを撤回したと受け取られても仕方ないのですけれど、修正案を出したなら、それを出して今はどう考えているかアピールしないのでしょうね。


現時点では、どう考えているのかきちんと言ってあげないと、以前の発言を信じて反対している人たちが梯子を外された状態になっていると思うですが。仲間だったんじゃないのでしょうか。


また、散々声高に主張してきたんですから、撤回する時も、最初に広めた範囲に届くようにきちんと大きな声で言うべきだと思うんですがね。


何を言うのも自由ですが、それが間違っていたと認めたのであれば、責任をもって、前言を訂正する必要があるのではないかと思います。


以下、賛成派の恣意的な妄想。


講談社と山口弁護士の間では、話しが付いていて、実はああいうコメントが出ることは了承済みだった。
そして、出た後に、山口弁護士が小さな声で、私のだしたコメントじゃないと言うことで、山口弁護士が言ったわけではないという逃げ道作り。
しかし、大きくはそれを言わないことで、フライデーで報道された事は、詳しく知らない人には、まるで本当のようかに伝わる。
如何にも東京都が漫画を弾圧しようとしているかの如くイメージを作ることに成功。


講談社も当事者だし、中立的な立場で情報を流すわけないんだけど、それは問題を理解している人にしかわからないわけで。


山口弁護士が絡んでいないとしても、こういうやり口は、すごく悪質だと感じます。

青少年健全育成条例 「DNA」発言

さて、石原都知事の発言擁護シリーズ第3弾です。


DNAが狂っている発言をチェックしてみたいと思います。


で、ソースは、掲載が終わってるのでまとめサイトにあったものをコピペ。



性描写漫画「一利もない」=規制条例の成立で―石原都知事


 東京都の石原慎太郎知事は17日の記者会見で、過激な性描写のある漫画などの販売を
規制する都青少年健全育成条例改正案が成立したことに関連し「世の中には変態って
やっぱりいる。気の毒な人で、DNAが狂っていて。やっぱりアブノーマル。幼い子の
強姦(ごうかん)がストーリーとして描かれているものは、何の役にも立たないし、
(百)害あって一利もない」と述べ、規制の必要性を改めて強調した。
 また「何もそういうものを描いてはいけないと言っているわけではない。子どもの目に
さらさないように処置をしただけだ」とも述べ、規制に対する理解も求めた。 


■ソース: 時事通信 2010年12月17日(金) 16時40分配信



ざっと読んで個人的に思ったこと。DNAが狂ってる以外は、正しいんじゃ。
それから、後段の「何もそういうものを描いてはいけないと言っているわけではない。子どもの目に さらさないように処置をしただけだ」というのは、重要なポイントだと思うんですがね。
そういうモノを嫌悪しているにも関わらず、それ自体を規制するのではなく、子供に見せるなとしか言っていません。


まあ、これだけでもいいと思うんですが、それだと余りに芸がないので、もうちょっとお付き合いを願います。
前の遺伝発言のチェックの時に、東京都の情報公開は素晴らしいと言いましたが、ここでそれを披露します。


2010/12/17 記者会見の内容 テキスト版


http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/KAIKEN/TEXT/2010/101217.htm


以下、一部引用
※ 質問者は、週刊朝日の記者の方です。
  これは、動画の方から確認できます。


【記者】先日の本会議で可決された青少年健全育成条例について伺いたいのですけれども、知事は以前に、『真実の性教育』というご著書の中で、いかなる書物であっても、子供たちを犯罪や非行に教唆することはないと。仮に好ましくない本がこの世から消えたとしても、犯罪も逆になくならないというようなお考えを述べていらっしゃるのですが、そのお考えは今はどう変わられたのでしょうか。


【知事】それは大分違いますね。その頃、私、間違っていましたね。 今日これほど、何となく世の中が狂ってきて、変態というものを是認するみたいな著書というのは、あの頃はあまりなかったんです。あなたの雑誌で、あんなもの載せますか。


