英語の旅は続く - Journey of Learning English

英語を学ぶと決めたすべての人に、喜びと情熱をもって学び続けてほしい。このブログが、その手助けになることを願って。

英語が上達しない人の特徴3つ

英語が上達しない人には3つのタイプがあると思う。

自分への戒めも兼ねて、それぞれのタイプについて書いてみる。
 

1、英語の習得をあきらめてしまった人

 
当たり前だと思うかもしれけど、「あきらめてしまう」の罠は多くの人がはまってしまっている。例えば、「大人になってから英語の勉強を始めた自分は、ネイティブスピーカーのような発音は身に付けられない」というあきらめ。この考えを持ってしまうと、発音に関して工夫したり努力したりすることは無くなり、結果上達もしない。
 
英語圏に住んでいても、全く英語が上達しない人がいる。こういう人たちは、今の自分の英語レベルに満足していて、これ以上上達する必要はない、と考えている。非難しているわけではなく、そういう考えの人もいる、ということ。そういう人たちは、そのレベルから英語が上達することは無い。
 
英語を学ぶとき、まず、自分ができないという事実を直視しなければいけない。そして実現できるかどうか分からないままにチャレンジしなければならない。なんて大変なことなんだろうと思う。だからこそ「学ぶ」という意欲は本当に貴重で、「学ぶ」という意志が全ての学習のベースになると感じる。
 

2、プライドの高い人

 
特にスピーキングにおいて、「自分は流暢に話せなくてはいけない」という考えを持っていると、ものすごく大きなストレスがかかる。ストレスが大きいから、学習もうまく進まず、途中であきらめてしまう。これは特に日本語の運用能力に自信を持っている人に多いと感じる。違う言語なのだから、シンプルな表現から少しずつレベルアップしていくべきなのに、それを受け入れられない。分からないものを分からないと素直に言えない。
 
今の自分のレベルを認めて、今の自分にできる表現方法を使って、できる限り分かりやすくコミュニケーションする。とにかく高いプライドは、学ぶことを妨げる。
 

3、記憶のストックにこだわる人

 
言語の運用は、潜在意識の領域にかなり多くの部分を依存している。人は、あるコンセプトを言語で言い表そうとしたとき、潜在意識の領域から適切な言葉を選んで、表現を組み立てる。普段の英語学習や生活を通して、英語がその人を通り過ぎて行く時に、潜在意識にその言葉は刻まれる。これは、暗記、つまり顕在意識上での記憶のストックとは全く異なるプロセスだ。しかし、多くの日本人は受験英語の弊害で、いかに顕在意識上での記憶のストックを増やすか、が英語学習だと誤解している。

