こんにちは、MINICです。
今回はグリーンカードシリーズです。前回、デトロイトダウンタウン近くにあるUSCISで指紋採取と証明写真撮影をしてきましたが、時を少し遡って2023年12月から開始したI-693というプロセスについて残しておこうと思います。
I-693とは
Report of Immigration Medical Examination and Vaccination Recordと呼ばれるもので、USCISがグリーンカード申請者に要求している書類の1つになります。USCISが申請者のアメリカ永住を承認するにあたって、その申請者の健康状態や、義務付けられているワクチン接種を受けているかを確認するプロセスです。I-693の提出タイミングは大きく分けて2通りあるそうです。1つはI-485と同時提出。もう1つはI-485のインタビュー時での提出、だそうです。USCISはI-485と同時に提出することを強く推奨しているようです。我が家の場合、雇用ベースのため面接はないので、I-693はI-485と同時に提出しました。(実際には弁護士が提出したので、本当に同時かどうかは不明ですが・・・)
I-693取得のステップ
これは申請パターンによって多少異なると思うので、あくまで我が家が踏んだステップをご紹介。
1. 母子手帳入手
2. 母子手帳の英訳とワクチン接種履歴のデータ入力
3. USCIS指定病院(Civil Surgeon)の検索と予約
4. 健康診断とワクチン履歴の確認
5. 血液検査
6. 接種が必要なワクチンの連絡
7. ワクチン接種
8. I-693取得
9. I-693送付
1. 母子手帳入手(~2023年12月上旬)
グリーンカード申請者の私と妻は、生まれてから日本で受けた予防接種記録が必要なので母子手帳を準備します。グリーンカード申請を始めた後に日本への一時帰国があればそのタイミングで持ち帰っておくのがベストでしょう。我が家は実家の母に連絡して送ってもらいました。ちなみに原本でなくても、予防接種記録ページの写真を送ってもらっても問題ないケースもあるようですね。実家の両親に国際郵便で送ってもらう手間も発生するので、携帯で撮った写真で問題ないならその手が一番リーズナブルかも知れませんね。
日本生まれの長女も母子手帳はありますが、私のアメリカ赴任=駐在によって生後3ヶ月でアメリカに来たので、生後3ヶ月までに接種したワクチン記録は主治医(Primary Doctor)によって全てミシガンのデータベースに入力されており、そこから3歳前までアメリカで接種したワクチンももちろんデータベースに保存。その後日本に本帰国して接種したワクチンも、2019年10月の再渡米時に同じ主治医にデータベースに入れてもらったので、全てのワクチン記録がデータベースにあったため特に苦労はせず。
2. 母子手帳の英訳とワクチン接種履歴のデータ入力(2023年12月中旬)
送ってもらった母子手帳のままだと日本語表記なのでアメリカ人のドクターや看護師に見せても「ナニコレ?」状態。なので英訳が必要になります。専門業者に依頼したり、自分で訳したりと色々方法はありますが、我が家は主治医の病院にお願いして英訳&データベース入力してもらいました。我が家の子供達3人とも主治医は全て同じアメリカ人の先生ですが、親である私と妻の主治医は日本人。日本語が通じる方が良いというザ・ジャパニーズな考えで(笑)とか言いながらこの時の健康診断はアメリカ人の女医さんでしたね。もちろんコミュニケーションは英語でした。ニホンゴはどこへやら・・・。ミシガン大学のヘルスセンターを拠点にしているので、ちょうど良いタイミングで年1回の健康診断(I-693はこれとは別)があったので依頼してみることに。するとコピーを取ってくれて、健康診断の間にデータベースに入力してくれてました。ちなみにミシガン州のレコードはこんなの。母子手帳の記録を自分では入力できないので医療機関に依頼する必要があると思います。
妻の母子手帳は後日到着し、そのタイミングでは妻の健康診断がすでに終わっていたので、私が主治医の居る病院オフィスまで持参して、私の時に対応してくれた受付の人に「妻の分も英訳してデータベースに入れて下さい」と依頼。その時は英訳ができる担当者がお休みでいなかったので、同じようにコピーを取って数日以内にデータベース入力が完了しました。
補足1:
私はこのタイミングでワクチンを無料で接種してくれる郡の保健所へ行きました。理由は選んだUSCIS指定の病院が家から遠いので極力行く回数を減らしたいと思い、病院に行く前に予防接種を終わらせておけばスムーズに事が進むと思っていたため。が、ここでちょっとプロセスに対する注意点が。
