小泉医院遠絡医療センター ブログ

医療法人財団 東西医会 草加整形外科内科&小泉医院 遠絡統合医療センターからの情報発信です☆

遠絡治療 卒業報告(帯状疱疹痛)

小泉医院の加倉井です。ようやく気温が上がり始め、桜の蕾もほころび始めたようです。3月は卒業のシーズン。ということで、今回は症状が改善し治療を卒業された患者様のご報告をさせていただきます。(ご本人様の承諾を得て掲載しております)

この患者様は“帯状疱疹痛”で来院されました。2023/5/29、最初の自覚症状として右腕・右脇・右肩に痛みを生じました。のちに赤いポツポツが増えてきて6/3に皮膚科を受診し「帯状疱疹」と診断を受け抗ウイルス薬による治療を始めました。

抗ウイルス薬の内服が終わっても痛みが治まらず、処方されている痛み止めもあまり効果がありませんでした。

発症より18日後の6/16、小泉医院遠絡医療センターに来院されました。こちらは初回の問診表です。

右胸部から腕にかけてと右肩甲骨周辺に強い痛みがありましたが、初回の治療後右胸部と右肩に症状の改善がみられました。

以後、週2回のペースで通院され、6/22(3回目)には「初診時の痛みが10だとしたら、今は5くらい」というコメントをいただきました。7/24(11回目)には痛み止めの服用をやめても生活できるようになったそうです。しばらく週2回で続けましたが、8/31(19回目)より週1回に変更、症状の戻りもみられず10/5(24回目)には「初診時の痛みが10だとしたら、今は2くらい」と大幅な改善が確認できました。

治療終盤は2週に一回、さらに4週に一回と間隔を空け、2024/2/7(31回目・発症より254日)症状もほぼ改善し、日常生活にも問題ないとのことで卒業されることになりました。最終日の問診表がこちらです。


(見づらくてスイマセン・・・)右肩にうっすらと青で塗られている部分が残ってしまったシビレ様症状です。症状の程度は1という評価でした。

帯状疱疹帯状疱疹後神経痛については2023/10にもブログで取り上げさせていただきました。当院では一般の治療ではなかなか改善しなかったため来院される患者様が多く、その原因として帯状疱疹ウイルスによる神経へのダメージが大きいことが考えられます。神経の修復には時間がかかり治療が長期化することが多いです。当院では①疼痛等症状の緩和②ダメージを受けた神経修復の促進、を目的として遠絡療法を行っております。

最後に患者様からいただいたアンケートを掲載します。

[お知らせ]
当院のホームページをリニューアルしました。
https://koizumi-enrac.tozaiikai.com/ (アドレスが変更になりました)
https://koizumi-enrac.tozaiikai.com/syojo/phn.html (帯状疱疹帯状疱疹後神経痛

遠絡療法の書籍が発売になりました!

小泉医院遠絡医療センターの加倉井です。

 

この度、日本遠絡統合医学会の先生方で監修された書籍「瞬間消痛!マンガでわかる遠絡療法」が販売されることになりました。

 

前半では「遠絡療法」をわかりやすくマンガで紹介、後半にはご自身で出来る「特効セルフケア」と遠絡療法をされている先生方から集められた「難病の改善例」が掲載されています。

 

全国の書店で販売しています・・・が!当院受付では、割引でご用意しております。ご希望の方は当院スタッフまでお声がけ下さい。

 

「第53回日本慢性疼痛学会」に症例報告してきました!

三寒四温、梅も咲きほこり春の訪れも近いと思いきや、寒風に身がすくむ昨日今日、

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

遠絡療法指導治療師の堂下です。

第53回日本慢性疼痛学会に「神経障害性疼痛に対する遠絡療法の治療効果」について 症例報告をして参りましたので、ご報告させていただきます。

 

症例は「鎖骨骨折・固定手術後」に神経障害性疼痛を発症され、2年半苦しんでこられた50代男性患者様で、遠絡療法で3カ月治療させていただいた経験です。特に今回、当院を受診されたきっかけには、鎖骨を再骨折され再手術に伴い、鎖骨周辺の痛みが再燃し、その部分の神経の除圧のために行った第1肋骨や斜角筋という首の筋肉の切離手術のあとに発症した「上腕の灼熱痛(しゃくねつつう)」がありました。

 