好きな小説でvocabularyを増やす

以下に48個の英単語とその説明がある。実はこの単語は、村上春樹さんの「ノルウェイの森」のChapter 1で出て来た単語。

自分が好きな小説の英語版から、効果的にvocabularyを増やすことができる。その理由と自分なりのやり方を書く。

- plunge (v) : to move or make sb/sth move suddenly forwards and/or downwards
- lend (v): to give particular quality to a person or situation
- squat (adj): short and wide or fat, in a way that is not attractive
- dizzy (adj): feeling as if everything is spinning around you and that you are not able to balance
- all the while = all the time
- latch (v): to fasten sth with a latch
- meadow (n): a field covered in grass, used especially for hay
- bring back : to make sb remember sth or think about it again
- frond (n): a long leaf of some plants or trees, especially palms or ferns
- streak (n): a long think mark or line that is a different color from the surface it is on
- far-off (adj): a long distance away
- rustle (v): if sth dry and light rustles or you rustle it, it makes a sound like paper, leaves, etc. moving or rubbing together
- snatch (n): a very small part of a conversation or some music that you hear, e.g.) snatch of music
- amble (v): to walk at a slow relaxed speed (= stroll)
- dart (v): to move suddenly and quickly in a particular direction
- microscopic (adj): extremely small and difficult or impossible to see without a microscope
- mole (n): a small dark brown mark on the skin
- minnow (n): a very small freshwater fish
- limpid (adj): (of liquids, etc.) clear (= transparent)
- dusk (n): the time of day when the light has almost gone, but it is not yet dark (e.g. from dawn till dusk)
- fuse (v): when one thing fuses with another, or two things fuse or are fused, they are joined together to form a single thing
- perimeter (n): the outside edge of an area of land
- crack (v): to break without dividing into separate parts, to break sth in this way
- chunk (n): a thick solid piece that has been cut or broken off sth
- seam (n): a line where two edges meet, for example the edges of wooden boards
- slither (v): to move somewhere in a smooth, controlled way, often close to the ground
- peer (v): to look closely or carefully at sth, especially when you cannot see it clearly
- cram (v): to push or force sb/sth into a small space; to move into a small space with the result that it is full
- boil down: to be reduced or reduce sth by boiling
- thrust (v): to push sth/sb suddenly or violently in a particular direction; to move quickly and suddenly in a particular direction
- splat (n): the sound made by sth wet hitting a surface with force
- scatter (v): to throw or drop things in different directions so that they cover an area of ground
- soggy (adj): wet and soft, usually in a way that is unpleasant
- tempt (v): to attract sb or make sb want to do or have sth, even in they know it is wrong
- pupil (n): the small round black area at the center of the eye
- swirl (v): to move around quickly in a circle; to make sth to do
- murmur (v) to say sth in a soft quiet voice that is difficult to hear or understand
- glue (v) to join two things together using glue (= stick)
- drained (adj): very tired and without energy
- frightful (adj): (informal) used to emphasize how bad sth is (= awful, terrible)
- tumble (v): to fall downwards, often hitting the ground several times, but usually without serious injury; to make sb/sth fall in this way
- filter (v): (of light or sound) to come into a place slowly or in small amounts
- pang (n): a sudden strong feeling of physical or emotional pain
- dread (n): a feeling of great fear about sth that might or will happen in the future
- limbo (n): The abode of unbaptized but innocent or righteous souls, as those ofinfants or virtuous individuals who lived before the comingof Christ.
- mud (n): wet earth that is soft and sticky
- clutch (v): to hold sb/sth tightly (= grip)
- vessel (n): a container used for holding liquids, such as a bowl, cup, etc.

効果的に学習できる理由

英単語の学習では、その言葉がどういう場面・意図で使われるかを理解することが重要。つまり文脈(context)と一緒に学ぶ必要がある。文脈と一緒に学ぶことで、その言葉の本質を理解する、記憶に定着させる、自分で使えるようになる、ことが可能になる。(これは、単なる日本語訳の暗記では絶対にできない。)

一度読んだ事がある小説は、それぞれの場面や登場人物の意図を理解できている。つまり文脈を理解できている。そのため新しい単語が出てきたときに、「これを言い表わすためにこの単語を使っているのか」と実感として理解できる。

上のノルウェイの森の例で行くと、plungeで飛行機が降下していく様子がイメージされる。meadowでは青々とした草地がイメージされる。

こうして理解した言葉は、忘れない。そして自分でも使えるようになる。

学習の仕方

  • 日本語で読んだことのある、好きな小説を選ぶ
  • その小説の英語版を探す
  • 英語版の、決めた分量(一章、10ページなど)を読む。知らない単語があってもそのまま読み進める。その場面や登場人物の意図をイメージしながら読む。
  • わからなかった単語をチェックする。
  • 英英辞書で、わからなかった単語の意味を調べる。
  • もう一度、英語版を読む。

vocabularyを増やすのに苦労している、暗記が苦痛、全然覚えられない、単語つまんない、という方は是非お試しください。

 

発音の練習方法 -発音してみてNative Speakerにチェックしてもらう

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発音を練習する目的は二つある。一つは聞き取れるようになること。そしてもう一つは自分が正しく発音できるようになること。この二つめの目的は軽視されがちで、我流の発音のまま続けている学習者が多い。

正しく発音できるようになるためには、まず発音記号とともに正しい発音を学ぶこと。そして次のステップでは、正しく発音できるNative Speakerに訂正してもらいつつ、発音を磨いていくのが効率的。

私がやっている方法は以下。

  1. 普段の英語学習中に、発音が正しく理解できていない単語をメモする。
  2. その単語の発音記号とともに、リスト化する。
  3. Native Speakerに向かって、リストの単語を自分で発音し、正しく伝わるかを試す。
  4. 正しく伝わらなかった場合は、どこが悪かったかを聞いて修正する。

