売上かミッションか?という話
独立して、そして農ホリをたちあげて4ヶ月がたちまだまだなことばかりですが、会員さんの数も増え、農ホリを受け入れてくださる農家さんも増えてきていて嬉しい限りです。
最近ではJ-WAVE 81.3FM「-JK RADIO- TOKYO UNITED」さんに出演する機会を頂き、antennaさんにも取り上げて頂きました。また明日発売の「農業ビジネスマガジン」さんにも農ホリを掲載して頂きました。
ここまで(とは言え全然まだなのですが)地道にコツコツやってきて、こういうかたちで取り上げて頂き本当に感謝です。
ところで今回書こうと思ったのは売上かミッションか?という本来ならミッションを達成することで売上があがるというものなのですが、今日はそれについて書こうかなと思います。
そもそもミッションってなに?
企業戦略論のジョイ・B・バーニーさんによれば
企業のミッション(mission)とは、
その企業の根本的な目的と長期目標のことである。
とのことらしいです。ミッションは「その会社が存在する目的」と自分は捉えています。ちなみにEducoのミッションは「農業の価値を引き出し、伝え、変えていく」ということをミッションに掲げています。
Educoではこれが最も大事にするものであり、何かサービスを作り出すときや契約1つにしてもこれに合っているか、反しているか、関係ないか?を真剣に考えるようにしています。
つまり会社に関係して起こる全ての出来事の判断基準と言って良いでしょう。
会社という組織に属している以上はこのミッションに反していれば悪であり、逆に言えばこのミッションに沿っていればそれは正義です。もちろん自分は会社を経営し、このミッションを達成するために会社をやっているので自分自身が属しているという言い方は語弊があるかもしれませんが、自分自身がこのミッションに反した決断をしないようにしています。
このミッションは社内の共通認識のようなもので、関わる人全員がこれに向かって歩いていないといけないし、これから人数が増えた時にも同じ方向を見ているようにするのが自分の役割だと思っています。
あと少しずれますが、学生さんが自分に合う会社、合わない会社とか言いますがその1つにこの会社のミッションが自分の目指す先(大袈裟に言えばその人の人生ミッション)と近い、似ている、同じ方向性であるかないか?なのかなとここ最近思っています。
ミッションと売上ってなんでその話になるの?
ミッションは会社が存在する理由というこだとすれば、そのミッションに向かって経営活動をしていれば売上が自然と追いついてくるわけです。
だから普通に考えたらわざわざミッションだの、売上だのを考えなくても良いのですが、実際仕事をしていると目の前に「儲かりそうだけどミッションに反するもの」が出てくることがあるんです。
これ絶対にあると思うんです。
これって禁断の果実というか麻薬というか、人間って結局弱い生き物だとも思っているので一度甘い汁を吸うと抜け出せなくなるんですよね。目の前にお金になる話があって、それに乗っかって少しでもお金が入ってくれば抜け出せなくなる・・ということはあると思います。特にスタートしたばかりの会社ほど明日を生き抜くお金が欲しいですから目の前のそういう話に飛びつきたくなります。
しかしそれは中長期的に見たら絶対にマイナスなことだと思っているので、絶対にミッションに反するようなビジネス、仮にそれが成功率90%のビジネスだとしてもやりません。
特にスタートしたばかりの会社って実績もない、金もない、人もいない、何もない状態で持っているのは「想い」だけ。そんなときにこの「想い」すなわちミッションを裏切るようなことをしていたら本当にただの全裸野郎になってしまいます。
もちろんスタートアップだからミッションが大事で成長したら忘れても良いよね?ってことはなく生涯それを追求することが大事です。
それでここまでちょっと熱く話したのですが、特に先輩経営者からしたら「甘い」という部分があると思います。それは「とは言え売上って大事でしょ?」という話です。
ミッションを優先させることは最重要ですがやっぱ売上も大事なんです。
だから徹底して悩むわけです。ミッションも大事だけど売上を立てられない会社はもはや会社でも何でもないわけで・・・
じゃあ、どうんすんのさ?