【記者】ちょっとうちの読者には受けないので、載せないと思いますけれども。


【知事】そうでしょう。あなたのところの新聞じゃなく、テレビでも、こういうものが問題になっているんですという、あの漫画そのものを、その画面に映しますか。


【記者】テレビでですか。でも、あれは出版というメディアが違いますよ、今回は。


【知事】いや、テレビで映せますかと。限られた人間が対象にするような、コンビニに売っている書棚じゃなく、一般不特定の人たちがたくさん見るテレビで、ああいうものを画面にさらせますか。

【記者】それは、その時の判断だと思います。


【知事】場合によったら載せる?網かけせずに。


【記者】その必要があると判断すれば載せるのではないでしょうか。


【知事】載せたら、本当に世間はもっと分かってくれるよ。これなら当たり前だと、規制をするのは。何も、そういうものを描いてはいけないと言っているんじゃないんだから。子供にさらさないようにということの処置をしただけで。世の中に変態はやっぱりいるから、気の毒な人で、DNAが狂っていて。そういう人たちが、そういう嗜好で、それを読んだり、描いたりすることにエクスタシーを感じるのは、それは結構です。しかし、西洋の社会では、あんなもの認められないと思うけれど。日本は開け広げになり過ぎたから。だけど、やっぱりアブノーマルでしょ。


【記者】今の続きを伺いたいのですが、このご著書を書かれた時から、それはどういうふうに変わられたのでしょうか。いつ、どのタイミングで。


【知事】物事、こんなにひどくなかったよ、あの頃は。


【記者】今は、ひどくなったからお考えが変わったと。


【知事】それが度を越していると思います。


【記者】どのあたりが度を越しているという風にお考えなのですか。


【知事】例えば、ナボコフの『ロリータ』なんて小説に、川端康成さんは非常に影響を受けて、妙な小説書いたりしたけれど、あれだって、当時、ショッキングだったけれど、あの程度だったら、叙述の美しさもあります。だけど、あんなにあからさまに、7〜8歳の女の子と男が結婚できることもないし、また、そういう幼い子供を強姦することが、あり得べきストーリーとして描かれるということを、私は、あんなものは、何の役にも立たないし、害があって一利もないと思います。


すごく真っ当な発言をしていると思います。少なくとも、東京都がどうにかしたいと思っているものを理解しているならば、この発言のどこが問題なのか私には理解できません。


「そういうのが好きな人が勝手に楽しむならいいけれど、子供には見せてくれるな。」


これが、石原都知事が言いたいことだと、私には読み取れます。
DNAが狂っているの部分は確かにちょっといただけませんが、そこをクローズアップして他の部分を打ち消さなければならないほど、この発言が真っ当だってことなんじゃないんでしょうか


そして、大事なことですが、個人的には嫌いだとは言ってますが、それ自体を大人が楽しむのは構わないという点です。反対派が石原都知事を非常に狭量に思っていますが、実際には自分が嫌いだからそれを排除するではなく、それとは別の観点で、子供には見せないでくれと言っているように私には読み取れます。
賛成派の恣意的な視点のせいですか??


しかし、記事での発言の編集具合は、かなり頂けない感じがしますね。
もう少しうまく纏められないんでしょか。


以下は、直接知事の発言に関わる話ではないですが、大事なことなので。


石原都知事が言うように、問題にしたマンガを、しっかり映して広めることが出来れば、東京都は本当に楽になるだろうと思います。
ただ、この点については、東京都は必要以上に広まることを出来る限り抑えることをしていると思います。調べれば調べるほど、そう感じるのです。


何故かこの規制に反対している人たちは、東京都が女性向けの漫画に問題があると発信しているにも関わらず、それを見ることを避けています。そのことをもっと大きな声を上げて知らせれば、反対している人たちの声を抑えていくことが出来るはずですが、なぜかしません。


また東京都は、電子コミックに問題があることも理解していますが、現状では規制する方法がないため、表立ってそれを言ってはいません。
しかし、もし仮に東京都が、携帯コミックのティーンズラブのサンプルを見てください、こんなに酷いんですと声を上げたら、きっともっと話は簡単になるはずです。