神経障害性疼痛というのは、その部位の神経が外傷などにより損傷を受け発症する末梢性の問題と、脳や脊髄からの「痛みの感受性を抑える力」が低下して起こる中枢性の問題の両方が絡む場合が多く、この方は中枢性の問題がより大きいタイプの方でした。

 

末梢部分であれ、中枢部であれ、神経線維の障害範囲が大きいと、いくら中枢に効果的といわれる鎮痛薬や、交感神経を抑制する星状神経節ブロックなどの注射を行っても一時的で、根本解決には至らない場合が多々あります。特に「中枢性感作」という病態が持続している症状を改善するのは、西洋医学的にはとても難しいと言われています。

 

それが、当院で提供している「遠絡統合療法(遠絡療法 えんらくりょうほう)」では、その神経線維の修復を促進する自然治癒力の流れ

(個人的には、生物に備わっている組織修復を促進する微少電流の流れではないかと思っています)

を促進し、同時に神経の過剰興奮を鎮静し鎮痛と修復を同時並行的にすすめることで、「中枢性感作」の病態のものを根本解決に導いていくことが可能です。

 

この患者様も上腕の灼熱痛は、週1回、3ヶ月で痛みの自己評価は、10段階で8だったものが0になりました。「バーナーで炙られたような痛み」だったものが「触っても違和感もない」状態まで回復されています。

 

また、もともとの鎖骨部周辺のビリビリ・チクチク・しびれるような痛みや刺し込み痛がありましたが、こちらも10段階8の「しびれ、痛み」だったものが、現在は5〜6の「かゆみ」に変わってきています。

 

神経障害の痛みが回復する過程で「かゆみ」に変化するのは、ときどきみられる現象で、確実に回復に向かわれています。

 

自由診療という足かせのため、まだまだ多くの患者様に提供するのが難しい現状がありますが、その分おひとりおひとりにしっかり時間をとって、双方ともに患者様のお体の状況に対する理解を深めながら治療を提供できるというメリットもあります。

 

病の深さにより、回復までの道のりには個々ありますが、これからも少しも多くの患者様にお役立てていただけばと思っています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

春はもうすぐそこです。どうぞ温かくすごして、ご自愛くださいませ。ご報告まで

堂下拝 ^^

 

鎖骨骨折後固定手術後神経障害性疼痛に対する遠絡療法の効果

一般演題2 セッション名 東洋医学

 

第53回 日本慢性疼痛学会 2024 に学会報告してきます!(医療従事者の皆様へ)

こんにちは! 遠絡治療師の堂下です。

理学療法士になってから34年の人生のうち、遠絡療法を専門とする期間の方が半分となりました。時が経つのは、早いものです。

 

突然ですが2024年2月23日(金)に第53回日本慢性疼痛学会に、小泉先生の代理で学会報告して参ります!

 

今回は「鎖骨骨折固定術後に合併した神経障害性疼痛に遠絡療法が有効であった症例」という演題名です。

 

※  2月23日(金)10時〜10時50分 セッション名(一般演題2 東洋医学

 

バイク事故で鎖骨を骨折された後、手術後よりバーナーで炙られたような灼熱痛(神経障害節疼痛)に苦しめられ、2年以上、薬、神経ブロック注射、手術にて鎖骨周辺の神経の除圧のために筋肉を一部切開するなど様々なアプローチをされてきた患者様が、遠絡治療初回より効果を実感していただき、3ヵ月でほぼ完解の状態まで回復された症例です。

遠絡治療の経過

 ※ 来院時治療前の主観的痛み評価NRS(青線)  治療直後評価(ダイダイ色)

 

簡単にですが遠絡療法の紹介と、病態の考察を入れて報告いたします。

 

本当は、同じような症例を複数報告したかったのですが、一演題に割り当てられる時間が非常に短く一症例のみの報告に絞りました💦

 

慢性疼痛学会は、医療従事者の方であればどなたでも(学生さんも含む)参加可能です。開催地は栃木県足利市ですが、WEBで全演題の視聴ができて、日本各地で取り組まれている各種疼痛に対する様々な治療の状況を学ぶことができます。

 

<現地参加+WEB参加>申込み 〜2/22まで

WEB参加のみ>   申込み 2/25(日)~3/29(金)

 

詳細は、下記リンクよりお確かめください。

 

第53回日本慢性疼痛学会 | 2024年に開催される、第53回日本慢性疼痛学会(53rd JSSCP)の公式ホームページです。

 

ぜひご参加いただき、堂下の報告も視聴サイトにてチェックしていただき、ご質問やコメントで応援いただければ幸いです!

