井戸端剣道会議

~雑談から居酒屋でのマジ話まで~

結局、日本にとっての世界剣道選手権とはなんだったのか

剣道日本が復刊された直後の「第0号 vol2」。

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この号でフランス剣道連盟顧問の好村兼一教師八段が執筆された、第17回(2018年)世界剣道選手権大会のコラムがありました。

 

要約すると大きく2つ

・昨今の日本剣道は模範としての剣道が出来ていないのではないか

・韓国は世界を牽引する存在にあるのだから、剣道の基盤となる思想を理解してもらいたい

 

になります。

韓国の話については最もだと思います。

韓国の剣風はここで話題にしませんが、振りの速さやすり足など剣道に特化した練習を積んでこられているのは伺えます。

これは他国と比較しても一線を画しているように感じます。

だからこそ、審判にサッカーのファールのようなアピールをするのはうーむ…と今年の決勝を見ていても感じました。

 

 

 

わたしが疑問に感じたのは「日本の剣道は模範を示しているのか」というところ。

日本のチーム作成の方針はどういったものだったのでしょうか。

 

ここを調べてもそれらしいことは見つかりませんでした。

しかし、今回起用された人材から推測すると世界に模範を示す「強く正しい剣道」というよりは「強い剣道」をする選手が選ばれたように感じます。

 

 

コラムは日本の大将、つまり「安藤 翔」選手のことだと思われますが「チームのスコアだけを頭に置いた醜いぶつかり合い」と叱咤激励されるところから始まります。

 

 

安藤選手はご自身の剣道を出し切ったのではないか

安藤選手は第二・第三の矢を放つ波状攻撃が象徴的ですが、平たく言えばバタバタすると言いますか、竹刀を上に持ち上げ気味だったり守りから攻撃に入るところも見受けられます。

 

とくに印象にあるのは「第63回全国警察剣道大会」。

その時、北海道警の安藤選手は副将に就かれています。3位決定戦で警視庁と対戦、副将の時点で3-2で北海道警が不利、という状況です。18分あたりから副将戦が始まりますが、特に延長になった24分以降からは目立つかな、と言う印象です。


【H28全国警察剣道大会】【1部・三位決定戦】警視庁×北海道【五将・遅野井×後木 中堅・畠中×地白 三将・正代×工藤 副将・髙橋×安藤】

 

 

 

これはご自身もお気づきでいらっしゃると思いますし、ひょっとすると普段の練習でそのようなご指導をいただくことも多いかもしれません。

世界大会に目を向ければ韓国は日本の脅威と言える存在であり、接戦になることは想像に難くない中での大将での起用。やはり日本は安藤選手の接戦をものにする勝負強さに魅力を見出しての起用だったのだと思います。

であれば、安藤選手は期待通りに本来の自分の剣道を出し切ったのではないでしょうか。わたしは色々な選手がいる中での安藤選手を大将で起用したのは「強い剣道」がチーム方針であったならむしろ正解だったと感じます。

 

※一応注意書きですが、安藤選手は単に試合に強いだけではなく、一撃ごとの攻撃力の高さもあり、強く正しい剣道もされる方です。どちらかと言えばその剣風から「強い剣道」としての印象が残る、という解釈です。

 

 

あの内村選手でさえ…

なにより、これは日本は勝って当たり前の雰囲気が強い世界大会です。

前回大会、「第16回世界剣道選手権大会」も決勝の相手は韓国。日本の大将は警視庁の「内村 良一」選手。試合は2-1で本数も1本差でかろうじて日本が有利という展開。

内村選手の剣道が変わるところを見たことがありませんでしたが、その内村選手を変えてしまうくらいの雰囲気なんだと感じました。

「世界大会は合議や反則が少ない」とコラム執筆者の好村先生も書かれていましたがまさに仰る通りのように感じます。内村選手の試合は19分ごろから見ることができます。


第16回世界剣道選手権大会16th wkc【男子団体決勝】Men‘s Team Championship Final JAPAN×KOREA

 

 

 

 

