新・メタレドの楽しんだもん勝ち!

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2024年春アニメ&特撮簡易感想 その10

 

 

 

 関西のローカル番組『水野真紀の魔法のレストラン』にて、ゲストとして出演した長野博さんが「マドカ・ダイゴ」を名乗ったことが先日話題になりました。話によるとスタジオでパスタを調理したシェフが「ティガが1番好き」と発言したことに対する、長野さんのファンサービスとのこと。シェフの親御さんがウルトラマンのコレクションを飾っている趣味の部屋を持っている話も紹介された模様で、まさにウルトラマン繋がりで長野さんがゲストとして呼ばれたことが伺えます。

 そうしてかつて『ウルトラマンティガ』で主演を務めた人が、ファンの前で演じていたダイゴの名前で自己紹介するのは中々に粋と言えますね。長野さん自身がティガとして、ダイゴとしてかつて出演したことを大切に思っているのが伝わってきました。実際に見たわけではない身でも、話だけで十分に心が暖かくなってくる話だったと思います。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ブルーアーカイブ The Animation

第3話「便利屋68にお任せください!」

 新たな勢力として金さえ積めば何でもする何でも屋・便利屋68が登場。社長の「陸八魔アル(りくはちま・アル)」率いるアウトローを気取る連中ながら全くシリアスに見えない……と思っていた中で案の定ポンコツっぷりを炸裂させてきました。そこからは貧乏&見栄っ張りなキャラクターがわかりやすく描かれており、早い段階で「愛すべきおバカな敵キャラ集団」というイメージを掴むことが出来ましたね。(そのくせ戦闘では割と実力者揃いとして大暴れしていたのがまた興味深い)そのためか、いつの間にかアル社長の「なんですってー!?」な驚愕顔だけでシュールな笑いが出てくるようになってきました。

 一方アビドスメンバーはいつも通り廃校阻止の対策を講じていましたが、バスジャックやら銀行強盗やらろくでもない提案が飛び出してきて仰天してしまいました。中でもシロコは提案する前から銀行のルートを確保しているなどやたら用意周到な辺りに唖然となります。ぶっちゃけ便利屋たちよりもよっぽどアウトロー適性がある主人公チームの恐ろしさに慄きつつ、比較的平和なアイドルを提案してきた「十六夜ノノミ(いざよい・ノノミ)」(彼女多分ラブライブ!を見たな?)がちょっとした癒しに感じてしまうコミカルさがあったと言えます。

 

 

終末トレインどこへいく?

第4話「なんでおしり隠すの?」

 前回襲い掛かってきたキノコの脅威が、晶のお尻のキノコによって今回も描かれることに。失態を隠すあまり静留たちに言い出せなくなる晶に親近感を覚えつつ、無気力どころか引っこ抜いたことで幼児退行してしまう結果に愕然としました。仲間の1人が取り返しのつかないレベルにまで狂っていく様子には恐怖を覚えますね。晶の変貌に責任を感じ焦る玲実も相まって、ここまでのお気楽ムードが一気に削がれてしまった気分です。(その一方で普段からいがみ合っているようで互いに相手のことを思っている、玲実と晶の関係性がハッキリ描かれた点にニヤリときました)

 また今回は一気に稲荷山公園駅まで走りましたが、その道中で各駅のおかしくなってしまった光景が描かれたのも注目ポイント。武蔵横手のヤギ人間強襲の時点で十分にビビったのに、笑う植物に空飛ぶ臓物、ゴルフボールに恐怖のオブジェなど息を尽かせぬ奇妙奇天烈な世界観の連続には圧倒されるほかありません。前回の東吾野の人たちや今回の地蔵のように、意思疎通が出来るだけはるかにマシなのが伝わってきますね。上述の展開も含め、少女たちの置かれている状況が如何に深刻で過酷な「終末世界」であるかがハッキリと示された回だったとも言えます。

 

 

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF

第4話「夢見がちな商人と月明りの別れ」

 今回はゼーレンの儲け話のカラクリを解き明かしてさらに一気に大儲け!と浮かれまくっているロレンスに対し、どこか寂しそうなホロの様子が印象に残りました。長い時を生きているだけに仲良くなった人たちが去っていく経験を重ねてきた彼女が、ロレンスに向かってハッキリと「1人は飽いた」と言い出すいじらしさに悶えてしまいます。(ロレンスもロレンスでホロが語った最初の友人の話にムッとなるシーンがあってニヤリときました)そんなホロに夢である「自分の店」を描いた紙をチリ紙代わりに渡す瞬間などには特に胸打たれますね。損得や利害を超えて、2人の関係が徐々に近づいていることを実感します。
 それだけに後半からの逃走劇、そしてホロとの一時の別れには胸が痛みました。お手本のようなフラグ発言を互いに重ねつつ、最後にはホロが自ら囮になってみせた展開はわかっていてもショッキングです。襲撃してきたグループがホロの正体を知っている件、逃げ込んだミローネ商会はあてにならないくだりなどハラハラさせられる要素も満載でした。(ミローネ商会所属の「リヒテン・マールハイト」とのやり取りの、残酷ながら至極真っ当な判断と忠告に息を飲みますね)両者の仲が大きく進展した中で引き離される世知辛さ、これもまた本作らしいと言えます。

