競争は、しない方がいい

私のモットーは、「競争しないこと」だ。

 

「ライバルと切磋琢磨することが成長を促す」とよく言われるが、これは一部の人に当てはまる競争のプラス面を指摘しているにすぎない。

競争には、「焦って自分のペースを崩してしまう」「ライバルに打ち勝つことが最大の目的になってしまう」「負けることで自身を無くす」など様々なマイナス面が存在する。 

また、プラス面は、競争以外の方法で代替可能である。自分をしっかりと律することさえできれば、上昇志向や効率性の向上といった競争の利点は実現できるのだ。

 

人間は、他人よりも自分が優れている面を自覚することで自己肯定感を得る生き物なので、競争を意識してしまうことは仕方がない。しかし、周りが勝手に優劣をつけてきても、自分を律することが重要だ。

 

もちろん、同じ道を目指して努力する仲間がいるという安心感を得るために、仲間は必要だ。だが、ライバルは要らない。

強いて言うなら、ライバルは自分自身だけでいいのだ。

民意をどうやって集団の意思決定に反映させるか?

「デモクラティア」という漫画の1巻を読んでみたけど、なかなか面白かったです。

「デモクラティア」とは、人型ロボット(名前は徳永舞)をユーザの"多数決"によって動かしていくゲームソフトの名前。

ユーザの上限は3000人。

個人のPCに勝手にウイルスが送りつけられて最初の3000人が決定され、
参加度合いによってユーザが自動的に変更されます。
つまり、よりモチベーションの高いユーザのみが残っていくシステムですね。

特に、面白いのが、"多数決"の仕組みです。

例えば、人型ロボットが発言する言葉について各ユーザが提案を行うとします。
すると、以下のような手順で発言内容を決定します。

①多かった意見の上位3つを表示
②一人しか提案しなかった「単一案」(多数案と正反対の意見)も2つ表示
③5つの意見の中で、投票を行い一番投票の集まった意見を実施

一人しか提案しなかった意見には、有益でとても面白い発想が含まれていることがあります。
それを残すことで、より重層的な多数決を達成しようというシステムです。

少数派の意見を集団の意思決定に反映しようという試みはとても大事です。
日本の政治だって、少数派の若者の意見を反映させることは必要ですよね。
だからこそ、18歳まで選挙権を引き下げる法案が通ることを願っています。
(詳しくは、こちらのニュースをご参照ください)

ただ、必ずしも、少数派の意見を反映させることが、良い結果をもたらすとは限りません。

漫画内では、当のロボットが男とデートをします。
そして、帰り際に男にキスされそうになるのですが、ロボットは「お前キモイよ」と発言してしまうのです。

もちろんこの発言も"多数決"によって決めたのですが、もとは一人しか提案しなかった「単一案」でした。
しかし、単一案を民意に反映させた結果、相手を傷つけるような発言をしてしまったのです。

これは現実のネット社会に似ていますよね。

ネットは、少数派の意見も汲み取ることができます。
しかし、それが必ずしも良い結果を生み出すとは限りません。

例えば、ある2chのまとめ記事では、政治家を誹謗中傷する意見が大量に書き込まれています。
大量といっても、投稿している人はごく一部のネット民です。
しかし、ネットでは少数派の意見がまるで多数派の意見の様に見えてしまいます。

まとめ記事を読むのは一般市民です。
少数派の意見が多数派の意見に影響を与えてしまうという構図は、注意が必要だと思います。

少数派の意見を、どうやって民意に反映させるのか。
今の私には、答えが出せない非常に難しい問題です。

”民意”を反映したロボットがこれからどういう行動を取っていくのか。
2巻以降を読むのが、とても楽しみです。