もしも「強く正しい剣道」をする人材起用であるならば①

明言は避けますが、今回日本代表の候補の段階から選ばれていた数十名の方々の中には、つばぜり合いで足をひっかけて倒れたところを一本にしている選手もいらっしゃいます。

その賛否はここでは避けますが、間違いなく偶然起きてしまう現象ではありません。その事実は「世界に模範を示す剣道」の代表なのかを疑問に感じます。

しかし、それでも候補に選出されることを考えれば、やはり「強い剣道」がチーム作成の方針にあったのではないでしょうか。

 

 

もしも「強く正しい剣道」をする人材起用であるならば② 

日本には構えの美しさに定評のある福岡県警の「國友 鍊太朗」選手もいらっしゃれば、上下の打ち分けが恐ろしいほどうまい、王道剣道の警視庁「正代 正博」選手もいらっしゃいます。

しかし、両選手は代表になりませんでした。

 

 

以上のことから、今回大会のチーム作成方針は「試合に勝てるメンバー」だったのではないかと感じます。

だとすれば、5人の方々は自分の剣道を出し切ったように見えます。そこに対しての「お粗末な決勝戦」というコラムタイトルは、戦った選手が少し不憫に感じます(好村先生、平たい言い方で本当に申し訳ございません)。

 

 

今回の日本の行動を次回に活かすならば、チーム作成の方針がどのように定義されていたのか。それは全日本剣道連盟によるものなのか、石田監督とコーチを中心としたものなのか、はたまた別からなのか。

 

ひょっとせずとも、関係者の方々は「そんなことはわかってる」んだと思います。しかし、皮肉なことに中々「変えられない」というのが日本らしいのかもしれません。

 

 

 

好村先生はフランス在住の剣道8段。

国内では切り出しづらいことも海外から発信されており、日本の剣道ひいては世界の剣道のことを考慮されての執筆とお見受け致します。ぜひ、好村先生には剣道の世界が変わるきっかけ作りを期待してしまうばかりです。

 

わたしもわたしが好きな剣道の世界がより豊かになるように、批判承知で感じたことを書き連ねました。

今回の内容には決して個人を否定する目的ではないことを断言致しますが、関係者の方々がお気を悪くされましたら恐縮でございます。

が、1人の剣道愛好家の他愛事と受け止めていただけますと幸いです。

剣道の地稽古で「本気を出せる人」てどんな人?

わたしの道場の御意見番が教士8段ということもあり、色々な道場から参加されることが多いです。

 

中には御意見番の直弟子の方々も来られます。

直弟子の方々は剣道と向き合った人生を歩まれた方々。それくらい時間をかけてこられた方々なので体捌きや竹刀操作は教科書のように美しいです。

 

ただ一点だけ、偏見御免ですが気になるのは「気を抜いた稽古」をされているように感じてしまうこと。

 

 

地稽古は「手は抜いても気は抜くな」

手を抜くとは。

極端な話、地稽古で身長180㎝のたしが150㎝の中学生女子相手に常に仕掛け続けて打ち込んでいくというのは一方通行な剣道に見えます。こういう意味では手は抜かないといけないと考えます。

 

決してこれ見よがしに面を打たせて「いやー参った(笑)」という意味の手の抜き方ではないです。これも双方の為にならない。

 

 

気を抜くとは。

剣道は「発声も練習」というくらい気合の充実が不可欠ですが「オ~メェ~ン⇘」「オ~ドォ~⇘」のような残心。

に、加えて「オ~ドォ~⇘」のあとはすぐに構えず「参ったか」と言わんばかりの仁王立ち。かかる側からするとこういう点にはすごい敏感で目につくんですよね。

 

※⇘は語尾が下がっています

 

 

 

気を抜くとはどういうことか

どうしてそれが気を抜いていると言えるのか。

まず「オ~ドォ~⇘」の後の仁王立ちは審査や試合では絶対にやらないはずです(小学生で一本だと思い違いをして逆に一本取られるところは見かけますが…)。

 

 

あくまで地稽古は一本を取ることではなくて何分経っても気持ちを切らさない練習なのであって、有効打突(ぽい)のが出たら開始線に戻って仕切り直しをされてもちょっと困っちゃいます…。

 

そしてもう一つ。

10年近く直弟子の方々を見ていますが師匠にあたる御意見番に稽古をお願いするのを見かけても絶っっ対に「オ~メェ~ン⇘」のような発声はしていないんですね。

 

