お祭り騒ぎ

昨日今日と、二日間にわたって秋祭りがあった。
子どもの時から祭りに「参加」することなどなかったのだが、
いろんな地域のしがらみから、今年は二日間とも「参加」せねばならなかった。

一日目は「高張」(提灯持ち)。3メートルくらいの長さの棒に大き目の提灯が付いているものを持って、練り歩くお獅子の先導役となるもの。たいした重さじゃないが、夕方4時から深夜1時まで歩くため、腰が痛くなって仕方がない。しかも、道々の家からはお神酒やビールが次々と差し出されるため、その消費もする。当然酔ってきて、もうワケが分からなくなる。とにかく、疲れた。

二日目は消防団としてのお勤め。様々な提灯やかがり火なんかがあるため、もしものときのためにお獅子の隊列の後方を付いて行く。ただ、もしもなんてのがないかぎり何もすることがない。する事といえば、前日同様お神酒の消費。役目があった前日の方がマシな気もするが、二日目は周る家が少ないため、5時間くらいで終わった。それが救いだった。

疲れたとしか言いようがないが、もっとも疲弊したのは、踊りながら練り歩いていた獅子連の人たちだから文句はあまり言えない。地域の伝統を継承していくというのは大変なことだと改めて実感するのみである。

ただ、初めてお祭りに「参加」したことで見えたものもある。
それは伝統というしがらみは媒介にすぎず、子どもや若者からお年寄りまで同じ時空を共有できる唯一の機会であって、地域の基盤、つまりは人のつながりを認識する行為である、という一面があることだ。

個人的にはそんなもんなくとも生きていける、と思っている。
ただし、近い将来、親を介護し、子どもを生み育てていくためには不可欠な行為であり、必要なつながりなんだろうとも思っている。

この先、地域にしばられない自由で気楽な生き方を目指す方向性と、地域にしばられながら楽しくやっていく生き方を目指す方向性が目前にあるとすれば、今の自分ならばきっと後者を選ぶだろう。

『女子大生会計士の事件簿 DX1〜4』山田真哉

会計士という職業自体がさっぱりわからない。
著者の『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を読んだわけでもない。
だけれど、ちょっとそちらの分野にも興味がそそられることがあったから、ためしにと読んでみた。

監査法人について昨今大きな問題があって、昨日も新法人についての報道がなされた。そこに所属し、企業の監査を行なうのが会計士。(もちろん、他のパターンもあるだろうが。)
本書では彼らの行なう監査の内容、意義、理念などがわかりやすく、しかもミステリィ風味で語られるからとっつきやすい。実際のアウトラインにもならないくらいの範疇でしか語られていないのかもしれないが、自分のような業界外の人間にとっては充分だと感じた。
否、「業界外」というのは誤りかもしれない。
どんな職業であれ、一組織に属すのであるならば、その経営状況を正しく分析したうえで決算を作る行為に無関心ではいられないし、なんらかの関わりもあるだろう。そのとき、ちょっとは踏み込んで状況把握できる(言葉がわかる)ようになることを望めば、本書は有効だ。

自明な不自明さ

ミニコミ誌の作成や友人が催すイベントの手伝いをしている関係で、面白い人達(変わり者)に出くわす機会がある。
有機農業を志して山形に流れ着き、農家の手伝いをしながら就農を目指している宮崎の青年(同じ大学出身だった)。千葉から山形の小国という町に移住して炭焼きやマタギをしている青年や、北海道の牧場で働いたあと隣町の白鷹で農産物の加工を手伝っている東京出身の女の子。
はたまた、かつて大学と学生自治寮を巡って対立し、不当逮捕された人たち。


彼らと言葉を交わすと自分はちっぽけだなと思う。
彼らの見てきたものに比べると自分の眼はいかに貧しいことか。
その自覚は痛みを伴うけれど、そんな彼らとの交流は今の自分には必要だ。
不足は補うことができるのだ。

堂々の第3位!?

うちの自治体が東北で第3位となりました。
ちなみに県では2位です。
さて、これはなんでしょう?

答えは国が新たに用いた財政指標【実質公債費比率】です。
もちろん、良い方ではなく、ワースト3位!
財政指標ってのは、自治体の財政の健全性を表すもの。
ということはつまり、ヤバイ街第3位だってこと(*_*)

ちなみに、先週発売の経済系の雑誌に「自治体の倒産危険度ランキング」があったけど、全国800弱の市の中で我が街は見事第43位にランクイン。
(1位は神戸、2位は夕張。あとは忘れたけど、上位は被災地域と北海道に偏ってる)

止むに止まれぬ事情もあったのだろうが、ここまで来るまでもうちょいなんとかならなかったのだろうか。
財政再建にいち早く取り組み、窮状を脱したと言われてきたが、それもまた逆戻りになる。夕張のレベルまではいかないまでも、行く末はイバラの道である。

夕涼読書雑談会

「ほんきこ。」編集部主催の夕涼読書雑談会。
去年に続いて2回目だが、去年は不参加だったから、個人的には初参加。なのに、いきなり司会進行係に。読書参加者は15人で1人の持ち時間は10分。6時から始める予定が1時間遅れしまったり、夕食にココナッツ野菜カレーを食べたりしながらだったから、結局終了したのは12時過ぎだった。
参加者が読んだもので一番多かったのは女性のエッセイ。あとは実用書というか教養書のようなものや小説。夏の夜ということで、怖い話を読む人がいるかなと思ったけど、1人だけだった。(ちなみに志賀直哉『剃刀』)
変わり種では、『熊と向き合う』、「叱る!!」(『暮らしの手帖』より)、『かくれんぼ』(「たくさんのふしぎ」より)。「叱る!!」は現代の叱ることや叱られることについて、参加者が自分の記憶を基にしながら雑談をしていたのが面白かった。それだけ、個々人の叱る・叱られる記憶というのは強烈な印象を残しているのだろうなと思う。
そんなこんなで盛り上がり、新しいメンバーも参加し、また一段と面白い集まりになっていく「ほんきこ。」であった。
「ほんきこ。WEB」→http://lavo.jp/honkiko/

似非講師

数週間前に知り合いから、「我が街にある三セクにインターンシップで訪れている大学生に地方財政について講義せよ」とのお達しがあり、今日その講義をした。
資料なども準備していたが、経済学部の授業の一つで地方財政を軽くやっただけという状況だったため、細かい話は抜きにして、雑談を加えながら簡単に説明をした。彼は理解できる量(質ではない)を超えて情報を受け取ってしまったため、少し呆然とした感じだったが、時折する質問はなかなか的を得たものだった。大学の講義のなかで得た疑問などを自分なりにちゃんと整理しているのだろう。
人に教えるというのは、漠然と把握していた事象をまとめるのに有効である。今回も自分の勉強のために大きな効果があったように思う。今後、こういうイレギュラーではなく、恒常的に報告しあう集まりを開ければいいなぁと思うが、果たしてどうか。