ESP SEV-60
しばらく前になりますが、ボディを良質なアルダー材に変えました。ニトロセルロース塗装の軽いレリック仕上げで結構な金額でした。(笑)
とても良い感じに仕上がったのですが、適当に組んだこっちの方が気に入ってしまったので手放そうと思います。
IBANEZ JEM555 mod FLO III
黄色いJEM JRを手放してとうとう作りました!
詳しくは後日改めて。
CHARVEL CUSTOM SHOP WARREN DEMARTINI SIGNATURE SAN DIMAS
80年代ジェフベックのFLASHを髣髴とさせるインドネシア製ジャクソンのソロイストモデルSL4Xを買おうと思っていたのですが、なぜか有り金の全てつぎ込んでシャーベルカスタムショップのウォーレンモデルを購入してしまいました。
スペックはこちら→http://www.charvel.jp/artistseries/2869171000.html
神田商会の正規輸入品だと新品定価は¥385,000もする高額なギターですが、デジマートでその半額以下という魅力的な値段の中古を発見。普通ならその金額でも高いので見送るところですが、ウォーレン本人が84年頃に使用していたオリジナルにかなり近いペイントの再現具合に血迷いました。
お手ごろ価格のPRO MODをはじめ、今まで見た個体は赤いペイントの垂らし方が一方向だったり、少なかったり多かったり、今ひとつ雰囲気出てないんですよね。
本人の2号機も赤が多すぎていまいち。やっぱりBack For MoreやRound And Roundのビデオのアレが良いわけです。
RATT - Back For More (Official Music Video)
フェンダーカスタムショップと共通のハードケースは生地の継ぎ目のパイピングが青でおしゃれです。中の刺繍ロゴも素敵。
保証書を見ると2014年のモデルでした。初期ロットですね。
この手のギターはフェルナンデスや国産シャーベルで慣れていましたが、さすがUSAカスタム。見た目は同じようでもかなり違います。
まずはギターの命であるネック。
クォーターソーン(柾目)のメイプルワンピース
ワイド(ナット幅44mm弱)ですが、少し厚みがあって指板サイドのエッジを軽く絞り込んだCシェイプ。
80年代当時よりロゴが小さい
ナット幅42mmの標準的なフェンダーストラトキャスターを2ミリほど幅広くしたような感じです。80-90年代の日本製シャーベルやカミカゼやJEMのようなワイドで薄いネックは、手首を前に出す握り込まない速弾きスタイルに向いていますが、シャーベルは握り込むスタイルにしっくりきます。
木部加工は日本製のギターのようにシュっとした形状ではなく、手作業らしいサンディング処理がルーズな感じ。良く言えば角が取れて柔らかい感じです。
つや消しのウレタンクリアによるマットな仕上げは手触りが良いです。本物は塗装なしですが、湿気を吸い込んでネックがねじれたり手垢で黒く汚れてしまうので良い方法ですね。
フレットはジャンボタイプですが、エッジの処理はESPやアイバニーズなど日本製ギターほど丁寧に丸く仕上げられてはいません。
指板のアールは、ナット部で12インチ→エンドで16インチに徐々に緩くなるコンパウンドラジアス。初めての体験ですが、ローコードが押さえやすく、弦高を低めに設定できるのでとても弾きやすいです。(ヴィンテージスタイルのきついアールだとハイポジションのチョーキングで弦がフレットに当たらないようにセットすると弦高が高くなり、フラットに近い指板だと弦高は下げられるがローポジションのセーハがつらくなる)
握った感触がとても良い上に弾きやすいというすばらしいネックです。その上木材がとても良いのか、フレットの取り付け方が良いのか、音が立ち上がるレスポンスがものすごく良い。まるで自分の技量が2割り増しくらい上がったような感覚でピッキングやタッピングでリキまなくてもきれいに音が出ます。
[ここ重要です↓]
USAのギターの良さは75年のフェンダーストラトキャスターや70年代のレスポールカスタムやカールサンドバルのギターで感じたのですが、ネックがしっかりしていて鳴りが良いという点です。工作精度や細部の仕上がりとしては日本製の方が良いのですが、あくまでも工業製品としての評価であって、ギターとして弾いて音を出してみると、やっぱりUSAが良い。使用している木材が違う(産地とか選別とかシーズニング)としか思えないですね。
エレクトリックギターの本場USAには何か特別なマジックがある気がします。
続いては、このギターの一番の魅力であるペイントについて。
左が本物
どうです?赤の垂らし方がちょっと足りないですが、けっこう似ているでしょう?