 

 

ちびゴジラの逆襲

第17話「怪獣島ゴジラーズ」

 ちびメカゴジラの提案で野球をすることになったちびゴジラたちですが……野球のやの字も知らないので初っ端から頓珍漢な展開が繰り広げられることに。野球のルールを説明するたびにツッコんできたり、グローブを頭に嵌めるちびギドラ(右の頭)の絵面などには笑いが止まらなかったです。その一方で投げる用のぬいぐるみを用意するなどちびモスラがいちいちあざと可愛かったのがここすきポイントだったり。

 そして野球ということで、ちょっとだけ“野球のゴジラ”を意識した描写が多かったですね。上述のぬいぐるみはオレンジのウサギでしたし、「昔ゴジラって名前の伝説の選手がいたんだ」という直球な発言が飛び出してきた時は驚きました。現実でも再び話題になっている中、野球とゴジラの組み合わせを披露してくるタイムリーな内容には唸らされるばかりです。

 

 

ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ

第13話「ダークネスヒールズ」

 ウルトラマンシリーズにおける悪のウルトラマンをはじめとしたダークヒーロー・ヴィランポジションが特集された今回。それらに対するユカの反応がちょっとした見どころになっており、ヘビクラ隊長(ジャグラー)が裏で何をしていたのかを知っていく様子に癒されました。隊長の黒歴史時代を敢えて聞かないことにする配慮や、父・ウルトラマンベリアルとの因縁に挑むジードへの応援など対象によって一喜一憂するのが面白かったです。特にウルトラマンギンガVSダークザギのドラゴンボール染みた超パワー決戦に仰天する様が印象に残りました。

 何よりメタレドの推しであるウルトラマントレギアへの反応が興味深いです。『タイガ』本編にてウルトラマンタイガを散々苦しめてきた厄介な敵ですが、よりにもよってチビスケ(キングゲスラ)を殺害するシーンをチョイスしてきたことには何と言えない制作側の悪趣味さを覚えました。そんなトレギアの所業を目の当たりにして「なんて嫌な奴なの!?」と憤慨する姿に、ユカの真っ直ぐな性格が読み取れましたね。そんな数々のヒールズを知ったうえで「ウルトラマンにもそれぞれ譲れない目的がある」ことを学ぶ、今回の意義を感じ取った次第です。

 

 

 上述の話で長野さんがティガのことを嬉々として話してくれたことに喜ぶと同時に、「ようやく公の場で話せて嬉しい」という気持ちもあったのかもしれないと感じた今日この頃。『遊☆戯☆王』の主演を務めた風間俊介さんが近年遊戯王業界に積極に関わってきている話然り、ずっと自分が演じたヒーローについてを話したかったように見えてきます。それだけに事務所の縛りが無くなって、自由に振る舞うことが出来た長野さんたちに感激が止まらないです。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

仮面ライダーガッチャード 第32話「現る大王!人形たちのジレンマ」感想

人形の望みはどこにある?

平成が、平成が押し寄せてくる……!!

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  • わかり合いたい一途な想い

 宝太郎たちがいきなりマルガムと戦っていたり唐突にレジェンドの世界が映ったり、初っ端から多くの要素をぶち込んできた今回のガッチャード。そのうえ荒れ気味なクロトーが攻めてきたかと思ったらハンドレッドの連中まで乱入、そしたらみんな謎の空間に跳ばされたりと急展開の連続で実に目まぐるしかったです。個人的には謎空間については宝太郎もクロトーもハンドレッドも、誰1人として何が起きているのか把握しきれていないのが非常にシュールで笑ってしまいましたね。

 そんなガッチャードらしいワチャワチャ感を味わいつつ、宝太郎とクロトーの「やりたいこと」に関する絡みが見られたのが見どころとなっていました。まず宝太郎がクロトーの身を案じ、争いを止めることを提案する優しさを発揮してきたのが良かったです。彼が度々口にしている「人間とケミーが仲良くなれる世界」という夢に、クロトーたち冥黒の三姉妹もしっかり入っているているのが読み取れて少々心が暖かくなりました。そしてクロトー自身のガッチャ(やりたいこと)を聞き出す流れも自然で、グリオンという支配者が居なくなった今彼女らの戦う理由を解いてくれるのは視聴者としてもありがたかったです。

 残念ながらクロトーの答えについては後述の件で有耶無耶になってしまったものの、一時的な共闘という形でわかり合う余地が出てきたので不満はそこまでなかったです。というよりクロトーに関しては姉妹想いな一面が以前から描かれているので、姉妹についての問題を解決すれば仲間になれそうな予感を覚えましたね。この手の「かつては敵同士だった相手と和解していく展開」はライダーシリーズに限らず多くの作品に見られますし、本作でも何かしらの救いが用意されているという期待が持てるだけで十分だと言えます。