これはつまり、穿った見方かもしれませんが変な意味で相手を見て剣道を変えているように感じるんです。

本来、お願いされるからと言って「やってあげても良いよ」ということにはならないはずであり、誰のための稽古なのか、というのが不在のように見えてしまいます。

 

…と人のことをあまり言いたくないので引き合いに出すのはここまでにしますが、つまり、審査や試合など大事な場面で同じ行動をとるのかどうか。

まさに”気”を付けないといけないな、と感じます。

 

 

 

本気な人は打たせ上手

もちろん、直弟子の方の中にも本気を出してくれる人もいらっしゃいます。

そういう方の共通点としてどんな人と稽古をしても発声が変わらないと感じます。たとえ小学生相手であってもです。

 

それだけではなく、本気な人は打たせてくれたと気付かないくらい、自然と良いところを打たせてくれる人が多いとも感じます。

 

実際、自然に打たせることができるということは相手を自在に引き出せることにも繋がります。

 

これは気を抜いているわけではなく、気を調整できるという表現が正しいでしょうか。1の相手に100で勝つのでなく10で勝つイメージです。

これが出来れば難易度が高い応じ技も同じ理屈で成立しますからね。やはり双方の練習になっていると思います。

 

一見どこを打ち込んでも全て返されそうにしているけれど、ほんのわずかに剣先がゆるい気がする。怖いんだけど勇気をふり絞って踏み込んでみたけど、嫌な予感がするけどイケ〜〜!

と思って打ったら相面が取れちゃった。

 

実は↑のことは御意見番の教士8段のことなのですが、恐ろしいくらいに打たせ上手であるところに勉強させられます。まさに宮本武蔵

 

切り結ぶ 太刀の下こそ 地獄なれ
踏み込みゆけば あとは極楽

 

こういう環境を作れる人がいつでも本気になれる人であり、相手を引き出すことが上手い人だな、と感じます。

 

もちろん、打たせ上手は打つ機会を知ってますので、機会ではないところで打ち込んでも応じられてしまいます。

でないと、70歳が20歳の筋骨隆々男子と相面で打ち勝つ現象は起きないな、と解釈しています。

 

 

 

大人の本気は気の充実

剣道においての本気を出すというのは運動神経的な意味ではなく気の充実にあり、実は気の充実というのは相当な練習が必要なんだと思っています。

 

剣道は運動神経がさほど影響されないところが魅力の1つです。運動神経に個人差はあれど、老若男女で共通している気については抜いてはいけない。

 

共通だからこそ、抜かれた時に目に付きやすいのかな、と書きながら整理した次第です。

 

今週の土曜に久々に少年指導に当たります。

小学生に良いところで打たせてあげるのは非常に難しいのですが、どんな相手でも本気を出せることが自分の上達に繋がると信じて取り組んできます!

後輩の6段審査…反省会の結論は「ぼくはまだ4段!」

29歳の後輩が昨年の11月に6段審査を受けましたが、結果は残念…。

その後輩は警察官でしっかり剣道をやっているのですが、やはり段位=強さではなく、正しい剣道というか理合いを意識した剣道をしているのか、にかかっているようです。 

 

 

私も5段審査に2回落ちた経験があります。

なので昇段審査で不合格って死っっっんでもいやだという気持ちはわかります。しかし、段位を頂くとはどういうことなのか。そのあたりを2人で緊急井戸端会議を開催して考えていました。

 

 

 

昇段審査は正解が無いから怖い。

「培った理合いを見せてくれれば合格ですよ」という話だと思うのですが、理合いは状況に応じて変わるので100回やって100回表現できるものではないから怖いんですよね。勉強と違い、解答ではなく回答を作らないといけない。

 

まして「打たなくても合格」という事例もあるそうですから、いったいどうすれば良いんだ、と。

 

 

むしろ段位をもらってから本当の段位にしていく

仲間内でも「段位=強さ」ではないという認識でいますし「段位=正しい剣道」ではないのでは、とも話になります。

実際「おれ、切り返しがヘリコプター(※)なのに審査合格したわ(汗)」という実業団大会の入賞者もいますし「抜き胴ってどうやって打つの?」という全日本予選の入賞者もいます。取得してから悩む人も多いということなんですよね。

