先日『オリンピックeスポーツシリーズ』というイベントに参加して、改めて見えてきて考えた事の備忘録を書いておこうと思う。
結論なんてものは無く、ただただ最近あった事と考えた事のまとめである。
一体何のゲームが『eスポーツ』なのか?について考察していく事にする。
もくじ
①一般論としての『eスポーツ』とは何なのか。
②教育的価値としての『eスポーツ』
③オリンピック競技としての『eスポーツ』
④ゲーム会社が提唱する『eスポーツ』
⑤『eスポーツ』とはどういうゲームになっていくのか?
⑥「ご当地eスポーツ」という概念
⑦「生涯eスポーツ」あるいは「障がい者eスポーツ」という取り組み
①一般論として『eスポーツ』とは何なのか
『ゲーム』のことを突然『eスポーツ』と呼び始めたのは色々な思惑があるだろうが、一般のゲーマーに「eスポーツとは何なのか」と問いかけたらほぼ間違いなく以下のように返ってくるように思う。
「〇〇等の流行ってるゲームがeスポーツだ」
「〇〇等のプロリーグがあるゲームがeスポーツだ」
大多数を占める一般的な消費者目線で言えば、大体「お金が稼げる可能性のある物事が価値ある物事である」≒「注目を浴びる事が出来る物事が価値のある物事である」という結論になってしまう。
教育的価値やらいくらでも後付けは可能だが、一般的な消費者の観点では本当に「価値といえば金銭」という視点しか無い。
掘っていけば、価値は非常に多様である故にその変換を担う中間体である金銭のみが一般大衆の共通の価値に対する判断基準となる。
競技の面白さや様々な価値に気付いている人は「いや~」「でも~」と否定しがちであるが、そもそも大衆はそこに興味が無いから金銭的価値観でしか語れないのだ。
なので大前提としてこの意見は正しい。
②教育的価値としての『eスポーツ』
さて、「eスポーツ」という言葉を扱う界隈を制限してみよう。
例えば学校においてeスポーツ部を運営しなければならない場合、どういう視点が必要だろうか?
それこそ、先程一般大衆に切り捨てられた「教育的価値」に重きを置く必要がある。
そもそも「教育的価値」が見出されない部活動は学校において無価値であり、採用される事は無いからだ。
では「教育的価値」とは何か?
既に高校でeスポーツ部の顧問として取り組まれている方が考察されたnoteに教育現場での教育的価値の考え方が書かれている。
note.com
>教育機関からすると、1人で黙々とやるゲームよりも仲間との協調性が重視されるタイトルの方が教育的意義を見いだしやすいのでソロ不可はむしろありがたかったりする。
>後者については両大会とも、かつては文部科学省や市教委が後援に入っていた。(STAGE:0は2022まで。2023年から外れている)
>どこの誰がやってるか分からない野良大会では教育活動として参加しにくいが、文科省が後援しているなら話は別だ。
まず第一にチームとして協調して同じ目標を目指すという行為に一般的な「教育的価値」が見出されている。
高校生向けのeスポーツとして選ばれている『Rocket League』や『Varolant』あるいは『League of Legends』等は3vs3だったり5vs5だったりでその条件を満たしており、求められる「教育的価値」にある程度合致したコンテンツであると言える。(民度は知らんけども)
では「教育的価値」を見出せないとされる1vs1の競技は部活動として認められていないかというとそうではない。
例えば剣道や柔道等のどこにに教育的価値は見出されないかと言われると、こちらは「礼儀・礼節」を養うという方向で「教育的価値」は見出されている。
仮に1vs1のeスポーツを高校の部活で取り扱うとすれば、この部分の「教育的価値」を付与しない事には採用は難しいだろう。
私個人としてはこの部分をしっかり根付かせていく事で1vs1のeスポーツにおいても「教育的価値」の醸成を図るべきだと考えており、私を育ててくれたゲームコミュニティへの恩返しであると考えているため積極的に取り組んでいる。
試合開始の際は気持ちを高め合い、試合終了の際にはしっかりと健闘を称えあう文化を根付かせたい。
そして重要なのは支援者である。
まず大前提となるのは、反社会的な勢力が協賛しているイベントに学校の生徒を出す事はありえないだろう。
もっと言えば反社会勢力が関連するか調査するのにコストがかかるようなイベントでも問題である。
結局のところ、学校という組織の最も上の組織は文部科学省であり、ここが責任を持って協賛いただけると、安全性に加えて「教育的価値」がお墨付きという事になる。
www.mext.go.jp
また各都道府県毎の教育委員会でも同様だ。
www.mext.go.jp
ただし、上位組織は文科省なので、結局は文科省と上手くやっていくというのが一つの課題となるだろう。
そして大会を開催していくにはスポンサーが必要になってくる。