 

 

  • 操り手に踏みにじられる想い

 上述のクロトーをはじめとして、冥黒の三姉妹の正体についての掘り下げがされたのも見逃せないポイント。「人形」と呼ばれている彼女らがホムンクルスだと本格的に明かされた時は、以前から察していただけに頷かされましたね。まさにグリオンによる体のいい人形ということが判明し、三姉妹が空っぽの存在であることがハッキリ描かれたことにも納得しました。中でも印象的なクロトーが宝太郎の問いかけに答えられなかったシーンからは、彼女が姉妹への愛情以外を持ち合わせていないことの表れになっていたと思います。

 さらに戦闘後にはラケシスが言及していた“冥黒の王”こと「冥黒王ギギスト」が登場。ギギストによってクロトーが「クロトー・レビス」なるぶっちゃけダサい新形態に変わってしまうシーンは結構ショッキングでした。ようやくクロトー個人の願いや自由が得られそうな場面で、グリオンに代わる新たな主人が出てきたのは気の毒になってきますね。与えられた力こそ彼女の「願い」だと語られている描写も、ここまでのクロトーを見てきた身としては正直見当違いだと思わざるを得ません。自分でも願いがわからないままそれを歪められたクロトーが不憫でならなかったです。

 一方でラケシスが人間になれるかもしれない可能性が出てきたのはちょっとした朗報でした。提案した鏡花さんが久々にマッドサイエンティスト気質を発揮してきたので不安になるところもありますが、押されるラケシスの愛嬌もあってちょっとした癒し要素になっていたと言えます。操り人形として作られた存在が己の意思を以て個人になろうとしている……この状況には応援したくなってきますね。特に上のクロトーが支配から脱して救われてほしいと思うばかりです。

 

 

  • 平行世界の侵略者現る

 そして忘れてはいけないのが突如として襲ってきた「ハンドレッド」の存在。平行世界を移動してはその世界を侵略してくる謎の組織として仮面ライダーレジェンドと敵対してきた連中がついにガッチャードの世界に乱入してきましたが、その理由がカグヤとバトラーが開発していた「超兵器」を追ってきただけだとわかった時は思わず吹き出してしまいました。宝太郎とは何ら関係のない話なのに向こうから関わってくるところに、シュールな笑いを感じずにはいられません。(それでいてギギストの謎空間に終始困惑していたのがまたおかしかったです)

 今回登場したのはカッシーン率いる先遣部隊の大隊長「アルファ」。さらにラストには「サイゲツ」「ミメイ」「タソガレ」なる幹部まで出てきて本格的に別作品が殴り込んできたような気分を味わいました。(次回は全員ダークライダーに変身するようですし)本筋にはあまり関係のない、蚊帳の外の敵故のワクワク感もありますね。『ディケイド』や『ジオウ』を見ていた時と同じ、様々な要素が雑多に混ざり合っているかのような“平成”の雰囲気を彷彿としながらつい高揚してしまいます。クロスオーバー好きとして、この先の展開を否が応でも期待してしまいます。

 また宝太郎がハンドレッドのことをおぼろげにしか覚えていなかったのは意外でした。(あとで『ガッチャードVSレジェンド』を見返してみたら、ラストで宝太郎がカグヤたちとの出来事を忘れている描写が確認出来ました)あの時の出来事をほとんど思い出せないというのは地味にショックですが、本編との整合性のためなのだと思えば納得と言えます。むしろ次回でカグヤと再会した時、どんな反応を示すのか楽しみにもなってきましたね。

 

 

 今回は他にも坂本浩一氏が監督ということもあってアクションが豊富だったのが大きな見どころでした。マルガムになっていた悪人(役名がそのまんま「犯罪者」で笑ってしまいました)やハンドレッドとの生身アクションから始まり、変身後もゴルドメカニッカーやユーフォーエックススーパーといった懐かしのフォームをお披露目するなど非常に豪華。坂本監督らしい魅せるファンサービスに溢れていましたね。

 中でもクロトーのアクションは他の人たちと比べても気合が入っているのが目に留まりました。演じている宮原華音さんが空手やキックボクシングの経験者ということもあって、足技の華麗さが印象に残ります。(変身後に関してはドレッド弐式はクロトーのイメージに合っているなぁ……とか思ったり)元々生身での戦闘シーンが多かったクロトーですが、今回その魅力を再確認することが出来た次第です。

 

 

 そして次回はついに鳳桜・カグヤ・クォーツ/仮面ライダーレジェンドが参戦!!超兵器を探すついでに人々を襲うハンドレッドに宝太郎たちが打ちのめされる中、果たしてカグヤは如何にして助太刀に入るのでしょうか。傲岸不遜ながらヒーローとしての矜持と先輩ライダーへの敬意を持ち合わせたカグヤの再登場が今から楽しみでなりません。予告の時点で番組を乗っ取る勢いのカグヤ様の活躍を刮目せよ!!といった風にテンションが上がってしまいますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