(※)ヘリコプターとは、切り返しをヘリのプロペラのように真横に振っているNGな切り返しのことです

 

 

じゃあ逆に「段位をもらってからその段位に見合う剣道家になる」と考えたらどうだろう、と。

 

例えば、通常は4段に合格=きっちり4段の実力ですが、4段に合格=3年かけてきっちり4段の実力にしていく、ということです。合格してからがスタート。

 

そうして5段審査の時に4段としての素養をきっちり身につけていれば「あ、4段じゃ物足りなさそうだね。じゃあ次の宿題は4年かけて5段の実力を身につけようか」というわけです。

 

いわば段位の前借りです。

人間、モノを返す時は力が入るもの。企業が全盛期の時は社員に「車買いなよ!家買いなよ!」と借金をさせることで働く原動力にしていた、と聞いたことがあります。考え方はコレに近いです。

 

 

剣道は終わりなき旅路ぞ

段位の前借りということは「これからも勉強しなさいよ」ということです。

いつも疑問だったのですが、一般的な剣道家は7段を取得したあと8段審査を受審する人はあまりみかけません。

 

疑問は8段に挑戦しないことではなくて「剣道の目的をどこに定めているのだろう」と。

ヘンな意味ではないですよ、これまでは「7段に合格する!」という気持ちで稽古をしていて、で7段に合格した。じゃあ次は…?

 

7段=7段の実力だと剣道から与えられた宿題はそこで終わりなので、その先の目標は自分で作らなけれいけません。段位を目指すのと同じくらいの原動力と自分が変わるきっかけをどこに見出せば良いんだろう、と感じるんです。

 

もちろん「剣道自体が楽しいから続けている」と思うのですが剣道を嗜んでいる方って「答えのない問題に永遠と挑戦する楽しさ」を知っている自己研鑽が好きな方だと思うんです。

 

剣道を学ぶ限り、その難問に挑み続けたい。その方が燃える人て多いと思うんです。その究極が8段審査。段位の最終目標をどこに設定したとしても、まさに生涯剣道。

 

7段に合格したら最低でも10年かけないと8段を受審できない=7段の素養を身につけるのに10年かかるわけです。60歳で7段取得しても、最低でも70歳までの宿題を頂けるという意味になります。

 

こういう考え方の方が剣道らしいなぁ、と思っています。

 

 

剣道を学ぶ=剣道を教える

一般的には「4段合格=4段の実力」という解釈なので、今回のことを高段者の方に話せば怒られると思います。あくまで気持ちの持ちようと考え方の話になります。

 

個人的には剣道を学ぶということは剣道を教えることと同義だと考えます。

ただ教えるではなく相手に伝わるように教えるというところですね。尊敬している剣道の先生が複数いらっしゃいますが、その方々の共通点として普段から相手に伝わるように鍛錬されているんだな、という印象を受けることです。そういふものに、わたしはなりたい。

 

 ちなみに冒頭の29歳の後輩は「まあ、確かに攻めって言われても感覚でしかわからないし、後輩に求められたらきついすね。きっちり5段じゃないということは、むしろまだ4段ですね!」と多少スッキリしていた感じでした。

後輩の彼がこれから最短で7段を取得しても35歳。そんなに急いで人生の宿題をこなす必要も無いですしね!

 

 

 PS

後輩とそんな結論になったのですが「先輩、教育業界で働いてるからか宿題とか学ぶとか教育ぽいすよね!」と言われました。教育業界で予備校の運営をしていたり、マーケティングをしていたのですが、剣道で培った考えが自然と仕事にも活かされてるのかな、と感じた瞬間でした☆

剣道の稽古前、一人稽古時のチェックポイントに優先順位を付けました

わたしが考える剣道の重要ポイントをTwitterで固定ツイートにしてまとめています。

 

目に見えるところに置いておけば意識しやすいですし体系立てて注意事項を書いておけば、意識する優先順位がわかるというメリットがあります

 

 

剣道はこの体系立ててというのが難しい。

地稽古でご指摘を頂いていも断片的なアドバイスになりやすいので、そこを直しても根本的な解決にならないことも多いかもしれません。

例:「姿勢をまっすぐにしなさい」といわれて胸を張るように意識をしても、そもそも面の付け方が悪かったり、膝が折れていたりなどが根本の原因だったりして中々姿勢が良くならない。