それらをしないという時点で、非常に抑制的に動いていると思います。
無関心でいる層の注意を引いて、無駄に騒ぎを大きくし、前にあった有害コミック騒動のようなことを起こす危険性を避けているようにしか見えないのです。


ただその場で反対するのではなく、もう少し広い視野と長いスパンでモノを考えても良いのではないでしょうか。

青少年健全育成条例 「遺伝」発言

さて、結構揉めてる石原都知事による同性愛者差別発言の話なんですが。


まあ、どうでもいい愚痴からはいらせて貰います。
青少年健全育成条例関連で、ネットで資料を探す場合、東京都というか、行政の資料ってのは、物凄く簡単に見つかるんですよ。
東京都の情報開示のレベルの高さってのは、かなり良い評価をしてもいいんじゃないかと思うレベルなわけですが。
まあ、ただ、公式なんちゃらってケースに限られるのが問題でして。


で、まず、この遺伝子が発言の発端となるのは、2010/12/03 の PTA の陳情に対する発言のようです。


東京都小学校PTA協議会は3日、過激な性描写のある漫画やアニメの18歳未満への販売を規制する都青少年健全育成条例改正案の早期制定を求める緊急要望を都庁で石原慎太郎知事に提出した。
これに対し、知事は「性に開放的な海外でも子どもは対象外。(日本は)野放図になり過ぎている」と述べ、同改正案の必要性を強調した。(時事通信)


毎日新聞


青少年健全育成条例改正案:PTA団体など、都に成立求め要望書 /東京
 ◇反対派も会見


 都内のPTA団体などが3日、都青少年健全育成条例改正案の成立を求める要望書を都に提出した。
石原慎太郎知事は「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。
日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」と応じた。


 要望したのは、都小学校PTA協議会(都小P、加盟248校)▽都私立中学校高等学校父母の会
中央連合会(同246校)など5団体。都小Pの新谷珠恵会長が「児童を性的対象にすることが野放し状態。
子供を健やかに育てるため、社会の力を借りないと環境整備できない」と説明した。


 一方、学者や評論家らは改正案への反対を訴えて都庁で記者会見した。藤本由香里明治大准教授は
「時代物やSF漫画のキャラクターにも現代日本の刑罰を適用するのか。現実とフィクションを区別しない
危険な発想だ」と強調した。児童文学者の山中恒さんは「日本の官僚は拡大解釈にたけている」と危惧した。【真野森作】


PTA 「児童を性的対象にすることが野放し状態。 子供を健やかに育てるため、社会の力を借りないと環境整備できない」
都知事 「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。 日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」


報じられたものを見る限り、PTAからの陳情があって、その時に行われた会話から報じられていると思うのですが。話が繋がらないんですよね。
何か端折られている気がします。時事通信が報じている言葉だと、PTA からの発言とつながるわけですが。
それから、毎日新聞では、藤本由香里氏の発言を載せていますが、この会見ついては、すでに言及済みなので、そちらも目を通して貰えると助かります。


さて、この4日後に、遺伝子の発言が報道されることになるわけですが。
これを報道しているのが毎日新聞しか見つけられませんでした。


東京都の石原慎太郎知事は7日、同性愛者について「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。 マイノリティーで気の毒ですよ」と発言した。石原知事は3日にPTA団体から性的な漫画の規制強化を陳情された際、「テレビなんかでも同性愛者の連中が出 てきて平気でやるでしょ。日本は野放図になり過ぎている」と述べており、その真意を確認する記者の質問に答えた。


7 日の石原知事は、過去に米・サンフランシスコを視察した際の記憶として、「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女の ペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする」と話した。


同性愛者 のテレビ出演に関しては、「それをことさら売り物にし、ショーアップして、テレビのどうのこうのにするってのは、外国じゃ例がないね」と改めて言及した。 【真野森作】




さてと。まず、3日にされた発言についてですが。


「テレビなんかでも同性愛者の連中が出 てきて平気でやるでしょ。日本は野放図になり過ぎている」と述べており


"子供だけじゃなく"が何故か削られて、微妙に繋ぎが変わってますね。
PTAからの言葉も無くなっているので、意味合いが全くかわっているように見えます。


それから、おかしいんですよね。
石原都知事が発した発言は「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女のペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする」


