loser's howling for tomorrow

ネタバレ注意。小説、漫画、アニメ、ゲーム、音楽、お笑いのことなんかを書き殴っています

このよにうまれたので、どこまでいけるかためします Part 3

なんか楽しくなってきたので『堕天作戦』登場人物を単行本の順に紹介していこうと思います。今回は単行本2巻。

※毎度のことですが、めちゃくちゃネタバレしています。

 

 

 

 

 

 

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天獄囚徒」登場人物

 

戴天党総裁補佐官、シバ(CV.杉田智和

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初登場は「竜姫活殺」でのルビーとの会話でしたが、ちゃんと紹介したくてここまで我慢しました。本作のもう一人の主人公といっても過言ではない重要人物です。メイミョーの実験動物であり鵺と魔人の混血。魔術の中でも極めて希な「虚術」という術を操り、鵺の筋力をも持ち合わせる作中最強候補なチート魔術師。

まだ幼い頃にメイミョーから逃げ出したところを戴天党に捕獲され、コサイタスの取りなしにより、シャクター、ギョーマンら初期メンバーからは家族のように慕われていますが、ナイトワットなど比較的新しいメンバーにはその正体はひた隠しにされています。アンダーに死の恐怖を思い出させるほどの圧倒的な戦闘力で、戴天党結成当初から暗躍。

奇抜なファッションセンスの持ち主ですが、おそらくこれには意味があります。シバは登場以来一度も耳が描かれていません。コサイタスに捉えられたときは長髪で耳が隠れていて、「夕焼け綺麗っス」のときには天然パーマの長髪でやはり耳が見えません。アフロヘアーになってからはもちろん耳は出てません。魔人と人間の一番大きな身体的相違が耳の形、大きさなので、それを隠し人間のふりをするための髪型なのでしょう。同じくサングラスも鵺特有の瞳孔の形を隠すためのもの。あごヒゲは牙のような犬歯から注意を逸らすためのものでしょう。服装は、そらこの顔面だったらこうなりますよね。そしてこんな絵面のやつが魔術を使うってなったらディスコ調のダンスを踊らせたくもなりますよ。

禁忌術解放詠唱は「禁忌虚術解放(ファンテステック・フィーバー)」。これもファッションに引っぱられての詠唱なんでしょう。こういうセンス大好きです。クイッ、クイッとディスコダンス風に体をくねらせながら「次元回転」とか「黒体遷化」とか呟くのが「虚術」の使用条件のようです。

最強キャラではありますが、脳と臓器がメイミョー製の人工のもので補助されていないと、理性も、生命すらも維持することができない、そのことをはっきりと自覚してしまっている悲しい存在でもあります。戴天党の町イスパノに突如出現した謎の不死者と対峙したシーンで初めて「虚術」を使う際、人工臓器が発動する一コマがあります。

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本編のこの時点では変なファッションのネタキャラとしか捉えられてなかったぐらいの感じだったのですが、すでにこの一コマでシバの特異さは描写されています。

まずこの人工臓器にはメイミョーのエンブレムが刻印されています。シバがメイミョーの実験動物だったことをほのめかしています。真ん中の750という数字はこの臓器の排気量のようです。750ccというわけですね。その下に刻まれた「FOR NUE」はこの臓器が鵺(NUE)のためのものであるという明示です。

「~っス」という口調で一人称は俺。あんまり口を開かずにボソボソと喋っているような描き方ですが、これも犬歯を見せないようにするための描写だったんですね、たぶんですけど。すごいなこれ。なんという緻密な設定、描写。

救ってくれたコサイタスに対しては恩義と忠誠、そしてそれ以上に愛情を抱いていましたが、「仲間!?実験動物だろこれは!!」という言葉がトラウマで、ヘリオスとは惜しいところで心を通わせることができませんでした。そのせいか不死者を良く思ってない節が見受けられますが、出会った状況のせいもあってか、アンダーにはタメ口で本心を語ります。

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シバは、自分が思うほど孤独ではなかったんだと思います。

 CVですが、僕は杉田智和という人の大ファンではあるのですが、こういうCV妄想に彼を使ったことは一度もありません。イメージが固定されすぎていて、なにをやらせてもキョンか銀さんに聞こえてしまうからです。でもシバは杉田でしょう。最初に読んだときからずっと杉田ボイスで再生されていたので、もう他の人には変換できません。 

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ここなんか杉田さんなら凄い演技をしてくれそうです。

 

少し長くなりすぎました。むちゃくちゃ好きなんですシバ。

 

戴天党員、カペラ(CV.広橋涼

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師団長ナイトワットの妹。名前も身分も明かされないままこっそり登場しています。まだほとんど喋っていませんがCVは決まっています。

 

戴天党師団長、ナイトワット(CV.大塚明夫

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兄のナイトワット。作中で最も軍人らしい軍人。魔術の名手でもあり、みずから先陣を切って戦いに赴く姿は敵にすら畏怖の対象として語られています。シャクターとギョーマンからも厚い信頼を寄せられていて、シャクターの後継者として選ばれているとか何とか。シバにも似たようなおべんちゃらを使っているシーンがあるのでギョーマンの言うことはあまり信用できませんが。

格好いい軍人にはとりあえず明夫を振るという、お馴染みの手口でCVが決まりました。ちょっと声が強すぎるかなとも思いましたが、「人魔一体の戴天党は、強い」という台詞なんかは一度明夫で再生すると……なんかさっきも同じようなこと書いた気が。

禁忌術解放詠唱は「禁忌渦術解放(シクロテック・シュート)」。漢字で書くとシュロと同じですが、読み方は異なります。

 

戴天党、ナイトワット師団参謀官ケレス(CV.緑川光

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そんなナイトワットが大好きなケレスくん。好きすぎてナイトワット以外にはわりと酷い態度をとります。相手が上司であろうと敵の将校であろうと全く態度を変えないナイトワット信者っぷりには頭が下がります。ナイトワットが守った町イスパノが戦火に包まれることを良しとせず、ギョーマンを手にかけ、ダルガパル軍に投降。その姿にシュロは激怒しますが……

ネタバレ全開でここまでやってきましたが、さすがにこの後の名シーンを解説するほどバカではありません。

CVは石田彰さんかそれとも柿原徹也さんか迷いましたが、こんなハマり役がいるとは思いませんでした。みんな大好き緑川さんで決まりでしょう。

 

戴天党員、ロドリゲス、トッキー、エマソン

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他の二人はほとんど何もしてないのでCVをあてていませんが、謎の不死者を探し当てたエマソンのみ、CV中村悠一で決定しています。エマソンはその後アンダーにも襲われることになります。二人以上の不死者に出会ってるのって実はシバとエマソンだけなんですね。あ、ゾフィアもそうか。別に深い意味はないと思いますが。

