新緑の季節の日曜日

サクラが終わって新緑の季節の日曜日、余りに気持ちいいから、食品庫の奥からワインをもち出してテラスでうつらうつら。
春は今なお春なのである。工場には原爆が蓄積され、都市には警官がうろついて、ラウドスピーカーからはつぎつぎに嘘が流されていても、地球はいまも太陽のまわりをまわっていて、独裁者や官僚はいかにいまいましく思おうが、それを停めることは彼らにもできないのだ。「一杯のおいしい紅茶」ジョージ・オーウェル p.110
境内には堂々たるイチイの木が聳えていたので、根元にあった説明を読んでみると、まさにブレイの牧師その人が植えたものだった。私はとっさに、ああいう人がこんな形見を残すとはおかしな話だと思った。ブレイの牧師はタイムズ紙に論説を書くほどの教養はあったとしても、とうてい褒められた人物ではない。だが、長い歳月をへた今残っている彼の形見は、戯れ歌が一つと木が一本だけで、いく世代にもわたる大勢の人の目を楽しませてきたこの木の功績が、この牧師の変節がまねいてきたさまざまな弊害より大きいことは、まずまちがいあるまい。

p.112

 

「これで行くんだ」と

千葉さんは人生はリズムだという。千葉雅也さんの新しい本「センスの哲学」が言っているのはそんなこと、深く納得。センスがいいというのはそのリズムを如何に楽しむかということ。ロバート・ラウシェンバーグの絵を真ん中においた表紙の装丁のかっこいいこと。
反復されるものとしてのリズムは、人間が安定的に生きていくために必要なのです。p.91
「これは何を言いたいのか」「何のためなのか」と答えを求めることから離れて、リズム「だけでいい」という感覚になることがセンスの第一歩。これが本書のスタンスです。圧縮すると、次のように言えます。・センス:ものごとをリズムとして「脱意味的」に楽しむことができる。p.100
予測が外れた時にそれに振り回されないことです。というのは、大きな認識として、「物事には予測誤差が起きることもあり、そして、予測が外れても何とかなることがほとんどである」というような一種の楽観性ではないでしょうか。つまり予測誤差を一般化していて、一回の外れにいちいち驚かず、「外れというものが時にはあるな」というざっくりした予測内に収めている訳です。それと、結局大丈夫だったという経験が合わさっている。p.147
「とりあえず手持ちの技術と、自分から湧いてくる偶然性で何ができるか?」と考える。規範に従って、よりレベルの高いものをと努力するのも大事ですが、それに執着していたら人生が終わってしまいます。人生は有限です。いつかの時点で、「これで行くんだ」と決める、というか諦めるしかない。・人生の途中の段階で、完全ではない技術と、偶然性とが合わさって生じるものを、自分にできるものとして信じる。p.183

 

ブルドッグソースってしっていますか

春なのに今ひとつなので「回転ドアは、順番に」を持って出かけたら軽くなれた。こんな手紙が欲しい。
拝啓 ブルドッグソースってしっていますか。
あれ、変な名前ですよね。
どうしてソースがブルドッグなんだろう。
瓶にはちゃんとブルドッグの絵まで描いたある。
これをみても、
食欲はそそられないと思うんだけれど、
きみは、どう思いますか。 敬具
回転ドアは、順番に」穂村弘x東直子 p.27

 

でもまさに「失われた時を求めて」なんて

もう2年も前に人生やり残したことは「失われた時を求めてプルースト著を読了する事かもしれないって、背水の陣のつもりで岩波文庫全14巻を揃えた。でも例によって挫折による挫折、牛歩に次ぐ牛歩、それでも諦めずに最近また読み始めている。フランスの人名も地名もちっとも頭に入らないし文章は流れない、それでも少しづつ少しづつ電車の中でベッドの上で読み続けていたら、ようやく波に乗れつつある。最近読んだ「本は眺めたり触ったりが楽しい」と言う本の中に「本の良し悪しは重量で決まり、厚い本がいい本だった」と言うことが書いてあって、僕の貧しい読書人生を振り返って、なるほどなぁそうかもしれないと妙に納得したのだった。「失われた時を求めて」はまさに超絶長い本だよ。よしよしがんばるぞとまた思い返して諦めずに読み進もうと思ってる。読了した時にはどんな風景が見えてくるのだろう、今からそれが楽しみだけれど、2年で2巻しか読めてなくて、14巻も生きている間に読み終えることができるのだろうか。でもまさに「失われた時を求めて」なんて人生の最晩年に読むに相応しい本ではあるよね。

https://www.youtube.com/watch?v=kTP246fnKAI

 

でもでも現役を退いても

多摩ニュータウンランドスケープびとMさんが現役を退いたのでご苦労さま会を開いた。いつの間にか4時間が過ぎていた。この50年ほどのこの国の風景を取り巻く状況をささっとおさらいして、結論としては僕たちの力不足だったかもしれないねと、でもでも現役を退いてもぼちぼちと静かにこのランドスケープ世界を愛して行こうねと言うのが結論だったのかな?

https://www.youtube.com/watch?v=eAR_Ff5A8Rk

 

ぼくはこっちのほうがいいなと

最近のチューリップは結構アヴァンギャルド。どの世界にも前衛っているなぁ。

 

2017年4月10日

月曜日の朝はなんだか忙しいのだけれど、目についてしまったからしようがない。チューリップっていい、先週はサクラをさんざん見ていたけれど、ぼくはこっちのほうがいいなと言うと、叱られるかな。

 

ゆきのり君のピアノ

こんど生まれてこれるなら、酔いどれジャズピアニストになりたい。

2023年4月9日
映画、Blue Giants を見た。またジャズの波が来ているらしい。もうそんな時代は来やしないと思っていた。生きているといろんな巡りあわせがあるなあ。ゆきのり君のピアノが好きだ。
https://www.youtube.com/watch?v=h1I116oS_Lk