クロモリストへの道

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パンターニをこよなく愛するポタクライマーが綴るクロモリを中心としたロードバイク生活

コルム組立記録6 シフトケーブル&チェーンの取り付け

Derosa Corum(デローザ コルム)の組立記録第6回目。コンポはちょっと(かなり?)古いカンパニョーロの10S。前回はブレーキケーブルの取り付けについてお話ししました。 

今回は、シフトケーブルとチェーンの取り付けについてです。

*本サイトのロードバイクの組立ては素人によるものです。内容を参照して作業される場合は自己責任でお願いいたします。

 

はじめに…

手順の整理

今回は組み立てで最後のパーツとなるリヤ&フロントシフトケーブルとチェーンの取り付けです。変速調整は次回行うつもりですが、シフトケーブル、チェーンの取り付けと変速調整は一体と思われるため、作業に入る前に一連の手順を以下の通り整理してみました。

 

1.リヤシフトケーブルの取り付け
 1-1. RDの可動範囲のざっくり調整
 1-2. リヤシフト~RD間のケーブル取り付け

2.フロントシフトケーブルの取り付け
 2-1. FDの取り付け位置の調整 ※コルム組立記録4で実施済み
 2-2. FDの可動範囲のざっくり調整
 2-3. フロントシフト~FD間のケーブル取り付け

3.チェーンの取り付け
 3-1. チェーンの装着
 3-2.リヤ& フロントシフトケーブルの初期伸び取り

4.リヤの変速調整
 4-1. RDの可動範囲の調整
 4-2. ケーブルテンションの調整〜ワイヤーの固定
 4-3. Bテンションの調整

5.フロントの変速調整
 5-1. FDの可動範囲の調整(インナー側)
 5-2. ケーブルテンションの調整〜ワイヤーの固定
 5-3. FDの可動範囲の調整(アウター側)

 

1と2のシフトケーブルの取り付けはリヤ・フロントどちらが先でもOKです。シフトケーブルはアウターケーブルとインナーケーブル(ワイヤー)に分かれていますが、インナーケーブルをディレーラーにしっかり固定するのは4と5の変速調整のときで、それまでは仮り留めです。

正直なところ、まだ試行錯誤中のため上記手順が正しいかどうか自信がありません(^^; 実際はどうでもよかったり無駄なことがことが含まれている可能性もあります。ですが、ひとまず上記順番に沿って今回は1~3までお伝えしたいと思います。

 

部品・工具類の準備

いつもどおり部品、工具類を準備します。

まずはシフトケーブル関連。

ケーブルは前回のブレーキケーブル取り付けで使用したカンパ純正エルゴパワーケーブルセット(型番:CG-ER600)の残りを使用します。

f:id:ma2sun:20230817202910j:imageアウターケーブル×3本
長い2本⇒エルゴパワー~ダウンチューブ間用でリヤ・フロント共通
短い1本⇒リヤのチェーンステー〜RD間用

取説によるとアウターケーブルの外径はブレーキ用の4.9㎜より細い4.1㎜(上記写真の赤マル)。

f:id:ma2sun:20230817210116j:image断面を見ると穴の周りを細いワイヤーがぐるっと取り囲む構造です。ブレーキ用は金属製のチューブが入っていました。

f:id:ma2sun:20230817203110j:imageインナーケーブル×2本
長い方⇒リヤシフト用
短い方⇒フロントシフト用

f:id:ma2sun:20230817205709j:imageアウターキャップ×5個(内1個はゴム製のダストカバー付き)

f:id:ma2sun:20230817205747j:imageエンドキャップはブレーキケーブルに使用したのと同じノグチ製。

f:id:ma2sun:20230817204208j:image問題があったのはダストカバー付きのアウターキャップで、チェーンステーのダボ穴にセットするものです。ゴム製のダストカバーを外すと黒いヒゲのようなチューブが装着されていました。このヒゲをダボ穴にセットし反対側からダストカバーを被せる構造のようですが、ヒゲの径が細すぎてグラグラ。そこでダボ穴にぴったりハマる段付きアウターキャップを探します。

f:id:ma2sun:20231211210141j:imageヌーボクラシコを確認するとダストカバー無しのアウターキャップが付いているので(組み立てたショップが付けてくれたと思われます)このタイプがあるはず。ネットで検索するとカンパ純正品でCG-CS113という型番のものが該当する模様。ですが、ネットショップではどこも欠品のため代わりに使えそうなものを探します。

f:id:ma2sun:20230817204336j:imageダボ穴の内径は約4㎜。これに収まる段付きアウターキャップを探します。

アウターキャップで検索すると上記のシマノのパーツリストがヒットし、径4㎜の段付きタイプはSIS-SP50(上図の赤マル)というものが該当するようです。早速ネットショップでオーダー。

f:id:ma2sun:20230817204431j:image到着したのがこちら。下のダストカバー付きのと並べてみると全長は同じサイズ。

f:id:ma2sun:20230817204517j:image段付き部分の外形は4㎜。

f:id:ma2sun:20230817204600j:imageダボ穴にセットしてみるともちろんピッタリ。

f:id:ma2sun:20230817204643j:imageところが…、内径を測ってみると5㎜あります。

f:id:ma2sun:20230817204716j:imageアウターケーブルの外径は上述のとおり4.1㎜です。はめてみると隙間が空いてグラグラ(泣)

リストを再確認。どうやらSIS-SP50ではなくSIS-SP40シールドタイプ(上図の赤マル)が正解のような気がします。型番のSPのあとの数字は内径(4.0㎜)を意味しているのかも?ということでSIS-SP40をオーダー。

f:id:ma2sun:20230817204757j:image到着したのがこちら。

f:id:ma2sun:20230817204851j:image下のSIS-SP50と比べると全長は少し長いですが、

f:id:ma2sun:20230817204912j:image段付き部分の外径は4㎜。

f:id:ma2sun:20230817204935j:image内径は予想どおり4㎜。これでバッチリ!と言いつつカンパのアウターケーブルの外径は4.1㎜。入るかどうか試してみます。

f:id:ma2sun:20230817205008j:imageかなりきついですが、無理やり押し込んだら入りました(汗)。

f:id:ma2sun:20230817205036j:imageちなみに段付き側の穴の内径も違っていました。右側のSIS-SP40の方が狭くインナーケーブルの外径に合いそうです。アウターキャップひとつの調達に時間を費やしましたが、やっとピッタリ合うものが見つかりました。

 

工具類は前回のブレーキケーブル取り付けで使用した以下のものです。

f:id:ma2sun:20231116211224j:imageワイヤーカッター(HOZAN N-16)

f:id:ma2sun:20231116211230j:imageやすり

f:id:ma2sun:20231116211240j:image千枚通し

f:id:ma2sun:20231116211219j:imageケーブルグリス(シマノ

 

続いてチェーン関連。

f:id:ma2sun:20230818203346j:imageチェーンはWippermannのCONNEX10S。工具なしで着脱できる便利なチェーン。

f:id:ma2sun:20230818204510j:imageチェーンカッター。昔から使っているADEPT製。

f:id:ma2sun:20230818204408j:imageチェーンフィクサー。チェーンを仮接続した状態でキープできる便利な工具。バイクハンド製。

その他の汎用的な工具やケミカル類は割愛します。それでは早速作業に入りましょう。

 

1.リヤシフトケーブルの取り付け

1-1. RDの可動範囲のざっくり調整

ケーブルを取り付ける前にまずRDの可動範囲をざっくり調整します。

厳密に言うと可動範囲を調整するのはRDのガイドプーリーと呼ぶ部分です。ガイドプーリーは、RD本体に付いている2枚のプーリーのうちスプロケの真下に来る方のこと。因みにもう1枚はテンションプーリーと呼ぶようです。

これが外側⇒内側に動くことでチェーンをトップギヤ⇒ローギヤへ移動させます。

反対に内側⇒外側に動くことでチェーンをローギヤ⇒トップギヤへ移動させます。

移動の際、このプーリーがトップギヤ/ローギヤより外側にはみ出るとチェーンが外れてしまいます。また、この範囲が適正でないとエルゴパワーでのシフトアップ/ダウンがレバーどおりに動作しません。そのため、ガイドプーリーがトップギヤ/ローギヤの真下の範囲で動くように調整します。

可動範囲の調整はチェーンの動きを見ながら行うため、通常はチェーンを装着してから変速調整のときに実施します(次回の「4.リヤの変速調整」に掲載予定)。ですが、チェーンが装着されていないこの段階の方がスプロケとガイドプーリーの位置関係が見やすく、また、ある程度調整を済ませておいた方が気持ち的にも楽なため、自分はここでざっくり調整しておくことにします。

可動範囲の調整はディレーラー本体に付いている2本のネジで行います。

右側:トップ側の調整ネジ
左側:ロー側の調整ネジ

最初にホームポジションであるトップギヤ側を調整します。RDをリヤハンガーに取り付けた初期状態ではガイドプーリーはトップギヤ側に位置しており、自分はこの位置を勝手にホームポジションと呼んでいます。ここからローギヤ側に移動してもバネの力でトップギヤ側に引き戻されるからです。

トップギヤとガイドプーリーの位置関係(写真の赤いライン)をバイクの真後ろから確認。

右側のネジでガイドプーリーがトップギヤの真下に来るように調整。

時計回りに締め込む:内側(奥)へ移動
反時計回りに緩める:外側(手前)へ移動

真後ろから見るとこのようになります。

参考のため、ネジがどのような働きをしているか見てみます。表側からだとネジの先端がよく見えないため、車体をひっくり返してホイール越しに裏側から覗いてみます。

そうすると一目瞭然。右側がトップ側調整ネジ、左側がロー側調整ネジの先端です。

トップ側の調整時は、右側のネジの先端がガイドプーリーに繋がる右プレート(写真の赤マル部分)に当たる構図になります。ネジを時計回りに締め込むとプレートが押されてガイドプーリーが内側に移動し、反時計回りに緩めるとバネの力でプレートが押し戻されてガイドプーリーが外側に移動します。

f:id:ma2sun:20240128235303j:image因みに右側のネジを最大限緩めた状態のガイドプーリー位置がこちら。この状態ではネジの先端は上記のプレートに当たっておらず、ガイドプーリーはバネに押されてトップギヤよりも外側に来ています。

f:id:ma2sun:20240128235401j:image右側のネジを最大限締め込んだ状態のガイドプーリー位置がこちら。ネジの先端がプレートを目いっぱい押して、ガイドプーリーはトップよりひとつ下のギヤ辺りに来ています。

続いてロー側の調整。ガイドプーリーを手で目いっぱい内側に移動させた位置がローギヤの真下に来るようにします(写真の赤いライン)。

ロー側の調整に使うのは左側のネジ。ネジの回転方向とガイドプーリーの動きの関係はトップ側と逆になります。

時計回り :内側への可動範囲縮小
反時計回り:内側への可動範囲拡大

真後ろから見るとこのようになります。ガイドプーリーを手で内側に押しながらネジを回して位置を調整します。ネジを回して変化するのは内側への可動範囲のため、内側に押さずに(ホームポジションで)ネジを回しても変化は分かりません。

参考のため、車体をひっくり返してネジの働きを確認。手でガイドプーリーを内側に押すと左側のネジの先端がシートステーのエンドブラケットに繋がる左プレート(写真の赤マル部分)に当たります。これがストッパーになり、ネジを時計回りに締め込むとガイドプーリーの内側への可動範囲が縮小し、反時計回りに緩めるとガイドプーリーの内側への可動範囲が拡大します。

f:id:ma2sun:20240128235459j:image因みに左側のネジを最大限緩めて内側に押した状態のガイドプーリー位置がこちら。この状態ではネジの先端は上記のプレートに当たっておらず、ローギヤよりも内側に来てしまいます(スポークに当たってしまいます)。

f:id:ma2sun:20240128235520j:image左側のネジを最大限締め込んだ状態のガイドプーリー位置がこちら。ネジの先端がストッパーになり、ローからひとつ上のギヤ辺りまでしか来ません。

以上でざっくり調整は完了ですが、正直なところ、スプロケとガイドプーリーの刃先が真っすぐになったかどうかはよく分かりません(汗)。真っすぐかどうかは後ろ側の見る角度で変わりますが、自分が本当に真後ろから見ているか分からないためです。また、スプロケ(特にトップ側)の各刃先には微妙に斜めの角度が付いていてそれぞれ向いている方向が違うため、各刃先の中心線で見なければいけないのもイマイチ分かりづらいところです。まあ、ここはざっくり調整なので、だいたい真っすぐになっていればOKです。

1-2. リヤシフト~RD間のケーブル取り付け

続いてケーブルの取り付けです。ブレーキのケーブル張りと同じように、まずアウターケーブルの長さを決め、その中にインナーケーブル(ワイヤー)を通してRDに借り留めするという順番です。

f:id:ma2sun:20230821210541j:imageケーブルを取り付ける前に、ダウンチューブのアジャスターを時計回りに目いっぱい締め込んでおきます。なぜ締め込むかは、ケーブルは装着後に伸びていく傾向にあり、その時はアジャスターを反時計回りに緩めてケーブルテンションを強めるためです。

アジャスターを時計回りに締め込む ⇒ ケーブルテンションを弱める
アジャスターを反時計回りに緩める ⇒ ケーブルテンションを強める

今回はせっかくなので、一旦アジャスターを取り外し、焼き付き防止剤を塗ってから締め込み直すことにしました。

f:id:ma2sun:20230901205022j:image

f:id:ma2sun:20230901205013j:image

f:id:ma2sun:20230901205017j:image締め込み完了。

f:id:ma2sun:20230821210620j:imageRDについているアジャスターも時計回りに締め込んでおきます。RDケーブルのテンション調整では、ダウンチューブのアジャスターよりもこちらをメインで使用します。

f:id:ma2sun:20230821210615j:image続いて、エルゴパワーの親指レバーを目いっぱいクリックしトップの位置にしておきます。前述したRDのホームポジション=トップに合わせるためです。また、この位置にすることでエルゴパワーの真下にインナーケーブルの差込口が現れます。

それではアウターケーブルの取り付けに入ります。まずケーブルの長さ決めから。

エルゴパワーのブラケットカバーをめくってアウターケーブルを差込口にセットし、ハンドルの外側に這わせます。このハンドル(Deda 215)にはケーブルを這わせる溝が前後に付いており、シフトケーブルはブレーキケーブルと反対側の溝を使用します(ブレーキケーブルと一緒にしてもOK)。

f:id:ma2sun:20230821210601j:imageビニールテープで2,3箇所仮り留め。なお、仮り留めと言いながら、最後にバーテープを巻くときは自分はこれを剥がさず上に補強用のビニールテープを巻いてしまっています。

f:id:ma2sun:20230821210545j:imageダウンチューブのアジャスターに合わせて長さを調整します。ハンドルを目一杯左に切ってもケーブルが引っ張られないことを確認。

f:id:ma2sun:20230821210506j:imageマジックでマーキング。これで長さが決まりました。

f:id:ma2sun:20230821210528j:imageマーキングした位置をワイヤーカッターで切断。

f:id:ma2sun:20230821210535j:imageブレーキ用のアウターケーブルは切断面が乱れがちですが(内部の金属チューブがスパッと切れず潰れてしまうため)、ディレーラー用のアウターケーブルはきれいです。

f:id:ma2sun:20230821210519j:imageそれでも一応ヤスリを当てて、

f:id:ma2sun:20230821210610j:image千枚通しで形を整えます。切断したケーブル先端はダウンチューブのアジャスターに一旦はめておきます。

f:id:ma2sun:20230901211353j:image続いてインナーケーブル(ワイヤー)を取り付けます。インナーケーブルはエルゴパワーの真下から差し込みアウターケーブルに通したあと、ダウンチューブ〜BBの下を通してRDに繋げます。作業しやすいように車体をひっくり返しました。