 

イスパノで串焼き屋を営む親父(CV.千葉繁

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名前も出ないちょい役ですがなんか好きなのでCVあててみました。目眩がするほどの無駄遣いと言えるでしょう。

(追記)番外編でイスパノの不死者と出会っているので、彼も二人以上の不死者に出会っている人物ということになります。

 

イスパノに現れた謎の不死者(CV.福山潤

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エマソンに発見されシバに葬られた謎の不死者。シバの強さを見せるためのザコみたいな結果に終わりました。言ってることはちょっと格好いいんだけどな。厨二だけど。

「不死者だ、死ぬわけがない」という本作のキーワードを初めて口にした人物です。

CVは、そりゃあもうこの人でしょうよ。他に誰がいるかって話ですよ。

 

不死者ゾフィア(CV.三石琴乃

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「樹海」でアンダーと出会う不死者。名台詞、名シーンが多すぎて彼女のことはうまく説明できません。「堕天作戦」という言葉を作中で唯一発します。シバと同じくらい大好きですが、シバと違って好きすぎて語りたくないタイプのキャラクタ。ある時例の名台詞を三石琴乃ボイスで脳内再生したところ、小便ちびるぐらいビビッと来たのでCVが決まりました。

右頬の痣がすごく気になるのですが、いい女には秘密が多いらしいので深くは詮索しません。昔の彼氏も不死者だったらしく、最後の相手に選んだのもアンダーという不死者。不死者が不死者にしか心を許せないというのは、3巻で語られるボルカとナルコの関係性とも重ねた描写なのかもしれませんね。

 

戴天党、シャクター将軍(CV .堀内賢雄

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やっと紹介できます。戴天党の事実上のトップ、シャクター将軍です。元セイロン国の軍人でありながら、クーデターを起こし、戴天党を起ち上げた張本人です。言うなればテロリストの親玉なんですが、人間でありながら魔人ナイトワットに一目置いているなど、リベラルな政治家といった雰囲気でもあります。めずらしく純粋な人間なので魔術を扱うわけでもなく、戦闘シーンは全く描かれません。

支配下に置いた町に麻薬をばらまいたりろくな事をしていませんが、ヘリオスに人の心を説くシーンがあったりもして、何というか、人として捨ててはならないものをはっきりと心得ている人物として描かれます。

戴天党の重要人物全員に慕われている描写があります。シバ、ギョーマン、ナイトワットを失い落胆するさまをコサイタスに「老いた」と陰口をたたかれたりもしますが、それも人望あってのことでしょう。

レコベルにすら「父に似ている」とかの理由で懐かれます。うらやましいハゲですね。

 

と、番外編を除けば2巻はこの辺で終了になりますが、おまけで二人。

 

クズ(CV.飛田展男

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番外編「環視無用」より、名前も出てないクズをご紹介します。変態です。ルビーに殺されます。

 

御者(CV.手塚秀彰

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クズに巻き込まれ、ルビーに殺されるかわいそうな魔人。

 

無駄に豪華な二人のCVを公開したところで今回は終わります。

続きます!

このよにうまれたので、どこまでいけるかためします Part 2

urasunday.com

漫画『堕天作戦』が凄いことになってます。マンガワンというアプリでつい昨日最新話が公開されたのですがこれがもう!興奮しすぎて単行本1巻から全部3回ぐらい読み直しました。

ふ、と落ち着いたときに考えてみると、この面白さって結局言葉にすると逃げるタイプのやつで、いくら頑張って布教しても、最終的には「いいから読め!」としか言いようがないんですね。

こりゃあ前回のブログは失敗だったわ。変にわかりやすくしようと設定や世界観を説明するなんて蛇足の極み。といったところで、じゃあ自分が書きたいのは何だったのかってことなんですが、はっきり言うとCV妄想なんですねこれが。自分が『堕天作戦』を読んでいるとき、誰の声が誰の声で脳内再生されているのか、これがやりたいだけだったのです。気持ち悪。

そんなわけで、今のところ自分の中で担当声優さんが決まっている『堕天作戦』のキャラクタを登場人物紹介といった感じで挙げていこうかと。

※むちゃくちゃネタバレしています

 

 

 

 

 

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「虚空処刑」登場人物

まず再掲になりますが、主人公である不死者、アンダー(CV.子安武人

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結局コサイタスはアンダーに会えずじまいでしたね。

アンダーという主人公は、多くの不死をあつかう作品がそうであるように、個人では物語を展開させるのに向いてないタイプです。レコベルが、ピロがシバがゾフィアがコサイタスがいなかったら今も実験動物のままで『堕天作戦』は始まってもいなかったでしょう。たまたま「星」を見てしまったり、たまたま飛んできたヘルメットをかぶってたらシルエットがヘリオスっぽくなってしまったりと、変な奇跡を起こす才能はあるので、そもそもレコベルがいるピロ旅団に預けられたことが彼の引き寄せた奇跡なのかもしれません。

シバの虚術を見たとき、本作のキーワードである「不死者だ、死ぬわけがない」を作中で初めて言っています。(訂正。初めて言ったのはイスパノに現れた謎の不死者でした。2回目がアンダー。3回目と4回目はコサイタス)

 

同じく再掲。『堕天作戦』のメインヒロイン、研究者レコベル(CV.悠木碧

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幼体成熟の魔人でアルビノ。療術を使うことから魔術師としてもかなり優れているのだと推測できますが、彼女自身は魔術よりも科学に惹かれるようです。

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こんなこと言うぐらいにはイカレた科学者です。アマチが普通の人に見えてしまうほどのクレイジーさ。しびれますね。ナイトワット、ギョーマン、シバ、コサイタスを失った戴天党のこれからは彼女にかかっています。アマチが言うには「星」に至るためのロケットを作るには魔竜が必要不可欠らしいので、アンダーへの感謝が深いであろうシュロが戴天党に協力してカラビンカをロケットにする、というような展開を予想していますが、たぶん外れるでしょう。こんだけ先が読めない漫画ってないですね。

 

再掲。フランシスコ・バルトロム・ピロ、通称ピロ(CV.若本規夫

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自己申告ではありますが、魔力が尽きる感覚を味わったことがない、という歴代級の魔術師。禁忌術の解放詠唱は「禁忌炎術解放(パイロテック・ファイア)」、「禁忌炎術二重解放(パイロテック・クロスファイア)」、「禁忌炎術業火解放(パイロテック・ヘルファイア)」。詠唱が複数あるのは今のところピロとギョーマンだけみたいですね。

 

 

 

「竜姫活殺」登場人物

まずはこの章の主役コンビ、戴天党の魔竜カトラス(CV.置鮎龍太郎)と魔竜騎兵ルビー(CV.本田貴子)