しかし、最初に東京都の石原慎太郎知事は7日、同性愛者について 「どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」とあるので


合わせるとこうなります。


「ゲイのパレードを見ましたけど、見てて本当に気の毒だと思った。男のペア、女のペアあるけど、どこかやっぱり足りない感じがする。遺伝とかのせいでしょう。マイノリティーで気の毒ですよ」


男のペア、女のペア。 これについて、何か足りない感じがすると言っているわけです。
そして、そう感じる理由が「遺伝とかのせいでしょう。」という流れなのではないかと思うんですが。
最後の「マイノリティーで気の毒ですよ」は、そういう人々への同情なのではないですか?



石原都知事は、良くも悪くも古い価値観の持ち主ですから、そこから考えた場合、男女で結婚し、子供を残すことが普通だと思っているのではないのでしょうか。
そして、それが出来ない同性同士のペアに対して、そういう事ができないから、そこを物足りない感じがすると言ったのではないかと。
子孫を残す行為をしていく行為を当然だと感じている部分を、遺伝とかのせいでしょうかと言ったのでは?と思ってしまうわけです。
そして、それが出来ないから、気の毒だと繋がるのでは?


それから、テレビについての部分は、正直石原都知事の「それをことさら売り物にし、ショーアップして、テレビのどうのこうのにするってのは、外国じゃ例がないね」という発言ですが
別に同性愛者だけではなく、色物芸人とかが増えすぎているのは事実だと思うので、もうちょっと中身のある奴を出せって意味では激しく賛成したいところです。


で、あれです、お前の妄想だろうと言われたら、はいそうです、仮定ばっかりです。ええ、恣意的な解釈だと言われたらそうだと認めます。


ただ、この報道のされ方も、文言の切り取り方や見出しのつけ方は恣意的であり、石原氏の言葉の裏にある真意をはかる行為をしていない時点で、私の書いた妄想と変わらないわけです。

青少年健全育成条例 業界自主規制団体への意見聴取結果

まあ、まずは、ネタふりとして、2月に不健全指定されたマンガのチェックを。


愛恋千鳥1巻/ジェームスほたて


アキバブログで取り上げられていたので、内容はそちらで見てください。
下の方でこれについてツイッターで呟かれている内容もチェックしておいてください。


作者がツイッターで何か言ってます
突込みどころ満載ですが、一番気になったこと。
作者のサイトからですが。


"他はまあ、エロは大人のドリームって事で納得していただけると嬉しいです"


エロは大人のドリームなら、成人向けでやれよとしか。


などなど言ったところで、審議会の議事録などはまだ上がってないので、近代映画社つながりということで、
10月に不健全図書指定されたモノの検証を。


東京では、不健全指定するマンガについて、審議会にはかるまえに、業界自主規制団体に対してい意見聴取を行うように条例で定められています。
で、その意見聴取の結果ってのが、なかなか凄いので、サンプルを見ながら比較するということは、きちんと検証すべきことの1つだと私は思っています。


ニュースのお時間ってマンガです。
作者サイトにサンプルがあります。


いくつか並んでいて見ていくと、「クリックでモザイク外れます※18歳未満はクリック禁止」とのこと。じゃあ、全年齢で出すなよとしか。


で、大事なのは、ここから。
業界自主規制団体への聞き取りの結果は以下の通り。


【YCコミックス】ニュースのお時間 平成22年9月10日発


・修整されているものの、全編にわたり性描写があり、指定やむなし。
・男性器をユーモラスに描いているが、擬音がすごい。女性陰毛の描き方が卑わいであり、指定やむなし。
・デフォルメされていて、ギャグマンガな所もあるが、道具を使ったり、撮影したり、アナルを使ったりと内容に問題がある。指定やむなし。
・コミカルなタッチにしてはあるが、あまりに性交場面が多い。指定やむなし。