これをやると、その単語がどういう「音のかたまり」かが分かってくる。Native Speakerが何を手がかりに微かな音の違いを聞き分けているか、が分かってくる。

 

 

 

最高に頼れる英語文法の教材「一億人の英文法」

私は英語学習は、中級段階から「英語による英語学習」に移行すべきと考えています。ただ「英語による英語学習」のためには、最低限の英語文法を理解している必要があり、この段階(初級段階)では日本語での英語文法学習が必要です。

 
この初級段階での、日本語による英語文法学習において最も頼れる学習教材は、大西泰斗さんの「一億人の英文法」と断言できます。強くオススメする理由は以下です。
 

www.amazon.co.jp

1)基礎的な内容を『網羅している』

 あたりまえのように思えるかもしれませんが、多くの英文法書は「網羅」することは目指しておらず、例えば中学英語の英文法のような超基礎であったり、日本人がつまずきやすいポイントだけの解説書であることが多いです。文法書は、分からない文法を調べるために使うことが多く、基本的な内容を網羅していることは重要なポイントです。また学習者にとっては、自分が学ぶべき範囲を自分で把握していることが、モチベーション維持と効率的な学習のために重要なポイントになります。この点からも、一冊で基本を網羅していることが必要とされます。
 

2)『通読できる』

 「一億人の英文法」は大西先生の独特の語り口で、エッセイのように読み進めることができます。旧来の文法書は、解説が主で、辞書的な使い方を想定しており、通読は大変な苦労を強いられるものでした。通読により、基本文法の全体イメージをつかむことができます。また通読できる要因の一つに、文法項目の暗記を要求しない点があります。「なぜネイティブスピーカーがそういう言い方をするのか」という「気持ち」が説明されており、ただヤミクモに覚えるようなことは求められません。
 

3)『英語を使う人』の視点

 大西先生自身が「英語を使う人」であり、英語を使えるようになるには、何を習得すればいいのかという視点で抱えれています。これもあたりまえに聞こえるかもしれません。しかし旧来の文法書は、英語を分析・理解することが目的になっていて、英語を使うためのものではありませんでした。これは非常に大きな違いです。
 
英語文法を学ぶのに、「何から始めたらいいか分からない」「いろんな文法書を読んだけど、成果が感じられない」という人は、是非書店で『一億人の英文法』を読んでみてください。

Listeningで意識するポイント

Listeningで、「英語が全く頭に入ってこない」「途中で混乱してしまう」という人が多い。以下のポイントに注意してListeningを行うと、よりスムーズに理解することができる。
 

Subject, Verb, Periodを探しながら聞く。これだけ。

この文章のSubject(主語)はどれか? この文章のVerb(動詞)はどれか? どこでPeriodが入って文章が終わるか?を意識する。例えば有名なSteve Jobsのスピーチ冒頭を例にとると、以下のようになる。
1) I'm honored …   (Subject: I, Verb: am honored
2) Truth be told
3) I've never graduated
4) This is ...
5) Today, wanna tell ...
 

なぜ有効なのか?

  • 「まずは、SubjectとVerbをとらえればいい」と、脳に刷り込むことで、脳への負担を減らすことができる。何がくるか分からない、初めから全ての単語を聞き取り理解しなければならないという状態は脳への負担が高すぎる。野球に例えると、「ボール球も変化球もあらゆるボールを打たなければいけない状態」から「ストライクゾーンのストレートに的をしぼった状態」にするイメージ。
  • SubjectとVerbを聞き取り、理解できると、次に続く単語の予測が簡単になり、さらに少ない脳への負担で文章全体を理解することができる。例えば、上記の例の3) I've never graduated…のあとには「こんな学校」が続くと予測できる。5) I wanna tell…のあとには「こんな話」が続くと簡単に予測できる。
  • 英語の語順通りの理解ができる。聞いた内容を日本語に翻訳して理解していたのでは、絶対に間に合わない。SubjectとVerbは文章の冒頭に出てくることが多いため、自然に英語の語順に沿った理解ができるようになる。
 

「英熟語」の全体像をつかむ

 