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ルビーは本当にかっこいい女ですね。彼女には世界を踏み躙る権利があると思います。CVはちょっと意外な線かもしれません。本田貴子さんといえばアニメより映画とかドラマの吹き替えのイメージが強い声優さんなので。ただまあ型月厨の方にはご存じもご存じ、「空の境界」の青崎橙子さんそのまんまです。ルックスもちょっと似てますね。登場当初は悪いときの橙子さんをも凌ぐ凶悪な殺人鬼みたいに描かれていますが、実は人を殺すことに少しだけ罪の意識を持っていたり、モーラを逃がそうとしてやったり、情を捨てきれないタイプであることも後々描かれます。

服装が独特のセンスですね。広い衿のついたシャツに紅い大きな宝石をあしらったループタイ。この宝石の由来は2巻収録の「環視無用」で描かれます。あんなものをどうして後生大事に持っていたのか……宝石は砕け、ルビーは堕ちた。皮肉なものです。

喫煙者です。ただ、彼女はパイプ派なので吸ってるものがタバコかどうかまではわかりません。

 

カトラスはCV的にはおまけみたいなもんですが、あえて大御所を抜擢。Fate/Zeroランスロットです。非常にわかりやすい。こういう人外は演じられる声優さんが限られてくるので、カラビンカのCVをどうしようか悩み中です。メスの魔竜が出てきたらCVは林原めぐみさんになることが決まっています。

 

「竜姫活殺」は登場人物が多いのでサクサク行きます。

 

ダルガパル軍ギンカ小隊から、小隊長ギンカ(CV.折笠愛

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ルビーの強襲で小隊20名のうち18名を失うも、シュロとモーラという後々大活躍する2人を自らの命と引き替えに救った地味な英雄。戦場にはこういう人たちが大勢いるんだと思います。CVがむちゃくちゃ難しかった。ひねり出しました。

 

ギンカ小隊、隊員サウジーネ(CV.くじら)

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ギンカ小隊のお母さん。ルビーの強襲で生き残った6人の内ではギンカの次に階級が高く、能力は高いのに役立たずな印象が強いギンカの代わりに平隊員たちのまとめ役をやって(やらされて?)います。既婚者で子供も何人かいるようですが詳細は不明。CVは説明不要でしょう。

 

ギンカ小隊、隊員ディジー(CV.遠藤綾

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ギンカ小隊のお色気担当。酷い死に方をした上に、死んだ後もみんなナルコのことばかり言っていて、だいぶ可哀相なポジションです。CVは顔がなんとなくシェリル・ノームに似てるから遠藤綾で。ひでえ選び方だ…

 

ギンカ小隊、隊員ナルコ(CV.黒沢ともよ

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『堕天作戦』には3人の幼体成熟の魔人が登場します。彼女はレコベルに次ぐ2人目。ディジーと同じく酷い死に方をしますが、死んだ後の回想シーンでむちゃくちゃ目立っていて、襟元につけてる勲章の意味なんかも後に語られます。実はサウジーネと同い年。CVは迷ったあげくでしたが、ベストなキャスティングだと思います。

 

ギンカ小隊、隊員シュロ(CV.伊藤静

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ギンカ小隊たった2人の生き残りの内の1人。半分捕虜のような形でハイデラバード軍に囚われている最中に野良魔竜に求愛され、ダルガパル軍初の魔竜騎兵として活躍します。自らの手でギンカ小隊の仇であるルビーを落とせなかったことを静かに悔やむシーンには、何らかの決意がこめられているように思います。

彼女のCVもかなり悩みましたが、ある時スッと降りてきました。伊藤静さんは演技の幅がかなり広い方なのですが、ここはあえて思い切りドスの利いた低音で、わざとらしいぐらいの過剰な演技をして頂きたい。具体的に言うと「マリア様がみてる」の支倉令。ヅカの男役みたいなね。ギンカ小隊でも雷撃将ボルカの部下としても、どことなく溶け込めていない、浮いてる感じをうまく出して頂けるでしょう。

(追記。禁忌術解放詠唱は「禁忌渦術解放(シクロテック・オーバー)」魔術師としてはあまり優秀ではなかったようで、魔術で戦う描写はほとんどありません) 

 

ギンカ小隊、隊員モーラ(CV.花澤香奈)

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出ました恋する狂念術士、モーラ・クース。またの名をマイア・シー・カー。たまたま生き残っただけのお荷物かと思われていましたが、単行本5巻でまさかの覚醒。超初見殺しなその能力でピロすら操って、いたずらに戦場を混乱させたあげく変なことを叫んだあと射殺された……と思ったらメイミョーのサティ班に捕獲され……という場面を最後に彼女のその後は未だ語られていませんが、登場人物も言っているように、こいつは早く死んだ方がいい。善性の欠如に無自覚なぶんコサイタスよりタチが悪い。

そんなモーラは最初CV佐倉綾音で想定していたのですが、どうもいまいちしっくり来ない。というわけで最終兵器花澤です。花澤香奈の怒鳴り演技はどうやら好き嫌いが分かれるようですが僕は好きなので、ホワイトに撃たれる前のあの叫びも花澤さんならこなしてくれると信じています。

 

魔竜カラビンカ(迦陵頻伽)

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残念ながらCVは未定です。どうせエフェクトかけるんで誰でもいい気もしますが、そういう部分にも気を配ってこそ良い映像化が実現すると思うのです。別に映像化は期待してませんが。今のところ最終候補に残っているのが安元洋貴さんと小林ゆうさん。声質とか演技は小林ゆうで決まりなんですが、オスの魔竜を女性声優さんに演じて頂くのはどうも抵抗があって、まだ悩んでいます。

 

というわけで、『堕天作戦』単行本1巻の主な登場人物紹介でした。続くかもしれません。

このよにうまれたので、どこまでいけるかためします

※この記事は漫画『堕天作戦』のネタバレをふんだんに含んでいます。ネタバレ絶対許さないマンのあなたはどうぞブラウザバックしてください。 

 

 

 

 

 

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https://urasunday.com/title/29

WEB雑誌の「裏サンデー」で月一公開されている漫画『堕天作戦』が異常に面白いので、行き当たりばったりなようでいて、その実凄く精密に練られたストーリーとキャラクタの背景を、もしかしてアニメ化されたときのCV妄想を軸に、どうすればこの複雑な作品をより楽しめるか考えてみました。飽くまで妄想なので信者は目くじらたてないでください。あと「よけいわかりにくいわ!」というご意見はそっと胸に秘めておいてください。自分でもそんな気がしてならないので。

 

堕天作戦(1) (裏少年サンデーコミックス)

堕天作戦(1) (裏少年サンデーコミックス)

 

 冒頭でいきなり生首にされるこいつ

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彼が本作の主人公、アンダー(不死者)です。傷口から生えているように見えるツタのような植物は『再生誘導体』と呼ばれていますが詳細は不明です。