2024年春アニメ簡易感想 その9

 

 

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 昨年の『ビースト覚醒』に加え歴代アニメ配信なども活発に行われているトランスフォーマーの新作映画情報がまたもや到着。前回紹介した『G.I.ジョー』とのクロスオーバー映画とはまた別のアニメーション映画トランスフォーマー/ONEの情報が解禁されました。内容はシリーズの前日譚に当たるものとのこと(しかしこの作品の前日譚なのかは深く考えてはいけません)で、オライオン・パックスと呼ばれていた若きオプティマスプライムが、同じく若き頃のメガトロンたちと共に冒険を繰り広げる模様です。

 労働用ロボットとしてこき使われていた彼らが支配者層(恐らくクインテッサでしょうか)に反旗を翻すストーリーながら、特報映像からはかなりコミカルで湧きあいあいとした雰囲気が伝わってきますね。バンブルビーやエリータ-1といったおなじみのメンバーの軽口や、初めてのトランスフォームが上手くいかず戸惑う過程など見ていてフフッとくるシーンが多そうです。同時にオライオンとメガトロンの仲の良さにも癒されますが、一方で2人が決別するフラグのような描写も散見されるのが気になるところ。この映画で両者の道が如何にして違えてしまうのか、映像作品としてハッキリと目撃することになりそうです。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

夜のクラゲは泳げない

第3話「渡瀬キウイ」

 度々まひると電話でやり取りを交わしていた少女「渡瀬キウイ(わたせ・キウイ)」にスポットが当たった今回。リアルの学生生活でもVTuberとしても充実しているように見せかけて……という1話の時点での匂わせが不登校という形で判明していく描写に胸が締め付けられました。子どもの頃の無敵感のままで進学し、周囲との距離の詰め方を間違えてそのまま閉じ籠るようになった経緯も生々しくて見ていられなかったです。そんな状況でもまひるに虚勢を張り続ける、幼馴染に対する依存度の高さも彼女の心の傷の深さを物語っていると感じました。

 対してまひるが、キウイを自分のヒーローとして推し続ける様子は実に明るかったですね。「天岩戸」の劇を通してキウイに呼び掛けるシーンは特に印象的で、昔も今も変わらず親友への信頼と憧れを抱いていることが伝わってきましたね。この辺りの変だけど堂々としたまひろの踊りは彼女がキウイを好きだったのは肩書きではない、自信とハッタリに満ちていたところだという話も彼女の本質を捉えていてエモいと思います。そして少しだけ前を向けるようになったキウイが制作した、JELEEのMV動画がEDとして流れる演出までを含めて実に素敵な余韻になっていましたね。

 

 

ささやくように恋を唄う

第2話「好き、デート、そして…」

 ひまりと依先輩の勘違いしたままの交流が続く中、へぇデートかよ展開に視聴者がノックアウトされてしまうことに。相変わらずワンコの如く尻尾を振ってくるひまりの無自覚女たらしっぷりと、それに狼狽えながらも必死にクールを気取る先輩の滑稽さに何とも言えない笑いが巻き起こってしまいます。(実際ひまりもそんなクールぶっている先輩に惚れてるのがシュール)特に先輩のひまりへの独占欲が発揮されているシーンが印象的で、彼女が食べてるパスタにまで嫉妬し出すくだりはおかしくてたまらなかったです。

 そのまま依先輩がおもしれー女で終わるかと思っていた中、勢いでひまりにハッキリ告白してきた時は衝撃を受けました。しかもひまりの方も自分と先輩の好きの違いを自覚し始めるのも驚きで、まだ2話とは思えないほどの急展開には舌を巻くほかありません。さらには依をバンドに誘っている同級生「水口亜季(みずぐち・あき)」も彼女への恋心を仄めかしてきているので見ている側としても大忙し。一目惚れ故に拗れに拗れた関係がさらに複雑になっていく、波乱の要素満載で早くも困惑が止まらなかったです。

 

 

夜桜さんちの大作戦

第3話「気持ち」

 六美を守るために強くなろうとする太陽の特訓回。夜桜宅のスパイ訓練設備の異様さに困惑しつつ、その厳しさについていくので精いっぱいな太陽に大笑いすることになりました。ただそんなコミカルながら命がけの訓練にて、太陽の異常性が指摘されたのはちょっとした注目ポイントですね。以前から描かれていた六美のためなら自分をいくらでも無下に出来る点を、劇中で「狂気にも近い六美への愛」と表現したのは実に適切だと思いました。いじめられていた六美を庇う回想シーンなども同様で、夫婦の尊さと無茶をしがちな太陽への心配が同時に湧き上がってしまいます。

 そのため太陽の問題をしっかりと指摘してくれる長女「夜桜二刃(よざくら・ふたば)」の存在に唸らされました。やせ我慢を見抜いたうえで「自分を大事に出来ない奴に誰かを大事になんて出来やしない」とはっきり言ってくれるシーンは特にスッキリさせられます。それでいて厳しさを優しさのバランスよく太陽を見守ってくれているので安心感も凄まじいです。ロリババアみたいなキャラのせいか精神的にもやたら成熟して見える件長男を除く他兄弟も太陽にフレンドリーかつ協力的ですし、夜桜家の過酷ながら暖かい関係にほっこりさせられました。

 

 

遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!