インナーケーブルの差込口はここです(写真の赤マル内)。ここからケーブル先端を差し込み、後端のタイコをこの穴に引っ掛けます。先ほどエルゴパワーの親指レバーを目いっぱいクリックしたのはこの差し込み口の穴を出現させるためです。

f:id:ma2sun:20230901211341j:imageインナーケーブルを通していきます。この穴は先ほどエルゴパワーに差し込んだアウターケーブルに繋がっていますが、手探りではアウターケーブルの入口に上手く到達しないかもしれません。その場合はハンドルにビニールテープで仮り留めしたアウターケーブルを取り外し、手でアウターケーブルの入口に入れてあげます。今回は取り外さないで無事通せました。

f:id:ma2sun:20230901211306j:imageそのままケーブルを押し込んでいくとアウターケーブルの端からインナーケーブルが出てきます。

f:id:ma2sun:20230901211245j:imageアウターケーブルの先端にアウターキャップを被せます。

f:id:ma2sun:20230901211346j:imageダウンチューブのアジャスターにセットし、

f:id:ma2sun:20230901211253j:imageインナーケーブを引っ張りますが、

f:id:ma2sun:20230901211257j:imageアウターケーブルの中を通る部分にはケーブルグリスを塗ります。

f:id:ma2sun:20230901211358j:imageそして最後まで引っ張ると、インナーケーブル後端のタイコが穴にピッタリ収まりました。

f:id:ma2sun:20230901211427j:image続いてBBの下のガイドプレートに通します。

f:id:ma2sun:20230901211333j:image次の行先はチェーンステーのダボ穴(アウターキャップ受け)。

f:id:ma2sun:20230901211442j:imageこのあとダボ穴~RD間はアウターケーブルに通すため、ひっくり返した車体を元に戻します。

使用するのは残った短い方のアウターケーブル(写真の赤マル)。このアウターケーブルはカットせずそのまま使用します。

f:id:ma2sun:20230901211324j:imageアウターケーブルに段付きアウターキャップを被せます。シマノ用なのでキツキツだったやつです(汗)。

f:id:ma2sun:20230901211249j:imageインナーケーブルにケーブルグリスを塗ってから、アウターケーブルに通します。

f:id:ma2sun:20230901211241j:imageアウターキャップをダボ穴にセット。

f:id:ma2sun:20230901211422j:image続いて、反対側のアウターケーブルの先端にアウターキャップを被せ、

f:id:ma2sun:20230901211315j:imageRDのケーブルアジャスターの中にインナーケーブルを通し、

f:id:ma2sun:20230901211337j:imageアウターキャップをアジャスターにセット。

f:id:ma2sun:20230901211431j:imageケーブル固定プレートのネジを5㎜の六角レンチで緩め、

f:id:ma2sun:20230901211407j:imageケーブル固定プレートの下にインナーケーブルを通し、引っ張ってケーブルが緩んでいないことを確認してからネジを締めます。ネジの固定は仮り留めなので締め過ぎないこと。

f:id:ma2sun:20230901211311j:image反対側から見るとこんな感じ。

f:id:ma2sun:20230901211302j:image仮り留め完了。余ったケーブルは変速調整が完了した後にカットするため、それまではくるっと巻いておくのがよいと思います。写真には写っていませんが、自分は邪魔なので長めに残してカットしてしまいました(短くカットしてしまうと引っ張りづらいです)。
※カットしたケーブル先端が目などに刺さらないように注意が必要です。また、変速調整時にチェーンやテンションプーリーに巻き込まれやすいのでそちらも注意。

 

2.フロントシフトケーブルの取り付け

2-1. FDの取り付け位置の調整 ※コルム組立記録4で実施済み

続いてフロントシフトケーブルの取り付けです。まず最初にフロントシフトで操作するFDの役割と構造を簡単にお話ししたいと思います。

先ほど作業したリヤにおいてチェーンをトップギヤ⇔ローギヤに移動させるのはRDに付いているガイドプーリーの役割でした。フロントにおいてチェーンをインナーリング⇔アウターリングに移動させるのはFDに付いているガイドプレートの役割です。

f:id:ma2sun:20231216070401j:imageこちらがガイドプレート。※参考のためチェーン装着後の写真を載せています。

ガイドプレートはインナープレート(内側のプレート)とアウタープレート(外側のプレート)が繋がったケージのような構造になっており、そのケージの中をチェーンが通ります。そして、チェーンをインナー⇔アウターに切り替えるときはガイドプレートが次の動きをします。

インナー⇒アウターへの切り替え:インナープレートがチェーンを外側に押し出す

アウター⇒インナーへの切り替え:アウタープレートがチェーンを内側に押し出す

FDの役割と構造を頭に入れたら、最初にFDの取り付け位置を調整します。ガイドプレートの動きは取り付け位置で変わるため、最初の位置決めがとても重要です。FDはRDと違って取り付け位置を自分で決めなければならないため、シビアな調整が要求されます(RDはエンドブラケットにネジ止めすれば取り付け位置が自然に決まりますが)。

調整作業は「コルム組立記録4」でFDを取り付ける際に実施済みのためスキップしますが、取り付け位置をおさらいすると次のようになります。

横から見てアウタープレートとアウターリングの隙間が1.5~3㎜になる位置

マニュアルによっては1~2㎜としているものもあります。

上から見てアウタープレートがアウターリングの真上になる位置

FDをフレームに取り付けた初期状態ではFDのガイドプレートの中心(アウタープレートとインナープレートの間のチェーンが通るライン)はインナーリング上にあり、そこがFDのホームポジションです。

後ろから見るとこのような位置関係になっています。ガイドプレートはここからアウターリング側に移動してもバネの力でインナーリング側に引き戻されます。上記の「上から見てアウタープレートがアウターリングの真上になる位置」は、ガイドプレートの中心がインナーリングの上に来るよう合わせていたのですね、当時は全く理解していませんでした(汗)。

 

2-2. FDの可動範囲のざっくり調整

続いてFDの可動範囲をざっくり調整します。RD同様にFDも可動範囲の調整はチェーンを張ったあと変速調整のときに行いますが、ここに「ざっくり調整」を入れた理由は以下の苦い経験からです。

当初、マニュアルどおりフロントシフトケーブルとチェーンの取り付けを行い、フロント変速調整の作業時にインナー⇒アウターへ切り替えしようとしました(詳細は次回「5.フロントの変速調整」に掲載予定)。しかし、エルゴパワーの薬指レバーを内側に押し込もうとしても押し込めません。

レバーを内側に押し込めない理由はガイドプレートが外側に動かないからです。一旦ケーブルを外し、ガイドプレートを手で力いっぱい外側に押してみますがびくともしません。むむ…このFD壊れてる??一瞬パニック。

f:id:ma2sun:20231205203319j:imageFDは一応新品なのでそんなことはないはず…深呼吸して原因を探ります。怪しいのはFDに付いている2つのネジ。確か「コルム組立記録4」でFDを取り付けた際は上のネジを回してガイドプレートの位置を調整しました(よく分からないまま適当に回していましたが…)。まだ触っていないのは下のネジ。

よく見ると下のネジは時計回りに締め込まれた状態でした。それを反時計回りに緩めてみますがガイドプレートの位置に変化はありません。

しかし、試しにガイドプレートを外側に押してみたところ動くようになっていました。

こちらは後ろから見たところ。ガイドプレートの中心がアウターリング上に来ています。ひとまずホッ…

このとき初めて、FDのネジもRD同様に可動範囲を調整する役目を果たしているのでは?と気付きました。マニュアルで確認すると、FDの2つのネジの役割は以下のようになっています。

上:内側の可動範囲調整ネジ
下:外側の可動範囲調整ネジ

ここで、上下のネジがどのような働きをしているか見てみることにします。

f:id:ma2sun:20231217071315j:imageまず、上下のネジを目いっぱい緩めた状態でガイドプレートの位置を横から確認します。

ガイドプレートは2本の黒いアームでFD本体と繋がっており、内側アームの取り付け部分の真上付近に2本のネジがあります。アームの取り付け部分の隙間(写真の丸マル内)を覗くと、上下のネジを緩めた状態ではネジの先端は見えておらず、アームはバネの力で内側に押されています。

このとき、アウタープレートはホームポジション(アウターリングの真上=写真の赤い点線)の内側にあります。ここが可動範囲で最も内側の位置です。

そこから上のネジを時計回りに締め込んでいくと、ネジの先端がアームの左上の頭を押して(写真の赤マル内)、ガイドプレートが外側へ移動していくのが分かります。

上のネジを時計回りに最大限締め込んだ状態。アウタープレートがホームポジション(アウターリングの真上=写真の赤い点線)より右側に来ています。ここが可動範囲で最も外側の位置です。

以上のことから、上のネジの回転方向とガイドプレートの動きの関係は以下であることが分かります。

時計回りに締め込む:外側へ移動
反時計回りに緩める:内側へ移動

今度は下のネジの働きを確認してみます。上のネジを再度目いっぱい緩めてから、下のネジを時計回りに締め込んでいきます。するとネジの先端がアームの右上の頭付近に出てきます(写真の青マル内)。これがストッパーとなりガイドプレートの外側への可動範囲が制限されます。なお、ネジの先端が頭に当たってもストッパーになるだけでアーム自体は動かしません。

以上のことから下のネジの回転方向とガイドプレートの動きの関係は以下であることが分かります。

時計回りに締め込む:外側への可動範囲縮小
反時計回りに緩める:外側への可動範囲拡大

RDの右のネジの働きと同じですね。ネジの締め込み具合でガイドプレートの外側への可動範囲を調整するのです。

因みにこちらが下のネジを目いっぱい締め込んだ状態。ネジの先端がアームの右上の頭にがっちり当たっています(写真の青マル内)。これが今回ガイドプレートが全く動かなかった理由です。ネジの働きを知らないとこんな単純なことでもパニクります(汗)。

以上の経験から、ケーブル取り付け前にガイドプレートが外側に動くか確認するため、ここに「ざっくり調整」を入れました。

ざっくり調整は、手でガイドプレートを外側に押しながら下のネジを回し、左右のガイドプレートの中心がアウターリングの上(写真の赤い点線)辺りに来るようにします。ネジの回転方向とガイドプレートの動きをおさらいすると、

時計回りに締め込む:外側への可動範囲縮小
反時計回りに緩める:外側への可動範囲拡大

しつこくてすみません…。長々説明しましたが、作業自体はあっという間に終わります(汗)。

 

2-3. フロントシフト~FD間のケーブル張り

ようやく本題であるケーブル取り付け作業に入ります。RD同様にアウターケーブル⇒インナーケーブル(ワイヤー)の順番で取り付けていきます。

ケーブルを張る前にダウンチューブのケーブルアジャスターを時計回りに締め込んでおきます。

f:id:ma2sun:20231006211907j:image
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f:id:ma2sun:20231006211903j:imageRD同様、一旦アジャスターを取り外し、焼き付き防止剤を塗ってから締め直します。RDと違ってFD本体にアジャスターはないため、FDのケーブルテンションを調整するときに使用するのはここだけです(最近のシマノのFDにはアジャスターのネジが付いているようですが)。

この後のアウターケーブルの取り付けは、実際はRDの作業のとき一緒に行っています。同じ作業はまとめて行った方が効率的なため。

まずアウターケーブルの長さ決めから。エルゴパワーのブラケットカバーをめくって差込口にアウターケーブルをセットし、ハンドルの外側に這わせます。

f:id:ma2sun:20230821210511j:imageビニールテープで2,3箇所仮り留め。 

f:id:ma2sun:20230821210515j:imageダウンチューブのアジャスターにケーブルを合わせて長さを決めます。この時ハンドルを目いっぱい右に切って引っ張られないことを確認。因みにケーブルはブレーキケーブルの内側を通します。

f:id:ma2sun:20230821210453j:imageマジックでマーキング。これで長さが決まりました。

f:id:ma2sun:20230821210523j:imageマーキングした位置をケーブルカッターで切断。

f:id:ma2sun:20230821210457j:image先端をやすりで整え、

f:id:ma2sun:20230821210532j:image千枚通しで穴の形を整え、

f:id:ma2sun:20231006212556j:image先端にアウターキャップを被せて、

f:id:ma2sun:20231006212102j:imageダウンチューブのケーブルアジャスターにセット。リヤはインナーケーブルを張るときにアウターキャップを被せましたが、フロントは先に被せてアジャスターにセットしておきました(どちらでもよいと思います)。これでアウターケーブルの取り付けは完了。

続いてインナーケーブル(ワイヤー)の取り付けです。

f:id:ma2sun:20231006212240j:image取り付ける前にエルゴパワーの親指レバーを押し下げてインナーのポジションにします。これはFDのホームポジションがインナー側だからです。また、インナーポジションにすることでインナーケーブルを差し込む穴がレバーの裏側に現れます。

f:id:ma2sun:20231006212317j:imageインナーケーブルのルートは、エルゴパワーの真下から差し込みアウターケーブルに通したあと、ダウンチューブのケーブルアジャスター~BB下のケーブルガイド~FDです。ケーブルを通しやすいようにまた車体をひっくり返します。

エルゴパワーのブラケットカバーをめくるとインナーケーブルを通す穴が見えます。

f:id:ma2sun:20231006212452j:imageインナーケーブルの先端を差し込み穴に通していきます。

f:id:ma2sun:20231006212507j:imageアウターケーブルの中を通る部分にはケーブルグリスを塗っておきます。

f:id:ma2sun:20231006212448j:imageケーブル先端がアウターケーブルを通ってダウンチューブのアジャスターから出てくるため、そのまま引っ張り出します。

f:id:ma2sun:20231006212511j:image引っ張り続けるとケーブル後端のタイコが穴にピッタリ収まりました。

続いてBB下のケーブルガイドに通します。そうしたら90度向きを変え左右のチェーンステーとタイヤの隙間からからFDに繋げるのですが…

ん?…何か変です。よく見るとFDへ繋がるケーブルガイドの先端が折れています。本当はもっと長いはず。フレームは中古なので入手したときから折れていたのですね、先ほどRDのケーブルを通したときは気づきませんでした…(汗)。

このまま使えないこともないかな?と考えましたが、これが原因で変速に不具合が生じるのも嫌なので一旦作業を中断。

f:id:ma2sun:20231006213208j:image代わりのケーブルガイドをCS-MARVERICKで手配しました。型番はPR6-RE。こういったレア部品でも午前中に発注すれば翌日に届くのが有難いですね。

f:id:ma2sun:20231006213230j:image折れた部品と比べると全然長さが違います。

f:id:ma2sun:20231006213201j:imageそれでは作業再開。取り付ける前にグリスを塗って、

f:id:ma2sun:20231006213221j:image付属のビズを3㎜の六角レンチで固定。

改めてインナーケーブルを通して、

f:id:ma2sun:20231006213213j:imageひっくり返した車体を元に戻し、チェーンステーとタイヤの隙間から引き出します。

f:id:ma2sun:20231006213205j:image5㎜の六角レンチでFDのケーブル取り付けボルトを緩めて、

f:id:ma2sun:20231006213156j:imageケーブルを引っ張りながらワッシャーの下に通し、ボルトを締め直します。仮り留めなので適当なトルクでよいのですが、くれぐれも強く締め過ぎないように。カンパ純正ケーブルは柔らかくほつれやすいので…。

f:id:ma2sun:20231006213225j:image余ったケーブルは変速調整が完了して本締めするまで、ぐるっと巻いてシートチューブにテープで固定しておくのがよいと思いますが、リヤ同様、邪魔なので長めに残して切ってしまいました。

※先端が上を向いているため目に刺さらないように注意。ビニールテープなどで保護しておくのがよいと思います。

f:id:ma2sun:20231010220942j:image以上でリヤ、フロントのシフトケーブルの取り付けが完了しました。

 

3.チェーンの取り付け

3-1. チェーンの装着

続いてチェーンを取り付けます。

f:id:ma2sun:20231010221324j:imageチェーンはWippermannのCONNEX 10S楽天で4,000円ぐらいで購入。

f:id:ma2sun:20230818204104j:imageコネックスリンクという特殊なコマ部品のお陰で工具を使わず着脱できます。長年愛用しいるお気に入りでヌーボクラシコとママチャリ(!)にも装着しています。

15年ぐらい前、このチェーンの存在を知った時は目から鱗でした。それまでチェーンは取り外せないため掃除がとても面倒でしたが、これは簡単に取り外せるため劇的に楽になりました。ペットボトルに灯油と一緒に入れてシャカシャカするだけでピカピカに。いまやこのチェーン以外考えられません。

f:id:ma2sun:20231010221321j:imageさて、チェーンを箱から取り出したら、ジップロックにパーツクリーナーを入れてシャカシャカします(さすがに今はもう灯油は使っていません…)。開封後のチェーンには透明なグリスのようなものがべったり付いていて動きが渋いため。

f:id:ma2sun:20231010221125j:image洗浄完了。

チェーンを取り付ける際のギヤのポジションは、フロント=インナー、リヤ=トップです。FD、RDそれぞれのホームポジションですね。チェーンを取り付けた時、チェーンがいちばん弛む(負荷がかからない)状態でもあります。

f:id:ma2sun:20231010221916j:image左エルゴパワーの親指レバーを押し下げて、FDをインナーのポジションにします。先ほどこのポジションでケーブルを取り付けているので既にそうなっているはずですね…。

f:id:ma2sun:20231010221849j:image続いて右エルゴパワーの親指レバーを押し下げて、RDをトップのポジションにします。こちらも既にそうなっているはずですね…。

f:id:ma2sun:20231010221911j:imageそれではチェーンをギヤに掛けていきます。フロントはインナーリング、リヤはトップギヤに掛かるように。まずチェーンをインナーリングに掛けてFDのガイドプレートのケージの中を通します。

f:id:ma2sun:20231010221841j:image続いてリヤのトップギヤに掛けます。

f:id:ma2sun:20231010221934j:image反転させてRDのガイドプーリーに掛けます。

ガイドプーリーとその下にあるテンションプーリーはプレートで繋がっています。プレートの中央でチェーンをS字に反転させてテンションプーリーに掛けます。

f:id:ma2sun:20231010221903j:imageあとはそのまま引っ張ると、チェーンがぐるっと一周しチェーンステーの下辺りで繋がることになります。チェーンフィクサーの左右の爪をチェーンに引っ掛けて一旦このポジションをキープ。