・男性器に顔が描いてあるなど、コミカルに描かれているが、女性器の陰毛の描き方はかなりリアルでいやらしさを感じる。判断が難しく、保留
・描写がコミカルなタッチで卑わい感はないが、性器等の描写が極端すぎるのが気になる。判断が難しく、保留
・内容的にはパロディ性がありコミカルな感じがする。体液、擬音等気になるが、消しは入っている。総じて保留
・卑わいな部分とそうでない部分が混在しており、判断が難しい。総じて保留


・コミカルなタッチで描かれており、性描写も少なく、指定非該当
・コミカルなタッチでデフォルメもされている。卑わい感なく、指定非該当
・擬音、体液の表現があるものの、全体的にはコミカルなタッチで描かれており、性的感情を刺激するとは考えられない。性器も消しが施されており、特に問題はない。指定非該当
・コメディタッチで消しもしっかりしていて卑わい感はない。指定非該当
・コミカルにデフォルメされており、露骨にならないように工夫もされている。指定非該当
・よくあるちょっとエッチなコメディタッチのストーリーマンガ。絵もデフォルメされており、問題のないレベル。指定非該当
・男性器をキャラクター化しているため、性器の卑わい感は全く無い。指定非該当
・全編コミカルなタッチで描かれていて、卑わい感がない。消しも気を使っており、指定非該当
・修整が施されており、ストーリー性もある。指定非該当


指定やむなし 4
保留 4
指定非該当 9


この部分だけ取り出して、業界の意見を聞かないとか叫ぶ反対派がいますが、実際の漫画のサンプルと付きあわせて見る限り、どう考えてもこの結果の方がおかしいとしか思えないんですよ。


どういう基準で判断しているのか、はっきりさせないとダメなんじゃないのかなと思います。


それから、話し合いが出来ないとか言ってますが、このズレってのは何年も前からあるように見えるんで、
いい加減そろそろこれをきちんとして、それにかかるものは全年齢では出さないという方向で努力をする時期がきてるんじゃないのでしょうかね。


恋愛千鳥についても東京都が2月の審議会のログを公開したらが出たら追加しておきます。
同じく指定されたものについても情報を。


SPコミックス いんデレお姉さん(大見武士) 平成23年2月14日発行


http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51199893.html


BAMBOO COMICS NAMAIKI SELECT 制服と彼女と・・・。(板場広志) 平成23年1月10日発行


http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51112056.html


マンサンコミックス オッパイ!!ボイン学園(英丸) 平成23年1月12日発行


これはちょっと見つかりませんでした。


さて、これらの業界自主規制団体への意見聴取の結果がどうなっているのかが非常に気になります。
審議会の情報の更新待ちですが。ちょっと待ち遠しいです。


それから、作者の発言をまとめたtogetterを見ると以下のような発言が。


大見先生は二度目、板場先生なんか三度目らしいんで作家狙い撃ち感はありますね〜 こういうのマジ困りますね〜


はてさて。


大見武士


三ツ星お姉さん


・修整されているものの、全編にわたり性描写がある。指定やむなし。
・性交場面がほとんど。女性の陰毛が卑猥。男性器は白く消しているが、形になっている。指定やむなし。
・SEXシーンが多く、男性器が白抜きで描かれているものの、卑猥感があり、セリフと一緒に付けられた説明文も青少年には相応しくない。成人マークを付けるべき。指定やむなし。
・表紙、裏表紙、タイトルなど卑猥さを感じる。指定やむなし。
・女性器のぼかしはあるが、挿入シーンが全編にわたり、リアルで消しがなく、指定やむなし。
・修整はされているが、全体的にリアル。指定やむなし。


・性描写は多いが、未成年者というよりも大人を対象とした内容である。総じて保留
・修整はされているが、卑猥感があり、ちょっと刺激的な箇所もある。成年コミックマークを入れたほうがいいと思うが、総じて保留


