ドラマ 3

 

トラちゃんができるのは トラちゃんの好きに生きることです。また弁護士をしてもいい 違う仕事を始めてもいい。僕の大好きな あの 何かに無我夢中になってる時の トラちゃんの顔をして 何かを頑張ってくれること。

いや やっぱり 頑張んなくてもいい。トラちゃんが後悔せず 心から人生をやりきってくれること。それが 僕の望みです。〈44〉

 

私の幸せは 私の力で稼ぐこと。自分がずっと学んできた法律の世界で。(…) そう。あいにく どこも 私を雇ってくれない。今は仕事も少なく 収入も不安定。それでもね もう一度 法律の世界に飛び込んで 人生をやりきりたい。 〈45〉

 

『虎に翼』のこのシーンを見て、数年前に『タイタニック』を見た時と同じ感想を持った。(https://kumanchustar.hatenablog.com/entry/2021/06/27/110429?_gl=1*d5qa15*_gcl_au*MjE0NTg3MzY4Ny4xNzE2MzQ4MDAy)

ジャンルが違うから、同列に語ることはできないけど…。そもそも戦争は絶対やってはいけないし、国政のせいで命を落とすなんて、今も昔もあってはならないけど、胸にすとんと落ちるものがあった。

なんか、いつか周りの人は亡くなる、自分もやがてそうなる、って考えた時、じゃあ何が人の心に残るんだろう。の答えを示すのが、物語の役割の1つなんじゃないかなと思う。

贈った言葉が、誰かの指針になること。受け取った言葉が、心の中で光り続けること。繰り返して創作の森は広く深く、人々を救うのだろうと思いました。

 

タイタニックの印象的なシーン

なあ… ローズ 頼みを聞いてほしい。約束してくれ 生き残るって。絶対… 諦めないって。どんなことがあっても… どんなに望みが薄くても…。約束してくれ ローズ…。その約束を守ってくれ。

 

ありがとうございました。

 

本 15

 

気になってた本をちょうど図書館の新刊コーナーで見つけて、借りた。

内容を勘違いしてたんだけど(小説に出てくる手紙について書かれた本かなと勝手に思ってた)、詩や空間など、いろいろな切り口からラブレターを分析していて、興味深くページをめくった。

 

今回の読書をきっかけに、今まで読んだ中で印象に残ってる「手紙が出てくる小説」を本棚から取り出したのがこちら。

※ネタバレ注意

どれも、ラストが手紙で締めくくられていて、読後の余韻がすごい。(『孤島の鬼』は、厳密には手紙じゃないけど…本人からでもないし。『鳩の栖』は短編集で『粟樹─カスタネア』という話が該当します。『TUGUMI』は、もともと親が吉本ばななが好きで、単行本が昔家にあった。)

小説ってただでさえ文章なのに?、その上に手紙を重ねられると、直接は伝えられない、葛藤とかもどかしさとか後悔とかが乗っかって、秘密の思いを盗み見ているような気がして切なくなる。「過去の過去」というか。戻らない時間を思うと、胸がぎゅっとなる。

手元にはないけど、『ののはな通信』(三浦しをん)は全編書簡形式の長編で、読みながら圧倒された。

あと、ちょっと話逸れるけど、アガサ・クリスティポアロシリーズに、「手紙の頭をちぎり、〈she〉を〈he〉にすることで性別を惑わす」みたいなトリックがあって、「翻訳じゃ絶対当たらないじゃん!」と思った記憶がある。

 

以上、思い返すと記憶があふれ、自分は手紙が出てくる小説が好みなのだなーとしみじみ感じた。

 

これからも積極的に探してゆこうと思いました。

 

ありがとうございました。

映画 8

 

初めて新海監督の作品を観た。

地震に対する根源的な(立ちすくむような)恐怖と、アニメーションの躍動感とのギャップが、最初、自分の中でうまく噛み合わなかった。

ネコがしゃべったり、人が椅子になったり、ファンタジー色も強くて、どれだけ現実的な感覚で受け止めればいいのか、よくわからないまま映像を眺めていた。

 

草太さんの潜在意識が海の底に落ちるシーンで、スーッと物語に入り込めた。

不安を吐露し、セピア色の風景に飲まれる姿を見て、自分も切実な気持ちになった。すずめに行く末を託す気持ちになった。

 

ダイジンからしたら、すずめは人柱の役目から解放してくれた恩人でもあるけど、すずめ達にとっては厄災のもとのような存在になってしまった。それを理解し、受け入れ、要石の姿に戻った…っていうのが哀しいなと思った。

常世の混沌を鎮め、現世の平穏を保つために、誰かが人身御供にならなければならない」という結末は、『ブレイブ・ストーリー』を連想させ、より苦しくなった。(ちょうど先月読み返して、涙したところだったのでよけい…)

 

いろんな要素が詰め込まれていて、難しさもあったけど、考えること、感じることも多かったです。

 

ありがとうございました。