続いてチェーンの長さを決めます。その目安になるのが上の写真の矢印の間隔。チェーンフィクサーの爪を掛ける位置を調整してこの間隔が8~15㎜になるように調整します。と言いながら、矢印の上端がどこを指しているのかよく分かりません。

別のマニュアルを見ると、裏側から見たときのガイドプーリーの下にあるプレートの出っ張りを指していることが分かりました。因みにこの間隔を10~15㎜としているマニュアルもあります。

コネックスリンクの片側をチェーン先端にはめ、どのコマで繋げるか確認します。コネックスリンクはコマとコマを繋ぐプレートに相当するため、コマのコネクトピン部分にコネックスリンクの穴(上記写真の赤マル)を重ねて上記の間隔が8~15㎜になるものを探します。

f:id:ma2sun:20231010221826j:image繋げるコマが決まったらマジックでマーキング。この先の余分なチェーンを切断します。

f:id:ma2sun:20231010221852j:imageチェーンの切断にはチェーンカッターを使用。

f:id:ma2sun:20231010221829j:imageチェーンをギヤから取り外し、切断するコマをチェーンカッターの台座にセット。コネクトピンの中央にシリンダーの先端が来るように合わせます。

f:id:ma2sun:20231010221953j:imageチェーンカッターのハンドルを少しずつ右に回し、シリンダーの先端がコネクトピンに当たったら一旦ストップ。シリンダーの尖った先端がコネクトピン中央の凹みにぴったり当たっていることを確認します。ここがズレているとチェーンが台無しなってしまうため。

f:id:ma2sun:20231010221834j:imageハンドルに力を込めて回しピンを打ち抜きます。緊張の一瞬! ピンの固定が外れるまでは力が要りますが、ピンがズレ始めるとハンドルが一気に軽くなります。

f:id:ma2sun:20231010221837j:image無事コネクトピンが抜けました。コマの穴の周りが歪んだりしていないか確認。以前、シリンダーがピンの中心から少しズレていて穴が歪み、チェーンを台無しにしてしまったことがありました。そのため、実は本番前にいらない端っこのコマで練習しています(汗)。

f:id:ma2sun:20231010221845j:imageチェーンをインナーリング&トップギヤに掛け直してチェーンフィクサーで固定。このあとコネックスリンクで繋ぎます。

取説に記載されている接続イメージ。コネックスリンクのプレートはひょうたんのような形をしていますが「くびれ」のカーブのRが上下で微妙に違っており、Rが緩い方(上図の上側)がギヤの歯に当たる向きにします。

f:id:ma2sun:20231010221822j:image上記の向きにするため、チェーン左端のコマには内側(奥側)から、右端のコマには外側(手前側)からコネックスリンクのピンを通し、互い違いになるよう90度曲げます。

f:id:ma2sun:20231010222006j:imageお互いのプレートを重ね合わせ、それぞれ相手のピンを自分の中心側の穴にハメ込みます。

左右のチェーンを引っ張りプレートを水平にすると、ピンが中心の穴から外側の穴に移動しロックされます。これで接続完了。

改めてチェーンとディレーラーの間隔を確認すると、先ほどより広がった気がします。

f:id:ma2sun:20231225201121j:image裏側から計測するとMAXの15㎜を超えて16㎜でした。実は、最初は1コマ多い状態でチェーンを接続したところMINIMUMの8㎜に満たなかった(チェーンにテンションがほとんど掛からなかった)ため、1コマ減らしてこの状態になりました。チェーンはコマ⇔プレート⇔コマの順に並んでいるため1コマで長さがかなり変わります。なのでこれでよしとします。

f:id:ma2sun:20231010221957j:imageクランクを回してみて異常が無ければチェーンの接続は完了です。

 

3-2. フロント&リヤシフトケーブルの初期伸び取り&張り直し

次回の変速調整の前に、フロント、リヤのシフトケーブル(ワイヤー)の初期伸び取りをしておきます。

f:id:ma2sun:20231010222001j:imageまずリヤ側。ウエスで保護してケーブルをゆっくり下に引っ張ります。ブレーキケーブルの初期伸び取りはブレーキレバーの引きシロが変わるので分かりやすいですが、シフトケーブルは伸びた感じがよく分かりません。数回引っ張って終了。

f:id:ma2sun:20231010221855j:imageRDのケーブル固定ボルトを5㎜の6角レンチで緩め、ケーブルを引っ張って張り直します。次回の変速調整でまた外すので仮り留めです。

f:id:ma2sun:20231010221859j:image同様にフロント側のケーブルも引っ張って伸びを取ります。

f:id:ma2sun:20231010221949j:imageFDのケーブル固定ボルトを5㎜の6角レンチで緩め、ケーブルを引っ張って張り直します。こちらも次回の変速調整でまた外すため仮り留め。

これで本当に初期伸びが取れたかどうか分かりませんが完了とします。

 

以上で今回の作業は終了です。RDとFDの構造を理解するのに大分時間を費やしましたが、ずっと整理したいと思っていたので気持ちがすっきりしました。

これで基本パーツ全ての取り付けが完了し、あとは変速調整を残すのみ! 完成までいよいよあと1歩です(^^)

コルム組立記録5 ブレーキケーブルの取り付け

Derosa Corum(デローザ コルム)の組立記録第5回目。前回はエルゴパワー、ブレーキ、FD、RDの取り付けについてお話しました。 

 今回は、ブレーキケーブルの取り付けについてです。

*本サイトの組立ては素人によるものです。内容を参照して作業される場合は自己責任でお願いいたします。

 

はじめに…

超久しぶりに更新しました。コロナ渦、色々ありロードバイクにはほとんど乗っておらず、コルムも未完成のまま屋根裏で埃を被っていました。やっと落ち着いてまた乗りたくなってきたので組立てを再開しようと思います(^^)

前回までで主要なコンポーネントの取り付けは完了しました。あとはケーブルを取り付けるだけです。とは言えケーブル取り付けは調整込みの作業。これまでのロードバイク人生、メカ調整はすべてショップにお任せしてきた自分にとって最大の難関です。しかし、真のクロモリストになるためには避けて通れない道(?)

いつものように作業前にマニュアル本やネットを眺めても、ブレーキ、ディレーラー調整の要領はイマイチ良く分かりません。まあ、やってみて体で覚えるしかないのでしょう。そこでケーブルの取り付けは、ブレーキケーブルの取り付け、ディレーラーケーブルの取り付け、ディレーラー(変速)の調整に分けてじっくり取り組みたいと思います。変速調整は手こずりそうなので単独で行う予定。今回はまずブレーキケーブルの取り付けです。

 

ケーブル・小物類の準備

ケーブルセット

f:id:ma2sun:20201009002321j:imageまず準備したのがこちら。カンパ純正のエルゴパワーケーブルセット(型番:CG-ER600)。だいぶ昔にWiggleで3,000円ぐらいで買ったものですが、国内で正規品を購入すると8,000円ぐらいします。

ブレーキとディレーラーのケーブルがセットになっています。内容物は以下のとおり。

f:id:ma2sun:20201009002409j:image1.ブレーキ用アウターケーブル ×2本
2.ブレーキ用インナーケーブル ×2本
3.ディレーラー用アウターケーブル ×3本
4.ディレーラー用インナーケーブル ×2本
5.アウターキャップ(ディレーラー用) ×4個

f:id:ma2sun:20201009181447j:imageアウターケーブルは、太い方(上)がブレーキ用、細い方(下)がディレーラー用です。

f:id:ma2sun:20201009181736j:image取説によると、ブレーキ用(B)は直径4.9㎜、ディレーラー用(A)は直径4.1㎜。

f:id:ma2sun:20201009181429j:image実際に測ってみると、ブレーキ用は約5㎜。

f:id:ma2sun:20201009181501j:imageディレーラー用は約4㎜でした。

f:id:ma2sun:20201009181438j:image当然、インナーケーブルも太い方(左)がブレーキ用、細い方(右)がディレーラー用ですが、タイコの大きさと形でも見分けがつきます。大きくて棚板のダボのような形をしているのがブレーキ用。

f:id:ma2sun:20201009181441j:imageアウターキャップは5個付属しており、内1個にはゴムのダストカバーのようなものが装着されています。

f:id:ma2sun:20201009181433j:image内径を測ってみると約4㎜、ということはディレーラー用ですね。

f:id:ma2sun:20201009181843j:imageゴムのダストカバーが装着されたものも内径約4㎜。

f:id:ma2sun:20201009181849j:image因みにこのダストカバーが装着されたものは、上記写真の場所(エンドブラケット近くのケーブル受け)に使うみたいです。カバーがカッコ悪い…

以上がセット内容ですが、ブレーキ用のアウターキャップとインナーケーブルの端に被せるエンドキャップが何故か付属されていませんでした。別に調達する必要があります。 

 

アウターキャップ

f:id:ma2sun:20201009201506j:imageケーブルセットに付属されていなかったブレーキ用のアウターキャップは2種類買ってみました。左がアリゲーターで右がノグチのもの。アリゲーターは真鍮製、ノグチはアルミ製で質感(光り方)が若干違います。

f:id:ma2sun:20201009201501j:imageどちらにするか考え、ケーブルセットに付属していたディレーラー用アウターキャップ(左)と同じ長さ(12㎜)・同じ質感のアリゲーターを使用することにしました。

f:id:ma2sun:20201009201510j:image内径を測ってみると約5㎜。間違いなくブレーキ用です。

 

エンドキャップ

f:id:ma2sun:20201010074406j:imageエンドキャップはノグチ製。インナーケーブルもブレーキ用とディレーラー用で直径が僅かに違いますが、もちろん共用です。

 

工具・ケミカルの準備

ワイヤーカッター

f:id:ma2sun:20201010074438j:imageHOZANのN-16Amazonのレビューを見て決めました。当初、ケーブルの切断は電気工事用のペンチでいいかな?と思っていましたが、特にアウターケーブルは切れ味が悪いと切り口を整えるのに手間がかかってしまうようなので、専用のワイヤーカッターを調達しました。

やすり

f:id:ma2sun:20201010074506j:imageアウターケーブルの切り口を整えるために使用します。家にあった棒やすりを使います。

千枚通し

f:id:ma2sun:20201010074529j:image同じくアウターケーブルの切り口を整えるためのもの。家に千枚通しは無かったのでAmazonで適当なものを調達しました。つまようじでも何とかなる?(笑)

ケーブルグリス

f:id:ma2sun:20201010074724j:imageシマノのケーブルグリス。もともとワイヤー自体にコーティング加工が施されているようですのでグリスを塗るか迷いましたが使ってみることにしました。以前、ヌーボの組立をショップにお願いした際、完成したエルゴを操作してシフトの軽さに驚いた記憶があります。そのショップはケーブルのファインチューンをメニュー化するほど拘りがあり、どのような処理をしたかはマル秘で教えてもらえませんでしたが、何らかのケミカルを使っていることは間違いありません。ケミカルで操作感が変わるのなら試してみたいと思っていました。

ケミカルと言っても、マニュアル本やネットを見ると使用しているものは様々で、普通のグリスをワイヤーに塗っているのもあれば、スプレー式の潤滑油をアウターケーブルに注入しているのもあります。フッ素オイルというものを使用しているケースもあり何がベストか良く分からず…。そこで、取り敢えずメジャーなこのシマノの専用グリスを使用してみることにしました。50gで1,500円もするので少し躊躇しましたが…(汗)

f:id:ma2sun:20201010074721j:imageFINISH LINEのテフロングリスと同じ白色。粘度が低くクリームみたいです。

 

作業の下準備

細かい点ですが、ケーブルの切断作業に入る前に以下の下準備を行いましたので、自分用の備忘録として記しておきます。

車体の固定

f:id:ma2sun:20201012194008j:imageこれまで使用していた三脚タイプのメンテナンススタンドから普通の折畳式スタンドに交換し、前後のホイールを装着します。ブレーキ、シフトの調整は実際に前後のホイールを回転させながら行うため。ホイールは普段履き用のシャマルミレにしました。

f:id:ma2sun:20201012194004j:imageしかし、シャマルミレのクイックが大き過ぎてスタンドのシャフト受けにハマらず…。今ドキのホイールのクイックは大体このサイズですね。そこで、専用のスタンドを入手しました。

f:id:ma2sun:20201024110605j:imageミノウラのDS-30CFB。カンパ、フルクラム、ポントレガーのワイドタイプクイック用。

f:id:ma2sun:20201123193639j:image専用と言いつつ、すんなりとは収まらず若干広がっています…

f:id:ma2sun:20201129225246j:imageフロントタイヤのバルブとダウンチューブを太めの輪ゴムで固定。ケーブルを張る前はフロントタイヤ(フォーク)が簡単にくるっと回ってしまうためです。

 

ブレーキシューの位置調整

f:id:ma2sun:20201012200939j:imageシュー交換の時はタイヤが付いていなかったため適当に留めていたブレーキシューの位置を調整します。左右のシューを押し当てながらリムのパッド面にシューが収まるよう位置合わせ。リムの端から大体1㎜ぐらい下が適正位置でしょうか。細かい人はトーイン・トーアウトも調整するのでしょうがそれはまだ今度(汗)。位置が決まったら5㎜の六角レンチで仮締め。

f:id:ma2sun:20201012200943j:image反対側のシューも位置合わせして仮締め。

f:id:ma2sun:20201012200935j:imageトルクレンチで本締め。推奨トルクは8Nm。トルクがかかるとシューが一緒に回ってしまうためシューホルダーを手で押さえながら回します。

f:id:ma2sun:20201012200907j:image今度はリヤ側。左シューの位置調整。

f:id:ma2sun:20201012200912j:image右シューの位置調整。

f:id:ma2sun:20201012200917j:imageトルクレンチで本締め。

 

キャリパーのセンターバランス調整、本締め

前回、キャリパーをフレームに取り付ける際はタイヤが付いておらず適当に留めていたため、センターバランスを見ながら本締めします。

f:id:ma2sun:20201129123349j:imageブレーキキャリパーに付いているセンターバランス調整用ネジを確認。右回しでキャリパーが手前に移動、左回しで向こう側に移動しますが、実際のセンターバランス調整はこのネジは使わずセンターボルトを回して行うためここではネジが出過ぎていないかチェックする程度です。もし出過ぎていたら軽く締め込んでおきます。このネジはとても小さく2㎜の六角レンチを使用。

f:id:ma2sun:20201129123353j:imageリヤ側のネジも同様に確認。ネジの位置はフロントと反対です。

f:id:ma2sun:20201012200920j:image次に、センターボルトの枕頭式ナットを5㎜の六角レンチで一旦緩め、左右のシューを指でリムに押し当てたまま締め込みます。

f:id:ma2sun:20230708145755j:imageそしてトルクレンチで本締め。推奨トルクは10Nm。

f:id:ma2sun:20201129130538j:image指を離してシューを戻すと、左右のバランスが均等になります。最終的なセンターバランスの調整はケーブルを張った後に行います。

f:id:ma2sun:20201012200931j:imageリヤ側も同様に作業します。シューをリムに押し当てて六角レンチで仮締め。

f:id:ma2sun:20230708145819j:imageトルクレンチで本締め。

f:id:ma2sun:20201129130553j:imageリヤも完了。

 

アジャスターの締め込み

f:id:ma2sun:20230706001345j:image前後キャリパーのアウター受けアジャストボルト(ケーブルテンション調整ネジ)を締め込んでおきます。後で締め忘れないように。

 