ミッションは大事で、売上も大事で・・・という話の時にすごく悩むのですが、理想を言えば「ミッションに合っていて売上を立てる」ことです。
そのため仕事の話の時は最大限それを両立できるよう細かな【軌道修正】を繰り返しています。ものごとを細かく分解していけばいくつかの要素に分かれるので
・ここは絶対に譲れない
・ここはある程度まで許容しても問題ない
というようになってくるので、ちょっとずつこんなことを繰り返しています。
例えばなんですが、
最近うちにめっちゃコミットしてくれている「劉」という者がいます。
劉はうちのミッションや考えに共感してくれてコミットしてくれている頼もしいパートナーです。普段彼はオフィスにほとんどいないのでメッセージや電話でやり取りをするのですが、電話はたぶん1日3〜5回はしてて業務連絡的なことも多いのですが、この【軌道修正】がほとんどだと思います。
・Educoの立場としてその条件は飲めないので〇〇にして欲しい
・そこは〇〇ということでなければ農家さんにとってメリットない
というような感じです。私も劉も言葉を荒げるタイプではないのですがやりとりはたまにバチバチなときもあります。
そして私も劉もミッションに関わることは相手が目上、お客さんであってもしっかり言います。もしかしたら、向こうの言うことに【YES】と言ってしまえば直ぐに済むことかもしれませんが、ミッションに反していれば【NO】なのでそこはきちんとしています。
不器用なのかもしれないな〜と個人的には思っているところもありますが、劉には「だからこそ人を惹きつける」と励まされながら頑張っています。
ところで劉は今までいくつも事業を手がけ、キレ者で器用な人なのでビジネスセンス、経験は自分より格段に高いです。ただ農業に対する思いだけは負けていないですし、負けるはずがないと思っているのでそこはうまく協力しながらできているのかな?と思っています。
結論、ぶれないミッションがぶれない判断を生み、ビジネスを軌道修正していく。
です。
独立するならベンチャーに行った方が良いよって話
月に1度のブログ更新のときが来ました。
月1以下の下方修正は絶対にしないと決めているので今月もこうしてブログを書けてよかったな思っています。
おかげさまで農ホリも会員、登録農家さんがともに増えてきていて自分たちの中でも試行錯誤をしながらそれなりに回り始めたなという感じです。
最近メンバーも増えて2名のインターンが参加してくれています。1人は前職のH塚君の後輩でM田君、もう1人は農ホリに登録して畑に行く前にオフィスに来てそのままインターンをすることになったU田さん。2人とも優秀です。
また外部相談役としてR宇陽さんも毎週朝から時間を取ってくれて、ビジネスのアドバイスや人の紹介、多方面で支えてくれていています。
それでとあるNPO団体の活動にも携わらせて頂くようになり、おかげで土日も出勤となり週7勤務で休みがなくなりましたが毎日充実して楽しくやっています。そもそも仕事が楽しいので別に苦にもならないです。
元々身体がめちゃくちゃ丈夫ということもなく今年27歳ですが今までに手術も2回していて入院も数回していて、今の立場で自分が入院とかしたら会社マジでやばいなと思って、そろそろ疲労やばいかなと思ったら休むようにしています。
そんな感じの毎日ですが、前職がベンチャー企業でそこそこハードに仕事をしていたのでそれに慣れていて今の感じも全然大丈夫ですという感じです。
ここで本題なのですが、まだ自分も独立して数ヶ月という立場ですが、ファーストキャリがベンチャーで良かったなと思うことをつらつらと書いていこうと思います。
DeNAの南場さんが
アメリカでは超一流の学生は卒業と同時に起業し、一流の学生はベンチャー企業に行き起業の準備をする、そうでない学生はよく分からん大企業に行く。
なぜか日本の一流の学生は大企業に行ってしまう。