後述するゲームを発売している企業が行う場合であれば販促を目的としたスキームを組めると考えられるが、国内で上手くやっているのはスプラトゥーン甲子園やポケモンWCSを主催している任天堂や、ワールドツアーを開催している格闘ゲームメーカーくらいだろうか
先日開催されたポケモンWCSは横浜の街中を彩り、街をあげた観光施策として大成功を収めていた。
ポケモンという超強力コンテンツパワーの為せる技だとは思うが、経済とeスポーツとの融合の形としては一つの理想像であると考えている。
note.com
しかし、当然全てのコンテンツにポケモンのような土壌があるわけではない。
観客動員や宣伝等で黒字が見込まれるならばスポンサーは引く手数多だろうが、サッカーですら苦労している現状、ほぼ慈善事業で回っているのが現状である。
ファミリーコンピューターが発売されてから40年が経ち、経営判断する層にも元ゲーマーが増えてきている世の中ではあるが、余程体力がある企業でもないと投資する判断に至らないだろう。
そういった慈善事業を支えるのは大体税金による補助金となる。
経済産業省は一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)を窓口としてかなり大規模に支援してきた跡が見える。
2018年こそが真の「eスポーツ元年」であるという謎の報告書が多数存在するが、まぁその報告書を書くためにも本当に多数の施策を実施してきている。
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/030486.pdf
恐らく後援として経産省、内閣府等が登場する(していた)「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」
jesu.or.jp
文部科学省が後援として登場する(していた)「stage0」
stage0.jp
同じく文部科学省が後援として登場する(していた)「全国高校eスポーツ選手権」
www.ajhs-esports.jp
あたりが若年層を狙った施策だろうが、どこもそろそろ息切れという雰囲気が出てきている。
「全国高校eスポーツ選手権」に関しては今年の第5回で終了するようだ。
どの大会においても、春・夏の甲子園大会や、高校生クイズのような形態を目指しているような雰囲気がある。
まだ大会が産まれては淘汰されていって、新たな『定番』が産まれる土壌を作っている最中のように見えるので、どういった形に落ち着くか観察し続けたいと思う。
③オリンピック競技としての『eスポーツ』
先日はじめて国際オリンピック協会(IOC)の管轄のもと、シンガポールで「第1回eスポーツオリンピックウィーク」が開催された。
筆者もアーチェリー代表で参加してきたのであるが、種目選びの基準が非常に特徴的であった。
すなわち、オリンピックとして開催するための視点が非常に重要視されていた。
mekasue.hatenablog.com
まず第1にIOCが管理管轄しやすいという視点である。
ある特定の競技であっても国際大会を実施する場合、中心的な国際連盟が存在し、各国に統括する支部が存在するという構造がある。
一方ゲームの国際大会はどうなっているか。
例えば「ストリートファイターシリーズ」における世界大会である「CAPCOM CUP」はカプコン社が独自に開催するオンライン・オフライントーナメントの他、世界各地のコミュニティーリーダー達が醸成してきた大規模オフライン大会が出場権争いを兼ねている。
特に毎年7月~8月にアメリカのラスベガスで開催される「EVO」はその代表格であるが、アメリカのゲーム協会のような組織が管理・管轄しているわけではないコミュニティー大会である。
最も注意すべきは、同様のコミュニティー大会は大抵の場合、主催者は存在してもその運営に従事する数多のスタッフによって支えられている事実がある。
つまり、IOCがeスポーツオリンピックをするために各地で選手の選抜に大会を頼ろうとすると、しっかりとしたコミュニティーとの連携が必須となり、非常に面倒くさい。
と、なるとIOCが行う命令は既に繋がりがある各国際連盟に対して「対応するeスポーツ競技を各々の協会で持て」という内容となる。
そうすると、既にあるネットワークで効率良く上意下達出来るというわけだ。
実際に第一回eスポーツオリンピックにおいて、採用された全ての競技は各競技の国際連盟が後援に入っている。
何なら日本の競技連盟にもJOCから「なんか無いのか」と相談を受けて困っているという噂話も聞こえてくるくらいである。
第2にオリンピックの理念としての「世界平和を実現しよう」というメッセージの重要性である。
よく言われる話であるが、FPSゲームは銃器でバカスカ打ちあうゲームであるが故に「戦争」をテーマとした作品が多い。
そんな作品を平和の祭典(と銘打っている)イベントに採用するのはもってのほかだし、人(キャラクター)を打つという行為すら許容し辛い。