ケーブル張り

フロントブレーキのケーブル張り

f:id:ma2sun:20201123202525j:imageそれではいよいよケーブル張りです。まずフロントブレーキから。ケーブルセットから太い方のアウター、インナーケーブルを取り出します。左の短い方がフロント用。

f:id:ma2sun:20201123202456j:image自分のブレーキ配置は一般的な右手=フロント、左手=リヤです。エルゴパワーのカバーをめくると、ケーブルの差込口が見えます。内側がブレーキ用、外側がシフト用。

f:id:ma2sun:20201123202231j:imageアウターケーブルの先端を内側の差込口に入れます。

f:id:ma2sun:20201123202608j:imageそのあとのケーブルはハンドルバーの窪んだ部分に這わせます。Deda215のハンドルバーにはライダーから見て奥側と手前側にそれぞれブレーキとシフトのケーブルを這わせることができるように窪みが付いています。

f:id:ma2sun:20201123202441j:imageその状態でビニールテープで仮留め。

f:id:ma2sun:20201123202508j:imageアウターケーブルをブレーキキャリパーのケーブルテンション調整ネジに合わせて切断する長さを決めます。長さの目安は、ヘッドチューブにケーブルが僅かに重なる程度。

f:id:ma2sun:20201123202521j:image長さが決まったら、マジックでマーキングします。黒マジックでは見にくいですが…。

f:id:ma2sun:20201123202536j:image仮留めしていたアウターケーブルを取り外し、マークに合わせてワイヤーカッターで切断。初めての作業なので緊張します。パチンと歯切れ良く切れるのをイメージしていましたが、予想に反しムニュッとした感触。

f:id:ma2sun:20201123202533j:image切断面はこんな感じ。アウターチューブの内側にスチールワイヤー、その内側にポリエチレンライナーという構造ですが、見事に潰れています。

f:id:ma2sun:20201123202254j:image横から見ると少し斜めにカットしてしまった模様…。

f:id:ma2sun:20201123202553j:imageヤスリを当てて切断面を整えます。大きく削る場合は写真とは反対にヤスリの方を固定してケーブルを動かした方がやり易いかも。かなり根気が要る作業。

f:id:ma2sun:20201123202543j:image千枚通しで真ん中のライナー部分を整えます。

f:id:ma2sun:20201123202242j:image補正後の切断面。あまり変わってないですが、大雑把な性格なのでこの辺でよしとします(汗)

f:id:ma2sun:20201123202540j:image再びアウターケーブルを取り付けて、先端をブレーキキャリパーのケーブルテンション調整ネジにセット。長さは問題無さそうです。

f:id:ma2sun:20201123202452j:imageこの後はインナーケーブルを通します。ブレーキレバーを握りケーブルを通す穴を確認。表と裏があり、段差が付いた大きい穴が表(おもて)面。ここにケーブルのタイコを引っ掛けます。

f:id:ma2sun:20201123202557j:imageこちらは小さい穴の裏面。間違えないように注意。

f:id:ma2sun:20201123202605j:image表(おもて)面の穴からインナーケーブルを挿入します。

f:id:ma2sun:20201123202236j:imageハンドル内側のアウターケーブル差込口からインナーケーブルが出てきます。

f:id:ma2sun:20201123202459j:imageそのままインナーケーブルを引っ張ると、

f:id:ma2sun:20201123202511j:image穴の段差にタイコが引っ掛かります。

f:id:ma2sun:20201123202250j:imageアウターケーブルに通す前に、インナーケーブルにケーブルグリスを塗ります。ブレーキケーブルにはグリスを塗ってもあまり変わらないと思いますが、折角買ったので…(汗)

f:id:ma2sun:20201123202602j:imageグリスを薄く塗り伸ばします。

f:id:ma2sun:20201123202515j:imageアウターケーブルにインナーケーブルを通します。

f:id:ma2sun:20201123203058j:imageそのままどんどん通して行き、

f:id:ma2sun:20201123202528j:imageアウターケーブルをケーブル差込口にセット。

f:id:ma2sun:20201123202449j:imageインナーケーブルの先端がケーブルテンション調整ネジの下から出てきます。

f:id:ma2sun:20201123202612j:imageブレーキキャリパーのケーブルリテーナーボルトを5㎜の六角レンチで緩めます。

f:id:ma2sun:20230709080727j:image緩めた隙間にインナーケーブルの先端を通します。固定金具のケーブルが当たる部分に溝が掘ってあるのでそこに合わせます。

f:id:ma2sun:20201123202504j:imageブレーキシューをリムに近づけた状態でケーブルリテーナーボルトを六角レンチで仮締めします。仮締めですがこのあと初期伸び取りをするため少々きつめに。シューとリムのクリアランスは取り敢えず1㎜ぐらいにしました。

f:id:ma2sun:20201123202445j:imageブレーキレバーを握って引きしろを確認し、好みの可動範囲になるようにシューとリムのクリアランスを調整。完了したら、ブレーキレバーを強めに握ってケーブルの初期伸びを取ります。新品のケーブルはかなり伸びるようですが、実際に伸びたかどうかはよく分からず。数回握って取り敢えず完了とします。

f:id:ma2sun:20201123202246j:imageブレーキリテーナーボルトをトルクレンチで本締め。推奨トルクは5Nm。

f:id:ma2sun:20201123202518j:imageケーブルを4㎝程度残しワイヤーカッターで切断。

f:id:ma2sun:20201123202744j:imageケーブルの先端にエンドキャップを被せます。

f:id:ma2sun:20201123202734j:imageエンドキャップのカシメには家にあった電工ペンチを使用することにしました。

f:id:ma2sun:20201123202737j:image電工ペンチの先端がカシメにちょうど良い幅です。

f:id:ma2sun:20201123202729j:image抜け落ちないよう2箇所カシメました。

f:id:ma2sun:20201129122521j:image最後に左右のシューのセンターバランスを確認。ワイヤーを通してテンションがかかったため、バランスが僅かに崩れていました。これはキャリパーとフロントフォークの間にあるカプセル形のナットを13㎜のスパナで回して微調整します。

※このナットは幅が狭いので必ず薄口スパナやハブスパナを使います。当初、普通のモンキーレンチで回したらフロントフォークに傷が付いてしまいました(泣)。

f:id:ma2sun:20201129190419j:imageこれでフロントブレーキのケーブル張りは完了です。

 

リヤブレーキのケーブル張り

 

f:id:ma2sun:20210528112237j:image次はリヤブレーキ。リヤのアウターケーブルはトップチューブの前方と後方があります。しかし、ケーブルセットに入っているアウターケーブルは長い一本モノ。2分割する必要があるため、まずはその長さ決めから。ケーブル先端をブラケット内側の差し込みます。

f:id:ma2sun:20210528112233j:imageハンドルの窪みに這わせたら、ビニールテーブルで2箇所仮留め。

f:id:ma2sun:20210528112254j:imageハンドルを目一杯右に切った状態でトップチューブ前方のアウターケーブル受けに当てて、引っ張られない長さにします。

f:id:ma2sun:20210528112347j:imageハンドルを戻して前から見ると、ヘッドチューブに軽くかかる位。

f:id:ma2sun:20210528112120j:image長さが決まったらマジックで印を付けます。

f:id:ma2sun:20210528112128j:imageワイヤーカッターで切断。

f:id:ma2sun:20210528112247j:imageやはり断面が潰れているので…

f:id:ma2sun:20210528112206j:imageヤスリで整えます。

f:id:ma2sun:20210528112332j:image千枚通しで仕上げ。

f:id:ma2sun:20210528112201j:imageささくれ部分がきれいに消えず多少残っていますががよしとします。どうせアウターキャップを被せるし…

f:id:ma2sun:20210610191416j:image切断したケーブルを仮にセットしてみて長さを確認。こんなもんでしょうか。

f:id:ma2sun:20210528112250j:image続いてトップチューブ後側の長さ決め。ケーブルをシートクランプ付近でカーブさせてシートステーと並行になる長さに調整します。リヤブレーキのケーブルテンション調整ネジに合わせたらマジックで印付け。

f:id:ma2sun:20210528112109j:imageワイヤーカッターで切断。

f:id:ma2sun:20210528112141j:imageヤスリで断面を整えて…

f:id:ma2sun:20210528112052j:image千枚通しで仕上げ。

f:id:ma2sun:20210528112243j:imageやはり、ささくれ部分が消えていませんが気にしないことにします。この辺をきれいに処理するかしないかは性格が出ますね(汗)

f:id:ma2sun:20210528112057j:image切断したケーブルを仮にセットして長さを確認。少し長い気もしますがよしとしましょう。

f:id:ma2sun:20210528112225j:image続いてインナーケーブルを通します。ブレーキレバーを握りケーブルを通す穴を確認。ケーブルのタイコを引っ掛ける溝が付いた方を表側にします。

f:id:ma2sun:20210528112329j:imageこちらは裏側。

f:id:ma2sun:20210528112213j:imageインナーケーブルを穴に通します。

f:id:ma2sun:20210528112240j:imageそのまま、ずずずっと差し込んでいき…

f:id:ma2sun:20210528112344j:imageタイコを穴の溝に引っ掛けます。

f:id:ma2sun:20210528112135j:imageこちらはケーブルの出口側。

f:id:ma2sun:20210528112158j:imageケーブルグリスを塗ってから、

f:id:ma2sun:20210528112414j:imageアウターケーブルに通します。

f:id:ma2sun:20210528112151j:imageアウターケーブルの先端をブラケットの差込口にセット。

f:id:ma2sun:20210528112351j:image もう一方の先端はアウターキャップを被せてから

f:id:ma2sun:20210528112217j:imageトップチューブのアウターケーブル受けにセット。

f:id:ma2sun:20210528112104j:image続いて後方のアウターケーブルに通します。まずインナーケーブルにケーブルグリスを塗って、

f:id:ma2sun:20210528112117j:imageアウターケーブルの先端にアウターキャップを被せてからインナーケーブルを通します。

f:id:ma2sun:20210528112336j:imageトップチューブ後方のアウターケーブル受けにセット。

f:id:ma2sun:20210528112358j:imageインナーケーブルの先端をケーブルテンション調整ネジの穴の中に通します。アウターケーブルはそのまま調整ネジの中にセット。アウターキャップは不要です。

f:id:ma2sun:20210528112257j:imageインナーケーブルの先端を引っ張り、ケーブルリテーナーボルトの固定プレートの隙間に通します(ボルトは予め5㎜の六角レンチで緩めておきます)。

f:id:ma2sun:20210528112411j:image拡大するとこんな感じ。

f:id:ma2sun:20210528112125j:imageブレーキシューとタイヤのクリアランスを好みの間隔(1㎜ぐらい)に調整したら5㎜の六角レンチでケーブルリテーナーボルトを強めに仮締めします。

f:id:ma2sun:20210528112652j:imageブレーキレバーを強く握って初期伸びを取ります。何度か繰り返した結果、握りシロが大きくなったら上に戻ってクリアランスを再調整します。

f:id:ma2sun:20210528112354j:imageリアランスが決まったらケーブルリテーナーボルトをトルクレンチで本締め。推奨トルクは5Nm。

f:id:ma2sun:20210528112326j:image余ったインナーケーブルをワイヤーカッターで切断。

f:id:ma2sun:20210528112131j:imageエンドキャップを被せて、

f:id:ma2sun:20210528112114j:image電工ペンチでカシメます。

f:id:ma2sun:20230708150237j:image最後にセンターボルトを回してセンターバランスを調整。今まで気付きませんでしたがリヤのセンターボルトはフロントのカプセル形とは異なる普通の15㎜ナットが付いていました(ヤフオク落札品のため前のオーナーが変えた模様)。フロント同様幅が狭いため薄口スパナを使いたかったのですがスパナのセットに15㎜が無かったためモンキーで代用(汗)。

f:id:ma2sun:20210528112138j:image完成しました。リヤの取り回しはこんな感じ。

f:id:ma2sun:20210528112407j:image全体の取り回しはこんな感じです。


ブレーキケーブルの取り付けが無事完了しました。ケーブルはまだ初期伸びが出ると思いますので暫く乗ったら調整するつもりです。

次回はいよいよ最後のパーツ、ディレーラーケーブルの取り付けです(^^)

 

 

 

コルム組立記録4 エルゴパワー、ブレーキ、FD、RDの取り付け

Derosa Corum(デローザ コルム)の組立記録第4回目。前回はハンドル、シートポスト&サドル、BB&クランクの取り付けについてお話しました。 今回は、エルゴパワー、ブレーキ、FD、RDの取り付けについてです。

*本サイトの組立ては素人によるものです。内容を参照して作業される場合は自己責任でお願いいたします。

 

はじめに、更新遅れの言い訳…

長らく更新(組立て)が滞ってしまいました。今年は、参加を予定していたイベント(組み立てたコルムで美ヶ原、乗鞍、嬬恋のヒルクライムに出たいと思っていました)が全て中止になりモチベーションがガタ落ち…。それでも暇がある時に組立ては続けていましたが、作業を始めたら持っていたパーツが使えなかったり、欲しいパーツが出てきたりして、その都度、オークションサイトで検索&入札を繰り返していたため、ひたすら時間がかかってしまいました。基本、パーツは一昔前の中古品を探すため、入手できるかどうかはタイミングと運(と落札資金)次第。まあ、ヌーボもあるし急ぐ必要がなくなったので気長にやろうと思います(^^)

 

エルゴパワーの取り付け

それでは、まずエルゴパワーの取り付けから。ここでは紆余曲折がありましたのでちょっと話が長くなりますがお付き合いください。カンパのメカニズムの変遷にも触れていますので、情報に誤りがありましたらご指摘いただけるとありがたいです(^^;

 

モデル選定

使用するのはケンタウル10Sのカーボンモデル。ヌーボにも装着しているツノが小さい旧型エルゴです。

f:id:ma2sun:20200823143225j:image上の写真のエルゴは2008年頃のモデル。

ケンタウル10Sは2007年にモデルチェンジされ、クランクがウルトラトルクに(ミラージュ以上に一斉導入)、ブレーキがスケルトンに、そしてエルゴ、FD、RDがカーボンになりました(翌年、クランクにもカーボンモデルがラインナップ)。

翌2008年、カンパはクイックシフト(QS)という新しいメカニズムを採用(最下位のゼノンから一斉導入)。これはフロントの切替レバーをショートストローク化したもので、エルゴとFDにはQSのロゴが入ります。

QSは評判がよくなかったのか、翌2009年、エルゴパワーが全面刷新された(現在のカタチになった)際に廃止になります。

今回、ケンタウル10SのQS登場前のカーボンモデルを探したのですが見つからず、「ま、いいか」と上の写真のQSモデルを入手しました。

f:id:ma2sun:20200823142157j:imageこれがQSの親指シフトレバー(右がフロント用で左がリヤ用)。

従来モデルはシフトレバーの切り込みが下まで伸びていますが、QSはほとんど切り込みがありません。実際にフロントレバーを操作してみるとストロークが短く遊びもほとんど無し。従来のストロークに慣れているためか違和感を感じます。

リヤ側のレバーも操作してみて衝撃が走ります。

フロントと同じストロークで、カチカチと1段ずつしかシフトチェンジできない!!!

従来モデルはググっと押し下げることで一気に5段までシフトチェンジ(多段シフト)できたのに…。この多段シフトは信号待ちなどから急加速するとき自分にとってマストのメカニズムです。いちいち1段ずつシフトアップするなんてタイムラグだし楽しくない!(今まで知りませんでしたがシマノは1段ずつですなんですね…)

f:id:ma2sun:20200823142505j:imageブラケットカバーをめくると、シフトレバーのプーリーは樹脂製でした。長年使うとシフトチェンジできなくなることがあると聞きますが、これが擦り減ってしまうからですね。

f:id:ma2sun:20200823143220j:imageということで、QSではないケンタウル10Sのエルゴ(2007年モデル)を気長に探し、やっと入手したのがこちら。左のブラケットにQSのロゴがありません。

f:id:ma2sun:20200823142403j:imageところが、親指のシフトレバーを見てびっくり!!!

