「仕方がない」は魔法の言葉
わたしは子どもの頃からこだわりが強いほうで、
こうあらねば!
と思ったものがそうならないと、
なぜだー!
とひとりパニックに陥るような子どもでした。
しかも、そういう自分の内面を客観視できてなかったので、毎日カオスな中をもがきながら泳いでる感じの日々。
いい加減大人になって、
自分が「こうあらねば」と思っても、現実はだいたいそうならない、
てのを体でも頭でも学習してきて、
そういうときには、
「仕方がないよねぇ」
て自分を慰めるようになりました。
仕方がない、
てほんと魔法の言葉です。
それを唱えると、自分の予想とは違う現実もなんとなく受け入れられる気がするのです。
なっちゃったものは仕方ないから、さあ次はどうしようかな、
と思考を切り替えられるのです。
仕方がない、
て魔法は、よく見回すといろんなひとが使っていることに気づきます。
仕方がないから、と何かを諦めたり我慢したり。
で、その魔法、自分に向いてるひともいれば、他のひとに向いてるひともいたのですよね。
仕方がないから、は無敵の魔法なので、どんな場面でも効いちゃうんですけど、無敵すぎるから、使われたほうはもう何もできないんですよね。
それを言われちゃうと、何もかもがそれに押しつぶされてしまう。
「忙しいんだから、仕方がないでしょ」
て相手から言われたときに、やっとわたしはその魔法の恐ろしさを知ったのでした。
仕方がない、と相手に言われてしまうと、自分の感情も想いも全て押しつぶされてしまって、無視をされてしまうように感じるのだ、と。
仕方がないからなぁ、と頭ではわかるんですけど、体がずっと固まってしまう。
自分に向かって使うときにも、そういう面はあるんですけど、自分の中のことだから、無意識にフォローしてるんですよね。
けど、他のひとから言われると、その「内々で処理しましょう」てのがないので、
相手が自分の気持ちを受け取ってくれてるのか、
自分の気持ちを完全無視してるのか、
がわからないのです。
なんて恐ろしい!!
ひとこと、
「ごめんね」
「つらいよね」
「かなしいよね」
「怒ってるよね」
て気持ちを受け止めるフォローの言葉があれば、仕方がないという魔法の言葉の裏の威力を和らげることができるんじゃないかな。
と思うのですが。
でも、これがまた、むずかしいんですよね。