アーセナルとは、イギリス、ロンドン北部を拠点とする宗教団体である。
アーセナルとは、イギリス、ロンドン北部を拠点とするマゾヒストのための宗教団体である。
概要
ガナーズ経の開祖アーセンベンゲルのもと毎年、雀の涙ほどの予算を用い、4位入賞を目指してリーグを戦うチームを応援するのは当然のことながらこの団体の会員のみである。 分かりやすい教えと、その奥の深さから世界中で反響呼び教徒を着々と増やしている。中でも熱烈な信仰者をグーナーと呼ぶことがる。
教え
教徒たちは幾重にも度重なりチームに襲いかかる災難に耐え、くるはずのない勝利の瞬間へと思いを馳せ続けることで迷いの苦悩の世界から悟りの涅槃の世界へと解脱できると信じている。 以下開祖アーセンベンゲルが行う教徒のための修行の例を示す。
移籍
今まで大事に育ててきた心のよりどころを失う経験は得難い教訓と精神への負荷を与えてくれる。教祖は名もない若手選手を世界中から見つけ出し、高確率でビッグプレイヤーへ、稀にワールドクラスのプレイヤーへと育て上げることが出来る異能の力を持っている。これが宗教を開けた直接の原因の一つであることは間違いない。 そして、そのプレイヤーが教徒の心を十分に惹き付けた時を待ってまるで車の窓からタバコの吸い殻を投げるかのようにあっさりと、捨てるのである。
怪我
選手には怪我がないほうがいい、だからチームのメディカルケアを整える。そう考えるのは目先の利にとらわれた愚かな人間たちの御都合主義である。選手が怪我をするのもオーバーワークでパフォーマンスが落ちるのも、教祖にしてみればごく自然の流れであって、半年の怪我も15ヶ月の怪我も人間の進化の過程の一部にすぎないのである。教徒はいつまでもチームのメディカル面を改善しようとしない教祖に不信感をもつようなことはあってはいけない。
大金
良い選手をそろえるために大金を使うことに関しては世界中様々な考え方が、主たる思想は「油金原理主義者」と「若手育成厨」に大別することが出来るしかしアーセナルはお金を使わないためこのような思想とは無縁である。したがって毎年の移籍マーケットでは隣人愛の精神から自ら玉突き移籍の導線になったりマーケットに良品を出品し世界中に貢献している。しかし、イギリスには未だにアーセナルがお金を使わないことを信じられず毎年マーケットが開かれる時期に躍起になって移籍情報を探し求める情報紙があとをたたない。
バイエルン戦マッチレビュー(感想)
Arsenal 2 - 0 Bayern
Arsenal
- 33 Cech
- 24 Bellerín
- 04 Mertesacker
- 06 Koscielny
- 18 Monreal
- 19 Cazorla
- 34 Coquelin
- 16 Ramsey (Oxlade-Chamberlain - 57' )
- 11 Özil
- 17 Sánchez (Gibbs - 82' )
- 14 Walcott (Giroud - 74' Booked )
Bayern Munich
- 01 Neuer
- 21 Lahm
- 17 Boateng
- 27 Alaba
- 18 Bernat
- 14 Alonso (Kimmich - 70' )
- 25 Müller
- 06 Thiago Alcántara
- 23 Vidal (Rafinha - 71' )
- 11 Douglas Costa
- 09 Lewandowski
ツイッターで誰かも言われてましたが、久しぶりの"永久保存版"的な試合だったので久しぶりの書きます。
アーセナルファンにとっては感動的な勝利の試合であり、同時にフットボールのゲームとして最高峰のクオリティを目の当たりにした、90分間の高尚なエンターテインメントであったと思います。
今季のバイエルンはドルトムント戦以来初めて観ましたが、3シーズン目に入るペップのバイエルンは完璧にペップのチームになっていて、「すごい」としか言いようがなかった。ボアテングの"ドライヴ"からシャビ・アロンソの縦パス、アロンソと二人の"メディオセントロ"、ミュラーとチアゴの素早いリターンパスから、目一杯サイドに広がったコスタへの矢のようなロングフィード。ベレリンはよくコスタを抑えてた方だと思う。しかし、相変わらずレヴァンドフスキ不気味だった。あの身長とフィジカルであんなにテクニカルかつスピーディーなドリブルからラストパスまで出せるストライカーは他にいないと思う。レヴィは今たぶん世界最高のセンターフォワードだろう。
こんな今季全ての試合で勝利しているチームが前半に圧倒的なフットボールを展開してきたらほとんどのプレイヤーは尻込みしてしまってもおかしくはなかったと思う。