フロント、リヤともQSと同じ(切り込み無し)。操作感やストロークもQSとほぼ同じで、リヤはやっぱりカチカチシフト

※ひとり言…、こちらのエルゴはあるリサイクルショップから落札したのですが、ブレーキレバーのリターンが壊れていました。それには触れず「詳しいことは分からないので写真で判断ください、NC、NR」と言うのはちょっと悪意を感じます。

f:id:ma2sun:20200823142518j:imageブラケットカバーをめくると、シフトレバーのプーリーは同じく樹脂製ですがQSと微妙に違うように見えます。リヤ用は色が違うだけのようですが、フロント用は形状が違います。

f:id:ma2sun:20200823142225j:image比較のためフロントレバーを並べてみました(左がQS、右がノーマル)。QSのプーリーにはギヤの山がありますがノーマルにはありません。ですが操作感やストロークは同じ気がします。

まあ、フロント側はどうでもいいとして、リヤ側が同じカチカチシフトだったのがショックです。てっきり多段シフトと思っていました。

ネットで調べて事実が分かりました。2007年にモデルチェンジしたケンタウル10Sのエルゴのリヤシフトには、エスケープシステム”というメカニズムが採用されていたのです。

エスケープシステム=1段ずつのカチカチシフト

このエスケープシステムは、2002年頃に最下位のゼノンに採用されたようです。それが2007年、ベローチェ、ケンタウルにまで拡大。最下位モデルのメカニズムを採用するなんて明らかにダウングレードですよね。レコード、コーラスの上位モデルと差別化するために採ったカンパの戦略と思います(-"-)

このエスケープシステムは2009年に登場した新型エルゴで廃止され、多段シフトに戻りました(ベローチェ以上)。そしてこの多段シフトには、”ウルトラシフト”という名称が与えられます。

ウルトラシフト=多段シフト

これで安泰と思いきや、2年後の2011年、ベローチェ、ケンタウル、アテナ(2009年に登場した11S)のリヤシフトは、”パワーシフト”に変更されます。

パワーシフト=1段ずつのカチカチシフト

エスケープシステムの再来、またしてもダウングレードによる上位モデルとの差別化戦略です。”パワー~”でピンと来ましたが、この時併せてクランクも”ウルトラトルク”から”パワートルク”に変更されます。ウルトラトルクは左右のクランク軸が真ん中で連結(篏合)されますが、パワートルクはクランク軸が左クランク(チェーンリング)と一体成形されており、それに右クランクをくっつけて連結する方式。なんか剛性低そう…。自分がヌーボの組立用に購入し手放してしまったモデル最後期のアテナが、まさにこのパワーシフト&パワートルクの残念な組み合わせでした。

ここまでの、ケンタウル10Sのエルゴの変遷を整理すると以下のとおりです。

2007年 カーボン化、リヤにエスケープシステム(カチカチシフト)導入
2008年 フロントにQS導入
2009年 新型エルゴ登場、フロントQS廃止、リヤにウルトラシフト(多段シフト)導入
2011年 リヤにパワーシフト(カチカチシフト)導入

新型エルゴ登場前のケンタウル10Sのカーボンエルゴには多段シフトがありません。多段シフトにするなら、レコードかコーラスを選ぶ必要ありということになります。

またやり直し…(泣)

f:id:ma2sun:20200823142144j:image三度目の正直で、コーラスの10Sエルゴ、QSではないノーマルモデルを入手。 

f:id:ma2sun:20200823142502j:imageこちらは間違いなく多段シフトです。シフトレバーの切り込みが下まで伸びています。ε-(´∀`; )

f:id:ma2sun:20200823142233j:imageブラケットカバーをめくってみると、シフトレバーのプーリーは金属製でした。耐久性の面で安心。

f:id:ma2sun:20200823142513j:imageせっかくなので、記念に入手したエルゴを並べてみました(汗)。左から、

ケンタウル 2008年モデル(QS&エスケープシステム)
ケンタウル 2007年モデル(ノーマル&エスケープシステム)
コーラス(ノーマル&ノーマル)
※カッコ内はフロント&リヤ

ノーマル&ノーマルへの道のりが長かった…。因みにレコード、コーラスには、QS&ノーマルという組み合わせももちろん存在します。

 

ブラケットカバーの交換

f:id:ma2sun:20200823143215j:imageさて、やっと入手したコーラスですが、ブラケットカバーが破れていました。

f:id:ma2sun:20200823142510j:imageそこで、ブラケットカバーの交換をします。写真は旧型エルゴ用ブラケットカバー。型番:EC-RE600。これもオークションサイトで入手しました。同じ形状で左右のシフトレバーの切り込みが下までないQS&エスケープシステム用(EC-CE500)もあるようです。

f:id:ma2sun:20200823142222j:imageまず古いブラケットカバーをめくって外します。ハンドル固定側からレバーに向かって。結構、力がいります。

f:id:ma2sun:20200823142218j:image外れました。靴下みたいに裏返しになっています。

f:id:ma2sun:20200823142110j:image新品のブラケットカバーを被せます。外したときとは逆にレバーの先端から入れて。

f:id:ma2sun:20200823142210j:image角(ツノ)の出っ張り部分を越えるのが一苦労。手で思い切り引っ張っても動きません。写真に写っていませんが、隙間からタイヤレバーを挿入し持ち上げながら引っ張ることでなんとか装着できました。下手するとカバーが破けてしまうためお薦めできる方法ではありませんが…。

f:id:ma2sun:20200823142201j:image装着完了。新品のレバーみたいで気持ちいいです。

f:id:ma2sun:20200823142229j:image同じように作業して左右の交換が完了。やっと本題のハンドルバーへの取り付けに進めます。 

 

ハンドルバーへの取り付け

f:id:ma2sun:20200823143024j:imageブラケットの裏側にはこのような固定バンドが付いており、ここにハンドルバーを通して固定する構造。

f:id:ma2sun:20200823142810j:image固定バンドのネジはブラケットカバーをめくると見えます。

f:id:ma2sun:20200823142804j:image5㎜の六角レンチでネジを緩めます。ブラケットカバーがこれ以上めくれないため回しづらい…。

f:id:ma2sun:20200823143207j:image外してみると、固定バンド側がボルトでブラケット側がナットになっていました。試しに、外した固定バンドを先にハンドルバーに通し、その後ブラケットと合体させようとしましたが上手くいかず…。前の写真のとおりブラケット側のネジ(ナット)が回しづらく固定バンドのボルトをキャッチできないため。固定ボルトをブラケットに付けたままハンドルバーに通した方がよさそうです。

f:id:ma2sun:20200823142821j:image因みに固定バンドには上下方向があり、矢印が上を向いているか確認します。

f:id:ma2sun:20200823142938j:image気を取り直して再開。固定バンドをブラケットに付け直し、できるだけ緩めた状態でハンドルバーに通します。

f:id:ma2sun:20200823142942j:image途中のカーブで多少引っ掛かりますが、ブラケット(固定バンド)を左右に動かしながら力を入れることで少しずつ進んでいきます。

f:id:ma2sun:20200927083338j:imageようやく固定位置まで来ました。正しい固定位置は、

ハンドルバーの湾曲が始まる前の直線部分とブラケットの上面(写真の赤ライン)が一直線になる位置。

なお、ブラケットがハンドルの内側または外側に傾いていないかも、上から見て(ライディング時の目線で)確認します。

f:id:ma2sun:20200823142946j:image固定位置が決まったら5㎜の六角レンチでネジを締めます。 

f:id:ma2sun:20200823142950j:image最後はトルクレンチで。推奨トルクは10Nm。ブラケットカバーが邪魔してレンチが入りずらい…。

f:id:ma2sun:20200823143211j:image反対側のレバーも同様の手順で取り付けます。

f:id:ma2sun:20200823142933j:image装着完了! 固定位置がここでよいのかイマイチ自信ないですが、まあ、よしとしましょう。 

 

ブレーキの取り付け

次はブレーキの取り付け。ブレーキキャリパーは2007年にモデルチェンジしたケンタウル10Sのものを使用します。

f:id:ma2sun:20200623193510j:imageこのモデルからケルトンタイプになりました。カタチ的にはヌーボクラシコに装着している肉抜きされていないタイプが好みですが、軽量化を狙うコルムにはこちらがよいかと。フロント(写真左)はダブルピボット、リヤ(写真右)はシングルピボット。

取り付けはフレームにボルトで留めるだけなので簡単そう。ボルトが長い方がフロント、短い方がリヤ。早速取り付け、といきたいところですが、その前にやることがありました。

 

ホイール選定とブレーキシュー交換

ブレーキキャリバーの取り付け前にやること、それは、ブレーキシュー(パッド)の交換です。その理由は、コルムに履かせようとしているホイールにあります。

f:id:ma2sun:20200805220439j:imageCampagnolo BORA ULTRA TWO50 80th Anniversaryモデル

カンパのカーボンホイールの代名詞であるボーラウルトラ。2013年に発売されたその80周年記念モデル。今は廃版になったナローリム(15C)のチューブラーです。たまたまオークションで見かけて”限定”に惹かれ入手してしまいました。ハブのベアリングは究極の回転を誇るCULT。ホイールにそこまでの滑らかさは無意味と言われていますし、50㎜のハイトは横風に弱くヒルクライムには不向きでしょう。はっきり言ってルックス重視の自己満パーツですが、そもそもチューブラー自体、パンクした時のことを考えると普段履きする気にはなれないため、イベントなどの決戦(記念?)用と割り切って使うつもりです。

ということで普段履き用のクリンチャーはこちらを選びました。

f:id:ma2sun:20200805220457j:imageCampagnolo SAHAML MILLE

こちらはカンパのアルミホイールの代名詞。ボーラ同様、廃版になったナローリム(15C)モデル。ワイドリム(17C)モデルとはニップルの色に違いがあります(ワイドリム:黒、ナローリム:シルバー)。ブレーキ面まで真っ黒な渋いルックス(プラズマ電解酸化処理と言うそう)が特徴ですが、長く使われた中古品はここがブレーキパッドに削られアルミ地が見えているものが多く、そこそこのコンディションのものを見つけるのに時間がかかりました。極太スポークは好みではないものの、履かせてみたらコルムにバッチリ。じつは当初、コルムにはヌーボに装着している細スポークの初代ユーラスを履かせるつもりでした(お気に入りのため2セット持っていました)。しかし試しに合わせてみたら全然似合わない…それでシャマルミレに行き着いたのです。やはりホイールはフレームと同世代のものが違和感ないですね。

という2種類のホイール、ともに専用のブレーキシューが必要です。

f:id:ma2sun:20200805220752j:imageボーラは赤いシュー。型番:BR-BO500X。カーボンリム専用シューでカンパのシューホルダー用です。カーボンリムは熱に弱いため、発熱を抑える専用シューを使う必要があるとのこと。ブレーキの放熱や効きの面ではカーボンよりアルミリムが勝るようですので、初代ボーラやバレットウルトラ(メラクEVOに装着されていた)のアルミリム+カーボンの組み合わせが、軽さとブレーキングのベストバランスと言えるのでしょうか?

f:id:ma2sun:20200805220842j:imageシャマルミレは青いシュー。型番:BR-BEO5001。カンパのシューホルダー用。前述のブレーキ面が削れるのを抑えるシャマルミレ専用シューです。通常のアルミリム用のシューより柔らかいようですが、触った感じで違いは分かりません。

それではシューの交換を行います。

f:id:ma2sun:20200805220810j:image5㎜の六角レンチでブレーキアーチとシューホルダーを固定しているボルトを緩めます。

f:id:ma2sun:20200805220802j:image分解写真。いちばん右のナットとその隣のワッシャーがセットで、ブレーキアーチを介して、その隣のアダプターリング、シューホルダーと続きます。

f:id:ma2sun:20200805220834j:imageこの後は力作業。ナット類を外した状態だとシューホルダーを手で固定しづらいため、一旦はめてから交換作業に入ります。

f:id:ma2sun:20200805220818j:imageシューホルダーとシューの隙間にマイナスドライバーを差し込み、クイッと捻るとシューが持ち上がります。

f:id:ma2sun:20200805220745j:imageあとは手でスライドさせながら引っ張れば簡単にシューが外れます。

f:id:ma2sun:20200805220741j:imageこちらがこれから装着するシュー。矢印で向きが表示してあるのでそれに合わせます。

f:id:ma2sun:20200805220805j:imageシューを水で濡らしておくとシューホルダーに収めやすいとのことでやってみることに。結論を言うと効果無しでした…。

f:id:ma2sun:20200805220828j:imageシューを指で力一杯シューホルダーに押し込みます。3分の2ぐらい入りましたがそこから先はびくともせず。

f:id:ma2sun:20200805220758j:imageその先はハンマーで叩いて押し込みます。 結構思い切りぶっ叩きました(汗)

f:id:ma2sun:20200911195554j:imageやっと収まりました。

f:id:ma2sun:20200823141909j:image同じように4個分作業して、赤のボーラ用シュー交換は完了。続けて、青のシャマルミレ用シュー交換に移ります。  

f:id:ma2sun:20200830150941j:image青のシャマルミレ用は新たにシューホルダーを用意しなければなりません。ネットで探したのですが、カンパのシューホルダー単体は出物が無く、仕方ないのでキャリパーごと入手することに。写真のコーラス用キャリパーがそれです。

f:id:ma2sun:20200830150931j:imageしかし、シューホルダーを並べてみると…、カタチが違う!(写真左が入手したコーラス用 写真右がケンタウル用) このコーラスはケンタウルより古い90年代のモデルと思いますが、まさかシューの形状が違うとは…_| ̄|○ 

f:id:ma2sun:20200830150936j:imageということで、前期型ケンタウルのキャリパーを入手し直しました。写真には先ほど交換した赤いシューが写っていますが元々はオリジナルの黒いシューが付いていました(シューを取り外す前の写真を撮り忘れました…)。

f:id:ma2sun:20200830150925j:imageところで、ケンタウルのロゴを見てみると… 

f:id:ma2sun:20200830150928j:imageこちらのヌーボのロゴと違っています。恐らく入手したのは2003年以降のモデルで、ヌーボのはそれより前のモデルですね。う~ん、勉強になる…。

f:id:ma2sun:20200823141904j:imageということで、作業の様子はハショリますが青のシャマルミレ用シュー交換も完了。普段履きはシャマルミレにするつもりなので、こちらのシューをキャリパーに取り付けることにします。

f:id:ma2sun:20200823141913j:image前後の向きに注意して(写真左手が前方)、シューホルダーをキャリパーのアーチに取り付けます。ナットとワッシャーがセット、アーチを介してアダプターリング、ブレーキシューの順番。

f:id:ma2sun:20200823141758j:image5㎜の六角レンチで仮締め。本来はこの後、トルクレンチで本締め(推奨トルクは8Nm)するのですが、それは後ほどタイヤを装着してワイヤーを取り付けるときに行うことにします。

f:id:ma2sun:20200830010408j:image前後のシューホルダー取り付けが完了。やっとこれでフレームへのキャリパー取付けに進めます。

 

フレームへのキャリパー取り付け

f:id:ma2sun:20200830010428j:imageまずフロント側から。取付ボルトに焼付き防止剤を塗ります。

f:id:ma2sun:20200830010434j:imageフロントフォークのクラウンに取付ボルトを通します。

f:id:ma2sun:20200830010431j:image回り止め用のギザギザワッシャーはキャリパーとフロントフォークの間に入れます。

f:id:ma2sun:20200830010437j:imageフロントフォークの後ろ側から枕頭式(ちんとうしき)ナットを差し込みます。

f:id:ma2sun:20200830010425j:imageキャリパーが左右均等になっていることを確認し(ブレーキワイヤー取付時に再調整しますが)、5㎜のアーレンキーで締めます。

f:id:ma2sun:20200830010415j:imageトルクレンチで本締め。推奨トルクは10Nm。

f:id:ma2sun:20200830010738j:imageフロントの装着が完了。

f:id:ma2sun:20200830010402j:image続けてリヤ側。取付けボルトがフロントより短いです。

f:id:ma2sun:20200830010355j:imageキャリパーはシートステーに設けられているブリッジに取り付けます。試しに仮り組みしてみると…

f:id:ma2sun:20200830010411j:image枕頭式ナットがブリッジの裏側の穴の深さより長いことに気付きました。頭の部分が僅かに飛び出しています。

f:id:ma2sun:20200830010349j:imageそこで、自転車屋さんに行き、売られている数種類の長さの枕頭式ナットからいちばん短いものを入手しました。写真上の13.5㎜です。因みに新品のブレーキキャリパーを買うと、3種類ぐらいの長さの枕頭式ナットが付属されているみたいです。

f:id:ma2sun:20200830010421j:imageそれでは装着。固定ボルトに焼付き防止剤を塗ります。

f:id:ma2sun:20200830010346j:imageブリッジの穴にボルトを挿入。こちらも回り止め用のギザギザワッシャーを間に挟みます。

f:id:ma2sun:20200830010358j:imageブリッジの裏側から枕頭式ナットを5㎜の六角レンチで締めます。 

f:id:ma2sun:20200830010418j:imageトルクレンチで本締め。推奨トルクは10Nm。 

f:id:ma2sun:20200830010805j:image装着完了。左右のバランスは後ほど調整することにします。

f:id:ma2sun:20200830010441j:image
前後のブレーキ装着イメージ。

 