ということを言っていたということを代表が言っていたのを覚えています。
(原文が見つからなかったので若干言葉は違うと思います。)
自分が該当するのは、
アメリカでは超一流の学生は卒業と同時に起業し、一流の学生はベンチャー企業に行き起業の準備をする、そうでない学生はよく分からん大企業に行く
この赤い部分なんでけど、でもなぜ起業するならベンチャーなのか?までは当時良くわかっていなかったのですが最近その意味がよく分かるようになりました。
それはベンチャー企業に行くと「当たり前の基準が高次元で形成される」ということです。(自分は一流の学生ではなかったので一流の部分は赤くしていません。一流ではなくただのアホでした)
どういうことかと言うと、少し分解すると
①働く体力
②責任の所在
③仕事の負荷
かなと思っています。
1個ずつ思っていることを書いていきます。
①働く体力
自分で会社をやると基本的に全部自分でやらないといけないんですね。幸いにも自分はもう1人の共同代表がいるので分散はできていますが基本は自分でやります。とりあえずやることは多いので帰りが遅くなるとか休みがなくなるとか・・・です。
労働時間は前職の月末納品前が続いているくらいかな?という程度です。
単純に労働時間という面でみたらベンチャーで仕事していたときとそこまで大きく変わらないので別に今がキツイかというとそんなことはなくむしろ慣れです。
幸いにも最初の会社でこんな感じでやってきたので、今もその面では全然苦労していないです。しかしもし自分が最初9-18時くらいの会社で残業してもせいぜい21時までくらいの会社だったら耐えられなかっただろうなと思います。
以前誰かに「長時間働いて効率落ちそう、長時間働くのと短時間で効率的に仕事するのどっちが良いですか?」と聞かれたことがあるのですがなぜこの両極端な2択をさせるのだろうか?と逆に質問を返したくなったことがあります。
個人的には「効率的に長時間働く」が正解だと思っています。なぜならそのほうが成果を出せるからです。昔読んだビジョナリー・カンパニーに「企業は右を向きながら左を向くというような戦略をとることがある。orでなくandの思考」的なことが書いてあったと記憶しています。これも極端な意見かもしれないですが、長時間or効率的ではなく長時間and効率的が正解だと思いますし、こういう当たり前感を最初のキャリアで自分の中に形成できたのは大きな財産だと思います。
②責任の所在
責任の所在という格好良い言葉を使ってみましたが、そこまでヘビーな話ではなくて、ベンチャーは人材も潤沢なわけでもないですし、細かに職種が分業化されているわけでもないので、なんやかんや自分でやらないといけないことが多いです。要は自分がやらなければ誰がやるんや?みたいな感じです。
それで自分で会社やればそれがもっと顕著になります。今まで会社の誰かがやってくれていたことも自分でやらないといけなくなります。
だからベンチャーのように「自分がやらないと誰がやるんや?」みたいな感じで状況にいると否応がなく自分でやる癖がつくのでそれは良い癖だなと思います。
③仕事の負荷
これは②とも近いのですが、ベンチャーにいると仕事が雨のように降ってきます。時折台風です。こいつはやべーなと思うときもたまにありますが、やばいとか思ってもやらないといけないので結局やることになります。
こういうのを経験するとすごく成長するんですね。
全力でストレッチしてできるかできないかくらいの仕事をこなすとやっぱ一気に伸びます。筋トレと一緒で負荷をかけるから筋肉がつくわけですね。ただ筋トレって徐々に負荷をかけていき、少しずつ筋肉をつけていくらしいです(正直正しい筋トレ論は知りません)。ですがベンチャーは徐々に成長とか待っていられないので一気にフルパワーの負荷をかけるんですね。だから一気に伸びんですよ。
