キュウリ

「採れすぎて。どうせ捨てちゃうから」
お客さんからキュウリを10本いもらった。

キュウリを前に妻と2人。
「けっこう多いな」
「多いね」

味噌塊を乗せた白皿へ、氷水でキュッと冷やしたキュウリの、鮮やかな緑を雑に盛り付ける。
このシンプルなコントラストは、いつ見ても素晴らしい。

ポリッ。

味噌の香りと青臭さが口じゅうに広がる。


夕暮れのカーテンのふくらみ
ずっと鳴きつづける水田のカエル。
ボリボリしゃくしゃくと無言でかじりつく。

もうこんなの、未来じゃ無理なんだよな。