FD(フロントディレイラー)の取り付け

モデル選定

FDはケンタウル10Sのカーボンモデル、QS仕様の35㎜バンドが家にありました。確か、手放してしまった新型コルムを組むためストックしておいたものと思います。しかし今回の旧型コルムのバンド径は32㎜のため装着できません。

f:id:ma2sun:20200919143328j:image家にあったケンタウル10Sのカーボンモデル、QS仕様。

f:id:ma2sun:20200919143324j:imageバンドの裏側に内径表示があります。ピンぼけで見づらいですが35㎜。 

f:id:ma2sun:20200811194555j:imageそこで32㎜のバンド式を探したのですがケンタウルでは見つからず、デッドストックがあったコーラスを調達しました。このときはQSのエルゴパワーに合わせようとしていたためQS仕様です。

f:id:ma2sun:20200919143713j:imageこちらはバンド径32㎜。

f:id:ma2sun:20200811194558j:imageしかし前述の通りエルゴパワーをQSからノーマルに変更したため、それに合わせFDもノーマル仕様のコーラス・32㎜バンドを新たに調達しました。…もう完全に資金不足。

 

フレームへの取り付け

f:id:ma2sun:20200906144052j:imageそれでは取付け開始。5㎜の六角レンチで固定バンドのボルトを外します。

f:id:ma2sun:20200906144123j:image念のため固定バンドの内側に焼付き防止剤を薄く塗っておきます。

f:id:ma2sun:20200906144055j:imageシートチューブにバンドを固定する前に位置決めをします。正しい位置は、

横から見てガイドプレートとアウターチェーンリングとの隙間が1.5〜3㎜
上から見てガイドプレートの外側とアウターチェーンリングが平行になる位置

この後、専用のゲージを使って再度正確な位置決めをするのでここでは大体合わせる程度にします。

f:id:ma2sun:20200906144117j:image5㎜の六角レンチで固定バンドを手で動かせる程度に仮止めします。

 

専用ゲージによる位置決め

f:id:ma2sun:20200906144100j:imageカンパのフロントディレーラーアライメントツール。型番:UT-FD120。FDの位置決めをするためのカンパ専用ゲージです。アウターチェーンリングが50T用と52/53T用がセットで売られていて、自分のは53Tのため後者を使用します。

f:id:ma2sun:20200906144130j:imageゲージを裏返すとアウターチェーンリングの歯先に被せるための溝が掘ってあります。因みにこのゲージは本来11S用みたいですが10Sにも使えています。

f:id:ma2sun:20200906144049j:imageアウターチェーンリングの歯先にゲージを被せます。

f:id:ma2sun:20200906144120j:imageまずガイドプレートとアウターチェーンリングの間隔の調整。

f:id:ma2sun:20200906144106j:imageクランクを回してゲージを装着したアウターチェーンリングをガイドプレートの真下に動かします。ガイドプレートにゲージが軽く当たるぐらいの位置が適正。

f:id:ma2sun:20200906144103j:image続いてガイドプレートの位置調整。

f:id:ma2sun:20200906144109j:image先ほどと同じようにクランクを回してガイドプレートの真下にゲージが来たとき、ガイドプレートの外側とゲージの白いラインが重なる位置が適正です。

f:id:ma2sun:20200906144113j:image位置が決まったら固定バンドをトルクレンチで本締めします。推奨トルクは5Nm。

 

RD(リヤディレーラー)の取り付け 

最後はRDの取付けです。これだけはモデル選定に振り回されることなく、すんなりと完了しました(^^;

f:id:ma2sun:20200906144257j:imageリヤディレーラーはケンタウル10Sのカーボンモデルです。

f:id:ma2sun:20200906144306j:image取付ボルトに焼付き防止剤を塗ります。

f:id:ma2sun:20200906144247j:image後はリヤのディレイラーハンガーにボルトで留めるだけ。

f:id:ma2sun:20200906144254j:imageネジ穴にボルトが斜めに入って潰さないよう慎重に合わせ、5㎜の六角レンチで締め込みます。 

f:id:ma2sun:20200906144250j:image最後はトルクレンチで本締め。推奨トルクは15Nm。

f:id:ma2sun:20200906144301j:image取付け完了!

 

今回は大分時間がかかりました。ですが、ここまで来ると完成形が見えてきて、またモチベーションが湧いてきます。 

f:id:ma2sun:20200906154325j:imageシャマルミレ装着のイメージ

f:id:ma2sun:20200906154322j:imageボーラウルトラ装着のイメージ

予想どおりのイメージです(*^^*) …自画自賛

 

残るはブレーキケーブル、シフトケーブル、チェーンの装着のみですが、調整を考えると最難関の作業であること間違いなし。そこでまず次回は、ブレーキケーブルの装着をお届けしたいと思います。

 

 

コルム組立記録3 ハンドル、シートポスト&サドル、BB&クランクの取り付け

Derosa Corum(デローザ コルム)の組立記録第3回目。前回はヘッドまわりの組立てについてお話しました。

今回は、ハンドル、シートポスト&サドル、BB&クランクの取り付けについてです。

*本サイトの組立ては素人によるものです。内容を参照して作業される場合は自己責任でお願いいたします。

 

ハンドルの取り付け

前回取り付けたステムにハンドルを装着します。ボルトで留めるだけの単純な作業です。

ハンドル

ステムはハンドルクランプ径26㎜のNewton26でした。現在売られているハンドルは31.7㎜か35㎜で26㎜のハンドルはほとんど見かけません。そこで、以前アルミのDerosaに装着していたものを再利用します。

f:id:ma2sun:20200505010625j:imageDedaの215アナトミック。幅は400㎜。アルミダイキャスト製で重量は名前のとおり215g。Newton26同様、2000年代初めの定番モデルでアームストロングが使用していたことで有名です。

早速取り付けですが、今回の作業からメンテナンススタンドを使用します。前回、フロントフォークを装着したことで使用が可能になりました。

f:id:ma2sun:20200505010711j:image使用イメージ。

f:id:ma2sun:20200505010743j:image前側はフロントフォークをクイック式のシャフトに固定。

f:id:ma2sun:20200505010845j:image後ろ側はBBハンガーを台座に載せてベルクロで固定。

f:id:ma2sun:20200505010929j:imageレールの角度が調整できます(丸い穴の部分=全10箇所から選んでハンドルで固定)。

f:id:ma2sun:20200505011009j:image今回の作業ではハンドルとサドルの水平を見るため、トップチューブが水平に近くなる角度を選びました。先ほどの写真のとおり固定できる位置が決まっているため、完全には水平にならず…(残念)

f:id:ma2sun:20200505011113j:imageさて、それでは取り付け開始。ステムクランプのM5ボルトを4㎜の六角レンチで外します。

f:id:ma2sun:20200507184116j:imageハンドルをセットし、六角レンチで仮止め。

f:id:ma2sun:20200507184048j:imageハンドルのセンターと水平角度を調整。センター出しはハンドルにガイドラインが引かれているので楽です。

f:id:ma2sun:20200507183923j:image後はトルクレンチで4箇所のボルトを締めるだけ。推奨トルクは5~8Nm。

f:id:ma2sun:20200507184222j:image装着完了。クランプ部分が太くならず、すっきりした感じが気に入っています。

 

シートポスト&サドルの取り付け

これもボルトで留めるだけの単純作業。まず、使用するパーツ類をご紹介します。

シートポスト

f:id:ma2sun:20200507184338j:image純正のpmp、チタン製。特殊な径で実測29.4㎜(ぐらい)。チタンのシートポストには憧れがありました。ヌーボクラシコのシートポストを選ぶ際、pmpかカンパコーラス用のチタン製ポストが欲しかったのですが高くて手が届かず…。コルムにはTitanioと同じように標準でチタン製ポストが付いていてスペシャル感を味わえます。

シートクランプ

f:id:ma2sun:20200507184414j:imageカンパ製のシートクランプ。32㎜用。35㎜用もあるので間違えないよう注意。DE ROSAロゴが入った純正品が付いていましたが交換しました。こちらはカンパの盾のマークが入った旧モデルで、密かにコレクターズアイテムになっている?

f:id:ma2sun:20200507184626j:image因みに現行モデル(35㎜用)はこちら。ちょっと味気ないですね… 

サドル

f:id:ma2sun:20200507184904j:imageSELLE ITALIAのFLITE1990。ヌーボクラシコに付けているものと同じです。サドルは最初のバイクからずっとFLITE一筋。最初のはFLITE TTという軽量モデルでした(通常版230g TT185g)。

さて、後は装着するだけですが、ここで初めて焼付き防止剤を使用します。

焼付き防止剤

f:id:ma2sun:20200507184937j:imagePARKTOOL ASC-1。金属同士の焼き付きを防止するためのものです。昔、旧車をイジッていた時、高熱でネジが焼き付いて外れないことがよくあり、ネジを取り付ける際は、カッパーコンパウンド(銅グリス)を塗っていました。このASC-1の色はカッパー(銅色)ではなくグレーですが、機能は同じと思います。ロードバイクは車のように高熱にさらされることはないものの、初代のアルミ製デローザは、シートポストがフレームと固着して外れなくなり、最後はシートポストを付けたまま自転車屋で処分しました。その経験もあり、今回ちゃんと焼付き防止剤を塗ることにしました。因みにカーボンフレームには普通にグリスを塗ります。

f:id:ma2sun:20200507185024j:imageそれでは装着、まずシートクランプをはめます。

f:id:ma2sun:20200507185100j:image次にシートポストのフレームと接する部分に焼付き防止剤を塗ります。

f:id:ma2sun:20200507185206j:image指で薄く塗り伸ばした後、フレームに挿入。

f:id:ma2sun:20200507185413j:image最後にシートクランプのM6ボルトを5㎜のトルクレンチで固定します。締付トルクは取説によるとmax10Nm。

f:id:ma2sun:20200507185444j:imageシートポストの取付けは完了。サドルの取り付けに移ります。

f:id:ma2sun:20200507185612j:imageまず、ヤグラの後ろのM6ボルトを5㎜の六角レンチで外します。

f:id:ma2sun:20200507185647j:image前のボルトはヤグラの固定とともに、サドルの水平を調整する役目を果たします。頭が六角ではなく丸くなっているため指で回して緩めます。因みにこのボルトはネジ山の上の一部が角になっていて、サドル装着後はそこに6㎜のスパナをかけて調整します。

f:id:ma2sun:20200507185735j:image上下のクランプに隙間ができたら、その隙間にシートレールを挟むようにサドルを装着します。知恵の輪みたいで少し頭を使うところ。半円の台座に左右のシートレールを載せる溝が切ってあるため、そこに合わせます。

f:id:ma2sun:20200507185817j:imageサドルの水平を確認し、前側のボルトを回して角度を調整します。ボルトを締め込むと前に傾き、緩めると後ろに傾きます。最後に後ろ側のボルトを締め込むと少し角度が変わる(後ろに傾く)ため、それも考慮しながら、水平になる位置を見つけていきます。

f:id:ma2sun:20200507191358j:image位置が決まったら、トルクレンチで後ろのボルトを固定します。pmpの推奨トルクは不明ですが取り敢えず10Nmとしました。

f:id:ma2sun:20200507191452j:imageこんな感じでしょうか?高さは後で調整することにします。

 

BB&クランクの取り付け>

次は、今回の作業で最も手間がかかるBB&クランクの取り付けです。まず、装着するパーツと使用する工具のご紹介から。

BBカップ

f:id:ma2sun:20200507191639j:imageカンパのウルトラトルクBBカップ(ITA)。正式にはアウターボードカップと言うらしいです。型番はOC12-REI。BBの規格はたくさんあってややこしいですね。一般的にイタリアンバイクのフレームはITAですが、まれにJISということもあります。ヌーボクラシコの組み立ての際、デダチャイで使用したBBをITA用と思い込んで流用しようとしたところ、実際はJIS用で使えませんでした。デダチャイは中華フレームだったから?

ITA:ハンガーシェル幅70㎜ シャフト径24㎜ 左=正ネジ・右=正ネジ
JIS:ハンガーシェル幅68㎜ シャフト径24㎜ 左=正ネジ・右=逆ネジ

因みにITAでもカンパのスーパーレコード用は別の専用品(ネジが逆ネジ)になるため注意が必要です。

クランク

f:id:ma2sun:20200507191724j:imageカンパのケンタウル10Sカーボン。ギヤは53×39、長さ170㎜。デダチャイで使用していたものです。今回使用するコンポは、クランク以外もカンパのケンタウル10Sカーボンでほぼまとめるつもりです。ヌーボクラシコは同じケンタウル10Sのアルミのセットです。 

BBレンチ

f:id:ma2sun:20200507191801j:imageシマノのTL-FC32。BBカップを回すための工具です。シマノのホローテックⅡ用ですが、カンパのBBカップにも使えます。本当はトルクレンチが使える下記のソケットタイプが欲しかったのですが高いため断念しました。

六角レンチとトルクレンチ(10㎜)

f:id:ma2sun:20200507191946j:imageクランクシャフトの固定用ボルトを締めるのに使います。ネジ穴がクランクシャフトの奥まった位置にあるためレンチが届くかどうか確認が必要です。写真のWeraの六角レンチは片方が長いので届きますが、一般的なL字のレンチだと届かないかもしれません。実はデダチャイの時、装着していた旧型ケンタウルのコッタレス式クランクから新型ケンタウルのウルトラトルク式クランクに自分で交換したことがありました。当時は一般的なL字レンチしか持っておらずそれで適当に締めた結果、走行中に固定用ボルトが緩んできて危険な目に…。

トルクレンチ用のソケットはKTCのBT310です。長さがぎりぎりのため使用時はエクステンションバーを追加した方がよいかもしれませんが、ここは大きなトルクをかける場所のため安定性に不安が残ります。因みにこのような専用工具もあります。 

ネジの緩み止め

f:id:ma2sun:20200507192018j:imageLOCTITE222。超定番のネジ止め剤で番号の222は低強度タイプです。クランクの固定用ボルトに使用します(それ以外に今後使用する箇所は無いかも?)。

それでは取り付け作業に入ります。

BBカップの取り付け

f:id:ma2sun:20200507192118j:imageまずは左側から。BBカップ本体にLEFT,LIGHTの文字が記載されているので確認します。なお、ネジ山には緩み止めとして乾燥した接着剤のようなもの(写真の黄色のもの)が塗られています。気持ち悪いので取り除こうとしたのですが、ブラシで擦ってもなかなか剥がれないため、そのまま使用することにしました(汗)

f:id:ma2sun:20200507192332j:imageネジ山に焼付き防止剤を塗ります。メンテナンスのガイドブックによっては、焼付き防止剤でなくグリスやネジ止め剤を指定しているものもありますが、コルムは金属フレームのため焼付き防止剤を選択しました。

f:id:ma2sun:20200507192453j:imageBBハンガーのネジ穴にBBカップを取り付けます。普通のネジと同じ正ネジ(時計回りで締まる)です。因みに今回、ネジ穴のタッピング(ネジ山さらい)とフェイシング(面取り)は行っていません。部品が取り付けられたことのある中古フレームであり、あらかじめBBカップを挿入してみたところ問題なさそうだったため省略しました。

f:id:ma2sun:20200507192618j:imageBBレンチでカップを締め込みます。ガイドブックによっては、ネジ止め剤を塗って手で締められるだけ、としているものもありますが、取り敢えずレンチで力一杯締めました。トルクレンチを使用する場合の指定トルクは35Nmです。

f:id:ma2sun:20200507192845j:image右側も同じ手順で取り付けます。

f:id:ma2sun:20200507192919j:imageシマノのBBレンチで力一杯締めた結果、カップがこのように傷ついてしまいました。さらに、締め込む最中、BBレンチがカップの内側にズレ落ちて、フレームにピンホールを作ってしまいました(泣)。このBBレンチはズレやすいので注意が必要です。やはりソケットタイプのカンパ専用品を使うべきでした…

