『夜露がたり』 砂原 浩太朗 ***

 

市井の人を題材とする時代小説で、これまでの架空の神山藩の侍とは違っているのですが、砂原さんの文章のファンの方には楽しめると思います。短編集なのですが、8編通して「夜露がたり」ですね。

『一夜:隠蔽捜査10』 今野 敏 **

 

☆2つ、という感じでしょうかね。原理原則の竜崎さんも、いくらか柔らかさが。いつも感じる最後の早足加減も今作もなかったようで、良い意味でらしくないシリーズ10でした。

『存在のすべてを』 塩田武士 ***

 

『罪の声』が事件をフィクション(小説)化した作品とすると、『存在のすべてを』は、モデルになった事件があったかのような小説に思えます。本作はまちがいなく塩田さんの代表作の一冊だと思うのですが、なぜ「直木賞」の候補にもならなかったのでしょう?

『互換性の王子』 雫井 修介 **

 

雫井さんの本としては傾向が変わりましたかねぇ。タイトルも主人公と兄の名前もいかがなものかと。どうにもすっきりしない読書になってしまいました。