第105話「キャプテンエポック」

 今回はマナブとエポックの船長の座をかけたラッシュデュエルにて、ついにエポックのことが掘り下げられました。「周囲を自分の言うことを聞かせられる」能力のせいで抱えた幼少期のトラウマが明かされ、彼女のダンボールの意味が判明した時は大いに驚きましたね。そして自分の力を恐れていたエポックなりの自衛行為に同情を覚えたところで、彼女自身がダンボールを突き破って立ち上がるくだりは地味ながら胸熱。意外と可愛らしい素顔と服装や新エースのダイスマイトガール・チロリのキュートなビジュアルも相まって、急成長を遂げたエポックへの好印象が止まりません。

 ラッシュデュエルのおいてもイカサマサイコロを辞めた辺りに好感が持てます。周囲を惑わす力を正しいことに使い、自分のことを信じられるようになった表れがデュエルでも発揮されたのだと感じられますね。勝敗は惜しくもマナブに敗れてしまったものの、勝利以上に大切なものを得られたと言えるでしょう。マナブもマナブでデメリット付き装備魔法を相手モンスターに装備するテクニックで容赦なく勝利した一方、エポックから「無理して偉い人にならなくていい」ことを学んでみせたので、最後には実に爽やかな気分で見ることが出来ました。それはそれとしてダマムーが2人に増えたことがほぼスルーされているくだりには笑う。

 

 

トランスフォーマー アーススパーク

第29話「ははのひのプレゼント」

 今回は母の日!ということでドット母さんへの日頃の感謝を込めたパーティーが開催されましたが、それ以上にドットの気苦労が目に付きました。間違えて生きている子熊を連れてきてしまったツウィッチやそれがきっかけでケンカに発展してしまうなど、人間・トランスフォーマーに関わらず子どもの面倒を見るのは大変だということを思い知らされます。さらにナイトシェードの武器にもなる新作義足のせいで車が壊れるシーンには吹き出してしまいましたね。

 しかしそんな状況でもしっかり子どもたちへの教育は欠かさないのがドット・マルトの本領。逃げ出した子熊を母熊に会わせなければならない意味をキチンと説明してくれるくだりは流石といったところです。この辺りの種族を問わず「家族が離れ離れになる辛さ」を語る点は、情操教育においても非常に大切なことなのが伝わってきました。一方のモーたちの前に現れた母熊然り、子どもを想う母親の強さを全力で感じ取った次第です。

 

 

 上のトランスフォーマーONEに関しての続きですが、言語版の声優が豪華なことも宣伝されています。調べたところ主役のオライオンを演じるのは『マイティ・ソー』のソー役で有名なクリム・ヘムズワースさんとのこと。『アベンジャーズ』らMCU作品も好きな身としては結構見逃せない情報で、早速特報のオライオンの声を確認しまくってしまいます。吹き替え声優の方も気になりますし、いっそのこと字幕と吹き替え両方で映画を観てみたくなりましたね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

2024年春アニメ簡易感想 その8

 

 

 

 毎年恒例であるライダー&戦隊の夏映画の情報がついに解禁。現在放送中の『仮面ライダーガッチャード』と『爆上戦隊ブンブンジャー』がいよいよ大スクリーンで活躍するということで、テレビシリーズを欠かさず視聴している身としては大興奮するほかない発表です。ただ「仮面ライダー THE SUMMER MOVIE2024」という触れ込みからしてガッチャードとブンブンジャーがクロスオーバーするように見えますが、実際はいつも通り個別の映画2本立てらしいのが紛らわしいと感じましたが。

 

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 それはともかく同時に解禁された特報映像にて、ガッチャードデイブレイクがチラリと映ったのが気になるところ。年末年始のエピソードに登場して視聴者に衝撃を与えたデイブレイクが、映画で再び姿を現わすかもしれない可能性には衝撃を受けました。加えてガッチャードの背景が謎の廃墟という点もあり、夏映画ではデイブレイクのいる未来に行くのかもしれないと予想出来ますね。グリオンによって仲間たちを失ったであろう未来の宝太郎・デイブレイクを救いに行くとしたら、実に胸熱な展開になりそうです。まだストーリーの詳細は発表されていませんが、早くも続報が楽しみになってきました。

 

 

 というわけで以下、今週の簡易感想です。

 

 

 

 

 

 