 

なので、わたしは必ず打つことよりも足のことよりも、先に構えから自分の剣道を確認するようにしています。

 

下記に書かれているチェックリストは随時変わっていきますが、書かれているものから順番に意識をしていくことが大事、という見方になります。

 

以下はわたしが気にしている剣道のポイント一覧です↓

構えのチェックリスト

☑︎左拳は自分の臍前

☑︎右人差を出して薬、小指で支える

☑︎右つま先は相手に向ける

 

打突前チェックリスト

☑︎前進は左、後退は右足で送る

☑︎打つ時は体を前に出すだけ

☑︎一歩出る時は勝った時だけ

 

仕上げのチェックリスト

☑︎打ち切るために相手と繋がる

☑︎稽古中は上記を一切考えない

 

 

 

 

 

構えのチェックリスト

☑︎左拳は自分のヘソ前にあるか

一般的には自分の拳を1個分ほど離したところを左拳の定位置とするのが無理無駄がないと言われています。

 

つい、打つ気持ちが強くなりすぎると左拳が自分の体から離れてしまい

・肘が伸びきった構えになってしまう=手の内が効かない

・脇が開いてしまう=打突が前ではなく上空を捉える、いわゆる”抜け手”になりやすい

 

何をするのも難しくなってしまうので注意が必要。

 

なぜ左拳がヘソ前にあると攻めが伝わりやすいのか

まず、左拳が離れていると肘が伸びたり脇が開いたりで単純に強くなさそうです。

これはもう一目瞭然だと思いますので、相手が「イケそう」と思える要因を自ら作ってしまっています。

 

もうひとつ、相手の竹刀を抑えたり払ったりする時に脇や肘の使い方に問題があると腕力だけしか使えません

一方、拳が収まっていると自然と体全体で竹刀を使いやすくなりますので、怪力自慢でなくても竹刀に重みが加わりますし、これが相手に「「やばっ」と思わせる攻めにつながると考えています。

 

 

☑︎右人差し指を前に出して薬・小指で握れているか

一般的には雑巾を絞るように、と言われます。

が、雑巾を↓こんな絞り方をイメージしてしまうと親指や人差し指の付け根に力が加わってしまい、手の内が効きません。

いわゆる「クソ握り」です。

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上記のような握り方になっている方は、稽古後に「合谷」と呼ばれるツボ付近がめちゃめちゃ痛いと思います。

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人差し指を前に出すとは

↓のように人差し指を前に出す握り方をすると自然と薬指と小指に力が伝わり、無理なく構えられます。本来の雑巾の絞り方もこのような形が正しかったそうです。

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ところが小手をつけているとどうしても手の中は↓のような握りになりがちなので、小手をはめても↑のように握れているのか素振りをすることも非常に重要です。

小手をはめる急に感覚が違ってしまう原因はこいつだと思っています。

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☑︎つま先は相手を向いているか

一般的には太ももの内側に意識を寄せ、ほんの少しだけ足の親指を相手に向けるようにすると良いと言われます。

 

これができないと突きが外れやすいです。

つま先が一ミリでも外を向いていると、その足を前に出せば出すほど体は外に逃げていくことになります。

 

突きが外れやすいということは、打突する直前の剣先の威力が削がれているということになり、相手は怖くないということになります。

社会人の稽古で突きを出すタイミングは無いと思いますが、剣先の威力を確認するためには必要になってくると思います。

 

 

 

 

 

と、わたしが構えで意識しているのはこの3つですが、まずはこの3つがしっかりできているかを確認してから次のチェックポイントに進んでいます。

こうすれば、剣道特有の「今日は全然ダメだった、あれっ、面打ちってどうやるんだっけ?」というくらいの調子の悪さは回避できると思います。

 

上記はわたしの中のチェックリストなので、別の人だと

・膝が曲がっていないか

・素振りの時にまっすぐ振り上げて振り下ろしができているか、

 

などもあると思います。まずは構えが大丈夫か、を確認することが大事だと考えています。

 

 