CVは子安武人さんを予定しています。テラコヤス!イメージとしては「CROSS†CHANNEL」のラバこと桜庭に近いでしょうか。純粋さと狂気を兼ね備えた、それでいて淡々とした演技を期待したいですね。アンダーの持つ捨てきれない愛嬌というかコミカルさを表現する上でも最良のキャスティングといえるでしょう。この文章を書くきっかけが、アンダーのセリフを何度も読んでいるうちに子安さんの声で脳内再生されるようになったことだったりするので、ここは譲れないラインです。

 

さて、アンダーの生首のドアップから展開される「虚空処刑」でこの作品は始まりますが、あまりに説明がなく、初読でちゃんと世界観を理解するのは不可能に近い。そこを自ら探っていくのがこういう複雑な作品の楽しみ方の一つだという理屈もわかるのですが、それにしたってわかりにくすぎです。わからないまま重要なワードがぽんぽん出てくるので、そういうところがこの作品を余計に理解しにくくさせています。多少でもわかりやすくするためには、冒頭にナレーションなりがあるべきでしょう。

 

”『魔人と呼ばれる魔力を有する亜人たちが旧人類との戦争で「腐鉄菌」を使用してから少なくとも300年後の未来。アメリカ大陸、アフリカ大陸、オーストラリアはすでに人間の住める場所ではなくなっていた。それでも旧人類は霊長の座を取り戻すべく魔人との戦争に明け暮れ、世界の黄昏は、徐々にではなく、唐突に姿をなそうとしていた…』”

 

こういう一文があればだいぶわかりやすくならないですか?

ガンダム

ナウシカ

最果てのイマ

ちょっとなに言ってるかわかんないですね。いや、これでも足りないぐらいですが、最低でもこれぐらいの情報を渡してくれないとマジで意味わかんないんですよ。幸いにも有志たちが作ってくれたwikipediaがあるので、ここを参考にしながら読めばかなり理解しやすいとは思いますが…

 

ともあれ、「虚空処刑」クライマックスのシーンはレコベルという希有なヒロイン

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彼女のおかげで、実に感動的に描かれました。あんな名シーン描かれたら設定云々がどうでもよくなってしまいます。ってことはこのブログ意味なくねえ?まあね。知ってるってば。

まあいいでしょう。とにかくあそこを読んで何も感じない人は前頭葉がイ〇ポです。医者行って下さい。

レコベルと後述のピロは「魔軍枢機国」の内の一つ、オーパスという国家の軍隊に所属しています。この大きな耳が魔人の特徴です。加えて彼女は幼体成熟と呼ばれる特異体質の持ち主であり、今作品においては幼体成熟というのは身体的、精神的成長がある程度の年齢で止まるのと引き替えに莫大な魔力を持ちうることがある、というような設定のようです。スカイクロラで言うところの「キルドレ」を思い浮かべると話が早いんじゃないでしょうか。さらに(特に作中で説明はありませんが)真っ赤な眼と白い肌が特徴的に描かれているところからすると、たぶんレコベルはアルビノだと思うのですが、それがストーリーに絡むかどうかは不明です。ただでさえレアな幼体成熟のアルビノということで、レア感を強める演出なのかなとも思いますが、いまのとこ謎です。

CVはやはりというか悠木碧鹿目まどかほどアニメ声ではなく、「聲の形」の西宮結絃ほどリアル演技でもなくといったイメージ。レコベルもまた狂気を備えながら、普段のキャラは賢く可愛く明るく腹ペコなザ・ヒロインですが、これをそのまま萌え声で可愛く演じたら意味がない。それだけの演技力が求められるキャストなのでここは迷いました。脳内最強ヒロイントーナメントがどえらい盛り上がり様で、シード候補だった桑島法子さんが一回戦で敗退したり色々なことがありましたが、黒沢ともよとの最終決勝戦を勝ち残ったのが悠木碧さんでした。「屍鬼」の桐敷沙子を超える悠木さんのベストアクトを期待したいところです。というか現存するほぼ唯一ガチの幼体成熟声優さんですからね。彼女しかないでしょう。

 

先述しましたが「虚空処刑」にはアンダーとレコベル以外にもう一人、今作品の重要人物が登場します。

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業火の大将、猛炎将などいくつもの二つ名を持つ、作中でも屈指の魔法使い、フランシスコ・バルトロム・ピロ(魔人)です。CVは……これを逃げだと言ってほしくないですが、若本規夫さんで。もうこの声でしか再生されないので無理を承知でキャスティング。本当は若い頃のあまりこってりしてない若本さんが理想だったのですが、そんな人もうこの世に存在しないので、ピロは若本さんです。

 

そんなピロ率いる旅団が、人間軍(おそらくクメル軍閥)から奪った不死者アンダーの人体実験の任務をうけたのが二年前。あらゆる処刑からも蘇生するアンダーを何度も何度も殺し続けるレコベル率いる研究班。飽きもせずに不死者をいたぶり続けるピロに対して不満を抱く部下たちの声が大きくなり始めたころ、『堕天作戦』の第一話「虚空処刑」はそういうタイミングでスタートします。

 

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さすがにストーリーの核心は語りませんが、「虚空処刑」のラストでは、アンダーとレコベルが心を通わせる感動的なクライマックスの余韻もそこそこに、この世界の、ある重要な秘密が開示されます。

 

「星」です。

そして…

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もう言葉はいりません。

というか説明したくありません。冒頭に貼り付けたリンクから無料でここまで読めるので、頼むからみんな読んでくれ!マジで!

という叫びとともに唐突にこの文章は終了します。

登場人物ほぼ全員のCVはすでに考えてあるので、気が向いたら続きを書くかもしれません。乞うご期待。

 

2018ベストアルバム(ごちゃまぜ)


いやー、「吉本の戸愚呂兄弟」こと金属バットはホンマに面白いですねえ。吉本はこんな才能しかないコンビを12年もほったらかしてたんか。アホな会社やなあ。



あ、話題まちがえた。


本題に入りましょう。
「2018年のベスト○○」音楽部門の第2弾、ベストアルバム部門です。
















というわけで2018ベストアルバムはMaison Book Girlの「yume」です。

数ある「楽曲派アイドル」の中でも特異な存在感をその身にまとう「現代音楽アイドル」、それが彼女達Maison Book Girlです。僕は二年ほど前から彼女らに並々ならぬ関心を抱いていました。なんせ楽曲の殆どが奇数拍子。なのになぜか耳に残る。といってもライブ行ってみたいと思うほどのめり込むこともなく、でも音源が出れば買う。という中途半端な状態が二年続いていて、このアルバムの楽曲「おかえりさよなら」のMVも半ば惰性で視聴しました。
これがまさかの全編4/4拍子という、自身らのアイデンティティーを崩壊させかねない「普通のリズム」の楽曲だったのです。とはいえそこらのアイドルポップスにはありえない、身にまとう空気はそのままに「普通のリズム」ならではのベタともいえるドラマティックさを演出する楽曲とMV。ちょっと言葉にならなくて、「新境地やな」とだけツイートしたことまで覚えています。