そんな中、エジルとカソルラのボールの収まり方はまさに"outstanding"であった。いつものことだがカソルラからボールを奪える人間なんているのかと思わせるようなボールタッチだった。欧州チャンピオンでもどこでも来るなら来いと言わんばかりの余裕のプレーが最高にかっこよかった。バイエルンがボールロストした時の"4mのダッシュ"による集中プレスをかいくぐってサイドを変えるこの二人のプレーは、この試合最も重要なプレーの一つだったと言わざるを得ない。
アレクシスは疲れてたようなので是非時節はターンオーバーしてもらいたい。ベレリンには輝かしいキャリアが待っている、間違いなくワールドクラスのサイドバッカーになれるタレントを持ってる。チェフはこのチームを一つ上のレベルに押し上げてくれた。
ヨーロッパで勝てるチームになりつつあると"今年こそ"信じている。ここから新しい黄金時代がやって来ることを信じてる。そしてその時、ベンゲルが創りあげたロンドンの赤いジャイアントの選手たちは、ヨーロッパの舞台で、メスト・エジルのボールタッチのように、美しい形でボールを回し始めることを。
進化するガナーズスタイル
「強いアーセナル」14/15 vs Liverpool
Arsenal 4 - 1 Liverpool
Arsenal
13 Ospina
39 Bellerin Booked
04 Mertesacker
06 Koscielny (Gabriel - 49' )
18 Monreal
34 Coquelin
19 Cazorla
16 Ramsey (Flamini - 62' )
11 Özil (Welbeck - 73' )
17 Sánchez
12 Giroud
Substitutes
03 Gibbs
05 Gabriel
07 Rosicky
14 Walcott
20 Flamini
23 Welbeck
49 Macey
Liverpool
22 Mignolet
23 Can Dismissed after an earlier booking
04 K Touré
17 Sakho
14 Henderson
21 Lucas
24 Allen
18 Moreno
50 Markovic (Sturridge - 45' )
10 Coutinho
31 Sterling
Substitutes
01 Jones
02 Johnson
06 Lovren
15 Sturridge
19 Manquillo
29 Borini
32 Brannagan
プレミアここ10戦で9勝のアーセナル。トップ4入りのためには絶対に負けられないリヴァプールをホームに迎えての一戦。素晴らしいバランスを見せたアーセナルが前半8分間で3ゴールを突き刺し完勝、CL権が確実なものになっただろう。
ここ数試合ガナーズは素晴らしい安定感に加え、チームとしての戦い方に多面性を加え始めている。City戦ではゴール前のスペースを埋めカウンターを主軸に戦ったが、この一戦では前線からのハイプレスによって、ロジャースのDFからの組み立てという野望を見事に打ち砕いた。また、カソルラを中盤の底に置き、攻守の切り替えの起点にすることでエジルに自由を与える起用もうまくいっているように見えた。
そして、そんなフレキシブルな戦い方をしていても自分たちのスタイルを持ち続けているのが今季のアーセナルだ。多くのショートパスを織り交ぜた、人もボールも動く流れるような攻撃、まさにガナーズスタイルなフットボールをみたくてファンは毎週スタジアムに足を運ぶのだ。
けが人も戻りつつあり、カップ戦も残しているリーグ後半は間違いなく期待できる。そして来季以降、またヨーロッパの舞台で唯一無二のスタイルで勝ち上がる「強いアーセナル」を見ることができる期待に胸がふくらんでしまう。
村上春樹風アーセナル③ 〜移籍編〜
移籍編
年齢
ロシツキーは目の前のテレビをぼんやりと眺める。
液晶にはアーセナルの試合がライブで映っている。
移籍の潮時かもしれない、とロシツキーは思う。このクラブで初めて試合に出たのは二十六の歳だ。
何百のハイレベルな試合、何十本の貴重なゴール、エミレーツに訪れた何百万人の観客。
何もかもが、まるではしけに打ち寄せる波のようにやって来ては去っていった。
俺はもう既に十分なだけの試合に出たじゃないか。
もちろん三十五になろうが四十になろうが他のクラブでなら幾らだって試合に出れるかもしれない。
でも、と彼は思う、ここでの試合だけは別なんだ。
……三十四歳、移籍するには若くない歳だ。
気の利いた人間ならスタメンで試合に出て腕にキャプテンマークでも巻いている歳だ。
ロシツキーはテレビのスイッチを切り、グラスに注いだミネラルウォーターを一息で半分ばかり飲む。
そして反射的に手の甲で口を拭う。
そして湿った手をジーンズの尻で拭った。
さあ考えろ、とロシツキーは自らに言いきかせる。
逃げてないで考えろよ、三十四歳……。少しは考えてもいい歳だ。
十七歳のカンテラ選手が二人寄った歳だぜ、お前にそれだけの値打ちがあるかい?
