ウェブ検索でヒットする野比家の間取り図たち。
そのほとんどが、アニメの設定に基づいたものです。
さて、そこで原作はどんな間取りなのか!
調べてみました。
【のび太の部屋】
まずはじめにのび太の部屋。
一番よく出てくるおなじみの部屋ですね。
「勉強部屋の大なだれ」より6畳間と判明するも、普段は畳が省略されているのでなかなか畳の姿は拝めませんでした。
唯一、「オモイコミン」にて畳が確認できます。
確かに6畳間。
あとはデカい本棚がありますが、特に珍しいものではなくわざわざ画像を貼るまでもないので省略。
【二階廊下】
のび太の部屋のドアを中心に、右に階段、左に窓。わさドラ版アニメとはあべこべです。
のび太の部屋の向かいの壁はあまり描かれることはありません。
「ドラえもんだらけ」で唯一、向かいに和室があることが示されています。
原作でこの部屋が書かれたのは一度きり。
ただし派生作品では何度か描かれています。
さいとうはるお先生「名言・格言まんが事典」
こちらも絵柄的にさいとう先生と思われます。「最新ひみつ道具大事典」『人間磁石ベルト』
小一連載「まんがひみつ道具百科」単行本「どこでもドアのまき」『アスレチック・ハウス』
意外にも、向かいの和室は浸透しているようです。
そして、その廊下の窓の反対側は壁のはずですが、扉が描かれたことがあります。
が、中が登場したことはなく、この扉の描写も一度きりなので無視して大丈夫でしょう。
その先の階段部分はこんな構造になっているようです。
なんだかドラにしてはあまりみない構図かも。
加えて細部まで描かれる柱たち。ちょっとA先生作品っぽい?
【和室】
先ほどから説明している、二階の和室。
コンセントがあるようです。以上。
これにて二階は終了。
一階に入ります。
【居間】
階段を降りてすぐ横の居間。
この構図はよく見ますね
奥にはタンスが2つ。
襖の正面にテレビがあります。
居間のガラス戸は2枚だったり3枚だったり4枚だったりまちまちなんですが、3枚になっていることが一番多い気がします。
【応接室】
初期作品には結構登場していたものの、いつしかめっきり出なくなった部屋です。
ソファーとテーブル、その上の灰皿。これぞ応接室。
【客間兼寝室】
居間の奥にある和室です。
床の間と障子が特徴。
「みせかけ落がきペン」では少し部屋の構造が変わった?襖が4枚もあります。
【台所】
これが結構登場回数がないので調べるのが大変。
入口よこに冷蔵庫、シンク、コンロがあり。
その横の壁には食器棚
入口脇にも食器棚
ガラス戸、勝手口もあります。
このあたりは台所内部から描かれることがほぼないので、これらの位置関係は宇宙小戦争で描かれた、裏側からみた野比家から推測することになります。
【トイレ、洗面、風呂】
トイレはわかりやすいです。
洗面は、おそらく吹き出し下にみえるガラス戸かと思います。
入口右に洗面台。
左に棚があるようです。
これは少し特殊。右のドアはトイレ?
これも一度きりの描写なので無視して大丈夫でしょう。
お風呂はバランス釜です。「こいこいマークでお中元」で破壊されかけました。
【一階廊下】
まず、玄関先。
靴箱だけの簡素な玄関。
さらに、これは推測の域なのですが、玄関入って左に応接間の扉。
かなり初期作品ですが、応接間が初期にしか出ないので別に良いでしょう。
しし男くんの母がなぜこんなとこにいるのかはここで聞かないでください。
応接室前。額縁があることしか言うことがない。
居間の前はさっきの通り。
ちなみにこの反対側は
柱があるのみ。
トイレや風呂は階段横の廊下の先にあると推測できます。
台所はこんな感じ。
実は、台所の入口は廊下の突き当りにあったり側面にあったりまちまちです。が、側面にあったほうが都合がよいのでそちらを採用します。
突き当りバージョン。
最後に縁側。魔界大冒険が印象深いです。
これらの具体的な位置は、全く不明でどうしたものかと思ったのですが、魔界大冒険の話の流れより台所の近くと推測されます。
本編では(特に後期作)ほぼ描かれないものの、廊下を曲げて縁側へと繋げるようにしてみます。
そんなこんなで、間取り図が完成しました!
細かいところは都合よく改変している場合があります。原作でも設定が特にないので許してください。あと外観は90%ぐらい無視してます。
これでおしまい。
いや、もう一つだけ説明しなければいけないことが…。図面では、のび太の部屋の向かいをのび助の書斎とさせていただきました。
先ほど和室と紹介したのにも関わらず…
野比家にはのび助の書斎も存在していて、数回登場しています。
しかし、この部屋がどこにあるかについて全く語られていません。そこで、「ドラえもん 深読みガイド」では重い百科事典があるので一階ではないか、と仮説が立てられていました。
ちなみに、これは応接室の説明で、まさかの書斎と同じ部屋ではないかとしているんですが、F先生やアシスタントの方々が応接セットを片付けて書斎にしている設定を作るかといったらそんなことは十中八九ないと思うので、さすがに鵜呑みにできません。
この部屋は、のちにむぎわらしんたろう先生筆の「映画ストーリー のび太と奇跡の島」にも登場しています。
本棚にある本が例の百科事典なので間違いありません。
そして、この一コマ前。
なんと、階段を登る描写が。つまり、むぎわら先生的には書斎は二階という考えなのでしょう。
「深読みガイド」があまり信用ならないので、むぎわら先生の描写を尊重し、のび助の書斎をのび太の部屋の向かいにおかせて貰った、ということです。
和室は一回しか出ていませんし…
最後に。
「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」にあるのび太の家は、原作ともアニメとも似つかんオリジナルな設計となっています。これが原作設定と勘違いなさらないように!!!原作は模型として成立しないつくりなので仕方ないとはいえ…
そのミュージアムで販売された「のび太の家Tシャツ」の間取り図も同様です!原作ともアニメとも似つかないし、なんと上画像の模型とも異なります!それだけご注意を!!!
と、いうわけで今回はおしまい!
久々の更新になってしまいました。