自己表現が下手でごめんなさい
私には伝えたい想いや考えはたくさんある。
それは電車でつり革を握り、ぼーっとしているときやテレビを見ているときにふっと浮かぶ。
誰かに対するありがとうっていう気持ちだったり、今度出かけたい場所の提案だったり。
しかしそれらは自分の内面にとどまり、外に出て行くことは滅多にない。
私は元来自分の考えや感情を表現することが非常に苦手だ。
苦手というかとても怖い。
その理由はわからない。
それは赤の他人に対してだけでなく、家族や恋人に対してもそうである。
「何を考えているか分からない」
「ほんとうに愛してるの?」
何度この言葉を周りの人から聞いただろうか。
わたしは今まで表現下手は人を攻撃するわけではないし、特段治す必要性も感じてはいなかった。
しかし自分の感情や考えを表現しないことは消極的にジワジワと大切な人たちを困らせているのではないか?
そう思い始めてからは、なんとか自分の内面を打ち破り、外に想いを発露させることを意識してきた。
しかし、なんだか違う。
取って付けたような、教科書通りの表現。
ハウツー本そのまま吐き出しました的な。
表現したい、でも上手く感情を言葉に乗せて届けられない。
そんなもどかしく、歯がゆい思いをなんとかしようと思い、たどり着いたのが、近所のメンタルクリニックだった。
後編へつづく。