そしてその余韻もまだ消えきらないうちに発表された「狭い物語」のMV。前回ベストチューン編でも挙げた楽曲ですが、これが「おかえりさよなら」と打って変わっていつもにも増して奇天烈なリズム進行。7拍子ぐらいなら今までの彼女らの楽曲にもいくつもありましたが、この曲はA,Bメロサビがそれぞれ7,5,3とすべて奇数拍子な上に基本のリズムとウワモノと打楽器が全部違うリズムで鳴っているように聞こえるため、歌い手にとってものすごく難しい曲なんです。初めてイントロ聴いたときは「うわー、これ歌いこなせんのかぁ?」と不安になったりしましたが、歌いこなすどころじゃない、Maison Book Girlのあの空気を保ちつつ、今までにない熱さすら感じるエモーショナルな歌唱で一気に僕の鼓膜をぶち抜いてくれました。
そしてリリースされた全21曲(!)収録の2ndフルアルバム「yume」。
上記2曲でぐいぐい上げまくったハードルを余裕で越える、期待以上の傑作、いやそれ以上に自分にとって特別な作品になるかもしれないと思わされるほど素晴らしいアルバム。コンセプチュアルアートとしての完成度がえげつないぐらい高い上に、キーとなる10曲ほどがすべてシングルカットできそうなキャッチーさまで持ち合わせている辺り、「売れ線の芸術」というあり得ない形容をしたくなります。
とにかく凄い傑作。
2018年は本当に新曲、MV、シングル、EP、そしてとどめのこのアルバムに至るまで、Maison Book Girlの手のひらの上で転がされた一年だったように思います。






さて今回も次点以下のアルバムをいくつか紹介します。これまた恐ろしいほどの完成度で世に放たれた、USインディーロック、サッドコア、スロウコアの代名詞、僕が20年以上偏愛して止まないバンドの最新作、LOWの「Double Negative」です。
Maison Book Girlのもそうでしたが、これまたアルバム単位で聴かないとその凄みがわかりにくい作品と言えるでしょう。実験作であるが故に少し地味で意図が伝わりにくいのもマイナス点かもしれません。
ただ僕はこれ、一聴してやられました。ライブではちょっとしたポストロックばりのミニマル轟音ギターを鳴らしまくってたとはいえ、アルバム全編通してここまでエクスペリメンタルな音作りをしてくるとは。しかも付け焼き刃感がまったくなく、なんなら同じく2018リリースのOneohtrix Point Neverの「Age Of」なんかより全然実験的で、エレクトロ通過後のサイケデリアを感じさせてくれるんですから。
そして最終曲「Disarray」



これまでのLOWが持っていた儚げな美しさと新機軸のドローンやグリッチノイズが混じり合って深夜に爆音で聴いてるとうっかり召されそうになる名曲です。最後にこのキラーチューンを持ってくる構成も完璧。
リスナーや各メディアからの反応も頗る良いようで、派手なところでは、WARP RECORDSの「2018年の50曲」みたいなセレクションにロックバンドとして選ばれたのは、彼らの上記の曲「Disarray」とNine Inch Nailsの「God Break Down The Door」の2曲だけだったりしました。






お次はこれ。Twenty One Pilotsの「TRENCHです。アルバム1曲目の↑がとにかく格好いい。DFA1979なんかを思い出させるヘヴィーに歪みまくったベースのリフにまずトばされて、終盤のやけくそみたいなシャウトでもう降参。この一曲の中にストーナー風味のざらついた重さとチルウェイヴ的な線の細い歌心と激情ハードコアの熱さが共存しているというのは、これはもう文句なくヤバいなと。んで最初はこの曲ばかり聴いてたんですが、あれ、他の曲も曲調は散漫だけど、光るもんあるなあ、って思いながら聴いてる内にハマったもう一曲。



祝祭感はまるでアンダーワールド。でもサビで何度も歌い上げる「Don't Believe The Hype」はパブリック・エネミーのかつての大名曲のタイトル。つまりメッセージがあるということ。このあたり絶妙なバランス感覚だなあと思いました。
「TRENCH」というこのアルバム、今までより若干ロック寄りのアプローチが増えたのは確かだけど、『バランスとか知らん』とばかりにバラッバラの曲調なんですね。そこがいいとも言えるけど、アルバムとしての統一性は薄いので、年間ベストに選ぶのはちょっと違うなあということで。


さて、トップ3はこんな感じでしたが、まだもう少し紹介したい作品があるので、ずらっとアルファベット順に一口コメント(?)でお送りします。




A Perfect Circle/Eat The Elefant

待てど暮らせど新譜のニュースすら聞こえてこないTOOLの代わりによく聴きました。良作。




Alva Noto/UNIEQAV

'18年は坂本龍一氏とのコラボアルバムも出てましたが、僕はこっちの方が好きです。ドイツ人だからなのか、聴いてるといつもノイとかカンを思い出します。




Animal Collective/Tangerine Reef

実はあんまり好きじゃなかったバンドですが、このアルバムはいつもの奇天烈サイケ絵巻からポップさをバッサリ削ぎ落とした潔さが気に入りました。通して聴くのはちょいしんどいですが。




Beach House/7

いつもどおり良い、という感じ。目新しさはないけど好きです。このMVはちょっと狙いすぎ笑




Car Seat Headrest/Twin Fantasy

やっぱりUSインディーは最高だぜ!ちょっと地味だけどいい曲ばっか。ギターがめちゃくちゃいい。




Chris Dave And The Drumhedz/Chris Dave And The Drumhedz

ヤベエ奴があらわれたって思いました。ブラックミュージック界のドラムヒーロー。どこを切り取っても盛り上がる。'18年冒頭のリリースでしたが、なんだかんだずっと聴いてた気がします。




Deafheaven/Ordinary Corrupt Human Love

言わずと知れたポスト・ブラックメタルの雄。というかここまで来るとブラックメタル云々で語るのがアホらしくなってきます。ただのデフヘヴンのただの最高傑作。彼らには今後とも唯我独尊を貫いてほしいものです。どうでもいいですがジャケットに写っている謎の人物がアインシュタインの稲田くんにバリ似ててクソ笑いました。




