絵本「みつあみちゃん」

「みつあみちゃん」
         くみこ(文と絵)  大日本図書  2008年


主人公の女の子は、お母さんに三つ編みをしてもらうのが大好きです。
「みぎから キュッ キュッ。
 ひだりから キュッ キュッ。
 おかあさんと わたしの おと。」
でも、女の子の家にはもうすぐ赤ちゃんが生まれるので、
女の子は複雑な心境です。


幼い「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」は、
赤ちゃんにお母さんをとられそうで不安だったり、
現実にお母さんが忙しくなって寂しかったり、
でもちょっと大きくなった気分が嬉しかったり、
小さな赤ちゃんを可愛く感じたりするでしょう。


そんな不安と期待と成長が、
可愛い絵と優しい文章で描かれます。
ぜひ、「お姉ちゃん」をだっこして読んであげて下さいね。

絵本「バスがきました」

「バスがきました」
         三浦太郎 作 童心社  2007年

バスがきました (とことこえほん)

バスがきました (とことこえほん)

赤ちゃんや小さい子と一緒に楽しめる絵本です。
バス停にバスがやって来る、という「それだけ」なんですが、
そのバス停とバスがとっても楽しい!


「しっぽのある バスていに」
でページを開くと、
「チューチュー ねずみさんの バスがきました」
と、ねずみの乗ったねずみ型のバスがやって来ます。


みみのあるバス停には、うざぎさんのバスが来るし、
長い鼻のバス停には、ぞうさんのバスが来ます。
「わたし」の待っているバス停には、
さあ、どんなバスが来るのかな?


この絵本を読む時は、ぜひ、
お母さんお父さんの「お膝のバス」に乗せてあげてくださいね♪

幼年童話「かわいいこねこをもらってください」

図書館で見つけた幼年童話です。
絵がかわいいのにつられて借りてみました。
最後は、・・・不覚にも、つい泣いてしまいました。

「かわいいこねこをもらってください」
    なりゆきわかこ作 垂石眞子絵 ポプラ社 2007年

2008年夏休みの読書感想文低学年課題図書になっていました。

かわいいこねこをもらってください (ポプラちいさなおはなし)

かわいいこねこをもらってください (ポプラちいさなおはなし)



ちいちゃんはある日の学校の帰り道、
カラスに襲われそうになっていた仔猫を拾いました。
でも、ちいちゃんのおうちはアパートなので、猫は飼えません。
ちいちゃんは、仔猫をもらってくれる人を探すことにしますが・・・。


ちいちゃんは、
家では飼えないという現実を、幼いなりにちゃんと理解して、
仔猫のために一生懸命がんばります。
仔猫がだんだん懐いて、可愛くなればなるほど、
ちいちゃんは、仔猫を手放したくない気持ちと、
仔猫のために飼い主を探してあげなければ、という気持ちとの板挟みになります。
それでも健気にがんばるちいちゃん。
そして、そのがんばりをしっかりと見守るおかあさん。


ちいちゃんの気持ちと成長が丁寧に描かれるので、
読んでいるうちにちいちゃんに思い入れしてしまい、
仔猫との別れのシーンはもらい泣きしてしまいました。
絵もとても優しくて、お話にぴったりです。
5,6歳から小学校2年生くらいまでの子どもたちに、
お母さんのお膝の上で聞かせてあげたいと思いました。

写真絵本「アカメアマガエル」

「アカメアマガエル (いきもの写真絵本館)」 
  ジョイ・カウリー文 ニック・ビショップ写真 ほるぷ出版 2005年

アカメアマガエル (いきもの写真絵本館)

アカメアマガエル (いきもの写真絵本館)


写真がすごくクリア!
だから、色鮮やかなカエルが、それはそれはリアルです。
両生類・ハ虫類が苦手な方は、ちょっと辛いかも。



でも、すこ〜し我慢してページをめくって見ると、
目をつぶって寝ているアマガエルの顔が、とっても間抜けでかわいいし、
パッチリ開いた赤い目も、なんかとぼけている。
吸盤のついたオレンジ色の手のひらは、なかなかキュート。
・・・と、だんだんかわいく見えて来ちゃいました。


文章もユーモアがあって、かつ量が少ないのが嬉しいです。
なにしろ、小さい子どもはカエル好きだから、
気に入って、何度も繰り返し読まされること必至。
どうせ読むなら、こんな絵本がいいな、と思いました。


姉妹編に「パンサーカメレオン」もあります。
こちらも、とってもラブリーです♪

パンサーカメレオン (いきもの写真絵本館)

パンサーカメレオン (いきもの写真絵本館)