ないね、一人分だってない。チームメイトのフランス人の頭部に散りばめられた髪の毛ほどの値打もない。
……よせよ、他人のこと言えたもんかよ、くだらないメタフォルはもう沢山だ。何の役にも立たない。
考えろ、お前は何処かで間違ったんだ。思い出せよ。……わかるもんか。
好み
ファン・ペルシーがアーセナルを去ったのにはもちろん幾つかの理由があった。その幾つかの理由が複雑に絡み合ったままある温度に達した時、音を立ててヒューズが飛んだ。
そしてあるものは残り、あるものははじき飛ばされ、あるものは死んだ。
アーセナルをやめた理由は誰にも説明しなかった。きちんと説明するには五時間はかかるだろう。
それに、もし誰か一人に説明すれば他のみんなも聞きたがるかもしれない。
そのうちに世界中に向かって説明する羽目になるかもしれない、そう考えただけでファン・ペルシーは心の底からうんざりした。
「エミレーツの芝生の刈り方が気に入らなかったんだ。」
どうしても何かしらの説明を加えないわけにいかぬ折りにはそう言った。
実際にエミレーツの芝生を眺めに行った女の子までいた。それほど悪くはなかったわ、と彼女は言った。
少しばかり紙屑が散らかってはいたけど・・・・。好みの問題さ、とファン・ペルシーは答えた。
「お互い好きになれなかったんだ。俺のほうもアーセナルのほうもね。」
幾らか気分の良い時にはそうも言った。そしてそれだけの事を言ってしまうと後は黙り込んだ。
もう三年も前のことになる。
時の流れとともに全ては通り過ぎていった。それは殆ど信じ難いほどの速さだった。
そして一時期は彼の中に激しく息づいていた幾つかの感情も急激に色あせ、意味のない古い夢のようなものへとその形を変えていった。
メスト・エジルは終始明るく振舞ってはいたが、時折訪れる「間」は彼の寂寥を雄弁に物語っていた。
「結局誰も理解してはくれなかったんだ、誰もね。」
ギネスビールを一口飲む。そして続ける。
「でもいいんだ、サッカーはなにもサンチャゴ・ベルナベウでしかできないわけじゃない。エミレーツで行なわれるものもまた、サッカーだ。ブロードウェイ以外でもミュージカルは上演されているし、フランス語のオペラもある。同じことさ。」
ギネスビールはだいぶ時間が経ってぬるくなってはいたが、それでも彼はグラスを傾ける。
手のひらがグラスの表面についた水滴で濡れる。
そして、遠くを見ながら話の続きをする。
「今の生活には満足しているよ。給料はいいし、なにより理解がある。これが大事だ。」
ギネスビールを飲む。グラスの3分の1ほど残っていたのをぐいと飲み干す。
「ビッグイヤーには久しくお目にかかっていないけれど、理解ある仲間はビッグイヤーよりも得難い。そうだろ?」
ぼくはあいまいに頷く。彼も頷く。
何本かのギネスビール、そしていくつかの昔話を経てぼくらは別れた。
「ビッグイヤー」と発音するとき彼はいつも前置きとしてのギネスビールを飲んだ。
あるいは跳躍の前の助走のように。
メスト・エジルのなかに「ビッグイヤー」という裂け目があり、それを跳び越えるためにギネスビールを飲んだ。
新たな武器を手に入れたアーセナル 14/15 vs ManCity
Man City 0 - 2 Arsenal
Manchester City
- 01 Hart
- 05 Zabaleta
- 04 Kompany Booked
- 26 Demichelis
- 22 Clichy
- 25 Fernandinho Booked (Lampard - 63' )
- 06 Fernando
- 15 Jesús Navas (Dzeko - 76' )
- 21 Silva
- 07 Milner (Jovetic - 45' )
- 16 Agüero Booked
Arsenal
- 13 Ospina
- 39 Bellerin Booked
- 04 Mertesacker
- 06 Koscielny Booked
- 18 Monreal
- 34 Coquelin
- 15 Oxlade-Chamberlain (Rosicky - 66' )
- 16 Ramsey Booked (Flamini - 84' )
- 19 Cazorla
- 17 Sánchez (Gibbs - 84' )
- 12 Giroud
すべての面でベンゲルがペジェグリーニを上回ったゲームになった。