ポケットモンスター テラスタルデビュー

第47話「リコとニャローテ、心をこめて」

 テラスタル研修最初の目的地であるセルクルタウンに到着したリコたちでしたが、予告通りどうにも緊張しているリコが目に付きました。初めてのテラスタルを上手くこなさいと、と焦る彼女の気持ちが伝わってくる分、ジムリーダー「カエデ」さんの“心を込める”を教える場面が見ている側にも染みましたね。唐突なケーキ作りには首を傾げたものの、「バトルも1つ1つが本番」という姿勢はなるほど今のリコの肩の力を抜くには適切だったと言えるでしょう。

 そしてカエデさんとのバトルに関しては敗北したものの合格したのは驚きながらも予想通り。テラスタルの使い方を学ぶ研修で勝ち負けはそこまで重要ではないのは当然ですし、リコの未熟ながらも着実な成長が見られた以上認められることにも納得がいきました。カエデさんのヒメグマの意外な実力も相まって、ジムリーダーの格が落ちなかった点も評価したいところ。

 またセルクルタウンでマードックと会えたのは地味ながら素敵なサプライズでしたね。資金調達のために働いているというのが絶妙で、この章では出番が無いかと思っていた彼らが再登場してくれただけでも嬉しいです。他メンバーもそれぞれ活動しているようですし、ライジングボルテッカーズの今後にも期待出来そうでワクワクしてきました。ランドウのじっちゃんはどこでも釣りしてそう……

 

 

ダンジョン飯

第16話「掃除屋/みりん干し」

 前々回から迷宮の中を彷徨っていたライオス一行でしたが、変化する迷宮の法則性を見出してからはスイスイと進めるように。道中でワイバーンの襲来を如何にして交わすのかと思っていたら、まさかの壁抜けで切り抜けた時は目が点になりました。しかし「ダンジョンクリーナー」なる微生物の存在が明らかになったのは興味深かったです。RPGあるある「以前行ったダンジョンにまた訪れると色々元に戻っている」を、こうした壁や床を修復してくれる存在で説明付けてくるだけで唸らされます。何よりクリーナーの存在が細胞とも言うべき働きをしており、ダンジョンを生物として見た場合の見事な仕組みに感心するばかり。

 そして後半はシュロー&カブルーのパーティーとついに合流。他面々の一触即発の雰囲気とライオスのシュローへのフレンドリーさが交じり合って、妙な緊張感が生まれていたのが面白かったです。そのためシュローを慕う「マイヅル」とセンシが意外と気が合ってきている反面、ライオス側の方がファリンの件でひと悶着起こすシーンにも驚かされました。シュローの反応からして黒魔術がそれほど忌避されるものだと読み解けたことで、ライオスたちがどれほど厄介なことをしでかしてしまったのかがわかりますね。如何にも真面目そうで自分を追い詰めがちなシュローの何とも言えないライオスへの態度も相まって、主人公の家族想いからくる異常性を再認識した気分です。(そしてそれを楽しそうに眺めるカブルーはさぁ……

 

 

ゆるキャン△ SEASON3

第3話「出発!吊り橋の国」

 綾ちゃんこと綾乃を加えた大井川でのキャンプがいよいよスタート。リンと綾乃は原付でツーリングし、なでしこは電車で向かうというこれまでと比べても大分変則的な合流の仕方が特徴的でした。現時点ではほぼソロキャン感覚のなでしこもそうですが、リンと綾乃の組み合わせにも新鮮なものを覚えますね。それでいてリンを変態呼ばわりするなどあけすけに物を言う綾乃の馴染みっぷりに驚かされます。

 上述の2人に関しては他にもリンの表情が普段よりも濃かったのが印象的。例のハンバーグでウキウキしたり、綾乃提案の吊り橋巡りで野生動物に微笑んだりと今まで以上にエンジョイしているのが見てとれました。綾乃の悪ふざけにも適度に付き合う辺り、リンが友人とのキャンプに慣れて純粋に楽しめるようになったことが伺えますね。

 そして一方なでしこは食い倒れの旅を堪能しているのが流石といったところ。噂のダムカレーを食べる前に豚串焼きに食いつく展開は実になでしこらしくて微笑ましかったです。そんなんだから「カービィの擬人化」とか言われるんやぞ。また明らかな新キャラとの交流も交わしつつ、1人旅に慣れてきている様子が何とも感動的に思えました。リン然りなでしこ然り、2期の頃から余裕を持って楽しんでいるのが見ている側にとっても心地よかったです。

 

 

WIND BREAKER(ウィンド ブレイカー)

第3話「頂に立つ男」

 ボウフウリンの自警団っぽさと、ヤンキー漫画らしい敵チームの抗争が同時に描かれた今回。まず風鈴高校の活動と、それを前に一喜一憂する桜の様子に癒されました。壁の落書きを消すといった地味なこともこなす辺りから、彼らが街の人々に愛されている所以といったものが感じられます。それらの活動をケンカ出来ないということで不満げに思っている桜でしたが、嫌々やりながらも充実した青春を送っているように思いましたね。特に自分を受け入れてくれた同級生との触れ合いで内心「人間の体温って高いんだな」と零すシーンにはウルっときます。

