剣道七・六段審査寸評(2023年7月)
剣道審査会の結果について、「剣 窓」令和5年7月号に掲載されたので、その内容を転載した。これからの稽古に活かしたいと思う。
剣道七・六段(愛知)審査会
七段合格率 18.7%(受審者878名、合格者164名)
六段合格率 26.9%(受審者836名、合格者225名)
◆審査員の寸評(抜粋)
・着装を整えた受審者の立会い前から充実した気勢で望む緊張感が伝わってきた。
・年齢層の若い受審者の力強い打突に石火の勢いが多く感じられた。
・女性や高齢者の方の立会いでは、円熟した経験を表すかの如くしなやかで、鎬を使った攻め合いも見られた。
・攻めの勢いを感じられる方たちの左脚に注目した。膕の適度な緊張と緩み、何時でも打突に転じられる構えと、左手の納まり、素晴らしい方が大勢見られた。
・勢いを感じる立会いは正しい姿勢、充実した気勢があり、剣道試合の有効打突の要件を満たし、打突後の余韻すら感じるものだと思いました。
・このような立会いが多く見られた反面、仕掛ける技も、相手を引き出し応じていく技も不十分なままの方もおられました。
- ※充実した気勢で「攻める・ためる・打ち切る」の一連の動作を身につけたいものである。
剣道・居合道審査会の寸評
◆居合道八段審査会寸評
「剣窓2023年1月号」掲載
1.技の中に仮想敵は見えず、形のみで攻めの気迫が欠けた演武が目立った。
2.正座の姿勢からの抜き付けは、上体を真っ直ぐに丹田に力を入れ、腹・腰の力で腰の据わった力強い体勢で抜き付けるが、これができていない。
3.鞘放れの一瞬に手首のひねりを利かせ、手の内の締まりで迫力ある冴えが出る。切り下ろしにしても力のみで切ると力みが生じ、腕だけで切ると右拳が「居付き」になる。リキまず溜とネバリで力を抜くところは力を抜くことを覚えるのも大切。
4.呼吸の乱れを見せず演武することが必要となる。合格者は安定した体幹で腰の据わったリキミのない手の内の利いた攻めの演武が随所に見られた。
5.日々の稽古の際に、常に技の中に仮想敵を意識し、攻める気持ちで、一刀ずつ全力で気力を集中させた厳しい修業を望む。
◆剣道七・六段審査会寸評
「剣窓2023年1月号」掲載
1.剣道では気剣体の一致。かけ声、剣先の攻防、打突前・時・後の姿勢、捨て切った打突等が求められるが、審査を意識してか、緊張してか、単に表から間合を詰め一緒に面を打ち合っている単調な場面が多く見られた。
2.言い換えれば表・裏・下を攻める、押さえる等の攻防が少なかった。
◆居合道七・六段審査会寸評
1.着装・礼法について、紋服着用の場合は事前に身に合うように直し、着慣れておくこと。
2.技では、形や刀勢にこだわり気剣体の一位ができていないため、思い切りの悪い居合となっている。気剣体の一致は最重要課題です。