誰でも観れば元気になれる映画だと思う
観終わった後、間違いなく勇気づけられていた。
それは、失敗を繰り返しながらも挑戦を繰り返すバーナムの姿に魅せられたか、はたまた差別や偏見に屈しない戦士の姿に感動したからだろうか。
バーナムは、社会から排除されてきたマイノリティを表舞台に登場させた。
その身体的特徴などがマイナスとして捉えられ、社会生活において不利益でしかなかったものが、サーカスによってプラスへと転じられていく。
続きを読む「才能」に恵まれても「普通」でありたいのさ
「ギフテッド」とは、先天的に平均よりも顕著に高度な知的能力を持っている人のことである。
主人公のメアリーは「ギフテッド」であり、高度な数学理解能力がある。
そんな彼女に英才教育を施すべきか否かが作中で問われている。
論題は変わるが、「ギフテッド」として生まれることが幸せであるとは思わない。
なぜなら、顕著に目立つ能力を持っているということは、その能力を発揮することが求められるがゆえに、概して普通の生活と縁遠くなるからである。
だからこそ、作中で叔父のフランクと祖母のイブリンが争うわけであるが‥‥‥。
まあ、個人的には顕著な知的能力を個性として認めて、英才教育を施すのがベストであろうとは思っています。
続きを読む一緒に夢を叶える関係性の美しさ
本作はフランスで熱狂的に愛されている、ベストセラー青春小説を原作として制作されたようだ。
フランス映画はおしゃれだな~と本作でも思わせてもらった。
最後の情感あふれるシーンなどは、生きる喜びのようなものがスクリーンに鮮明に映しだされる。
恋の扱い方は数えきれないほどあるが、本作の描写は非常に好きである。
お互いに相手を確実に好きだとするわかりやすい描写はない。
個人的には一目ぼれを信じていないわけではないが、恋は関係が深まるにつれてその濃度を濃くしていくことが望ましい、というか自分はそれが普通だと思っているからである。
2人で夢を実現させようとする関係性も僕は理想的に思える。
続きを読む美しくて残虐な復讐劇は社会に向けられている
本作はファッションデザイナーのトム・フォードが監督している。
そのためか、劇中のいたるところで彼の美意識が投影されていて非常に気持ちがいい。
主演のエイミー・アダムスは非常に美しくフィルムに映し出されているし、ジェイク・ギレンホールもセクシーだ。
本作のギミックは好きだが、小説のバイオレンスさが激しすぎて嫌悪感が半端なかった。
なぜ、危険だとわかっていて引き返すとかせず車遊びに付き合うのか、早く撃て、さもないと逃げられるぞとか、やきもきしながら見ていた笑
まあ、復讐であれば残虐な方がいいのかもしれないが、トニーの弱さがそのまま投影されているのは、今も自分は昔のままだというメッセージなのだろうか。
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