となると、途端にゲームの幅が狭まってくる。いわゆる球技的な得点を競うゲーム以外は大概相手にダメージを与えるゲームだ。
そして第3に出てくるのはやはり「利益について」である。
正直開催地として選ばれても観光面のうま味はかなり薄いと思われる中で何が利益になるのか。
非常に重要なテーマだろう。
さて、以上3点の前提の上でオリンピックのeスポーツ競技を見てみよう
・サイクリング(Zwift)
・アーチェリー(Tic-Tac-Bow)
・セーリング(バーチャルレガッタ)
・ダンス(Just Dance)
・野球(パワプロ)
・チェス
・テニス(Tennis clash)
・射撃(Fortnite)
・モータースポーツ(GT)
・テコンドー(バーチャルテコンドー)
サイクリング、セーリング、野球、テニス、アーチェリーとテコンドーあたりは元々オリンピックで採用実績のある競技だし、コンセプトに合致しており分かりやすいだろう。
ダンスも2024年パリオリンピックにて「ブレイキン」として採用予定である。
モータースポーツはオリンピック競技としてずっと議論され続けてきた歴史があるが、そもそもレギュレーションを確立するのが難しかったであろうし、スポンサーの問題もあると推測される。
さて、異質なのはチェス、そして本来あり得なかったはずの射撃競技「Fortnite」である。
チェスは長年世界中で競技が親しまれてきた背景があるので、国際競技団体は存在する。ただ、オリンピックとしての枠は無かったのでeスポーツオリンピックの枠を与えられたと推測される。
ではFortniteはどのようにして競技種目として入り込んだか?
それはゲームモードの一つを利用して、「的当て射撃」とフォートナイト特有の「建築システム」を活かして冬季競技の「バイアスロン」のようなタイムアタックを競技として採用したのだ。
www.youtube.com
なるほど、これなら人は打たない。
そして既に存在する競技の亜種として受け入れられるというわけである。
今回のeスポーツオリンピックの競技選定として、どうしても人気があるゲームタイトルを入れたかった主催側の思惑と合致した最も素晴らしい実施例だったように思える。
さて、一方開催国利益についてはどうだろう?
特徴的だったのはまず、各競技において開催国推薦枠が用意されていた事である。
これは地元の方にチケットを購入してもらうためにも当然の施策であろうし、オリンピックに限らず開催国特権として多くの大会で採用されている制度であろう。
そして重要なのが開催国特有の種目である。
例えば2021年に開催された東京オリンピックであれば、野球が種目として復活したり、空手が行われたりした。
まず目立ったのがバーチャルテコンドー。後述もするが、VRゲームは恐らく今後eスポーツオリンピックを開催していく上で切っても切れない関係になっていくであろうと推測している。
と、なると使用機器が重要になってくるが、今回はいずれも中国メーカーのPICO4を採用していた。
VRゲームに明るい人なら「なんで???」となるだろうし、まぁ何となく理由は想像がつくと思う。
そして、オリンピックに突然合わせたように登場したゲーム「Tic-Tac-Bow」の運営はどうやらシンガポールのゲーム企業のようである。
こちらもコンペか何かで決められたと噂話が聞こえてきており、自国のゲーム産業の発展を利益として考慮しているようだ。
上述のような利害が一致するのは、連続で「Gamers8」という大規模大会を開催している中東諸国ではないかと推測している。
サッカーのワールドカップと同様にeスポーツ界隈にもオイルマネーは流れてくるのかもしれない。
(ただし、eスポーツオリンピック開催の優先権はオリンピック開催都市が持っているという噂話も聞こえてきている)
④ゲーム会社が提唱する『eスポーツ』
ゲーム会社が営利企業である以上は、必ず自社の利益になる事が前提の活動となってくる。
最も代表的な例はValve社が舵取りを行っている「Dota2」における大イベント「The International」である。
これまでの史上最高賞金額が約30億円と、一般人の金銭的価値観を煽る上で最も擦られ倒したこのイベントのカラクリは、ゲーム中で販売するバトルパスの全売上のなんと25%を大会賞金に当てている点である。
どの会社も同じ仕組みでやったら良いじゃないかと思うかもしれないが、そうはいかない。
Valve社は独自の決済システムを持ち合わせているから出来る事であり、例えばGoogleやアップル経由で提供されているゲームでは手数料で大部分が持っていかれる関係でこうはいかない。
同様のスキームを日本企業で実現可能なのは任天堂かソニーくらいなものだとは思うが、同様にやるメリットが特に無いというのが実態だろう。
Dota2程の高額賞金は出していないものの、Riot Gamesも派手な世界大会を行う施策を取っている。
ゲームの宣伝と運営を兼ねたこのスキームは生き残っていくだろう。
⑤『eスポーツ』とはどういうゲームになっていくのか?
