部屋

モモコとMJが私の実家を訪れた。はるばる来てくれたのは嬉しかったが私は用事に少し忙しかったため挨拶だけして彼らのもてなしは後回しにした。しかし私が用事を済ましている間にどうやら母が二人を私の部屋に招き入れてしまったようである。私の部屋は足の踏み場もないような状態で他人はおろか家族すら滅多に入れることはない(というより入れない)。なぜそんな場所に彼らを通したのか,私は半狂乱で泣き喚きながら母を責めた。彼らは私があそこまでだらしない人間とは知らなかっただろう,今まで築き上げてきた私のイメージが崩れてしまう,部屋なら向かいの和室の方が多少埃が落ちていたって幾分かましだったろうに。最初は反論していた母も私のあまりの取り乱しぶりに「でも半年前よりは綺麗になったじゃない」などとフォローを始めたが私には何の効果も及ぼさなかった。私は彼らのいるあの部屋に向かうことに恐怖すら覚え風呂に浸かりながら自殺を考えた。
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ゲームセンター

友達数人と細長いビルの中のゲームセンターに行く。私は最上階にあるクレーンキャッチャーに欲しいものがあると知っていたがたどり着くまでは素知らぬ顔をしていた。最後の階段を上ってすぐのところにやはりあった,携帯ゲーム機のいわゆるパチモンだが私はこれが欲しかったのだ。カードくらいの大きさに白黒の液晶画面(点滅していたから多分動作に問題はないだろう)がついていてポケベルのような見た目である。これを狙うと言うと案の定数人は引いたようで奥の筺体を見に行ってしまったが山田さんだけは一緒になって見入ってくれた。三つあるクレーンのうち二つはサンプルクレーンでまばらに並べられている景品を掴んで持ち上げたり離したりしている。これなら取れそうだといざ挑もうとすると狙っていた景品の位置がさっきと比べて少し動いている。おかしいなと思って見ていると小さな透明の筺体の中で景品がゆらゆら動いている。原因はすぐにわかった,近くにいた菅井さんだ。どうやらこの筺体は震動に弱いらしく菅井さんが筺体を様々な方面から眺めようと足踏みをした結果中の景品が動いてしまったらしい(なんといい加減な)。私は別に景品がどこにあろうとも構わなかったのだが菅井さんは申し訳なく感じたらしく,景品を元の位置にずらそうと筺体の位置を動かし始めた。筺体の後ろ側にあった電気ストーブを切ってどかしスペースを広くとったところでその向こうにあったドアが開いた。大柄の太った60代くらいの女はいやな目つきでこちらを一瞥し,電気ストーブをなぜか倒した状態にしてスイッチを入れ私たちの脇をすり抜けていった。多分どこかから私たちが勝手をやりすぎていたところを見ていたのだろう。なんとなく後味の悪さが残った。
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卒業旅行

学生時代のサークルの後輩達が卒業旅行と称してOB・OGや現役メンバーの実家巡りをしているという。私の実家にも訪れていたが見たところ参加メンバーは40人程度で,卒業生だけでなくその後輩達も多く一緒に来ており中には私の知らない顔すらあった。私は丁度彼らが帰るところに出会したのだが母が「今,煮物とおにぎり出来たから」と言うので聴講室風の広い部屋に案内した。皆が黙々と煮物を啜る中私は必死に会話を盛り上げようとしたが結局空回りであった。
後輩達と共に家を出て最初の角を右折し(もっと長く一緒に居ようか迷ったが,なんとなくお腹一杯な感じがして別れる道を選んだ)手を振って彼らに別れを告げた。その後は同期達と近所の軽食屋に向かう。軽食屋という表現が適切かわからないが,とにかくおばちゃんが経営している焼そばやたい焼きや今川焼やソフトクリームが買ったその場で食べられる店である。店内は無駄に広いのに照明がないため薄暗く,レジカウンターが客席の遥か向こうにある。おばちゃんの姿がないので闇のような空間に向かって叫んでからソフトクリームを注文した。値段は150円で財布には一円玉と十円玉がたくさんあったので出してしまいたかったが,149円まで出したところで急にイライラしてしまい結局百円玉と五十円玉で支払った。
私が注文を終えたあたりで急に店が混み出したのでおばちゃんは私のソフトクリームを後回しにして他の客の注文を作り出した(馴染みだからだろう。特に腹立ちは覚えない)。私はレジから一番遠い入り口付近のテーブルに腰かけた。
やっと波がひいてからおばちゃんが私たちのテーブルのところに来てやれやれという風に腰かけた。私が「ソフトクリームは?」と聞くと「忘れてた」と立ち上がりすぐに作って持ってきてくれた。
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初夢2012

山の上の人気のないところに建つカフェはカレーが美味しいとのことで知人を誘って行ってみることにした。現地集合の予定だったが私以外の三人は遅れて来るというのでとりあえず中で待つことにする。背の低い木と湿った雑草に囲まれたログハウス風の小屋で周囲はひっそりしていたが狭い店内はそれなりに賑わっていた。中年の女性三人連れのテーブルをちらと見ると三人ともカレーを頼んでいるようだ(彼女らをよく見るとバイト先のパートのおばさま方でうち一人は喫煙室でよく会う疲れた小さな目の人だった)。約束の相手からはその後連絡がなくこのまま待っていると15時からのバイトには間に合いそうにない(ここから職場までは少し遠いのだ)。そもそもなぜ三人揃って遅れているのか,もしや私だけが仲間はずれなのかと考えかけたが流石にそれは振り切った。私は四人でカレーを食べる約束と社会的常識を一瞬天秤にかけた後バイト先に遅刻の連絡を入れることに決めた(どうせ今から行っても遅刻だ。こんなことなら集合時間をもっと早くしておくんだった。失敗した)。頭の中に何故か「しょうがないよ」という母の声が過った。
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星埜さん