クランクの取り付け

f:id:ma2sun:20200507193151j:imageまずは右側から。BBカップに付属してきた脱落防止用のスプリングを仮留めします。このスプリングはクランクを取り付けてからセットするものですが、ここで仮留めしておくと後で作業しやすいためです。カップにスプリングのピンを留める小さな穴が2箇所開いているため、片側のみひっかけておきます。

f:id:ma2sun:20200508184914j:imageBBカップの内側にグリスを塗ります。

f:id:ma2sun:20200508184951j:imageクランクシャフトのベアリング側にもグリスを塗ります。

f:id:ma2sun:20200508185024j:imageクランクシャフトをBBに挿入します。

f:id:ma2sun:20200508185053j:image仮留めした脱落防止用スプリングのピンをもう片方の穴に引っ掛けます。

f:id:ma2sun:20200508185137j:image次は左側の作業。左側のBBカップにはこのようなワッシャーを挿入します。

f:id:ma2sun:20200508185830j:image右側と同じようにBBカップの内側にグリスを塗ります。

f:id:ma2sun:20200508185249j:imageクランクシャフトのベアリング側にもグリスを塗ります。

f:id:ma2sun:20200508185341j:imageクランクシャフトをBBに挿入します。しっかり押し込んで、左右のクランクシャフトを篏合(かんごう)させます。

f:id:ma2sun:20200508185418j:image左右のクランクシャフトがまっすぐ一直線になっているか(ズレて篏合していないか)確認します。

f:id:ma2sun:20200508185456j:imageクランクの固定用ボルトにロックタイト222を塗ります。

f:id:ma2sun:20200508185531j:image固定用ボルトを10㎜の六角レンチで右側クランクに挿入。ネジ穴はかなり奥まったところにあります。

f:id:ma2sun:20200508185602j:imageネジ穴に到達したら仮締め。正ネジ(時計回りで締まる)です。

f:id:ma2sun:20200508185629j:imageトルクレンチで本締め。指定トルクは42〜60Nm。ロードバイクの組立において最大クラスのトルク値です。使用したトルクレンチ(SK11 SDT3-060)は最大60Nmまで対応しているものの、3/8ソケット用のコンパクトなサイズで短い持ち手です。これだけの大トルクをかけるのはかなり大変。ソケットの長さがギリギリのため、チェーンリングに手が当たらないよう注意しながら力いっぱいトルクレンチを回します。

*万一、ソケットが外れた場合はチェーンリングで大怪我する恐れがあるため、持ち手が長いトルクレンチを使用するか、専用の長いソケットレンチを使用した方がよいかもしれません。

f:id:ma2sun:20200508185705j:image最後にクランクを手で回してみて異常がないか確認。

*回転させると「キィ、キィ」という音が出たため、クランクを外して組み直すことに。BBカップの内側(ベアリングが当たる部分)にグリスを追加したら音が止まりました。

f:id:ma2sun:20200508185736j:image完成。

今回の作業は特に難しいところは無かったですが、クランクまわりの組み立ては大きいトルクをかけるため、ケチらずちゃんとした工具を使うべきと思いました。

さあ、次回はブレーキ、エルゴレバー、FD、RDの取り付けです(^^)

コルム組立記録2 ヘッドまわりの組立て

Derosa Corum(デローザ コルム)の組立記録第2回目。前回は組立準備についてお話しました。

今回からいよいよ組立て作業に入ります。まず最初はヘッドまわりの組立てについてです。

*本サイトの組立ては素人によるものです。内容を参照して作業される場合は自己責任でお願いいたします。

フレームの下処理

組立てに入る前にフレームの下処理をしておきます。行ったのはガラスコーティングフレーム内部の防錆処理です。

ガラスコーティング

1号機となるヌーボクラシコはショップでガラスの鎧を施工してもらいました(当時税込10,800円)。今回は節約のため自分で施工します。ちょうどガラスの鎧のメンテナンス用であるガラスの盾が家にあったためそれを使うことにしました。

f:id:ma2sun:20200322232832j:image実際はとても小さなボトルです(内容量50ml)。

f:id:ma2sun:20200322232824j:image説明には直接フレームにスプレーするように書いてありましたが、粘度が低くすぐにこぼれ落ちてしまうため、布にスプレーしてフレームに塗り込んでいきます。無色透明のためあまり塗った感がないです。念のため、2日かけて二度塗りしました。

フレーム内部の防錆処理

これもヌーボクラシコのときはショップにお願いした作業ですが、自分で施工します。

f:id:ma2sun:20200322232807j:image使用した錆止め剤はNoxudol(ノックスドール)700。昔、四輪の古いイタ車をいじっていた時に使っていました。雪国のスウェーデン製でボルボに採用されている信頼の品質。車のドアやフレームの袋状になっている内側にスプレーするため長いノズルが付いており(水抜き穴などから挿入)、ロードバイクのフレーム処理にもピッタリです。

f:id:ma2sun:20200322232817j:imageこんな感じでノズルをヘッドチューブ/シートチューブから差し込みます。写真には写っていませんが、トップチューブとダウンチューブの入口(接合部分)には7~8㎜程度の穴しか開いておらず、ノズルを差し込むのがぎりぎりでした。フレーム奥までノズルを入れ、手前に引き抜きながら3秒ぐらいスプレーボタンをプッシュ。内部が見えないためまんべんなく塗布できたか分かりませんが、フレームを傾けると入口から溶剤がドボッとこぼれ落ちてくるので十分と判断しました。

1日置いて溶剤が乾いたら、いよいよ組立て作業に入ります。

 

フロントフォークのコラムカット

フロントフォークのコラムは前のオーナーによりカットされていますが、自分の好みのポジションからすると少し長いためカットすることにしました。カット位置を決めるため、取り付けるヘッドパーツ類を仮組みします。ということで、ここでそのパーツ類をご紹介したいと思います。

ステム

f:id:ma2sun:20200322233218j:imageDedaのNewton26 110㎜。2000年代初めにスレッドステムが流行り出した頃の定番モデル。アルミダイカスト製で重さ125gは今の水準から見ても十分軽いと思います。ボルトはチタン製。

f:id:ma2sun:20200322233214j:image実は長さ違いで3本持っています(汗)。手前から100㎜、110㎜、120㎜。100㎜は最初に乗ったロードバイクに付けていたもの。120㎜は例のアガリバイクとして保管中のDerosa Titanioに付けようと1年ほど前にWiggleで購入したものです(なんと新品がまだ買えました)。今回110㎜を注文しようとしたところ、さすがに販売終了。そこでeBay(セカイモン)で中古品を入手しました。


f:id:ma2sun:20200322233228j:imageオーパーサイズ(31.7㎜)ハンドル用のNewton31も家に眠っていました(写真奥)。今やハンドルはほとんど31.7㎜か35㎜になってしまいましたが、自分は細身の26㎜に拘りがあります(後ほどご紹介)。

ヘッドパーツ(ベアリング、ダストキャップ)

f:id:ma2sun:20200323192528j:imageイタリア テクノ社(?)の純正品。ロワーベアリング(写真左)とダストキャップ(写真右)の2点のみ。アッパーベアリングはダストキャップと一体になっています。 

コラムスペーサー

f:id:ma2sun:20200322233220j:imageGIZA PRODUCTSのアルミ製スペーサー。ステムの下に10㎜(写真左)、ステムの上に5㎜(写真右)をセットするつもりです。

トップキャップ 

f:id:ma2sun:20200414234445j:imageDedaのトップキャップ。デダチャイに付けていたものを使います。廃番品。

f:id:ma2sun:20200414234502j:image因みにこちらは後継モデル。カッコ悪いので使わず家に眠っていました。

さて、トップキャップを除く以上のパーツ類を順番に仮組みします。

f:id:ma2sun:20200322233734j:image仮組みした状態。上に飛び出た約20㎜をカットします。

f:id:ma2sun:20200322233729j:imageカット位置をマーキングする前に、ステムの上のスペーサーを5㎜(写真右)から3㎜(写真左)に入れ替えます。コラムの長さは、トップキャップのボルトを締め込む時の引きシロを確保するため少し短めがよいと言われているので。

f:id:ma2sun:20200322233738j:image入れ替えたスペーサーの上端に合わせてカット位置をマーキング。黒なので見にくい…
*オフレコですが、コラムカット後組んでみたところ結果的に引きシロが足りず、追加で2㎜カットする羽目になりました。3㎜のスペーサーも入れずステム上端でマーキングするのがちょうどよかったということになります。

マーキングが済んだら、仮組みしたパーツ類を取り外してコラムカットに移ります。

カーボンソー

コラムカットにはカーボン専用のソー(ノコギリ)が必要です。

f:id:ma2sun:20200322233747j:imagePark ToolのCSB-1。じつはコレ、持ち手が付いた本体SAW-1の”替刃”です。

本体はコチラ。ケチって購入しませんでした(汗)

f:id:ma2sun:20200323191157j:image金属用のソーと異なり、刃の先端には小さな粒つぶが散りばめられています。切断するというより、砥石でカーボンを削り取るイメージなのかもしれません。

ソーガイド

コラムを真っすぐ切断するためのソーガイドも用意します。

f:id:ma2sun:20200331200230j:imageTOPEAKのスレッドレスソーガイド。真ん中の穴にコラムを入れてクランプで固定する単純な構造ですが、コラムカットは失敗が許されないので購入マストと思います。同じようなものがGIZA PRODUCTSやバイクハンドからも発売されています。

f:id:ma2sun:20200323191153j:image本体と金属プレートの隙間にソーを入れて使用します。金属用とカーボン用の厚みの異なるソーに対応するよう、スペーサーで間隔を変更できるようになっています。購入時は金属ソーの設定になっており間隔は1㎜強。

f:id:ma2sun:20200331200334j:image試しにカーボンソーの厚みを測ってみると2㎜弱ありました。

f:id:ma2sun:20200323191148j:imageそこで金属プレートのネジを外しスペーサーを入れ替えます。ちゃんとカーボンソー用と書いてありますね。

f:id:ma2sun:20200323191200j:imageこれでカーボンソーが入るようになりました。逆に隙間が少し広過ぎるような気も…

f:id:ma2sun:20200323191556j:imageマーキング位置に合わせてコラムをクランプで固定し切断開始。本当は金属プレートのつば(下の部分)を万力で挟んで固定するのがよいのですが、我が家には万力がないため左手でしっかり押さえます。切断は先ほどイメージしたとおり砥石で削るような感覚。それほど力を入れなくても進んでいきます。

f:id:ma2sun:20200323191551j:imageしかし、ソーガイドの隙間が広いため、カーボンソーが左右に暴れます。これはソーが替刃単体で”たわみやすい”ことも影響しています(ケチらず本体を買うべきでした…)。ソーが暴れないよう人差し指で内側に押さえつけながら慎重に切り進めます。約10分で無事切断完了。  

f:id:ma2sun:20200323191746j:image切断したての断面。ソーが左右に動いたためかギザギザになっています。

f:id:ma2sun:20200323191800j:image紙やすり(320番手)を当てて切り口を整えます。意外にあっさりと削れてしまうため当て過ぎに注意。

f:id:ma2sun:20200323191751j:imageなめらかになりました。

f:id:ma2sun:20200323191755j:image切り口に瞬間接着剤を塗ります。カーボンは繊維状の素材で、そのままにしておくと糸のようにほつれてきてしまう(ホンマかいな?)のを防ぐためだとか。

f:id:ma2sun:20200323191805j:image瞬間接着剤が乾けば完了です! 

 

ヘッドパーツ類の装着

それでは、カットしたコラムに先ほど仮組みしたヘッドパーツ類を順番に取り付けていきます。

下玉押しの装着(済み)

f:id:ma2sun:20200323192126j:image新品のフレームを購入した場合、一番最初にコラムに装着するのは下玉押しというリングです。自分のは中古フレームのため既に装着済みで、割りが入ったタイプでした。

下玉押し圧入用工具

f:id:ma2sun:20200323192139j:image今回はスキップできたものの、下玉押しを装着するのはかなり大変なようです(特割りの入っていないタイプ)。クラウンレースインストーラーという専用工具があるようですが、手軽に代用できるものとして塩ビ管がよく紹介されています。TS継手ソケットという品名(型番:TS-S25)でホームセンターで購入可能です。値段100円ぐらい。

f:id:ma2sun:20200323192136j:imageフロントフォークはオーバーサイズでコラム径1-1/8インチ(28.6㎜)。

f:id:ma2sun:20200323192129j:image塩ビ管の内径は32㎜でした。少し大きいものの使えそうです。

f:id:ma2sun:20200323192132j:image実際に使う際はこんな風に3本ぐらい連結します。Titanioの組立てで実際に使ってみたいと思います。 

少し横道にそれましたがヘッドパーツ類の装着に戻ります。下玉押しの上に来るのはロワーベアリングです。ここで初めてグリースを使います。 

グリース

f:id:ma2sun:20200323192542j:imageFINISH LINEのテフロングリス。グリスガンをセットしています。

f:id:ma2sun:20200323192506j:imageグリスは何を使うか悩みました。最もユーザーが多いと思われるシマノのプレミアムグリス(通称:デュラグリス)、FINISH LINEのセラミックグリスも候補でしたが、最終的テフロングリスにしました。決め手は、
色が白でクリーンな感じがする
他よりべたつきが少ない(手で塗ることも多いので)
専用のグリスガンがある
性能の違いは分かりません…(汗)

f:id:ma2sun:20200323192509j:image下玉押しにグリスを塗ります。このグリスガンは糸のように少しずつ出せるので使いやすいです。

f:id:ma2sun:20200323192512j:imageロワーベアリングをセットします。

f:id:ma2sun:20200323192531j:imageロワーベアリングにグリスを塗ります。この後セットするヘッドチューブの内側に塗ってもよいですが、こちらの方が塗りやすいので。

f:id:ma2sun:20200323192534j:imageヘッドチューブにフォークを差し込みます。

f:id:ma2sun:20200323192538j:imageダストキャップ(アッパーベアリング一体型)にグリスを塗ります。これもヘッドチューブ側に塗ってもよいですね。

f:id:ma2sun:20200323192549j:imageダストキャップをセットします。

f:id:ma2sun:20200323192545j:imageコラムスペーサー10㎜をセットします。

f:id:ma2sun:20200323192518j:imageステムをセットします。

f:id:ma2sun:20200323192525j:imageコラムスペーサー5㎜をセットします。

f:id:ma2sun:20200323192516j:imageコラムの先端がスペーサーより4~5㎜ぐらい低くなっています。前に述べたとおり、トップキャップのボルトを締め込んだ時の引きシロです。

 

プレッシャープラグによる固定

いよいよ最終工程、プレッシャープラグによる固定作業に取り掛かります。

プレッシャープラグ

f:id:ma2sun:20200323204532j:imageヒラメのマルチプレッシャーアンカー。プレッシャープラグ(プレッシャーアンカー)とは、コラムの内側でトップキャップのボルトを受けるナットの役目を果たすもの。ボルトの締め付けトルクに耐えるため、テーパーリングというギザギザを広げてコラム内部にガッチリ留まります。このガッチリが重要なため、拘るユーザーも多いマニアックなパーツ。ヒラメのプラグはAmazonのユーザーレビューやSNS上で高評価です。

 

f:id:ma2sun:20200323204605j:image右はオリジナルのプレッシャープラグ。ツバ付きです。こちらの方がテーパーリングの面積が広くガッチリ固定できそうですが…(汗)

f:id:ma2sun:20200323204609j:imageヒラメのプラを分解した図。シンプルな部品構成です。

f:id:ma2sun:20200323204556j:image腐食防止のためパーツ全体に薄くグリスを塗ります。コラムと接触するテーパーリングには塗らないよう注意。 

トルクレンチ

この先はボルト締め作業になります。締付トルクの管理が大事なため、今回新たに購入したデジタルトルクレンチを使用します。 

f:id:ma2sun:20200323235602j:imageSK11のSDT3-060。本当はKTC製が欲しかったのですが、SK11は値段がKTCの半額程度であることと、カバーするトルク範囲が3~60Nmと広くロードバイクの組立てに必要なトルクをこれ1本で賄えることから決めました。Amazonでも高評価のようです。

SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 3~60N・m SDT3-060

SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 3~60N・m SDT3-060

  • 発売日: 2012/11/01
  • メディア: Tools & Hardware
 

デジタル式ということで、ブザーとLEDランプでトルクを知らせてくれます。
設定値の90%に到達すると、ブザー=断続音+LED=緑ランプが点滅
設定値に到達すると、ブザー=連続音+LED=赤ランプが点灯