またよく分からないテーマだと思うが、この概念は割と最近浮上してきたテーマだと思う。
私は古今東西様々なゲームをしてきた中で、ゲームをeスポーツという観点で見ると大きく3分類に分けられると考えるようになった。
①そのゲーム特有のルール・システムを持っている主に精神的疲労を伴うゲーム
②現実のゲームに則したルール・システムを持っている主に精神的疲労を伴うゲーム
③主に肉体的な疲労を伴うゲーム
①はそれこそFPSや格闘ゲームである。現実に無いスキルや必殺技を駆使しつつハイスピードに試合は進んでいくような競技だ。
コンピューターゲーム文化の誕生と共に醸成されてきた文化であり、こういった典型的なゲームを無理やりeスポーツと言い換えているのが現状である。
一方、世間一般でスポーツという言葉を考える時、③であればそれはeスポーツであると受け入れられやすいような競技もある。
今回のeスポーツオリンピックで言うと「Zwift」がまさに③にあたる。
コロナ禍で各競技の大会の開催が難しくなった2020年はZwiftでバーチャルツールドフランスが開催されたくらいだ。
www.cyclesports.jp
では②は何を指すのか?
早い話がシュミレーションゲームとしての側面があるゲームの事である。
以前このような考え方が無かったのはゲームを競技として楽しんでいる私でさえ「ゲームは所詮ゲーム」という認識だったからに他ならない。
ゲームにおいて得られるデータ解析能力やメンタルコントロール能力が他の分野にも活かせるからゲームが有用なだけであって、例えばパワプロがいくら上手かろうと野球が上手いわけではないという認識だ。
ルールを学んだりは出来るかもしれないが、試合巧者は結局ゲームが上手いおじさんであるという範囲は出なかった。
しかし、オリンピックで出会ったセーリングゲーム「バーチャルレガッタ」は少し概念が異なった。
jvric.gamewiki.jp
実際のセーリングのルールに基づいて風の動き、波の立ち具合、位置取りやペナルティの再現等ほぼできており、セーリングという金銭的にも土地的にも季節的にもコンスタントに実施して試行錯誤するのが難しい競技において、経験を詰むための教育的ソフトウェアとして機能しているように見えた。
実際に2008年~2009年に開催された実際の世界一周と連動したバーチャル世界一週レースでは、実際の記録と36時間しか差異が無い85日と19時間という記録を叩き出している。
また、実際にeスポーツオリンピックにおけるバーチャルレガッタのプレイヤーはスマホ(PC)ゲームの代表者にも関わらず全員がセーリングの選手であり、明らかに筋骨隆々で選手層が異なっていた。
話を聞くと、オフシーズンはこういったシミュレーションゲームに講じて戦略を練るとのことであった。
このように球技のようなローコストなゲームではなく、非常に高価なデバイスや土地の差や季節等、練習のために何らかの大きな障害があるゲーム程こういう教育的な側面を求めているのかもしれない。
このような方向性はスポーツとは全く異なるが、「PC Building Simulator」、「Farming Simulator」や「フライス盤シミュレーター」のような実業に基づいたようなシミュレーター系ゲームとして登場する事が多い。
store.steampowered.com
バーチャルレガッタは私の認識ではまさに「セーリングシミュレーター」であり、真の意味でeスポーツなのかもしれないと思い知らされた。
また、③のZwiftのような実際の運動を伴うゲームというのは現状かなり数が少ない。
何故なら身体に負荷をかけようと、必ずバネ的な構造を持つ何かやギア構造、あるいはおもりが必要になり、複雑な制御も必要になってくるのでデバイスが高価に、大きくなりがちである。
実際にeスポーツオリンピック内に展示されていたカヌーやカヤックのゲームはバカでかく、欧米の家にしか絶対置けないような代物であった。
しかし、そこで登場したのがVR機器である。
それでも部屋の広さは中々必要であるが、何より初期投資が少ないというのが良い。