実はオリジナルと同じ人のペイントなんです。
「DRL. GM. 14」意味は
DRL:ダンローレンス(Dan Lawrence)の会社であるDRL Graphics
GM:グレンマテーゼル(Grenn Matezjel)
14:2014年
ダンとグレンはともに80年代のシャーベル全盛期に在籍していたグラフィックアーティストで、ウォーレンのギターのペイントを担当していたのがグレンです。
ヤングギター1988年5月号より
ダンはシャーベルを退社した後BCリッチに在籍し、やがて独立してDRLグラフィックスを起業し、グレンを迎え入れました。
ちなみにBCリッチでのダンの仕事がこれです。
さらにシャーベルのこのギターもグレンの仕事でした。
ウォーレンのギターのデザインはDRLグラフィックスに権利があるようで、正式に販売できるのはDRLにてペイントをしたものだけとなります。
要するにこのシャーベルのウォーレンシグニチャーはあらゆる意味で「本物」ということです。
以上、気になってネット検索で調べ上げた情報でした。
ちなみにウォレーンのBLOOD SKULL、SWORDS、BOMBERのデザインはシャーベルのほかに、Performance、Wayne Guitars(シャーベルの創始者の工房)、GMW Guitarsなどでも扱っていますが、すべてDRLのペイントです。ただしライセンスの問題でフェンダーヘッドを使用しているのはシャーベルだけになります。
特に私が手に入れた個体はシャーベルが販売を開始した2014年製で初期の製品のためペイントの出来が良いのかもしれません。
[ここからが今回のハイライト]
近くでよく見るとドクロのペイントの書き込みが実に細かいことがわかります。エアブラシではなくペンで細かな線を書き込んでいます。
先の「DRL GM 14」の文字は最初はわからなくて、ドクロの詳細をじっくり見ていて気づいたのですが、さらにネックのひさし部分に隠れるように「RATT」という文字が描かれているのを発見しました。
グレンの遊び心に感心します。
うれしくなってフェイスブックで見つけたDRLのページに「RATTの隠し文字を見つけたよ」と投稿したところ、ダンから驚くべきコメントをもらいました。
「Wow..that's crazy. I've only done that one with the word "RATT" written on the skull. We talked about doing that but just ended up doing the initials. Congratulations on this one..
そいつはすごい! 私はドクロにRATTという文字を入れたギターをその1本だけ作ったんだ。私たちはそれをやろうと言っていたけど、結局最初の1本で止めてしまった。この1本におめでとう」
どうです?!
これ特別な最初の1本なんですよ。もう最高じゃないですか。
無理して買ってよかった。というかたまたま資金がある時に偶然見つけたギターで、普通なら値段の高さに諦めるところだったんですけど、もはや運命だったんですかね。
家宝決定です。
さて後はもう余談みたいなものです。
シャーラーM6ペグ、フロイドローズオリジナル、セイモアダンカンのウォーレンシグニチャーのRTMピックアップと、使用パーツも超一流。バックパネルはアルミ板にヘアライン加工と黒いアルマイト処理を施したもの。
ストラップピンはブラス地そのままのオールドサンディマススタイルでしたが、ドクロのストラップを付けるためにシャーラーのセキュリティロックに交換しました。
RTMピックアップは、SH-4/JBのトーンを少しハイ寄りにして、パワーがありながらも切れ味が鋭くなった感じです。
このギターを手にすると35年前の1984年にトリップしてしまいます。
RATT'N'ROLL !!