打突前までのチェックリスト

☑︎前進は左足、後退は右足で送っているか 

当然のことを言っていますが、軸足を意識しているか、ということですね。

これが出来ていない人は、素振りの時に1秒止まるのが苦手だと思います。

 

素振りはついリズムで行いがちで足に力が入っていないことが多いです。

突然「止まれ!」と言われた時に止まれない人は軸が前に後ろに動いているから=下半身に力が入らないので打突が弱いということになります。

 

 

☑︎打つ時は体を前に出すだけ 

これはいま試行錯誤している段階なんですが、本当に良い打突が出た時は足で飛んでもいないし、竹刀を振っている感覚もないんですよね。ただ前に出しただけ。

 

これは「結果的に」だと思うんです。構えも良くて攻めも効いていて自分のベストな間合いから打突をしていて、という結果だと思うんです。感覚で言えば手を前に出しただけで足は出している印象も無いのですが、ここは研究中のため詳細は省きます。

 

私の中で課題になりそうなのは自分のベストな間合いに入れたかどうかだと考えています。そこで次のチェックポイント。

 

☑︎一歩入る時は相手に勝っているか(基本的に)

自分の間合いに入りたいあまりに簡単に間合いを詰めちゃうのが悪いクセ。

基本的に剣道の仕組みは

⇨一歩入る

⇒相手が打ってきたら応じ技

⇒自分の間合いまで入れたら仕掛け技

⇒攻めが拮抗していたら崩し技

だと思っています。

 

ということは一歩入ったら相手はいつ打ってきてもおかしくないので、自分が負けている時に入ることは自爆になるわけです。この辺りを勢いでやってもいけない。

 

(基本的に)と書いたのは自分の間合いに入るまでの段階で攻め勝っていればズカズカと間合いに入り込んで、攻め崩しの必要などなく打ち込めるからです(ちょっと言い過ぎですが)。

 

 

 

仕上げのチェックリスト

☑︎打ち切るために相手と繋がる 

100%以上の出し切った打突をするためには、これまでの工程をしっかり踏むことも大事ですが、相手がどんな気持ちでいるのかを視ている必要があると思います。

 

打ちたい・守りたい・応じたい・安全に打ちたい・どうしたら良いのかわからない…

 

この気持ちがわかれば繰り出す技も変わってきます。

 

余談ですが、剣道は対人競技、対人競技にスランプは存在しないと思っています。その理由はまたのちほど。

 

 

☑︎稽古中は上記を一切考えない

 結局、これまでの内容を地稽古の間に意識するのはほぼ不可能ではないかと。

であれば、無意識にできるまで練習するしかない。社会人が無意識の域に達するためには一人稽古しかないと思っています。なので、Twitterで自分の一人稽古の内容はつぶやくことにしています。

 

面を着けた稽古は一人稽古の成果を確かめる場。もちろん一人稽古で全てを補うことは出来ませんが、わたしは一人稽古を続けていくだけで試合にも勝てると思いますし昇段審査にも通用するようになると思っています。

 

 

まとめ

実は、以前から剣道には教科書があるようでない、と思っていました。剣道は動きが複雑すぎるので、根本を直していかないと、部分的に直しただけでは成果が目に見えづらい。なので順序立てて学ぶことが大事だと思っています。

 

が、それが難しい。

どうしても、周囲はその時に気になったことをアドバイスするしか無く、であれば、自分が剣道を体系的に理解して、自分に必要な根本を直すしか、本当の意味で剣道は良くならないと考えています。

 

わたしも今でも剣道を体系的に理解しきれていないですが、こうして剣道の教科書作りをすることで自分の剣道も良くなると信じ、今回のチェックリストを作った次第です。

学校の部活動の環境が思っていたのと違った、親としてどんな声をかけてあげる?

フォローしている方のツイートを拝見しました↓

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うーーん難しい!!