要塞エティハドでのホームマッチではほぼ無敵の強さを誇るシティに対し、ベンゲルはここ数年ほとんど曲げることのなかったチームのスタイルを諦め、シティのポゼッションに対抗した。
4-1-4-1のフォーメーションで2列目に4人の選手を敷きスペースを埋めるシステムを採用、バイタルでシルバにボールを受けさせない動きが徹底されていた。
ボールを奪うとチェンバレン、アレクシスを中心としたロングカウンターが狙いどうりチャンスを作るシーンも見られた。簡単に前を向けないときはカソルラに預けキープ力によってボールを保持しつつ前進を続けていた。そして、そのカウンターのひとつからモンレアルがPKを獲得、22分に先制し、ガナーズが自分たちのプランをやりきるためのシチュエーションが整った。
シティはボール回しでDFを崩すにはセンターでオープンな状態でボールをキープする必要があったが、フェルナンドとフェルナンジーニョはカソルラとラムジーの徹底されたプレッシングによって、ボールキープをSBやCBに譲る場面が多くなった。
途中チェンバレンの裏のスペースを使われ突破を狙われるシーンが増えたが、ベジェリンがよく粘っていた。ほとんど絶望的なスペースでボールを受け駆け引きをするシルバによって、エリアに侵入されることも多かったがデフェンスラインはよく集中できていた。
しかし素晴らしかったのはアーセナルのクリアボールをつなげる意識だった。このような完全にリトリートした状態を続ける展開ではほとんどみない程、全員が奪取後のボールをポゼッションする意識をもっていた。それは時間を使う為にそう指示がでていたわけではない、それがアーセナルのフットボールだからだ。スプリントがあるチェンバレンを下げて、ロシツキーを出したのもボールを保持する時間を作りたいからである。最終ラインで奪取したボールをニアの味方につなげることにDFはなんのためらいもなかった。このようにチームを通底する共通意識は一朝一夕で形成されるものではないだろう。新たな戦い方を手に入れたガナーズだが、その根底にあるのは長年熟成されてきたアーセン・ベンゲルのフットボールなのである。
村上春樹風アーセナル② 〜ベンゲル編〜
ベンゲル編
僕はフットボールについての多くをベンゲルのパスサッカーに学んだ。
殆んど全部、というべきかもしれない。不幸なことにベンゲルは全ての意味で不毛な監督であった。話せばわかる。英語は解り辛く、戦術は出鱈目であり、采配は稚拙だった。
それにもかかわらず、ベンゲルはパスサッカーを武器として強豪クラブとわたりあうことのできる数少ない非凡な監督の一人でもあった。グラウディオラ、モウリーニョ、ファンファール、そういった同じトップレベルの監督に伍しても、アーセン・ベンゲルのその戦闘的な姿勢は決して劣るものではないだろう、と僕は思う。
ただ残念なことに、ベンゲルには最後まで自分の闘う相手の姿を明確に捉えることはできなかった。結局のところ、不毛であるということはそういうものなのだ。
補強
「ベンゲル監督はどうして選手を補強しないの。」
「さあ、考え方次第かな。大金を使っていい選手を連れてくることは誰にでもできる。
ただ、現代サッカーにおける監督の役割はそれだけじゃないんだ。
少なくともボスはそう考えてる。
ワールドクラスの選手を手放してまで、健全経営で才能ある若手の出場機会を作ること。
要するに僕らが想像する以上のタスクやプレッシャーの中で、
彼はタイトルが求められるんだ。わかるかい。」
今、僕はセスクも買い戻すのをやめようと思う。
もちろん問題は何ひとつ解決してはいないし、セスクを買い戻さなくても
あるいは事態は全く同じということになるかもしれない。
結局のところ、現代サッカーにおいて若手選手を育てることは非常に難しい、
巨額の資本投資によって年々リーグの順位争いが激しくなっているからだ。
しかし、自分が育てた選手がライバルチームでプレーしているのを見るのは辛い。
僕がメディアに説明をすればするほど、正確な答えは闇の奥深くへと
沈みこんでいく。
弁解するつもりはない。少なくとも今回の決断は現在の僕における
ベストだ。付け加えることは何もない。
それでも僕はこんな風に考えている。
うまくいけばずっと先に、何年か先に、
新しい黄金時代を指揮することができるかもしれない、と。
そしてその時、カンテラの雛鳥たちはエミレーツの芝生に還り、選手たちはより美しい形で
ボールをまわし始めるだろう。