6月~9月の活動記録
ブログ更新は止まっていましたが、オールドヘッドのフルスタックx3を実現しても勢いは止まりません。少し遡って記録しておきます。
1月末:相場より安く中古アイバニーズ JEM7VWH購入
2月:能登牡蠣祭り
3月:風呂が壊れ新しく作るためヴィンテージ60sストラトが買えそうなお金が消える
4月:エレクトロヴォイスEVM-12Lを2個売却、セレッションヴィンテージ30を購入
フェルナンデスFR-85S(サスティナー付き)購入
バッカスユニバースの安いテレキャスターに島村ヒストリーの高級なピックアップを搭載
BOSS BCB-60というペダルボードを購入
5月:フェルナンデスのサブマリンモデルの塗装
(1975年の50wハーフタック購入)
6月:バーニーRSG-45にG&Bピックアップを搭載
JEMにコスモブッラックパーツとカーボンアームを取り付けてEVO化完了
ロビンクロスビーのブームが来てフェルナンデスJS-115RCを購入
7月:オールドFANEスピーカーを購入、1962ブルースブレイカーに搭載
8月:外したエレクトロボイス2個売却
JEM JR、エドワーズLPジュニア、フェルナンデスFR売却
9月:カーヴィン レガシーVL100購入
シャーベルUSAカスタムショップウォーレンデマルティーニシグネチャー購入
(これがなかなかのレアギターだった)
まぁ売ったり買ったりけっこうな入れ替えをしていたわけです。
格安でオールド50Wを手に入れた話
以前から言っていましたが、マーシャル集めの最後の目標はオールドの50Wでした。ジェフ・ベック、マイケル・シェンカーが愛用し、リッチー大先生もインロックのレコーディングに使用したといわれる1970年~1976年の間に製造された1987 SUPER LEAD。
中古相場だと程度の悪いものでも最低15万円以上で、そこそこのもので20万円以上はするようです。私はそんな予算はありませんので、いつものとおりヤフオクで自分で直せる程度のジャンク品を探していたところ、ついに出物を発見しました。
1975年製造のハーフスタック、10万8千円スタートの引き取り限定物件です。表面の汚れ、パネルのめくれ、クロスの破れがあり、改造もありますが、一応正常動作するとのこと。場所は神戸ですが、これは落とすしかない!と気合が入ります。予想通り競りあがることもなく、安価で落札できました。
仕事を調整して金曜日に会社を休み、少しでも節約するため高速を通らず6時間かけて神戸まで引き取りに行きましたよ(笑)
朝4時に起きて国道8号線を通り、敦賀から先は良くわからない京都北部山中のワインディング道路を走り、10時過ぎに到着。現地で電源を入れて動作確認をしました。特段ノイズもなく、小ボリュームでジョリンジョリンのマーシャルサウンド。これは期待できます。
(だが非常に汚い)
次の目的地は名古屋。翌日友人とスタジオでマーシャルをチェックするためです。大阪あたりまで下を走り、夕方の渋滞に巻き込まれるのは嫌なので、京都辺りから高速に乗ります。新名神~伊勢湾岸で名古屋入りして、16時ころにホテルに到着。
到着して一休みした後は、ヘッドを部屋に持ち込み、分解チェックです。そのために工具やギターなど持参しました。
まず見た目は非常に汚いのでクリーニングから。ほこりが固着して全体に薄茶色にすすけた感じです。洗剤を吹き付けてぼろ布で拭いてみましたが、凹凸の深いエレファントトーレックスの表皮の溝にこびりついた汚れは落ちません。たわしかブラシでゴシゴシ洗わないとダメそうなので断念。
バックパネルを開けてシャーシを取り出します。
グランドスイッチの付いた3ピン仕様です。電圧切り替えのないUS仕様でインピーダンスセレクターの樹脂カバーが欠損して差込金具だけはめ込んでありました。センドリターンが増設されています。箱の内側上部には冷却ファンが付いていましたが、100Wの1959と違い通気口がないのでほとんど効果は無さそうです。
シャーシや部品には厚く埃が堆積していましたが、めっきの劣化やトランスのさびありません。プリ管はGroove Tubeの12AX7です。パワー管の印字が消えていますが、細部の形状がSIEMENSに酷似しています。
インスペクションシートもきれい。JAPAN BASS って書いているように見えるが...
シャーシ内部は非常にきれいでした。センドリターンもきれいな作業です。カップリングのキャパシタはマスタードではなくキャラメルのような樹脂成形のものです。
ホテルの歯ブラシで埃を軽く落としましたが、しっかり汚れを落としてやればかなりの上玉になりそう。
パネルのめくれを修正し、シャーシを箱に戻してニヤニヤ眺めていましたが、音を出したい誘惑に負けて、台車を借りてキャビネットも部屋に持ち込みます(笑)
(実は使用後に車に積み込むところを時間を逆に載せました。キャスター付いてないんだよ...)
グリルは75年前後のみに見られるスモールチエック。74年ころまでのラージチェックより格子の間隔が狭いのです。そして無残に削れて2個だけ残ったキャスターベースはブロンズアルマイト処理のアルミ鋳造品です。
当然キャビも開けます。スピーカーは75年製造のG12M-25で、磁石のカバーが黒いブラックバック。私が最初に手に入れたオールドスタックと同じです。
さてTHDのアッテネータをつないでセットアップ。いよいよ音出しです。
夕方の18時ころで周りの部屋に人はいなさそうですが、TVの音量程度で鳴らしました。
う~ん、バリバリ元気ですね。
翌日のスタジオの報告はまたの機会に。