 一方、隣の地区を仕切る「獅子頭連」と険悪になる展開にはハラハラさせられました。「力の絶対信仰」を掲げ敗者に容赦のない姿からは、如何にも悪役らしい冷酷さが伺えます。副頭取の「十亀条(とがめ・じょう)」のスローペース故の得体の知れなさも相まって、アットホームなボウフウリンとは見事に対照的と言えるでしょう。(桜も最初力の絶対信仰にニヤリときていたけど、実態を見て失望する辺りにこのチームのヤバさが読み取れますね)後輩を守るためにこんな連中にケンカを売ってしまった桜たちはカッコよかったものの、先輩たちの気苦労には正直同情してしまうところです……

 

 

アイドルマスター シャイニーカラーズ

第3話「未来への憧れ」

 今回の主役であるユニットは「ALSTROEMERIA(アルストロメリア)」。年長者っぽい「桑山千雪(くわやま・ちゆき)」と大崎姉妹という組み合わせの珍しさと、全体的にフワフワとした空気感に癒されました。アイドルになって何をしたいのかまだはっきりしていない点は真乃と同じですが、具体性がないだけで3人でしっかりとした目的は見据えているのが伝わってきたのは素敵でしたね。サブタイにもあるアルストロメリアの花言葉「未来への憧れ」を抱き仲良く邁進していく様子は見ていて心が暖かくなります。(それはそれとして事あるごとに引っ越しそばを食べているのがシュールでおかしかったです

 そんな憧れに対する行動を起こした「大崎甘奈(おおさき・まあな)」には特に注目したいところ。フラワーフェスティバルのイベントに参加する中で、興味が無さそうな少年に寄り添うシーンには感嘆させられます。険悪な姉弟の様子に心を痛めたり、あの子たちのために出来ることはないかと模索する姿勢は、このユニットが掲げる「みんなに幸せになってほしい」という想いが込められているのだと感じましたね。これまで以上にゆる~いノリに困惑するところもありましたが、終わってみれば実に爽やかな気持ちになることが出来ました。

 

 

 ガッチャードに対してブンブンジャーの映画についてですが、こちらはガッチャード以上に何をするのかわからないので今のところは何も言えません。とはいえテレビシリーズ本編の方では最新話にて「太也の夢がBBG(ビッグバングランプリ)に出場すること」だと判明したので、映画ではその辺りが掘り下げられることを期待したいところ。ブンブンジャーがレースのために作られた存在である以上、レーシング要素を推しだした映画として見てみたいですね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

 

BEYBLADE X(ベイブレードX) 簡易感想(第13~16話)

 

 

 久々となるベイブレードXのアニメ感想。まずはここまで待たせてしまって大変申し訳ありませんでした。他の感想などに気を取られて放置したままでしたが、今回から再開していこうと思います。ちょくちょく感想を読みに来てくれていた方々に申し訳なく思いつつ、その間に溜まってしまった分を少しずつ消費していく所存です。

 

metared19.hatenablog.com

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↑前回までの感想についてはこちらの記事を参照。

 

 今回取り上げるのは13話から16話までの感想。バードがファンの存在に一喜一憂したり、エクスが精神的な特訓を重ねたりとベイバトル以外のイベントが盛りだくさんとなっています。これまではプロの世界の過酷さなどが目立っていましたが、それらをあまり感じさせないコミカルな雰囲気が全体的に漂っているので楽しみです。

 

 

 

 

 

第13話「ファン第一号」

 まず13話ではこれまたバードがメイン。チームペルソナのファンの多くがX(エクス)かマルチを指示している中、唯一バードを応援してくれる「ヒナ」ちゃんに胸打たれることになりました。ヒナちゃんの声を含めた可愛さ久野美咲ボイスのロリキャラはいいぞ……!もさることながら、バードに「ベイの楽しさを教えてもらった」と熱弁する様子が素敵でしたね。何度負けてもめげずに立ち上がるバードに励まされ、自分が負けてもベイを楽しく続けられている話も素晴らしいです。1話で語られた「ベイは楽しんだもん勝ち」という考えを、バードが誰よりも示してみせていることが読み取れてグッときました。

 そんな勝敗に関わらない、ベイバトルに対する姿勢の重要さはチンピラ動画配信者とのバトルでも描かれていました。迷惑な突撃取材をしてくる連中相手に立ち向かうバード(自分のことよりもエクスたちを馬鹿にされて怒るのがここすきポイント)が、彼らのイカサマを前にしても毅然とした態度を崩さなかったのは好印象。「お前ら何かブレーダーじゃない」という言葉をはっきり口にしてくれたおかげで、汚い手で勝った奴らがかえって滑稽に見える構図になっていたと言えます。狂気的な笑いを上げるエクスにビビったりしたチンピラたちを見てこちらの溜飲も下がったところで、上述のバートに惚れ直すヒナちゃんに心が暖かくなりましたね。バードのことを応援している身としては、ヒナちゃんのことも好きになってきました。