 

数回見学に行ったり稽古をさせてもらっても、実際に入部したら全然違ったりしますもんね。会社選びと変わらないくらい、入ってみないとわからないことですよね。

 

わたしも娘がいますが、こういう状況になった時にどんな声をかければ良いのかな、と自分自身の予習を込めて考えてみました。

 

…子供には早い試練だと思いますが目標を達成するためにAプラン以外もあるんだよ、ということを教えて一緒に探してあげることをするかな、と思いました。

 

道場のみで育った剣道中学生はけっこういる

わたしの中学生時代を思い返してみたんですが、小学生の時に活躍していた子が、中学校は近所の公立中学校に通った。

でも、その中学校は初心者しかおらず、練習試合はいつも4-1で負け、という子はけっこういました。

なので、県大会の個人戦で中学校名は全然聞いたことがないけど「えっ、なんでこんな強いの?」という印象は中学生時代に一番感じた気がします。高校までいくと進学の幅が広がって学校名=強さで特定の学校に集まりやすなりますし。

 

中学時代に道場メインで育った子は、綺麗な剣道をしている子が多い気がします。学校剣道では試合に勝つための練習だったりすると思うのですが、道場の剣道は【年配の高段者=正しい剣道・若手の先生=勝つ剣道】がいらして剣道をバランス良く教えてくれるという魅力があります。

 

ここでは綺麗な剣道=大人になった時に良い剣道ができる、とは繋げません

子供たちにとって今が全てで、上記のような表現は、ちょっと大人の理屈になるかな、と思ったので避けました。単純にわたしが中学生の時にこのことを言われるとちょっと嫌だったのを覚えています。今、全中に出れるかどうかが大事なの!と

 

しかし、綺麗な剣道が出来ている子は吸収が良いですね。テニスで言えば、常に真ん中にいるので、どんな球が来ても左に右に対応できる対応の良さはわかってくれるのではないかと思います。

 

なので、中学校でチームメイトに初心者が多く、中々団体戦に勝てなかったとしても、高校で剣道生活がぐっと変わるのかな、とも思います。

 

 

逆に予想通りの環境でも人間関係でうまくいかない子も多い

門中学校に通ったものの、予想以上に練習がきつかった、先輩との上下関係が想像以上に辛かった。で剣道に嫌気をさして辞めてしまった。

なんだか非常に悔しいというか勿体ない剣道の離れ方の気がしますが、こういう子もけっこう多い。続けたとしても惰性でなんとなく続けているだけとか。

 

会社といっしょで、良い会社だ、良い人事の人だ、と思って入ってもその部署の上司の人間関係でその会社の印象はガラッと変わると思うんです。部署異動でも違う会社に来た印象になります。

 

つまり、半分は運。最近風に言うとガチャですね。自分自身ではどうすることもできないこともあると思うんです。

なので、もし私の娘が学校選びに後悔していても、娘が自分で選択して進学先を決めたことは認めてあげたい。

そのうえで「さあ、どうしよう」といっしょに考えてあげたい。

 

 

剣道で試合に勝ちたいという目的なら方法はまだまだある

「他の子は部活動の剣道で強くなっている」という他の子と別のことをするという難しさがあります。そして、地稽古が主になりがちな道場なら意識して自分で基本打ちやかかり稽古に取り組むという難しさもあります。

が、手段はありますし、幸いわたしは剣道をやっていますので、その子に足りないものを見てあげることができます。

そうして、その子のやりたい剣道をサポートしてあげたい。

 

部活動生活に憧れているという目的なら…どうすれば良いんだろう…

平たく言えばキラキラ感に惹かれて、できればそれが自分の得意な剣道で、という子もいると思いますが…

 

あっ、でも「ちはやふる」の千早ちゃんは中学校でかるた部が無くても「かるたで必要な反射神経を鍛えられるから」と陸上部を選んでました。もちろん、部活後に自分のかるた部に通って練習は続けていました。

別の競技に触れてみることも結果的にその子のためになるかもしれませんし、千早ちゃんのような行動の仕方もありなのかもしれませんね。

 

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まとめ:富士登山ルートは1つじゃない

中学生には早すぎる試練だと思いますが、自分の目的を達成するためにはいろんな方法があるんだよ、ということを教えてあげられたらな、と思います。それを親として支えてあげたい。

 

うちの娘も考えに考え抜いて選択した行動が想像と違っていた、そんな場面に出くわすと思います。大事なことは、置かれた環境で何が出来るか・手に入る範囲で不足しているものを補うのか、出来る限りの自給自足の方法を教えてあげたいです。

 

 

あとは綺麗ごとにならないように娘を見守る胆力をわたしが鍛えていきたいと思います!