同僚の星埜さん達と麻雀に興じる。地面の表層をべろりと捲ると中は小さな洞窟のようになっておりそこにマンモスが棲んでいる。私たちの姿を見て怒りを露にしたが牙を抜き取ってしまえば大人しくなるのを知っている。私たちは文字通り牙を抜かれたマンモスの上で麻雀を楽しんだ。


道の向こうからマンモスの飼い主らしき中年の女性がやって来るのを見て私たちは萎縮した。女性はマンモスの牙が抜かれたことに腹を立て犯人を探し出そうとしているようだ。マンモスに跨がって崖に阻まれた中の字の道をぐるぐると回っている女性に見つからないよう私は必死に隠れ逃げ回った。冷静に考えれば私たちが牙を抜いたことがばれるはずはないのだが私の心が休まることはなかった。星埜さん達はもう気にかけていない様子でバドミントンで遊んでいる。



  城の最上階の行き止まりの室はゲームセンターだった(でも今日はもう営業終了みたいだ。私は来た道を戻ることにした)。



これはもしかして大丈夫なのでは? と思い私は女性に向かって遠くから犯人が私たちであることを仄めかすような言葉を投げた。すると一変して女性は私をターゲットに定め辺りを探し始めた。まずい,余計なことを言うんじゃなかった,このまま放っておけばよかったのに。先ほどバドミントンに興じていた星埜さんの顔がちらついて(彼女もやはり私を責めるだろうか)私はマンモスの飼い主に見つからないよう必死に逃げ惑った。道は行き止まりである。
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出勤までの時間

マンションを出て夜の住宅街を歩いていると隣の部屋に住む妙齢の女性とその友人らしき数人連れがはしゃぎながら歩いてゆく姿が少し先に見えた。彼女達が「ふつーありえないよねぇ」と言いながら覗き込んでいた車に近寄ると,フロントガラス越しにどこかの企業の採用者・不採用者一覧が表になったプリントが座席の上に置きっぱなしになっているのが見えた。確かにこの企業の杜撰な個人情報管理もどうかと思うが悪口であそこまで盛り上がれる彼女達に私がいい気分がしなかった。



駅の北口にあった銭湯「まんのゆ」がなくなっていたことは到着して初めて知った(白地に毛筆の看板は出ていたのに)。近辺に他に銭湯はないかとモモコに電話してみたがひどく申し訳なさそうにわからない,ごめんねと連呼されただけだった。ビルの案内係らしき若い女性に尋ねてみると潰れたのではなく移転したらしいということはわかったが新しい電話番号にかけてみても出る風がない。仕方ないので銭湯は諦めて街を少し歩こうと思いビルを出た。外は晴れている,今日もいい天気だ。



賑やかな街から一本横道に入ると閑静な高級住宅地である。そこを「通れそうな脇道を見つけるまでは直進し続ける」というルールを設けて自転車で走り回る。いかにもなお屋敷風の家の裏側の植え込みの切れ目から敷地内に侵入し家の中に潜り込んだ。なるべく人の来なさそうな薄暗い板張りの廊下や階段を...,階段の上から光が差している,上って窓から外に出た。家より一段高い道路で正面の石垣の上には樹がずらりと植えられていた。
飽きたころに表参道をぶらぶらと歩いていると外回り中の母に出会した(首から携帯電話を下げている)。



家に帰るとテレビで「有名アーティストの過去」のような特集をやっており丁度私の好きなスピッツのコーナーだったのでソファに腰掛けて画面を凝視した。大きな接骨院で老人達に囲まれてやったライヴの映像が映し出されている,彼らはかなり早い段階からヒットしてしまったのでこうしたインディーズ的活動はデビュー数年後のこれが初めてだったそうだ。またボーカルの草野正宗は別名義でロシア民謡風の歌を歌っているらしく今度はそのライヴ映像が流された。普段からは想像もつかないようなてんで音のはずれた裏声に私は些かがっかりしたが民謡というのはまた別の難しさがあるのかもしれない。
少しすると母が帰ってきて表姉がケンタッキーでアルバイトをしているから見に行かないかと言う。そうしたい気持ちもあったが私自身15時からバイトなのでもうすぐ家を出なくてはいけない。それを伝えるとではバイトが終わってから行こうと言うが今日の私は閉店までの勤務でありケンタッキーの閉店時間も同じなので結局表姉が働いているところは見られない。
そろそろ家を出ないと。
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空想学園(9)

鮮やかな青色の空が頭上高い午後。急勾配の坂道を上り市役所通りの道を曲がって学校に行く。今日の目的は講義を受けることではなく友人達の偵察である。丁度始業時間直後なためか校舎内は静まりかえっていて私は空の教室をいくつか通りすぎた。コの字廊下の突き当たりの右手側の教室が賑わう声がしたので開け放たれたドアから中を覗くとビンゴ,S男・M子・T子・Y子の四人の姿が見えた。とりわけ気がかりだったのが想い合っているのにあと一歩踏み出せず互いに意地ばかり張っているS男とM子だったが,見たところ近頃はそこそこの関係を維持できているようだった。私は胸を撫で下ろしながらはしゃぐ友人達を遠くから見つめた。
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