y=ax+bとかじゃなくて極端なはなしy=ax^2みたいな感じです。
それで自分で会社やると仕事が降ってくる(というとマジで有り難いんですけど)、やることは山のように降ってくるんですね。でもこの時にストレッチしたらできるでしょ?的な経験もあるので結構落ち着いて対処もできるし、優先順位もつけるのがうまくなっている。
だからそいう経験って今も生きているな〜と思います。
まとめると将来起業したいならベンチャー企業に行くほうが良いよと思います。
ただベンチャーに行かなくても優秀な人はたくさんいるので、結局はそこで自分が何をするか?という話ですが、整っている会社ほどそれは自分で見つけて自己努力しないといけないです。が、ベンチャーなら勝手にその環境に自分を置けるので、思い切りストレッチをしたい人はベンチャーに行ったら良いんじゃないかな?と思います。
現場に行って分かった農家さんの課題感
独立して約1ヶ月たちます。
当初このブログも気合を入れて週1で更新しようと思っていましたがついつい更新を怠り前回ブログを書いて1ヶ月くらいたってしまったのでこの際このブログは月1更新するものとする!というルールに勝手に変更しようと思います。
この1ヶ月は農ホリをしっかりサービスとして整える1ヶ月で、自分自身農家さんのところに行って農作業を結構やりような毎日でしたが、ありがたいことに色々な方からのご支援もあり、農ホリも少しずつですが会員さんも増え、農家さんも増えてきました。
本当にありがたいなと思うのが過去何らかのかたちでお付き合いさせて頂いた方に色々と支援をしていただきました。特に農家さん!農家さんも本当に温かい方ばかりです。
たぶん農業に携わっている人に悪い人はいないんじゃないかと思うくらい良い人ばかりで、結婚するなら農家出身の人と結婚したら絶対に大切にしてくれるだろうと勝手に思っています。
それで農家さんって本当にずっと働いているんですね。
自分も前職はベンチャー企業にいたので働く量で言えば結構負けていない感あったんですけど農家さんもすごい働いているんです。
雨が降らない限り休みがないという農家さんもいれば、朝4時から作業を開始している農家さんもいて本当に頭がさがります。
そして農業に対するこだわりや技術もすごくて、動き1つ、ただモノを動かすだけでも体の使い方が全然違ったり、摘果もよくよく見ないと見分けのつかないわずかな差を一瞬で見分けたりと本当にすごいです。
そこで思うのが農家さんのこうした働きぶりや技術力の高さとかが実はあまり知られていないし、むしろ「農家さんって田舎でのんびり悠々自適ですよね。憧れます」みたいな誤解までされていて、いやいやいやいやそれは違うし、勘違いだし、むしろそんな農家さんが尊敬されたり、憧れられたりしていない今の状況というものにもどかしさを覚えています。
今回はここまで農家さんと色々話をしてきたり、実際に農家さんのところに行ったりして得た「現場感」から分かったことから少しでも農業に興味のある人に向けて【農家さんの課題感】的なものを少しまとめてみようと思います。
農家さんの課題
①農業と農家の課題は違う
農業の課題というとだいたい「TPP」「耕作放棄地」「残留農薬」「放射線」・・・とか色々課題が山積されていますし、ニュースや新聞でもこの辺については結構取り上げられているのでなんとなくイメージできると思います。
それなのでこの農業の課題を解決しよう!というのはあるべき姿というか、自分自身もそこをテーマに起業しているので完全にAgreeなのですが、実際農家さんに話を聞きに行くと実はこの課題よりももっと重要な課題があります。
それは「人手不足」です。どこの農家さんに行ってもこの課題は絶対にできていて、TPPで関税云々の前に目の前にある農作業をどうやりぬくか?これが最大の課題になっています。