Dirty Projectos/Lamp Lit Prose

大傑作だった前作からわずか一年でリリースされた本作はとにかく明るくてポップ。前作の重さが好きだったので拍子抜けしましたが、これはこれで悪くない。




Elvis Costello/Look Now

僕かてたまにはオッサンの聴くような音楽も聴くんです。いやいや大傑作ですよこいつは。近年の、というかここ15年ぐらいの間でのコステロの最高傑作かも。このオッサンがJ-POPに与えた影響って実はとんでもなく大きいんじゃないかと思います。




GoGo Penguin/A Humdrum Star

ジャガ・ジャジストとかESTの血を受け継ぐ所謂ポスト・ジャズバンドたち(たいして数はいませんが)の中では最も若く最も勢いのあるピアノトリオの最新作。同じように「アコースティック・エレクトロニカ」とか呼ばれていながら、ジム・オルーク周辺のいわゆる「シカゴ音響派」とはまったく違った印象。むしろ山本精一氏のバンドROVOなんかと似た感触。まだ化ける余地もありそうな将来性のある頼もしいバンド。(エスビョルン・スヴェンソンみたいに)早死にしないでほしい。(Jaga Jazzistみたいに)寡作になりすぎないでほしい。




Jack White/Boarding House Reach

ホワイト・ストライプスという肩書きもそろそろ必要なさそうな天才ギタリストのソロ最新アルバム。天才ギタリストと言いながら、以前のように弾きまくってるのはWhite Stripesの「Seven nation Army」を思い出させるこの曲だけなので、そういうの期待すると肩すかしかもしれませんが、僕はジャック・ホワイトがこのアルバムでやろうとしたことは、サイケデリックロックの新しい可能性かもしれないと思っています。




Kamasi Washington/Heaven and Earth

さきほど名前を挙げたGoGo PenguinやJaga Jazzistなんかに通ずるフィーリングを持ち合わせているんだけど、こいつらはその二組とは違い、根っこが真っ黒なフリージャズ。でもところどころ電子音が入ってるのが生粋のジャズっぽくなくて、そこが大好物ですね。




Mammoth Weed Wizard bastard & Slomatics/Totems

これは2バンドによるスプリットアルバムなのでここに挙げるのはためらいましたが、どうしてもMammoth Weed Wizard Bastardというアホすぎるバンド名を紹介したかったので。バンド名はこんなですが、女性ボーカルのストーナー・スラッジバンドとしては、最近売れまくってるCult of Lunaに勝るとも劣らない存在感を持ったバンドだと思っています。




Mount Eerie/Now Only

この人のMicrophones名義の頃のヤバさは、CD再生して20秒で気づく類いのヤバさだった。Mount Eerie以降は、聴き始めてから20分でやっと気づくヤバさ。どちらがどうとか野暮なこと言いたくないけど、僕はオーバー40のれっきとした老害なので、思い入れ補正たっぷりに今でもMicrophonesばかり聴いてしまうのでした。いいアルバムなんですけどね。このへんはもう好みでしょうね。




Philip H. Anselmo and The Illegals/Choosing Mental Illness as a Virtue

パンテラのボーカリスト、フィル・アンセルモのソロバンド(ロブ・ハルフォードのFIGHTみたいなもんか)の最新作なんですが、'17年リリースのscour名義がもろブラックメタルだったのに対し、こちらのイリーガルズ名義ではバリクソ激烈なブルータル/テクニカルなデスメタル。ついに50歳の大台に乗ったフィルのボーカリゼーションも、若いバンドの演奏も正直少し物足りない感がありますが、やっぱり僕らパンテラ直撃世代にとってフィル・アンセルモは特別なボーカリストなんです。最近ライブではパンテラのカバーばかりやってて食傷気味なので(そもそもパンテラの曲をツインギターでカバーするとかあり得ない)、ここらで一発イリーガルズとしての単独来日公演をブチ決めて往年のパンテラファンを唖然とさせてほしいものです。




Pinegrove/Skylight

USインディー界隈でいま僕がLOWの次ぐらいに注目しているバンドの最新作。最近のLOWにはあまり感じられない「アメリカーナ」で満載の、何年後かに名盤と呼ばれてもおかしくはない素晴らしいアルバム。前作と比べて内省的でおとなしいアレンジには賛否あるかもしれませんが、僕はどっちも大好き。




Soccer Mommy/Clean

オルタナ通過後のシンガーソングライター、と言ってしまえばそれまでなんですが、この冷め切った音の空気が逆になぜかエモーショナルに響く感じが自分的にはツボでした。とくにこの「Your Dog」はベストチューン候補にも挙がったぐらい好きです。20年ほど前にスマッシュヒット(笑)したパティ・ロスバーグの「Inside」という曲をなぜか思い出したりしました。なんか冷めた空気が似てる気がする。




Sons Of Komet/Your Queen Is A Reptile

狂乱のトライバル・ジャズ。こんなもん踊るしかないでしょう。ドラムとパーカッションの絶妙なアンサンブルがクソ格好いいです。




Tim Hecker/konoyo

美麗ドローンといえばこの人。今作はその美麗さと、いつも以上にエグいドローンノイズの落差が凄い。それでいて「konoyo=この世」というタイトルが示すように、メロディーや音色にどこか醒めた空気が漂っていて、アンバランス一歩手前とも言える大胆な作風に仕上がっています。




Yo La Tengo/There's a Riot Going On

Sugarcubes」や「Blue Line Swinger」といった過去の曲での轟音ギターは今作でもやっぱり聞こえてこない。もう封印しちゃったのかな。でもいいアルバムです。幽玄という表現がこんなに似合うバンドはいないでしょう。




というわけで2018年ベスト○○、アルバム編でした。予想以上に長くなってしまいましたが、これでもけっこうはしょったんです。勘弁して下さい。
それではまた。

2018ベストチューン(国内)

さっそく貼っていきます。

まずは今年のベストチューン。大好きな大好きなイースタンユースがアニソンを歌ってくれたというだけで感涙ものなのに加えて、楽曲がねー、むちゃくちゃいいんすよ(歌詞も)。ただただ格好いい。ベーシストが交代して初めてのアルバム「SONGentoJIYU」も、もちろん大傑作ではありましたが、ここ何年かのイースタンにしては、という括弧付きで褒めてるのが自分でもわかってて、それが何とももどかしかったものですが、この曲はそんなもやもやを吹き飛ばしてくれました。かつてファンだった方もゴールデンカムイ好きなだけの人も、みんなもっとイースタンユースを聴いて下さい。



今年はベストチューン部門が超激戦だったので次点以下も何曲か貼っときます。Maison Book Girlはこの後もベスト何とかで登場する予定なのでサラッと。Aメロ7拍子Bメロ5拍子サビ3拍子という奇天烈なリズムで何でこんなキャッチーな曲ができるのか不思議でたまらん。そしてMVがヤバい。