競技となっていたバーチャルテコンドー以外にもバーチャル卓球等はすぐにでも競技化出来る状態に見えたので今後eスポーツとVRというのは拡大していく上でも切っても切れない関係性になっていくと推測している。
⑥「ご当地eスポーツ」という概念
都会の人達は全くご存知無いかもしれないが、「ご当地スポーツ」という概念は日本国内にも広く存在している。
有名なのは高校野球の聖地は甲子園であるし、高校ラグビーの聖地は花園である。
ただ、マイナースポーツのご当地スポーツという概念は観光資源にもなったりするので、全国の各自治体が名乗りまくってるのが実態である。
またその争奪戦に嫌気がさしたのか、各自治体は「ゆるスポーツ」と名付けて新たな遊びを根付かせようという動きもある。
逆に言えばこの「ご当地スポーツ」という概念は有用であるという概念が既に地域に存在している。
そこを上手くブランディング出来ていると感じるのは富山eスポーツ協会だ。
2020年の「Toyama Gaming Day」というイベントで開かれた「カニノケンカ」というカニ同士が戦い合う大迫力トンチキ対戦ゲームの大会開催を境に「カニノケンカ」を老若男女集う場所で擦りまくっている。
esportsjapan.fan
ちなみに「カニノケンカ」の製作者であるぬっそ氏がカニノケンカの大会史をまとめているのでご確認いただきたい。
マジで擦りまくっている。
note.com
そして何より、景品は毎回のように富山のご当地のカニ。
地域性とゲームの相性を組み合わせたまさにご当地タイトルを発掘した形だ。
大会が開催されている模様は毎回のように子供たちがシャカリキに笑い、飛び跳ね、最終的に親御さんもカニをゲット出来て笑顔という何とも良い感じで回っているように見える。
流石に開催費用までペイ出来るような形式まで持って行くのは難しいだろうが、大型ショッピングモール等との相性はかなり良いように見える。
この作戦の利点は、何といっても作品使用料やデバイスへの投資を圧倒的に低コストに出来るという事だと考えられる。
昨今はゲーム会社もライセンスビジネスの土壌が拡がっていて、趣味でやっている個人はともかく、自治体や企業がメジャータイトルを使用すると莫大な金銭が発生する。
一方でインディーゲームは、言い方は悪いが宣伝効果を人質に取ったような交渉がしやすい。
この他、富山県eスポーツ協会はこの他も富山県出身選手を擁するeスポーツチーム『Burning Core』の事務所を誘致する事で本気で「ご当地eスポーツ」作戦を敢行しているように見える。
news.yahoo.co.jp
恐らくモデルケースの一つとなるので今後の動向も見守っていきたい。
⑦「生涯eスポーツ」あるいは「障がい者eスポーツ」という取り組み
「eスポーツはパラリンピックとしてやるべきではないか?」という意見があるが、私自身は全くその通りだと思っている。
それほどに玉石混合な老若男女が混じって競える物事がほとんどを占めると思うし、何よりベテランと若手という構図は必ずドラマを産む。
海外や国内でもシニアeスポーツチームが発足している事例もあるし、大体ニュースとなる。やはりそこにドラマを感じるからだと思われる。
matagi-snps.com
また、既に障がい者eスポーツの枠は広まってきており、先日は徳島県で「ぷよぷよ」をタイトルとして全国大会が開催されている。
www.pref.tokushima.lg.jp
ぷよぷよ自体もゲーム内に色覚多様性に対する対策を付与するなどバリアフリー化に努めており、推進を進めているようだ。
game.watch.impress.co.jp
ストリートファイターも「サウンドアクセシビリティ」という視覚障がい者向けのシステムを搭載してきた際は流石にどうかと思ったが、今年のEVO2023に早速盲目のプレイヤーが現れて活躍していたのは記憶に新しい。
老人ホームにも段々と「インベーダーゲーム」の時代の人から「ファミコン」の時代の人が入居し始める時代を迎えており、生涯eスポーツという動きもこれから活性化していくことに期待してる。
老人になった時に遊び場があると良いので。