それなのでもちろん今後の農業をより良い産業にするために、
・海外作物に負けないように、逆に海外への輸出販路を整備しよう
・農業の流通の仕組みを変えよう
・新しい技術を導入して安定生産できるようにしよう
と新しいアイデアや新規参入のプレイヤーが出てくることは絶対良いことだと思いますし、我々Educoもそういった会社の1つです。ただこれは農業界の課題解決で必ずしも農家さんの課題解決と一致するばかりではないよ?ということは念頭に置いておく必要があると思います。それなので農業界の主体はなんといっても農家さんですから、農家さんの課題感を無視することはできないですし、そうあってはならないと感じています。
②「人手不足」は大きな課題
先ほど触れた人手不足ですが、この問題に少しフォーカスしてみます。
少し背景から話をすると、農業には忙しい時期と、比較的忙しくない端境期というものがあります。要は忙しい時期は猫の手も借りたいくらいの忙しさだが、端境期は自分だけでなんとかなるというように単純に必要なマンパワーに相当の差があるというものです。
もちろんハウス栽培とか多品種栽培でうまくやれば通年忙しいということもあるのですが、単品目でやられている農家さんにこの傾向は強くあります。
そういった背景があって通年して人を雇用することが難しいということがあります。
そのため忙しい時期だけピンポイントで人を雇用しようと思って募集をかけますが、地域ごとに作物が似ているため地域間でアルバイトの取り合いとかになって結局アルバイト募集も難しいという感じです。
そこで出てくるのがシルバーボランティアとかシルバー人材です。
この前農家さんから「そりゃそうだよね!」と思う話を聞いたのですが、
「いつも来てくれていたシルバーさんが今年は腰が痛くて来れないみたい・・・」と!確かに!農家さんも年を取ればシルバーさんだって年取って無理になりますよね・・・とかシルバーさんも定年退職まで普通にサラリーマンをやっていた方が多く、プライドもあるので農家さんに指示されるのに腹が立って、喧嘩して・・・ということも聞きました。(これは個別に聞いた話なので全てがそうではなく、一部の話でしょうけど)
そういったこともありなんやかんや人出が足りないという状況があります。だから農家さんは休み無しで朝早くから夜遅くまで働かれるんですよね。
③昼めっちゃ営業来る
農家さんは朝から晩まで仕事して、昼もかき込むように食べて畑に戻る・・・なんて生活をしている農家さんもいますが、そのお昼を狙って色んな会社が営業に来ます。お願いだからお昼は静かに食べさせて!というのが本音だと思います。
④海に行ってないのに焼ける
毎日外で農作業をしているとやっぱり肌が焼けます。私も農ホリに週末行くのですがこの時期では早いくらいに腕が黒くなり、このブログを書いている今も左腕の肘あたりの皮がボロボロむけています。そのため「陸上サーファー」と呼ばれることもあるそうです。
ここまでざっと現場で出てくる課題感的なものを簡単にまとめたのですが、結局何が言いたいかというと、農業の課題と農家さんの課題って少し違っていて、机上で集めたデータとか分析を元に農家さんにこうしましょう!そうしましょう!というよりも先ずは畑に行って現場を知ることのほうがよっぽど大切ですし、是非そんな現場を知ってもらいたいなと思っています。ただ、とは言えお昼は貴重な時間ですので無理に行かない、電話しないというのも大事です。
ここまで現場の課題感ばかり言ってきましたが、農家ってすごく魅力的な職業だと思います。今までコンタクトしてきた農家さんが素敵だったというのもあるかもしれませんがすごく格好良いなというのを思っていて、今度ブログを書くときは農家さんの格好良い面とかをまとめたいなと思います。
(月1更新をルールにしたので6月くらいになるかと・・・)
なぜ農業で会社をやろうと思ったのか?