ハイスコアガールのアニメやってた時は2018ベストチューン早くも決まったな、と思ったぐらいこの曲もハマりました。Last.fmさんによるとどうやら僕が一年で一番多く聴いた曲だったようです。ここ5,6年ずーっと「楽曲派アイドル」と呼ばれるアイドルグループに注目してきたのですが、この楽曲で彼女らはそのカテゴリーの中では個人的にかなり上位の存在になったように思います。MVもなかなか凝った構成で面白いのですが、いかんせんハイスコアガールのOP映像が素晴らしすぎて、ちょっと霞んじゃいましたね。



さて皆さん、BiSHですよ。こんなんMV見た瞬間2018ベストチューン早くも(略)って思うでしょうよ。青春パンクな楽曲、歌詞、MV、普段のBiSHとのギャップ、全部が最高すぎてもう……自分が一番好きなグループがこんなに自分的にツボな楽曲を歌ってくれるとは……。ベストチューンはこの曲とで本当に迷いました。背負ったものの大きさでイースタンユースに軍配を挙げましたが、ぶっちゃけほぼ同着です。ちなみにですが僕はこの曲をCDで持っていたいがために一万近くする限定版シングルを買いました。特典のライブ映像がしょぼくて泣きそうになりましたが、そんなんいいんです。僕はBiSHを愛しているのです。



またアイドルか、という声が聞こえてきそうですが、いやいやこれ聴いて下さい。むちゃくちゃ格好良くないですか。簡単に言うとエモいギターロックなんですが、2010年以降の「エモ・リバイバル」とやらとはちょっと、いやかなり違う。彼女らには根底に「ロック」を感じるんですよね。ナンバーガールとかCOWPERSとかに通ずる感覚というか。そのバンドサウンドに乗っかるのはまだあどけなさを残した少女(アイドル)の歌声。先に挙げたsora tob sakanaもそうなんだけど、自分はこういう「本格的なサウンドに乗る少し頼りない歌声」がなんか凄い好きなんです。こういうのもギャップ萌えっていうのかな。



急に大物アイドル出してみます。2018年の彼女らはメンバー脱退とか色々あって若干ややこしい立ち位置だったんですが、いやしかしこの曲は本当に素晴らしい。djent風味のイントロからいつものベビメタに戻るのかと見せかけた上での美麗なサビメロ。しびれますね。自分は特にベビメタの大ファンというわけでもないんですが、たまたまこのMVで聴いてバッキバキにヤられました。この曲はライブ映えが中々すごいと聞くので生で聴いてみたいなあ。でもチケット取れないんだろうなあ…



さて2018ベストチューン部門(国内編)でした。
次は国外編をやろうと思ってますが、あまり候補が多くないので、先にベストアルバム部門をやっちゃおうかと考えています。
それでは、できればまた早い内に!(希望的観測)

そして僕はHR/HMに出会った(音楽編パート3)

もうね、動画貼って一言でいいんじゃないかと思うんですが、あーこれはやっぱり語りたい、という音楽があってしまうと、そんなルールは無視です。

今回はハードロック・ヘヴィメタルオンリーで行ってみます。というのは、僕は本当に一部の例外(ブランキージェットシティー他)を除いて、高校3年間ヘヴィメタルしか聴いていませんでした。メタル専門誌「BURRN!」のディスクレビュー読んで、さて今月はどれを買うべきか。「BURRN!」誌の評価を信じて、クロスレビューの平均84点を買うのか、、レビューの片隅に載ってる聞いたこともないバンドのアルバムに92点をつけたその編集者を信じるべきなのか。はたまた100点満点で5点をつけられてるイミフなデスメタルを買うべきか。
そんなアホみたいなことを毎日授業中ずっと考えていた結果、高校から成績がガタ落ちという惨事に。
……音楽は人を救うことがありますが、人生に呪いをかけることも、ままあるようです。

さておき、今回はHR/HMの、特にHR、つまりハードロック特集で行ってみようかと。


ジューダスプリーストから入ったって言ったって最初はこんなもんです。(その当時だと)超売れ線のアメリカンロック。
この曲たしかリーバイスのTVCMか何かで使われてたんですが、正直に言うと、この曲いまだに僕めちゃくちゃ好きなんです。
たまに聴くとマジで視界が霞みます。



僕が人生で2番目に観に行ったライブはこのマイケル・モンローの来日公演でした。この曲なんかはもうロックンロールのイメージそのもので、見た目もヤンチャ、でもBJCに感じた「不良の文学」はあまり感じない。のに、なんでか僕は彼が大好きでした。人生で初めてバンドのグッズを購入したのはマイケル・モンローのTシャツでした。



これまた凄く好きなバンドで、ライブ行けるかもって機会が何度かあったんですが、「とにかく演奏がクソみたいにヘタ」「Vo.のセバスチャンの歌が演奏に輪をかけてヘタ」と言う評判ばかり聞こえてきて、うーんと尻込みしてライブには行けずじまい。一時はすごく夢中になったんですが、そういう巡り合わせもあってか、3rdアルバム以降の彼らには殆ど興味を持てませんでした。



これも大好きでした。チャラいお化粧バンドみたいな見た目に反して、演ってることはクイーンやビートルズビーチボーイズなどの影響を受けたポップなハードロックっていうギャップがなんかね、ビビっと来たんです。




説明は不要でしょう。多くの僕と同世代の方にとっては、キラキラ眩しいブラウン管の中のアイドルでした。この恥ずかしいアイドルノリは3rdアルバムまでで、次作「New Jersey」辺りからは土着的なアメリカンロックを演りはじめて、その辺から本気で好きになった気がします。ちなみに僕にとっての最高傑作は「Keep The Faith」です。





このバンド辺りがちょうど境目な気がするんですね。音楽的に、ハードロックとヘヴィメタルのちょうど境目に立ってる音楽性。その他に特筆すべきことはないバンドなんですが、彼らはもう一度このブログに登場することになるでしょう。



ハードロックではない、ハードなロックンロール(この曲はちょいハードロックぽいですが)。西成におるようなオッサン五人(言いすぎと思うかもしれませんが、僕は以前西成でアンガス・ヤングそっくりのホームがレスな人を見たことがあるのです)がこのスタジアム満席にして大合唱起こるとか奇跡のレベルですよ。彼らほど、ずーっと同じことやってるのにずーっと格好いいバンドって他にちょっと思いつきません。なのでボーカルはボン・スコットの方が良かったなんて当たり前のことは言わないことにしておきます。



AC/DCよりは音圧があってハードロックっぽいけど、やっぱりこのバンドもどちらかというと爆走ロックンロールといった趣。ちょいパンク風味。レミーが生きてる内にライブ一回ぐらい観たかったです。



