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受精から着床まで
テーマ:妊娠・出産
タイトル:妊娠のしくみを知ろう
妊活をはじめて妊娠に向け頑張っていると、色々気になることが出てくることと思います。
からだづくりや体調管理はもちろんのことですが、特に排卵日から次の生理までの期間、今からだの中でどんなことがおこっている時期なのかは知っておきたいですよね!
そこでまずは妊娠のしくみについて知り、いまどの時期にあたるのかを把握できるよう、順を追ってご説明したいと思います。
★受精から着床まで
◆そもそも“妊娠”とは
生理から約14日後(個人差があります)排卵された卵子が排卵から6~8時間以内に精子と出会い、受精できた場合に受精卵となります。
この受精卵は細胞分裂をしながら約7~10日ほどかけて卵管を移動し、子宮に到達してから約2~3日後に子宮内膜へ着床します。この着床がうまくいった場合に、やっと”妊娠”の成立となります。
つまり排卵から”妊娠”成立まで10日~2週間ほどかかることになりますね。
排卵後、受精卵にならなかったり、着床しなかった場合はここで生理となります。
ここからは、各キーワードを掘り下げて行きます。
◆受精とは
射精され、卵子に到達できた精子は卵子の保護膜を通過するため先端から酵素を放出します。卵子の保護膜を通過できた精子が卵子に入り込むと受精卵となります。
受精すると卵子はほかの精子が侵入できないように膜を変質させます。この働きによって、基本的には複数の精子が卵子に侵入できないようになっているのです。
ちなみに産まれてくる赤ちゃんの性別は受精の瞬間に決まっているということをご存知でしょうか?
性別を決めるのは精子で、精液の中には男の子になる精子(Y精子)と女の子になる精子(X精子)が存在し、X,Yどちらの精子が受精するかにより性別が決まります。
産み分けは目当ての精子の性質によって、受精しやすい環境をつくろうとしているのです。
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら卵管を通過し、子宮へ到達した後、着床を目指します。
◆着床とは
着床とは、受精卵が細胞分裂を繰り返し胚(はい)となって子宮内膜の細胞に着地し、周辺の細胞をかきわけ内膜の奥に潜り込み、内膜と物質交換(栄養をもらう等)できる状態になることです。
着床後さらに発育が進んで子宮内膜に絨毛(じゅうもう)という”根”をしっかり張ったような状態になるとHCGというホルモンが分泌されます。このホルモンは尿中にも排出されます。妊娠検査薬は尿中のHCGに反応して妊娠を知らせてくれるのです。
早ければ次の生理が始まる予定日の数日前から検査薬が反応することもあるようですが、確実に検出できる目安は次の生理予定日の1週間後からなのだそうです。
着床後は絨毛が子宮内膜から栄養をとりこみ、胎盤をつくりながら成長します。
ここまでが”妊娠が成立するまで”となりますが、ではそこに至る確率はどの程度なのか、また母体におこる変化についてもご紹介します。
◆着床に至る確率は?
精子の寿命は3~5日、卵子の寿命は約24時間と、非常に短命です。
そして排卵日付近の性交であれば、受精卵になる確率は約80%。
そこから着床に至る確率(=着床率)は約20~30%といわれています。
さらに着床が継続できる確率となると10~20%となってしまうのだそうです。
受精卵になっても子宮以外の臓器に着床してしまった場合は子宮外妊娠と呼ばれる状態となります。
◆着床した場合のからだの変化
着床した胚は細胞分裂を繰り返して成長していきます。
そのころに現れるからだの変化としては以下があります。
着床の際、絨毛が子宮壁へ傷をつける場合があります。
このときに軽い痛みを伴う出血があることがあり、これを着床出血と呼びます。
胸が張る
妊娠初期には様々なホルモンの変化があります。
胸の張りはその中のひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の働きによるものです。
このほかにも
下腹部痛、トイレが近くなる、眠い、だるいなどの変化がみられることがありますが、個人差が大きいようです。
個人差が大きいだけに不安になることも少なくないと思います。
ただでさえホルモンの影響で不安定な妊娠期です。ストレスは大敵!
ひとりで抱え込まないようにしましょう。
周囲や医師に相談しにくい場合は、助産師・保健師に相談するのもよいかもしれませんね。
検査薬も反応しない超初期から体調の変化に気付く方もいらっしゃるようですので、
心当たりのある場合は飲酒・(受動)喫煙はもちろんのこと、薬の服用にも注意が必要です。