 

よろしくお願い申し上げます。  

 

 

 

 

 

腸活して花粉症予防!

2024年になり早くも1か月が過ぎようとしていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?・・・3年間続いた子どものお弁当作りからようやく解放された治療師の加倉井です。(次は4年後・・・)

 

さて、まもなく花粉症のシーズンを迎えます。2024年は例年並みまたは少し早くシーズン到来と予想されています。

 

今回は「花粉症」「腸内環境と花粉症の繋がり」「遠絡療法の効果」についてお話していこうと思います。

 

・・・人には「免疫機能」が備わっています。ウイルスなどの異物(外敵)が体内に侵入してきたときに攻撃するシステムですね。このシステムが何らかの原因で攻撃の必要がない異物に対しても攻撃をし始めることがあります。いわば免疫システムの暴走(アレルギー反応)で、“花粉”に対して攻撃してしまうのが今回のテーマ「花粉症」です。

花粉が体内に入ってから花粉症を発症するまでのメカニズムはこんな感じです。

①体内にアレルゲン物質(花粉)が侵入

②Th2細胞が花粉を「異物だ!」「敵だ!」と認識する

③Th2細胞から指示を受けたB細胞が花粉に対応するIgE抗体を作り出す

④IgE抗体は花粉を攻撃できるマスト細胞にくっついて花粉を待ちます

⑤再び体内に花粉が侵入

⑥マスト細胞についているIgE抗体と花粉が反応すると、マスト細胞が壊れる

⑦マスト細胞内の化学物質(ヒスタミン)などが放出

ヒスタミンが目や鼻にあるヒスタミン受容体と結合することで症状(※)が現れる

※鼻で反応するとくしゃみ・鼻水・鼻づまり、眼だとかゆみ・充血などの症状です。

では次に腸内環境と花粉症の繋がりについてです。

 

腸(小腸・大腸)には、体全体の70%もの免疫細胞が集まっていて「腸管免疫」と呼ばれています。腸を通過する様々な物が敵かどうか判断しています。腸管免疫は腸内環境を維持する腸内細菌の働きに左右されます。特に大腸では善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類ありますが、その割合が乱れると腸管免疫に悪影響を与えます。

 

腸内環境が乱れると異物が外敵かどうか判断するTh2細胞が活発になり始めます。Th2細胞は免疫システムの中でも寄生虫・花粉・ダニ・ホコリなどに対応する細胞で、暴走し始めることで反応しなくても良い花粉・ダニ・ホコリにも反応するようになります。つまり腸内環境の乱れは巡り巡って花粉症などアレルギー反応の原因となります。

 

ここまでは花粉症を起こす前のお話。ではすでに発症したら腸内環境は関係ない?

 

そんなことはありません。Treg(Tレグ)細胞と呼ばれる免疫細胞があります。これは異物に対する過剰な反応(アレルギー反応)を抑制する働きがあります。腸内環境を整えることでTreg細胞が活発になれば免疫力の正常化が期待できます。

 

腸内環境と免疫システムの関係は密接なので、善玉菌を増やすオリゴ糖を多く含む食材や、悪玉菌を減らす食物繊維を積極的に食べることで腸内環境を整えることが大事なんです。

 

最後に遠絡療法と花粉症についてです。

 

遠絡療法では花粉症(アレルギー性鼻炎)は「脳下垂体」というホルモンを分泌する臓器の機能障害と考えています。第一頚椎(アトラス)で微細な炎症により、間脳(視床視床下部・脳下垂体)に静脈がうっ血・うっ滞を起こし機能が低下することでアレルギーの閾値が下がり発症しやすくなります。治療では第1頚椎(アトラス)から間脳までのライフフローを調整することでアレルギー反応の緩和を目指します。治療によりアレルギー薬を使わなくても過ごせるようになった方や、花粉症のシーズンだけ治療に来れれる方もいらっしゃいます。

 

詳しくはこちらをご覧ください。

http://koizumi-enrac.webmedipr.jp/contents/tekio/kafun.html

「おめでとう!」・・・そして、不思議だと思うこと。

令和5年も残すところあと数日となりました。

皆様、体調はいかがでしょうか。

 

今年も遠絡療法を通じて、たくさんの奇跡を患者様と共有させていただきました。

 

その中でも特に嬉しかったことのひとつが「赤ちゃん誕生」の朗報です!