僕が高校生の頃に最も人気があった「洋楽」。これぞアメリカンハードロック、という典型の音を鳴らしてるんだけど、メンバー個々のプレイヤビリティとか、愛想の良さとシャイさのバランスが絶妙だったのでしょう。やたらと女子に人気がありました。僕はその当時まだそういった知識はなかったので気づきませんでしたが、おそらくこの時既に腐女子たちはメンバーとメンバーのカップリングにハアハアしていたらしく、それによって火がついたのか、気づけばどえらい規模のバンドとして成長していきました。
好き、嫌いはまったく別として、僕が高校生の頃に一番頑張って何度も何度も聞き直してコピーした特別な曲です。葬式で流されたらちょっと勘弁してほしいけど、僕がもしイージー・ライダーデニス・ホッパーみたいに路上で吹き飛ばされるようなことがあったら、この曲なら別に流れててもいいかな、と思います。
「理屈だけのロックが本物のロックに迫ろうとあがく彼らの姿が感動的だった」
この一文で済んでしまいますね。



今回はとりあえずおしまいです。バラード編とかやってたらキリがないので飛ばします。
次からが本番と言っていいでしょう。
HR/HMのHMの方、つまりヘヴィメタル特集でお送りしたいと思っております。


ではまた、なるべく早い内に。

音、知りそめし頃に(パート2)

音楽編パート2です。
前回の反省をいかして、ポンポン動画貼っていきます。

少し前にtwitterでも貼らせてもらいました、この動画。戸川純ファンにはもちろん鉄板の大人気曲なんですが、ちょっと変な場所で変な人気がある楽曲でもあります。日本橋ヨヲコという漫画家の代表作「G戦場へヴンズドア」の作者あとがきに、この曲の歌詞が丸々掲載されたことがあったんです。あれで戸川純を知った漫画読みも少なからず居るんじゃないでしょうか。


これもtwitterに貼りましたのでさらっと紹介を。とはいってもこのバンド、Judas Priestは僕にとって大事な「ヘヴィ・メタル」を教えてくれた偉大なバンドなので、ちょっと一言では何とも…
とりあえずこの曲聴いて下さい。これに何も感じなければヘヴィ・メタルに縁がないと言っても差し支えないぐらいの、レジェンドによる原点回帰の名曲です。回帰でありながら、この頃既に台頭しつつあった「スラッシュ・メタル」の要素すらも取り込んだ意欲作でもありました。


僕はJudas Priestに出会ってメタルキッズになりましたが、時を同じくする頃、パンクロックをさらに過激に進化させたハードコア・パンクに夢中になりかけたことがありました。なりかけた、というのはつまりならならかったわけなんですが、なんで僕がハードコアではなくメタルに走ったのかというと、単純にメタルの方が音源が手に入りやすくて、駅前にあるクッソ狭い本屋にでもメタル専門誌「BURRN!」が売られていたという所が大きいです。あの頃はネット通販もありません。特に日本のハードコアパンクバンドなんてみんなインディーレーベルから出してるからろくに広告もない。どこに行けばこの動画のスターリンや、リップクリーム、ガスタンク、ギズムの音源を買えるのかすらもわからない。いろいろ手は尽くしたのですが、そこまで無理しなくても、過激な音楽ならメタルの方が好きだし、ハードコアは今はまあいいか、とこの時は判断し、例外的なバンド(ガスタンクなど)を除いてはあまり時間と労力を使うことを避け始めました。それでも僕はハードコアパンクへの興味を捨てきれなかった。その気持ちが僕をこの頃からアンダーグラウンドの世界に少しずつ引き入れていくことになります。


名前が出たのでガスタンクの代表曲『GERONIMO』も貼っておきます。ガスタンクというバンドは初期の頃はゴリゴリのハードコアパンクサウンドを聴かせていましたが、その後徐々にポジパン、ゴス(今でいうV系みたいなもんだと思って下さい)方向に寄っていって、それはそれで僕は好きだったんですが、でもやっぱり一曲を挙げるとなるとこの曲でしょう。イントロでブチ上がりますね。


ついでにこの頃よく聴いていたルースターズ。もちろん僕がリアルタイムで知ってるのはVo.の大江が脱退してからの花田ルースターズからぐらいなんですが、やっぱ大江時代が凄いですね。彼らが居なかったらブルーハーツブランキーもミッシェルガンエレファントもなかったかもしれない。


これもギリリアルタイムに間に合わなかったバンド。見た目ホストやんけ、という意見はまちがってはいないけど、逆ですどっちかというと。ホスト達がこぞって氷室京介になろうとしたんです。今となっては何がそんなによかったのか思い出せないのですが、めちゃくちゃよく聴いてました。


今回の〆はこのバンド。たぶん僕が人生で初めてライブを見に行ったのがARBでした。彼らは1990年に一度解散しているのですが、その解散ツアーをなぜか僕は観に行ったのです。昔のこと過ぎてどこの何ていう箱で観たのかとか何にも覚えてないので、未だにあれは夢だったんじゃないかという思いが頭をよぎったりもしますが、行ったはずです。
いやー、しかしなんでチン毛も生えそろっていない中学生がこんな渋いおっさんロックに夢中になったんでしょうか。不思議です。
それでも本当に大好きだったのは確かで、2011年に放映されたアニメ「輪るピングドラム」でARBのカバー曲が流れまくってたのには額の第三の眼が開くかと思うほど興奮しました。しかも『魂こがして』や『ROCK OVER JAPAN』あたりの派手な曲ならともかく、『BAD NEWS(黒い予感)』、『灰色の水曜日』、『ダディーズ・シューズ』や、他にもちょっとしたファンぐらいだと中々出てこないぐらいの曲も使われてて、この選曲はアニメ監督の幾原邦彦さん自身によるものだったそうです。
あんまりこういうこと言ってると知らん間にアニメの話題にすり替わってしまいそうなのでピングドラムの話はここまで。

上に貼った動画は後期ARBの中で僕が一番好きな曲でした。「明日は何をしよう 待ちに待ったHoliday」と歌うワークソングを14歳の中学生が聴いて、なんでそんなに感動したのか、これもよく覚えてないんですが、たしか同時期に劇場版アニメ「パトレイバー1」を観たんですね。このアニメの監督、押井守という人は物語に対して(ともすれば)必要以上にポリティカルな要素を散りばめる癖がありまして、僕は押井監督のそういう部分が大好きなんです。簡単にいうと少し過激気味な左翼主義的な要素。つまり反体制という立ち位置ですね。
あ、またアニメの話になりそうなのでざっと飛ばします。
つまりARBにもそういう「反体制」を僕は感じ取ったのでしょう。そもそもそれは前回に書いたBJCとBUCK-TICKの時にも触れた「不良の文学」とも似た感覚で、僕の厨二心をくすぐったのです。


んー、まだちょっとコメントがクドイですかねえ…
次からは3行コメントぐらいにしとこうかな。