はじめに
はじめまして株式会社Educoの羽田野と申します。
2016年の3月末までナイル株式会社(旧ヴォラーレ)にいたのでまだ口が慣れておらず電話など出るときには思わず「ナイ・・株式会社Educoです」と言ってしまいます。
まだまだ会社経営者としてはおろかビジネスマンとしても未熟な私ですが、今後のEducoのことや農業のこと、たまに自分のことをブログで書いていこうと思いますのでよろしくお願いします。
今回はブログ初めての投稿なのでなぜ農業に興味をもってEducoという会社を始めたのか?そのへんのことを書いていきたいと思います。
生い立ち
「なぜ農業なんですか?」一番聞かれる質問がこれです。
先ずはここから私のバックグラウンドと合わせて説明していきます。
出身は静岡県の浜松市というところでホンダ、スズキ、ヤマハ、カワイなどの会社があり工業の盛んな街でした。友人のお父さんの多くは先ほど上げた会社かその関連企業に勤めていることが多かったのですが、私の父はそれら企業とは全く関係なく、住宅展示場の管理会社とエクステリアのデザイン・施工会社を経営していました。
父は趣味程度ではあったのですが華道の先生もやっていて毎週木曜日は仕事が終わったら華道教室を開き残った花を家に持ってきていけるというような姿を見て育ってきました。
また父はエクステリアのデザイン・施工会社も経営していたので本人自体がガーデニング好きで季節ごとに庭の花を植え替え、それを一緒にやっていた記憶があります。ガーデニングには飽きたらず家の裏に猫のひたい程の畑を借り家庭菜園もやっていて夏になると帰宅するや否や水やりと収穫というような父の背中を見て育ってきました。
そういった背景もあり周りの友人が車や機会に興味を持つなか自分は花とか野菜とか植物とかに興味を持つことが自然な流れだったのかもしれません。
加えて母方の実家が農家でナシ、ミカン、ジャガイモを栽培していて私も幼い頃から畑で遊び、畑を手伝い、畑でいたずらして怒られるような環境だったためそもそも農業というものがすぐ近くにあり、農業と一緒に育ってきたというような気がします。
農業を志す出来事
ここから一気に大学院の修士1年に話が飛びます。
幼少期から大学4年までの何かしらあったのですが農業にはあまり関係のある出来事はあまりないので今回は飛ばします。
大学院まで行って何をしていたかと言うと草の研究をしていました。なぜ草か?とも言われるので、ここだけ少し説明をしておきます。
草に興味をもったのは私の恩師である根本先生の講義を受けたことがきっかけです。そもそも草など勝手に生えてくるし、野菜や花にとって邪魔な存在としか思っていませんでした。しかし講義の内容はこうです「草は土、気温、光など様々な環境によって住み分けを行い非常に戦略的に生存している」と。勝手に生えてくる草が戦略的かつ、それぞれの事象をすべてグラフとか数字で説明できることに興味を持ちわざわざ大学院まで行って草の研究をしていたのです。
草の研究もそれなりにまとめて学会に出したのでどっかのタイミングで紹介したいと思います。
ただ草の研究に集中していたのですが修士1年の秋、祖父母が年齢的なこともあり農家を引退することとなりました。東京にいた私はその連絡を受けその時は特に何も思わず「そうか~仕方ないね」くらいの感じでいました。その連絡を受けその時はなんとも思わなかったのですが、正月に祖父母の家に行くと幼少期遊んでいた畑が更地になり駐車場にする準備が着々と進んでいました。
これは正直ショックでした。そしてその時思ったのです
「東大の農学部といえば確かに農学部としては最高位だろう?そこで最先端の研究をしていながら身近な人の畑の1つも守れないのか?これは俺が日本の農業をなんとかしないといかん!!」という大きな勘違いをするのです。こんなことを真顔で言っているやつがいたら頭湧いているかと思われるかもしれませんが今もこれは本気で思って(勘違い)しています。
そこから
そこから農業をなんとかしたいな?と思いつつも結局何をするんだ?と色々考えるようになりました。
色々考えたのですが、祖父母の土地が駐車場になったのは結局担い手がいなかったということです。(私が継がなかったのはここでは棚に上げます)ではなぜ担い手がいなかったか?理由は様々あるのですが、最大の理由は「作業が大変な割に儲からない」ということだと考えが至るようになりました。
もし農家という職業がめちゃくちゃ稼げる職業だったらどうでしょうか?