保健所の看護師さんからは、MMRとVaricellaは今日ここで打てるけど、打つと2週間は抗体反応に影響が出るからUSCISの指定病院に行っても血液検査はできないわよ、と言われます。つまり、プロセス的には、先にUSCISの指定病院に受診して抗体があるかないかの血液検査を実施し、その結果を指定病院の先生が確認したうえで必要なワクチンを接種しに行く、が正解です。ここで若干時間を無駄にしましたが、妻も同じプロセスを控えているので、妻の時には無駄な事をしなくてもよくなり、良い勉強となりました。この記事を参考にこれからI-693を取得しようとしている方がいましたらぜひお気をつけ下さい。
補足2:
保健所の看護師さんに「グリーンカード申請に必要なワクチン打って下さい」とお願いすると、私の持参したレコードを見て、下記ワクチンの接種を推奨されました。
・DTP
・MMR
・Varicella
・Hepatitis A
・Hepatitis B
・Influenza(年1回のシーズナルショット)
・COVID-19(年1回のシーズナルショット)
なお、必要なワクチンは年齢や出身国など条件によって異なるようです。私の場合(日本人、30歳後半、男性)の場合は、持参したレコードから上記7種類をあげられました。DTPは2017年に打っているので必要なし、このシーズンのインフルエンザとコロナに関しては既に接種済み。MMRとVaricellaに関しては抗体検査の関係で後回し。Hepatitis-AとHepatitis-Bに関しては、恐らくグリーンカード申請には求められていないけど打っておくにこした事ないから打っとく?と勧められたので、無料やしどうせならとその日に接種してもらいました。
3. USCIS指定病院(Civil Surgeon)の検索と予約(2023年12月下旬)
I-693における健康診断を依頼する医療機関はUSCISがしているCivil Surgeonを利用する必要があります。つまり、普段利用している自分のPriority Doctorには依頼できないということですね。検索はUSCISのウェブサイトで簡単にできます。自分の住んでるZip code、希望する言語(日本語)と先生の性別を選択して検索すると色々出てきます。
我が家は、同じ会社で既にグリーンカード取得した日本人の友人から教えてもらった医療機関を利用しました。理由はここが一番費用が安いから。このI-693には保険が適用されません。なので政府指定の健康診断プロセスと言えども、選択する医療機関によって費用が異なります。友人がI-693を取得する際に調べた結果、ここが一番安かったと教えてもらいましたが、友人が調査したタイミングから半年以上経っている、そしてこのインフレで値段も上がっていたこともあり、念のため自宅近辺にある複数の医療機関と比較。その結果、教えてもらった所がやっぱり安かったのでここに決めました。あとは、この病院はAnn Arborという我が家からは遠い所にありますが、病院のすぐ近くに血液検査を実施するために指定されるミシガン大学があり、この施設には過去に何度か行ったことがあるのでこれも決め手に。という事で、病院が決まったので早速ウェブサイトから予約を入れます。
長女もI-693が必要なので、学校を休まなくてもいい冬休みを利用して私と長女は新年明けてすぐの1/3に、妻はそのタイミングでまだ予防接種の記録が届いていなかったので翌週の1/10に予約しました。
4. 健康診断とワクチン履歴の確認(2024年1月上旬)
当日までにI-693のフォームの最初の2ページを記入して持参します。これは、この病院から持参するようにと指示がありました。持参しない場合は病院で準備できるけどその場合は追加で費用請求があると記載があったので、ちゃんと準備しておきます。予約時間に到着すると、アジア人の先生が長女と2人同時に診てくれます。日本語は全くもってしゃべれない先生でしたが(笑)健康診断と言っても、聴診器による心音等ごく一般的な項目のみチェックされて終了。そして持参した予防接種記録を渡して何のワクチンを接種しないといけないか確認します。
すると、長女は必要な全てのワクチン接種が終わっているので、今シーズン分に対するコロナの予防接種だけが必要との回答。そして私に対しては、「血液検査でMMRや水疱瘡等に対する抗体があるか検査するので、まだ必要なワクチンが何かは分からない。この後2人とも近くにあるミシガン大学に行って採血してもらって下さい。採血の結果を確認して必要ワクチンを連絡します。」となってこの日はこれでお終い。滞在時間はものの10分程でした。ちなみにかかった費用は1人199ドル。我が家の場合3人なので597ドル必要でした。
5. 血液検査(2024年1月上旬)
健康診断が終わったのでUSCIS指定病院の医師から紹介状をもらい、その足で指定された病院へ向かいます。ここでは採血されるのみですが、採血管10本程と、通常の血液検査で採られる血液量の倍近く採られました。注射嫌いの長女も泣かずに頑張って採血完了です。ちなみに、この採血には別途費用が発生しますが、ここは加入されている保険会社やカバレッジに寄ります。我が家の場合は自己負担ゼロでした。ヨカッタヨカッタ。