・絵に卑猥性がなく、大人向けで内容も薄い。指定非該当
・描写が写実的で、擬音、体液等も気になるところではあ るが、この程度なら許容範囲。指定非該当
・短編集であり、性行為が延々と続くというような作品で はなく、許容内と思う。指定非該当
・SEXシーンは多いが、リアル感がない。指定非該当
・結合部分はリアルに描かれていないし、修整もきちんとされている。この程度であれば指定するまでもない。指定非該当
・修整はされているが一部きわどい部分がある。絵のバランスが崩されているためか、卑猥感はそれほどない。指定非該当
・各作品ともに性器のアップのコマがあるが、それ以外はいやらしくない。ストーリー性もあり、許容範囲。指定非該当
・多少消しが甘いところもあるが、修整されている。許容範囲であり、指定非該当


指定やむなし 6
保留 2
指定非該当 8



板場広志


コス彼女(コスカノ)


・先生と生徒というシチュエーションはまずい。精液、擬音描写など多い。乳房などかなりデフォルメされて描かれており、卑猥感を覚える。指定やむなし
・擬音がまずい。性交場面と体液漏れが多く指定やむなし。
・指定やむなし
・修整されているものの、全編にわたり性描写があり、指定やむなし。


・全体的に卑猥感はないが、表紙が青少年に取りやすい。総じて保留
・性描写が気になるが、内容的には大人向けであり、全体としては何ともいい難い。総じて保留


・画が細かく描かれている訳ではなく、修整もされているので、問題ない。指定非該当
・性交シーンの動きは激しいものの、性器自体は十分消してあり問題ない。指定非該当
・各編SEXシーンが多いが、消しもあり指定非該当
・卑猥な感じのガイドラインが難しく、指定非該当
・性描写だけの内容となっており、逆に卑猥感が少なく感じる。指定非該当
・写実的でなく問題はない。指定非該当


指定やむなし 4
保留 2
指定非該当 6


シカクのセンセ


・修整されているものの、全編にわたり性描写があり、指定やむなし。
・女性の陰毛が具体的に描かれており、擬音も多く、指定やむなし。
・後半のSEX描写が多すぎる。女性の陰毛の描き方、男性器の白抜き、体液の描き方など、指定やむなし。
・性交場面はぼかしてあるものの、卑猥さを感じる。指定やむなし。
・未成年が好んで買いたくなる内容。学園ものであり、結合箇所がしっかり描かれており、成人マークが必要。指定やむなし。
・カラー描写の部分や、擬音の多用、体液の描写等が多く、指定やむなし。
・性交場面の描写が具体的で露骨。一応ストーリー性もあり、性交シーンばかりではないことを割り引いたとしても、ぎりぎりアウト。指定やむなし。


・性器描写は抑えめである。性交シーンはコマも小さく分かりにくいが、シーンが多いため、総じて保留
・ストーリー性があり、コミカルだが、性描写が多い。総じて保留
・性器は消してあるものの、擬音の効果がやや強い。全体としては指定までは至らないと思うが、総じて保留
・卑猥感が絵柄になく、性器の露出はあるが、そんなにひどいとは思えない。総じて保留


・デフォルメされている部分もあるが、それほど問題ではない。指定非該当
・青少年が成長していく中においては、この程度は許容範囲ではないか。指定非該当
・SEXシーンが多く、陰毛、体液等の描写が気になる。カラーを使っており目立つが、全体的に大人向け。指定非該当
・ぼかしもしっかり入っている。性交場面が多いのが気になるが、卑猥感がない。指定非該当
・修整されており、ストーリー性もあるので、それほど卑猥には感じない。指定非該当


指定やむなし 7
保留 4
指定非該当 5


中身を見る限り、指定されても文句は言えないというか、18禁で出せとしか思わないです。
そして、何度見ても、自主規制団体のルールというのは相変わらず謎ですね。
東京都よりもよほどこちらの方がいい加減だと思うんですけれど。


それから、平成23年第1回定例会で、民主党のくりした都議が、青少年健全育成条例絡みで質問をしていたようですが、その中で、意見聴取の結果が反映されていないということを言っていましたが、こういう風に自主規制団体からの意見を見比べたことがあるのか、非常に気になりました。