祖父母の畑は誰かが継ぐか、そうでなくても駐車場にはならず畑として維持されたのではないでしょうか?
しかし農業という産業は儲からない、正確には儲かりにくい産業構造になっていることが問題となります。だから農業がもっと儲かるような産業に変われば、農業という産業が魅力的な産業となり、あこがれの職業になるのでは?と考えたのです。
現在は農業を継ぐ人は減っていて、農家の出身でも東京とか大阪とか都心部に出て農業とは全く関係ない仕事をしています。更に農家も自分の子供には農業以外の仕事をしなさいと言い出す始末です。
しかし、極端な例ですが、東京のそこそこの大学を出て、そこそこの企業に入って、年収が1000万円くらい。もしくは実家の農家を継いだら年収3000万円・・・というような状態であったとしたら?収入面だけで仕事を決めるわけではありませんが、農業をついで3,000万円というようなことがあれば、農業をやろう!やりたい!と思う後継者や新規就農者も出てくるはずです。
これが私の農業をなんとかしようと思った出来事とそれから考えたことです。
じゃあどうする?
そうは言うもののこれからどうするの?と色々考えました。
最初は外資コンサルに行って経営的なスキルを身につけよう(←浅はかな考え)、官僚になって制度から変えていこう(←これも浅はか)と考えたのですが結論はこうです。
どこの組織に入ったしても本当に自分の思い描くように農業を変えていくことができないのではないか?と。それならいっそのこと会社を立ち上げ変えていこう!と思ったのです。
そこで卒業したらすぐに起業して「おらーーー」ってやることも考えたのですが、正直言えばひよって先ずは必要なスキルがいち早く身につくベンチャー企業に入ろうと思ったのです。
私の就活の軸は
①優秀な人材がいること
②早くからチャンスがあること
ということで考えていました。そのためできれば50人以下くらいで農業とか関係ないWeb、もしくはIT系の会社と決めて就活をしていました。
そんな中であったのはナイル株式会社(当時はヴォラーレ)です。当時人数は50人程度でしたが、ヴォラーレにはピカピカの人材がいて優秀も優秀、超優秀層の集まる会社でした。ここで揉まれれば絶対強くなる!そう確信し、内定から2秒で内定を受けました。
内定をもらった経緯もちょっと特殊で高橋代表(こんな呼び方したことないやw)とランチをして将来の農業のことを熱く語り、最後に「お前内定!」「はい!がんばります!」と決まったと記憶しています。
しかし最初から将来農業系で独立すると伝えていたのですがそれでも内定を出してくれた代表(普段はこう呼んでいます)とナイルの懐の深さには本当に感謝しています。
ナイルでは多くを学びました。入社前にあるプロジェクトのリーダーにして頂いたり、Webマーケの基礎、社会人としての基礎、マネジメント、営業などを経験させていただいたり・・とめちゃくちゃ凝縮した2年間だったと思います。
今はナイルも100人を超え海外展開もする会社になっていて、自分が入った時以上にピッカピカの人材が集まる会社になっていますし、今自分が18卒とかとして受けたら落ちるだろ?みたいなことを本気で思っています。
ナイルを2年で辞め、みなさんには卒業と言っていただきましたが正確には中退に近いかもしれません。それでも送り出してくれたナイルのみなさんには本当に感謝しています。そしてナイル出身としてなんとしても成功しないといかんなとも思っています。
と、後半はナイルへのお礼になってしまいましたが、農業を志したのは幼少期の体験と修士のときにあった出来事がきっかけで、自ら会社を立ち上げることとなりました。まだまだEducoは赤子も赤子、へその緒も切れていない助産師に取り上げられた瞬間くらいの会社ですがこれからしっかりと一歩一歩やっていきたいと思います。