日本の英語教育の中で「英熟語」と呼ばれるものには4つの種類がある。多くの教材が、この4つの種類をごちゃまぜにしていて、学習者を混乱させている。
英熟語の全体像を把握することで、より効率的に学習し、使うことができるようになる。
 

1)単なるverb(動詞)+ preposition(前置詞)or adverb(副詞)

 例文: Dough walked through the park. (ダグは公園を歩いて通り抜けた。)
              This elevator goes up.(このエレベータは上に行きます。)
 
 preposition(前置詞) or adverb(副詞)が単純にverb(動詞)について補足説明している。
 preposition(前置詞)ならば、続く名詞との関係を説明「公園を通って」、adverb(副詞)なら動詞を説明「上の方に」。
 言ってしまうと、これは熟語でも何でも無い。それぞれの動詞、形容詞、副詞が独立して働いている。
 

2)collocation

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 例文: The kids are afraid of spiders.(子供達は蜘蛛をこわがっている。)
             The boy was named after his grandfather Harold. (その子はおじいさんから名前をもらってハロルドと名付けられた。)
これは分かりやすく言うと、「単語と単語の相性」と言える。 'afraid'っていう形容詞は'of'と相性がいいから一緒に使う、'name'っていう動詞は'after'と相性がいいから一緒に使う。英英辞書では、collocationはちゃんと太字で表してある。
 

3)phrasal verb

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 例文: Mike fell for Lisa's story, and paid her $100.(マイクはリサの話を信じ込んで、彼女に100ドル払った。)
    日本の英語教育では、「句動詞」と呼ばれる。
 verb(動詞)+ participle (※前置詞に見えるが文法上は分詞と呼ばれるもの) でもともとの動詞が持つ意味とは違う内容を表す。
 会話でよく使われる。フォーマルな文章の中ではあまり使われないため、日本人のウィークポイントになっている。
 phrasal verbで使われている単語(上記の例文だと'fall"と'for')から意味を推測するのはやめるべき。あくまでセットで、もともとの単語が持っていた意味とは違う意味を表す。
参考まで、phrasal verbの主要なものはこちら。
 

4)idiom

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 例文: My mother made a cake from scratch.(母は一からケーキを作った。)
 idiomは言い回し。
 

4')idiomの一種、preposition(前置詞)+ noun(名詞)の用法

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例文: I'm sorry. I didn't do it on purpose.(ごめんね、わざとやったんじゃないんだ。)
    idiomの一種だが、preposition(前置詞)+ noun(名詞)で副詞/形容詞的にはたらく。
    at fault(非がある)、in disguise(偽装して)など。
 

■まとめ

・英熟語には4つの種類がある。
・新しい単語を学ぶときは、collocationも意識する。文章や会話の中で使える単語にすることができる。
・phrasal verbはくせ者だけど重要。単語の組み合わせではなく、ひとまとめで、新しい単語を学ぶつもりで。
・idiomは言い回し。微妙なニュアンスを伝えたり、会話を生き生きさせる、気の利いた表現だと思おう。
・idiomの一種、preposition + nounも便利
 
※写真はOxford American Dictionary for learners of English, English Grammar in Useより
 

はじめに -このブログの目的

libright(リブライト)と申します。

私は日本の英語教育を受けて育ち、自分で英語が得意だと感じていました。社会人になってからも英語の学習を続け、TOEIC 935点をもっています。そして30代半ばになって初めてアメリカで仕事をする機会を得ました。

私がアメリカにきて痛感したのは、「自分の英語が通用しない」という事実でした。発音も、文法も、語彙も、会話も、全て。正直なところ、すごくショックを受けました。自分がやってきた英語の勉強はなんだったんだろう?と思いました。

そして、もう一度、英語を勉強しなおすことを決めました。発音も、文法も、語彙も。そのとき、心に決めたのは、「同じ過ちは繰り返さない」ということでした。言い換えると、「本当に英語を使えるようになるために、勉強しなおすんだ」ということです。

そして、英語を学び直す中で、他の英語学習者に伝えられることがたくさんあると感じています。また、日本の英語教育を知っているからこそ、伝えられることがたくさんあると感じています。そのことを、このブログに書いていきます。

英語を学ぶと決めたすべての人に、喜びと情熱をもって学び続けてほしい。このブログが、その手助けになることを願って。