長男

好きな人とのあいだに小さな命を授かった

「子供が子供を産む」

「付き合っていないのに」

「望んだことだけどほんとに簡単に授かってしまった」

「見捨てられてしまう」

たくさんのことが頭によぎった

 

女子高生、何をするにも危うい

社会の厳しさも何も知らない

わたしは捨てられると思っていた

 

「今日挨拶に行くから」

涙が出るほどうれしかった

 

付き合ってなかったけど

「大事な人です」

って言ってくれた

 

10ヶ月すくすくとおなかの中で育つ命

これからのことをたくさん考えた

 

「頭は別によくなくてもいい、ただただ健康で」

「お金で困らせたくはない」

「反抗期がきたら…」

 

たくさんたくさん

やりたいことを旦那と二人で考えて

 

産まれた日初めてだんなが泣くのを見た

赤ちゃんと三人でワンワン泣いた

 

長男はお腹がすいたときにだけ

ワンワン泣くだけで

本当に手のかからない良い子だった

不慣れで無知の子育て

休めない家事

大変だったけど子供の成長を見て苦ではなかった

これからもずっとこうやって

大きくなる我が子を見ていくつもりだった

 

突然日常は非日常になった

息子の死は突然、本当に突然だった

 

いつものように授乳をして

いつものように3人一緒に寝た

 

息子に朝は訪れなかった

 

人の死を初めて体験した

冷たく青ざめた顔

微動だにしない手足

開かない目

 

必死に必死に心臓マッサージと人工呼吸をした

でももう手遅れだった

 

3月9日 AM5:23

救急隊員と医師に看取られ

息子はこの世を去った

 

あぁ、こんなに簡単に壊れるものなのだな

あぁ、こんなに人は簡単に死ぬんだな

初めての葬式が息子の葬式だった

まだ会わせられてない家族がたくさんいたのに

初めてみる顔が冷たく白い息子なのは

どんな気持ちだったんだろう

わたしは火葬される前の息子を1ミリたりとも見ていない

家でみた青ざめた顔が怖くて耐えられなかったから

 

もういなくなって1年と半年くらい経つ

「あの時ずっと起きていれば」

「わたしの育て方が」

「わたしが、わたしが」

ってなってしまう

 

天国なんて信じてないけど

息子は今こんな私を見て

何を思っているんだろうか

 

「少しでも早く君に会いに行くよ

今新しい命を育ててるけど

わたしはできるだけ早く君のところに行くよ」

 

 

未成年という武器

 

 

面白そうという好奇心はすごく怖い

後先考えずにいろいろ手を出したら

人間が一番面白くて一番怖い

 

ネット恋愛

ニコ生

万引き暴力事件

援助交際

人の貯金を使い果たす

OD首絞め狂乱

 

 

面白そうだからやってみた

子供は時に狂気になる

 

未成年という最大の加護をうけ

ばかみたいに犯罪に走ったり

お金のためにって娼婦になる

 

結論から言えば

まぁ面白かったけど

期待していたほどの面白さではなかった

 

わたしはこれからも

「わぁ!面白そうだね」

を大切にしていきたい

 

たとえどんな事態になってもわたしは

「えー子供だからこんなことになるとは(ry」

見たいなふざけたこと言って

「子供」という特権で

「絶対的加護」の中で

ふざけた人生を送るのだろう