6. 接種が必要なワクチンの連絡(2024年1月中旬)
血液検査から数日後に指定医からメールが届き、血液検査の詳細結果書類と共に、「You need the vaccination following : 1 dose of MMR vaccination.」と連絡が。どうやらVaricellaの抗体はあったようですね。という事で、私はMMRを、妻はMMRとHepatitis B、そしてコロナを、長女はコロナの予防接種が必要であることを指示してもらいました。
7. ワクチン接種(2024年1月中旬)
指定医からの指示を持って早速郡の保健所に再訪です。私はMMRを、妻はMMRとHepatitis Bを打ってもらいます。(訪れた日は別日ですが)ワクチンを打ってもらったらミシガンのレコードを更新してもらい、紙のコピーを持って帰宅。長女は妻と一緒に近所の薬局でコロナのワクチンを打ってもらい、接種証明カードをもらって帰宅。入手したそれぞれの証明書を指定医の先生にメールで送り、これにてワクチン接種は完了。
補足1:
ワクチン接種は自分のPriority Doctorの病院でも打ってくれると思いますが、保険や医療機関によっては自己負担費用が発生します。我が家の場合、近所にある郡の保健所に行くと、打つべきワクチンは無料で打ってくれるとの事だったので、迷う事無く保健所を利用しました(笑)この保健所、予約無しで飛び込みでもOKなのがありがたい。でも朝一の開院と同時に行かないとメチャクチャ待たされるのでそこだけ注意が必要ですね。
補足2:
ワクチンには大きく分けて生ワクチンと不活性化ワクチンがあるようですが、医療機関によっては一緒に打ってくれずに、2週間間隔をあけるように言われたりするようです。実際、ミシガン大ヘルスセンターのPrimary Doctorからは一緒に打てないから2週間あけないといけないって言われましたね。かたや利用した保健所は関係なく一気に打ってくれました(笑)どっちがいいのか分かりませんが、間隔をあけるとなるとその分グリーンカードプロセス全体に影響が出るので、一度に複数のワクチンを接種することに抵抗がなければ同時打ちがいいかも知れません。あくまで個人の判断ですが・・・。私は一番最初に保健所に行った際、MMR/Varicella/Hepatitis A/Hepatitis Bの4本を同時に打つ予定でした(笑)
8. I-693取得(2024年1月中旬)
ワクチン接種の証明書をメールで送付した翌日、指定医の先生からI-693の書類準備できたので営業時間内ならいつでも取りに来ていいよ、と連絡が入ります。その連絡の翌日にAnn Arborにある病院を訪れて、3人分のドキュメントを受け取ります。受付のおばちゃんから、封をする前に内容(名前のスペルや生年月日、国籍やパスポートナンバー等)を確認するように言われるので3人分しっかり内容確認し、問題なければ封をしてもらいます。I-693は指定医によって作成・封印され、申請者が勝手に開けてはいけない事になっています。一度封をすると中身の書類を確認できなくなるので、念のために受付の人に行って、コピー(スキャンしたものをメールで送付)をもらいました。
9. I-693送付(2024年1月下旬)
無事に封された3人分のI-693を受け取ったので、その足で郵便局に向かって追跡番号ありで移民弁護士に送付。4日後に無事に受け取ったと連絡があり、その後10日後位にI-485とI-140と同時にUSCISへ提出されました。これにてI-693、完了です。
と、今回は自分で対応しないといけない最大のプロセスである(と思われる)I-693取得に関してでした。健康診断と一口に言えば対したことないプロセスですが、外国人(日本人)である我々にとっては、アメリカ(移民局)が要求しているワクチン接種が最大の難関ですね。母子手帳を日本から取り寄せて~英訳して~データベースに入れて~・・・と言うのがまぁめんどくさい(汗)でもまぁ今回体験した経験から、最悪母子手帳がなくても、指定病院に行って血液検査で抗体確認してもらえば必要なワクチンを指示されるので、その指示されたワクチンを打てばOKだと個人的に思っています。が、私は医療従事者ではないので、あくまで一個人の意見として記載しておきます。ワクチンの打ちすぎ(例えばHepatitis Bを過去に1度打っているのに、レコードにないからと言ってもう1度打ってもいいか)が人体に影響があるのかどうかも分かっておりませんので・・・。あくまで参考として取り扱いくださいませ。
さて、これで健康診断も終わったので最終プロセスのI-140とI-485の提出です。これらに対しては特に難しい工程はありませんが・・・いや、お金の準備という私にとっては一番苦しいプロセスがありますが、それについてはまだ次回のブログで。
それではまた。
MINIC