絵本「ゆうこのキャベツぼうし」

先日すごく懐かしい絵本を、
思いがけず、図書館の新刊コーナーで見つけました。
「ゆうこのキャベツぼうし」やまわきゆりこ作 福音館 2008年

ゆうこのキャベツぼうし (こどものとも絵本)

ゆうこのキャベツぼうし (こどものとも絵本)

1997年4月1日発行の月刊誌「こどものとも」のハードカバー版です。


畑のおばさんにもらったキャベツを抱えて歩いていたゆうこ。
お日さまが照ってきたので、
キャベツの葉っぱを一枚はがしてぼうしのかわりにかぶりました。


そうやって歩いているうちに、
こくまやこぎつねと次々と会い、
みんなキャベツぼうしを欲しがるので、
一枚ずつキャベツをはがしてみんなでかぶって遊んでいたら、
おおかみがやってきて・・・。


この絵本は次女の大のお気に入りでした。
これを読んだあと、キャベツを買ったとき、
一番外側の、いつもは捨てる葉っぱを
「キャベツぼうしにする?」と次女にかぶせてあげたら、
それはそれは嬉しそうに、でも少しはにかんで、にんまりと笑いました。


次女があまり喜ぶので、
それからしばらく、キャベツを買うたびに
一番外側の葉っぱは、次女の「キャベツぼうし」になりました。


あれは3歳か4歳頃のことだったでしょうか?
その次女も14歳、中学2年になりました。


久しぶりに見かけたこの絵本を、リビングにおいていたところ、
部活から帰った次女がすぐに発見し、
「あ〜!! これっ! 知ってる!!」と大喜び。
さっそく絵本を開いてながめながら、
「あたし、これ好きだったよね〜」としみじみとつぶやきました。

Vol.22 絵本「だっこのえほん」

だっこのえほん
ヒド・ファン・ヘネヒテンさく・え / のざか えつこやく
フレーベル館 (2004.12)
通常2-3日以内に発送します。

タイトルのとおり、動物たちの「だっこ」を描いた絵本です。
どのページを開いても、
幸せな「だっこ」の笑顔が本当に嬉しそう!


ブタさんも、ネコさんも、みんなだっこ。
カメさんや、ハリネズミさんのだっこは、どんなだっこ?
「アヒルのだっこは、くちばしでスリスリ」
なるほど〜。ああ、なんて優しいんでしょ。
動物たちの満足そうな表情を見ていると、
わたしまで幸せな気分になってきます。


もちろん「ぼく」もだっこが大好き。
「ぎゅっ!」としたり、「すりすり」したり、「そっと」したり、
動物たちの真似をして、いろんなだっこをしてみるのも楽しそう。


忙しい時もある、憎たらしい時もある。
でも、「ママもあなたが大好きよ!」の気持ちを込めて、
毎日何回でも「だっこ」をしてあげたい。
だってあと10年したら、なかなかお膝に乗ってくれなくなるし、
15年もしたら、親より背が高くなって、
だっこどころか、滅多に話もしてくれなくなっちゃいます。
「今のうち」ですよ〜♪

Vol.22 絵本「わたしの赤ちゃん」

わたしのあかちゃん
沢口 たまみぶん / 津田 真帆え
福音館書店 (2006.3)
通常24時間以内に発送します。


赤ちゃんが生まれてから四日目までのお話です。
生まれたばかりで紫色の赤ちゃんが、産声を上げて赤くなるところ、
へその緒を切って、おっぱいをくわえるところ、
お母さんに抱っこされて安心して眠るところ、
赤ちゃんとお母さんが、やさしい水彩の絵で描かれます。


小さな生まれたばかりの赤ちゃんの、
そのありのままも可愛らしさ、愛おしさ、
一生懸命に生きる力強さ、命の不思議さ。


『ほわほわと やわらかな かみのけ。
 ほそくても ちゃんと つめの はえた ゆびのさき。
 きのうまで おなかのなかにいた あなたと
 きょうは ならんで ねむります。
 「よく うまれてきてくれたね」』


我が子が生まれた日のことを思いだしました。
わたしの腕の中の小さな命。
他でもないわたしの子として無事に生まれて来てくれたことが、
嬉しくありがたく、命を司る神様に感謝したい、
そして、この子の幸せを祈りたい、という気持ちになりました。


あの日の感動と敬虔な気持ちを、
近ごろは忙しさに追われて忘れ気味かもしれないなあ、とちょっと反省。
この子が何をしてもしなくても、
ただそこにいてくれるだけで幸せ、と思ったはずなのに。


この絵本を読んで、「初心に返ろう」と思いました。