 

 

第14話「エクスエクササイズ」

 次なる回はエクスの特訓回。実力的には最強クラスのエクスをどうやって鍛えるのかと思っていた中、ジムでマッチョたちが筋トレに励む光景が映った時は面食らってしまいました。実際に筋トレをするわけではなく、精神的なリフレッシュを目的としたものだと説明されて一安心。とはいえ運動がてんでダメでバードに任せきりのエクスには呆れてしまいますね。ベイバトルにしか興味がなく、それ以外をこなさない様子から果たしてこの特訓は意味はあるのか?と正直首を傾げずにはいられなかったです。

 一方でそんなエクスのキャラクターの“妙”が描かれていたのは興味深かったです。冒頭の回想でクロムとのすれ違いと、バードと和気あいあいとしたやり取りを交わす対比はエクスという少年の性格を如実に表していました。ここから読み取るに頂点であることに満足せず、常に挑戦者として新しいことに挑み続けることこそエクスの望むものなのでしょう。彼がバードをチームに誘ったのもそういった側面があるからなのかもしれません。

 そしてメイコさんとのベイバトルによる特訓も注目ポイント。メイコさんが指定したベイを互いに使用して戦うシチュエーションは、状況に応じてベイを使い分けるのがオーソドックスな本作らしいと言えます。どんなベイも自分の好みである攻撃スタイルで決めるエクスと、ベイごとの特徴を捉えるメイコさんの違いも面白いです。またメイコさんがプロだった時代を思わせる発言も見逃せませんが、カドバーとの関係も含め今後明らかになっていくのでしょうか。

 

 

第15話「ナゾアンドベイ」

 冒頭から雪山で遭難&謎のイエティ(の着ぐるみを着たエクス)とベイバトルという意味不明な絵面に目が点になった件。しばらくしてバードたちが訪れていたのが「ゾナモスハウス」なるテーマパークだと知り納得しましたが、その後の「ナゾアンドベイ」での謎解きアトラクションに挑む様子にこれまたフフッとくることになりました。○×クイズで飛び込み役のバードがエクスと謎の茶番劇を繰り広げる様子などは、お互いの仲の良さが現れていてほっこりしますね。ここまでベイに関する真面目なストーリーが続いていただけに、この回の息抜きとも言うべき空気感に癒されるものがあります。

 とはいえ終盤にてまたもやイエティとのベイバトルを繰り広げることになった時は吹き出してしまいました。如何にもな大柄な怪物がベイを構えて撃ち出す絵面のシュールさたるや、今回の印象を全て吹っ飛ばすレベルだったと言えます。しかもベイバトル自体が吹雪を起こすほどのパワーVSその吹雪を利用してドランダガーを加速させていく、という超展開だったのもおかしさに拍車をかけていましたね。何よりイエティが本物かもしれないことをチラリと見せたうえでのしのし退場していく様子に、結局こいつは何だったんだよ!?という感想を抱かずにはいられなかったです。

 

 

第16話「ノブレスオブリージュ」

 ゾナモスハウスのエピソードまさかの後半戦。最後の試練にてアトラクションのオーナーである「猫山ゾナモス(ねこやま・ゾナモス)」との謎解きベイバトルが展開されましたが、「スフィンクスカウル」を相手に繰り広げられた試練の奥深さを前にどこか清々しい気分になりました。ただの勝ち負けではクリア出来ないベイバトルの正体が「ベイのフィニッシュ制覇」というのは感心しましたし、探偵コスチュームを纏うマルチの謎解きパートも相まって見応えは十分だったと思います。

 何よりゾナモスの謎に対する真摯な姿勢がとても素敵でした。劇中では何度もバードたちを煽りながら適切なヒントを提示していましたし、謎解きで彼らを楽しませることに全力を注いでいる様子が見てとれます。「答えのない謎は謎ではない」というセリフからも、解いてもらおうと様々な気遣いを施してくれるゾナモスに対しては好感が持てます。しかも実力者であり、まだ本気を出していないことが仄めかされているのも面白かったですね。

 そして12話で登場した不死原バーンが登場しましたが、ゾナモスとはまた異なる珍妙さを見せつけてきたのが印象的。冒頭こそ子どもにベイをプレゼントする優しい一面を見せましたが、ナゾアンドベイの試練を謎の仮面をつけて挑んできた際は何とも言えないおかしさを抱きました。ゾナモスを「同士」と呼びだすラスト含め、バーンの面白い男っぷりを感じ取った次第です。

 

 

 というわけで16話までの感想でした。プロの試合が描かれなかった分、ペルソナメンバーの愉快な日常にスポットを当てていた印象でしたね。こちらにとっても肩の力を抜いて見るにはちょうど良いエピソードばかりで、久々に感想を書く身としては大助かりでした。一方でバーンという新たなライバルの出現に今後の緊迫した予感を覚えますが、彼の目的など明らかになっていく次回も実に楽しみです。

 

 

 ではまた、次の機会に。