 

Uさん(33歳 栃木県下野市)は令和3年の6月から

不妊治療を目的とした遠絡療法のため当院の通院を開始されました。               

 

「卵巣の機能が実年齢よりやや成熟が早く、卵子の数が少ない」

と婦人科で言われているとのことで、

少しでも子宮や卵巣が良い状態になり

ホルモン分泌などが促進されるよう

骨盤帯や視床視床下部、下垂体などのライフフローを改善する

遠絡療法を1~2週に1回継続してこられました。

 

人工授精を繰り返されても、なかなか着床に至らず苦労されていましたが、

令和4年9月に「婦人科で子宮機能を計る検査で、数値が0.67から0.97に

改善していました!」とご報告いただき、

さらに翌月「陽性反応となりました!」と妊娠をご報告いただき

一同で大変喜んでいました。

 

しかし残念なことにまもなく流産のご連絡があり、

通院も終了され、どうされているかと時々思い出しておりました。

 

そして、今年、令和5年4月に再び妊娠のご連絡!

以下、その時いただいたメッセージです。

 

「私はあの後、不妊治療を全ておやすみしていました。
そして、病院から2月に昨年の10月に凍結していた受精卵を戻しましょうと言われて、

何も準備が出来ないまま移植しました。

その後妊娠して今は妊娠10週です。

遠絡に通っていたときに採卵した受精卵の状態がすごくよかったので

おかげでここまで来れました。

本当にありがとうございました。

あの受精卵が凍結できた唯一の受精卵だったので奇跡だったと思います。」

そしてさらに7ヶ月、、、。

先月11月に、無事に女の子出産のご連絡をいただきました!

 

お名前は「一華開五葉」という素敵なことばから

一華(いちか)ちゃん です。

 

本当にとても嬉しかったです。

 

そして、不思議だと思ったのは、

Uさんに限らず

ずーっと良くなるための努力を続けてこられてきて、

ある日、ああ、もう限界だ

無理なんだ、、、と涙されて心底絶望し

そこから少し離れたときに

ふっと症状や物事が良くなられることって

ときどきあるなーと。

 

「〇〇でなければ自分は幸せではない」とか

「正しくない」などの思い込みから解放されて

「あるがまま」に従えるようになったことで

空間ができたから ということでしょうか?

 

東洋医学に「陰極まれば陽に転ずる」という言葉があります。

 

夜明け前は一番暗い

 

今年、体調が良くなった方も

まだまだ闘病中の方も

今、この瞬間にある幸せを大切にしながら

また来る新年を一緒に良い年にしていきましょう!

 

小泉医院遠絡医療センター           

文責 堂下

 

 

 

 

 

 

 

帯状疱疹の予防について

ここ数年、「帯状疱疹」と「帯状疱疹後神経痛(PHN)」のお問い合わせや来院される患者さまがとても増えています。そこで今回は帯状疱疹の予防法をまとめたいと思います。

 

・・・その前に、3分でわかる帯状疱疹帯状疱疹後神経痛について予習です。

 

 

・原因は、神経節に潜んでいる「水痘・帯状疱疹ウイルス」(水ぼうそうのウイルス)です

・ご自身の免疫力や体力が下がった時に、ウイルスが活性化すると帯状疱疹を発症します

帯状疱疹は、水ぼうそうにかかったことがある人全員に発症リスクがあります

・その人数は、日本人成人全体の約90%にのぼります

・発症率は50歳を超えると急激に上がります

・80歳までに約3人に1人が発症するというデータがあります

帯状疱疹の症状は主に発疹や水ぶくれで生じる痛みやかゆみ、違和感です

帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬、痛み止め、外用薬などです

帯状疱疹の「痛みの種類」は侵害受容性疼痛です

帯状疱疹はだいたい3週間くらいで治りますが、中には長引く方もいます

・皮膚の状態が治っても痛みが3か月以上続く場合を帯状疱疹後神経痛と呼びます

50歳以上で帯状疱疹を発症した方のうち約20%が帯状疱疹後神経痛に移行します

帯状疱疹後神経痛の「痛みの種類」は神経障害性疼痛で、痛み方に特徴があります。

「焼けるような」「針を刺すような」「電気が走るような」痛みがあります

・触れる.押すなどの感覚刺激が痛みに変わる「ロディニア(異痛症)」があります

帯状疱疹後神経痛の治療は、神経障害性疼痛に適応がある内服薬が処方されます

帯状疱疹後神経痛は治療が長引くことが多いです

 