なんて便利なんだろう…(涙)使用頻度が高い4,5,6㎜のヘキサゴンビットソケットも一緒に購入しました。こちらはKTC製。

六角レンチ 

f:id:ma2sun:20200323235609j:image仮締めの時は六角レンチを使用します。こちらは手持ちのドイツWera製。オジサン世代の自分にとっては六角レンチやドライバーといえばスイスのPBが定番でしたが、最近はWeraが人気の模様。ネジの頭と接触する先端部分が独自の形状をしており”ナメにくい”と評判です。

f:id:ma2sun:20200323204528j:imageそれでは装着開始。まず6㎜の六角レンチでボルトを回しテーパーリングを広げます。

f:id:ma2sun:20200323204629j:imageコラムの内径ぐらいに広がったら中に挿入します。緩すぎると中に落っこちてしまうので注意。この加減が難しい…
*自分は2回落としました。六角レンチを差したままコラムの中に入れ、先端が入ったらテーパーリングを少し広げてやるのがよいと思います。

f:id:ma2sun:20200323204601j:image次に、トップキャップのM6ボルトにセッティングナットをねじ込みます。凸側を上にしてトップキャップの裏側に当たるまで。このセッティングナットはプレッシャープラグの位置決めに使用するもので、後で取り外します。

f:id:ma2sun:20200323204618j:imageセッティングナットを装着したM6ボルトをプレッシャープラグ上部のネジ穴にねじ込みます。このネジ穴は、先ほどテーパーリングを広げるために回したボルトの真ん中(六角部分の内側)に切ってあります。

f:id:ma2sun:20200323204537j:imageセッティングナットが当たって回らなくなるまでねじ込んだら、トップキャップを指で押し込みます。

f:id:ma2sun:20200323204552j:image取説には、ここでトップキャップのM6ボルトを軽く締め…と書いてありますが、締め込まずに緩めトップキャップを取り外します。
*取説どおりにM6ボルトを締め込んだらテーパーリングのボルトとロック(結合)してしまい、緩めた際にトップキャップと一緒にプラグが外れてしまいました…

f:id:ma2sun:20200323204545j:imageトップキャップが外れました。

f:id:ma2sun:20200323204624j:imageいよいよトルクレンチの出番。6㎜のソケットをセットして本締めします。推奨トルクは130〜150kgf・㎝(約13〜15Nm)。

f:id:ma2sun:20200323204549j:image最後にトップキャップを装着しM6ボルトを締め付けます。これでヘッドパーツ全体にギュッと圧がかかります。

f:id:ma2sun:20200323204621j:image締め付けの推奨トルクは80kgf・㎝(約8Nm)。一旦この数値で締め付け後、フロントフォークを左右に動かしてスムーズかどうか確認します。動きが若干渋いため少し緩めました。

f:id:ma2sun:20200323204614j:imageステムのM6ボルトも忘れずに固定します。推奨トルクは5~8Nm。

f:id:ma2sun:20200323204542j:image完成しました!たったこれだけの部分なのに意外と大変でした(~_~;)

次回はハンドル、シートポスト&サドル、BB&クランクを取付けたいと思います。

コルム組立記録1 組立準備

前回、ニューマシンとしてDerosa Corum(デローザ  コルム)の中古フレームを入手したことをお伝えしました。

今回から、そのフレームを組み立てて完成車にするまでの様子を数回に分けてレポートしたいと思います。第1回目は、組立て開始前の準備についてです。

ロードバイクを組み立てるのは今回が初めてです。現時点で組立てに関する知識はほとんどありません。そこで、まずは組立てに関する参考書籍を集めることにしました。さらにそこから組立てに使う工具類を調べ、揃えることにしました。

参考書籍

いまや書店に行けばロードバイクのメンテナンスに関する本はたくさんあります。何冊か物色した中から特に参考になりそうな3冊をご紹介します。

タイトルからしてまさに自分にぴったりの本です。興味深いのは、バイクの年代(仕様)別に4つのカテゴリー(最新シマノDI2メカ/最新シマノ機械式メカ/ちょい古カーボン/クラシカルなクロモリロード)に分け掲載している点。最後の「クロモリロード」は、80年代のトマッシーニのフレームをダブルレバーで組むという内容で旧車ユーザーにもしっかり対応しています。今回の自分のコルムには「ちょい古カーボン」の方が参考になりそう。少し残念なのは、全カテゴリーの対象コンポはシマノで、また、1つ1つの作業の説明が若干粗いことです。ですが、バイクをイチから組み立てるときの順序・流れが分かるのはこの本だけであり(この本以外はメンテ箇所ごとの説明)、その点では貴重な一冊です。

以前から愛読している自分にとってのメンテナンスのバイブルです。シマノ、カンパ、スラムのメーカー別に加え、グレード(構造)毎に掲載(例えばカンパのクランクの場合、ウルトラトルク/パワートルク)。作業工程も細かく分割され丁寧に説明されており、まさに至れり尽くせりです。その分、写真がかなり小さく、さらに白黒で見づらいのがマイナスポイントでしょうか?(最新版の写真はカラーになっているようです)

ロードバイクメンテナンスノート カンパニョーロ編

ロードバイクメンテナンスノート カンパニョーロ編

  • 発売日: 2010/03/01
  • メディア: 大型本
 

10年ほど前に出版されたカンパニョーロ専門のメンテナンス本。最近ヤフオクで入手しました。当時は10速から11速への移行期で、コーラスの11速(ウルトラトルクの5アームクランク)がメインで登場します。その時代のコンポ(詳細は後ほど)で組もうとしている自分にとっては貴重な資料。メンテナンスの内容は、タイヤ交換やチェーン清掃など軽整備が中心の「日常点検~調整編」と、各コンポの脱着・分解方法を解説した「オーバーホール編」に分かれており、情報が少ないカンパユーザー必見の書です。

もちろん、書籍以外にWeb上のメンテナンスに関する情報も大いに参考にさせていただきました。作業内容を動画で掲載しているサイトもあり、情報量・分かりやすさは書籍以上です。参照したサイトの紹介は割愛しますが(あまりにも多すぎるため)、貴重な情報を惜しげなく公開いただいた各サイトの皆さまに感謝したいと思います。

さて、上記の書籍、Webサイトにざっと目を通し、おおよその作業内容を頭に入れました。詳細はこれから実際に組み立てながら確認していきたいと思います(汗)。作業内容と併せ、組立てに必要な工具類をピックアップし揃えました。以下にご紹介したいと思います。

工具類

メンテナンススタンド

真っ先に入手したのがメンテナンススタンドです。今まで整備の際は、リヤのクイックレリーズを挟むよくある簡易的なスタンドを使用していました。しかし、車体をほとんど動かせず作業性が悪いため、専用のスタンドが欲しいとずっと思っていました。

f:id:ma2sun:20200316203222j:image

この「MINOURA(ミノウラ) RS-1800」はBBの部分を台に載せフロント(またはリヤ)のクイックレリーズで固定する構造。車体の高さ・向き・角度を自由自在に変えることができ、見るからに作業性が良さそうです。

組立工具 

主な工具は以下のとおりです(一般的なものは割愛)。

f:id:ma2sun:20200316202704j:plain

No. 名称 メーカー・型番 備考
1 デジタルトルクレンチ SK11 SDT3-060 ヘキサゴンビットソケット(主に4~6㎜)を装着
2 六角レンチ Wera 主に4~6㎜を使用
3 ドライバー Wera  
4 ワイヤーカッター HOZAN N-16 ブレーキ・シフトワイヤーの切断に使用
5 BBレンチ シマノ TL-FC32  
6 スプロケ押さえ 不明 スプロケ取り外しに使用
7 ソーガイド TOPEAK フロントフォークのコラム切断に使用
8 カーボンソー PARKTOOL SAW-1専用替刃 CSB-1 フロントフォークのコラム切断に使用
9 チェーンカッター ADEPT  
10 チェーンフィキサー バイクハンド YC-207 チェーンを繋ぐ際の仮止めに使用
11 スプロケロックリング回し 不明  
12 ヘキサゴンビットソケット(10㎜) KTC BT310 ウルトラトルククランクの固定用ボルトに使用

上記のうち新たに入手したのは1のデジタルトルクレンチ、4のワイヤーカッター、7のソーガイド、8のカーボンソーで、それ以外は手持ちのものです。

ケミカル類

つづいてケミカル類です。主なものは以下のとおり。

f:id:ma2sun:20200316202739j:plain

No. 名称 メーカー・型番 備考
1 グリス FINISH LINE プレミアムテフロングリス グリスガンを装着
2 焼付き防止剤 PARKTOOL ASC-1 ネジなど金属の焼き付き防止に使用
3 チェーンオイル(ドライ用) FINISH LINE セラミックワックスルーブ  
4 チェーンオイル(ウェット用) WAKO'S チェーンルブ  
5 ネジの緩み止め LOCTITE 222 低強度タイプ
6 ガラスコーティング剤 4℃REST ガラスの盾  
7 錆止め剤 NOXUDOL 700 フレーム内部の防錆処理に使用

上記のうち新たに入手したのは7の錆止め剤だけです。あ、1に装着したグリスガンもそうでした(意外に高かった…)

大体こんなところでしょうか。その他に用意したものや、上記各工具、ケミカルの詳細については、今後、作業の過程で改めてご紹介したいと思います。

今回特に奮発したのはメンテナンススタンドとデジタルトルクレンチですね。この2つを揃えたことで、本格的に組み立てるぞ!というムードが高まってきました。

それではいよいよ次回から、組立作業の様子をレポートしたいと思います(^^)

スチール・レーシング計画 再始動

2020年シーズンが幕を開けました。

今年もヌーボクラシコに密着したレポートをお届けしたいと思います。…と言いたいところですが、今年はニューマシンを加えた2台体制を目論んでいます( ̄▽ ̄)

ニューマシンの正体

そのニューマシンとは…?

f:id:ma2sun:20200212201130j:imageコレです。

f:id:ma2sun:20200212201219j:imageデローザ  コルム(Derosa Corum)です!

ご存知のとおりデローザのクロモリバイク。ラグで組まれたトラディショナルなヌーボに対し、こちらはロウ付けのモダンフレーム。年式は2012年頃ですので、当時まだデローザに在籍していたドリアーノが溶接を担当したかも? パイプは軽量なデダチャイ18MCDV6。

f:id:ma2sun:20200213210115j:image唐草模様みたいのは、よく見るとハートマークになっています

f:id:ma2sun:20200213210156j:imageフロントフォークにもハートマークが♪

f:id:ma2sun:20200215220007j:imageフロントフォークはミズノのカーボン製(MC20)

f:id:ma2sun:20200215220529j:imageシートポストはpmpのチタン製!

f:id:ma2sun:20200215215737j:imageエンドにも鮮やかなブルーが配されています

 

2台体制検討の背景

コルムと言えば、一昨年、2018年モデル(パイプはレイノルズ631)を海外通販のベラチスポーツで購入しました。カタログに記載されていた「スチール・レーシング」の文字にすっかりその気になり、現物を見ずに購入ボタンをポチリ。しかし、届いたフレームはあろうことかヌーボよりも重いことが判明…。ガッカリして組み立てることなく手放してしまいました(その一部始終は下記にて)。 ひょっとしてクロモリでカーボンに迫れるかも?と企んだスチール・レーシング計画は夢に終わったのです…。その後、コルムのことはきっぱり忘れヌーボに集中しました。

あれから1年、ヌーボとのクロモリ生活はそれなりに充実しているものの、どこか煮え切らない感があります。

ルックス的にはヌーボは最高!細身のフレームにスレッドフォーク&ステムのデザインは、いまだに見るたび惚れ惚れします。

ですが、走り的には、ヌーボはやはりロングツアラー。ヒルクライム好きな自分は、これまで「ヌーボでも坂はイケル」と言い聞かせてきましたが、「ホントに坂が楽しいか?」と問われると正直、言葉に詰まります…(-。-;

その理由はもちろん重量。ロングライド用にヌーボは手放さないものの、ヒルクライム用として軽いセカンドバイクが欲しい…。

じつは、こうなることはカーボンからヌーボに乗り換えるときにある程度見えていました。ヌーボ1台で全てこなすのは厳しいかな?と。

そこで、密かに別のフレームを入手し屋根裏で眠らせていました。因みに別のフレームの選択肢にカーボンはありません、もちろん金属フレームです。

 

セカンドバイク候補 その1(チタン)

金属フレームのマシン、それは…

f:id:ma2sun:20200221003422j:imageデローザ チタニオ(Derosa Titanio)です。

デローザ乗りが最後に辿り着く1台。究極の金属と言われるチタンの軽さはクロモリと一線を画します。これならヒルクライムも楽しめるでしょう。

…と普通ならこれで候補マシン選びは終了するところですが、何故か気が乗りません。

チタニオは優等生過ぎて面白みに欠ける気がします。それにチタニオは”アガリのバイク”と決めているので、もう少し歳を取ってから乗りたい。今の自分には勿体無くて床の間バイクになりそうな気も…。ヒルクライム用には気兼ねなくガンガン乗れるバイクがいいです。

 

セカンドバイク候補 その2(アルミ)

その候補としてずっと頭の片隅にあったのは、アルミニオの初代デローザ メラク(Derosa Merak)です。

ラクと言えば、2000年に世界選手権を制したバリバリのレーシングバイク。フレームはデダチャイSC61.10A、軽さを追求したペラペラの肉薄アルミパイプ(スカンジウム入り)です。そういえばもっと軽いU2なんてパイプも当時ありましたね、確か体重制限は70kgだったような? いずれにしてもフレーム重量は1kg程度ですので、カーボンと十分渡り合えます。アルミからロードをスタートした自分にとって、とても思い入れのあるバイクです。

ですが、購入はとっくの昔に諦めていました。既にライフサイクルの寿命を迎えたモデルのためオークションに出品されることは稀。それでも何回かヤフオクで見かけましたがサイズが合いませんでした。そもそも気に入ったフレームで自分に合うサイズ(しかも希少な50サイズ以下)が見つかることなんて奇跡です。

それが、昨年暮れにヤフオクで奇跡を目撃してしまったのです。サイズは49、しかも世界選手権と同じブルー&ブラックのツートンカラーでホリゾンタル!まさにずっと探していたモデルです。

いまさら本当にアルミに乗るのか…???いやいや、古いアルミには絶対手を出しちゃダメでしょ!アルミがヘタりやすいのは自ら経験済みだし…。

ですが、これを手に入れたら、クロモリ、チタン、アルミの"金属デローザ三兄弟”が実現するかな?なんて妄想が。ヤバイ、アホ過ぎる…。

こうなるともう抑えられません。気が付けば入札ボタンをポチリ…。ということで入手したのがこちらです。

f:id:ma2sun:20200228183836j:imageチタニオも凌ぐ圧倒的な軽さ。シートチューブには誇らしげにSC60.10Aのプレートが光ります。…とやっと手に入れた喜びに浸ろうとしたところ、ある異変に気付きました。

フレームの至るところにタッチアップの跡が…。

そのことは予め告知されており承知はしていました。20年間も現役で使われていたフレームのため、それなりの傷があるのは当然です。錆や腐りなど致命的な不具合が無いだけでもラッキーと思わなければいけません。ですが、タッチアップで補修した箇所がオリジナルの色と合わず目立つことが、どうしても気になりました。オリジナルはグラデーションが入った複雑な色のため再現が難しいのは分かるのですが…。

結局、気にしないようにすればするほど気になってしまい、愛着が湧かずに手放してしまいました。言わんこっちゃない、またやってもーた… il||li _| ̄|● il||li

 

セカンドバイク候補 その3(やっぱりクロモリ)

その直後、またヤフオクで偶然見つけたのが、今回のニューマシンに決定したコルムです。実はこの世代のコルムもメラク同様に長年探していたのですが、サイズが合うものは一生見つからないと思っていました。それが出るときは出るもんですね。サイズは49、ホリゾンタルのドンピシャモデル。

かつて夢に描いたスチール・レーシング計画。メラクの件で心にぽっかり空いた隙間を埋めるのにこれ以上のネタはありません。やっぱりクロモリでヒルクライムをするから面白い!のです…と意味不明な言い訳をしつつ、ポチリ。

ということで、メラクと入れ替わりで我が家にやってきたコルム。ありがたいことに今度はミント・コンディションチッピングすら無く塗装はほとんど新品状態でした。観賞用ではなくちゃんと乗られてこの状態というのは、オーナーさんの手入れの良さが窺えます。

ただ、ひとつ欲を言うなら、重量はやっぱりクロモリ?でした。

f:id:ma2sun:20200224184654j:imageフレームを持った瞬間、「あ~なるほどね…」という手応えがありました。計測してみると1,650g、ヌーボの1,750gより多少軽いだけです。手放した2018年モデルのコルム1,950gと比べれば全然軽いですけどね(笑)。

f:id:ma2sun:20200224184651j:imageとはいうもののフロントフォークは大きく違い、カーボンのコルムは350g、スチールのヌーボは700gです。実際には装着するステムやヘッドパーツの違いも大きいですね、コルムはフレーム以外はカーボンバイクと同じですので。まあ、総合的には十分過ぎるポテンシャルと思います、完成車は夢の7kg台が狙えるかも?どのように仕上げるか楽しみです♪

因みに今回の組み立ては自分で行うつもりです。ヌーボの時はそれができなかったのが心残りでした。上手くできるか自信はないですが、色々調べたりして試行錯誤するうちにバイクの構造などに詳しくなれるかな?と。それでメンテナンスも自分でできるようになれば、ロードバイク生活がより楽しくなるのではないかと思います。

ということで、次回からはコルムの組み立ての様子をレポートしていきたいと思います(^^)