 

いかがですか?3分で読めましたか?原因、症状、治療については、また詳しく書いてみようと思います。

 

さて、本日の本題「帯状疱疹の予防」についてです。予習を読んでて多くの方が思ったと思いますが、

「かかりたくないですよね、帯状疱疹!」

成人人口の約9割に発症リスクがあるといわれていますので、しっかり予防して生涯発症しない1割に入りましょう。

 

予防法は大きく分けて二つです。まずは「健康な体づくり」です。

帯状疱疹疲労やストレス、加齢などで免疫機能が下がってしまった時に、水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化すると発症に至ります。・・・ここ数年、コロナ禍による生活・経済・社会情勢の変化で、私たちは知らず知らずのうちにストレスを受けています。そんな中やはり大事なのは日常生活の管理です。食事や睡眠、適度な運動など規則正しい生活を送り免疫機能の維持を心掛けましょう。また、疲れた時やイライラした時は十分に休息をとって免疫機能が下がらないように注意しましょう。(帯状疱疹に限らず、免疫機能を維持することはとても大切なことですので心掛けましょう)

 

食事いろんな栄養素をバランスよく摂り、よく噛んで食べましょう

運動→散歩やウォーキングなど軽く汗ばむ程度の運動を取り入れましょう

睡眠→からだや脳の休息、回復、免疫機能維持など、大切な働きがあります

    早寝早起きを心がけましょう

    

(補足)「子牛流注(しごるちゅう)※東洋医学の考え方の一つ」によれば、23時から深夜3時の間は、新陳代謝が盛んになり成長ホルモンが分泌されたり、解毒・排毒・老廃物処理をして血液をきれいにする時間帯と言われています。この時間帯にしっかり睡眠をとることを意識することが大切です。

 

 

もう一つの予防法は最近CMなどでもよく流れている「帯状疱疹ワクチン」です。

 

よく「50歳を超えたら受けましょう!」といわれていますが、これは予習でも書いた通り①50歳を超えると発症率が急激に上がる、②帯状疱疹を発症した50歳以上の方のうち約20%が帯状疱疹後神経痛に移行すること、の2点が理由です。

 

現在、帯状疱疹ワクチンは二種類あります。ひとつは1986年に承認された生ワクチン[ビケン]、もう一つは2018年に承認された不活化ワクチン[シングリックス]です。接種回数や対象者、効果(期間)、費用などに違いがありますので、どちらを選ぶかは担当医師にご相談ください。

 

・・・当院には帯状疱疹帯状疱疹後神経痛の痛みで治療に来られる患者さまがたくさんいらっしゃいます。そんな患者さまからよく聞かれるのが「帯状疱疹にかかった後、ワクチンを打っていいの?」という質問です。結論からいいますと「接種しても大丈夫」です。ただ発症後は体の中に抗体ができるので発症しにくい時期があります。一生涯で複数回帯状疱疹を発症する確率は免疫機能が正常な方(※注)で数%です。また発症後一年以内の再発は極めて稀といわれていますので、もし接種するのであれば1~2年経ってからでも良いかもしれません。(この期間は個人差がありますので、最終的には担当医師とご相談ください)

 

※注)免疫機能に異常がある方や、治療で免疫抑制剤や副腎皮質ホルモン(ステロイド)を使っている方は、健康な方より免疫が弱まっていますので、帯状疱疹を含む感染症にご注意ください。

 

というわけで、今回は帯状疱疹の予防法についてまとめてみました。規則正しい生活とワクチンを活用して、一生涯帯状疱疹を発症させないことを、もう発症したことがある方は再発しないことを目指しましょう。

 

当院のホームページの「PHN 帯状疱疹後神経痛」のページに、症例紹介を追加しました。下記リンクをご参照ください。

          帯状疱疹後神経痛(PHN)|小泉医院遠絡医療

 

                                                                                                  文責 加倉井正弘