高校生のITパスポート試験受験は高2がお勧め
今日は、高校生でITパスポート試験に挑戦するなら、高2がお勧めです。
もちろん、「自分がITパスポート試験に挑戦する気になった時」もいい時期です。
しかしながら、物事、成果を出すためには計画的に行うことも大切です。
高校生の時期は、家族、勉強、友達、部活動、趣味、進路などやりたいこと、やらなければならないことがたくさんあります。
そして、この時期は、高校生にとって、自分の思う成果が出せないで苦しむ最初のハードルかもしれません。
そんな高校生の時期には、資格取得などは計画的に進めるのがいいでしょう。
今回は、高2でITパスポート試験に挑戦することについてお話しします。
一人でも多くの方が、ITパスポート試験に挑戦する気になっていただければと思います。
高校3年間を見通すと、こんな感じ。
私が勤務した高校のスケジュールをもとにお話ししますので、読者によっては異なることがあると思います。
あらかじめご了解ください。
それでは、高校3年間を見通してみましょう。
高1:生活や学習について、中学生の時との違いに戸惑う。
高1では、
・中学生の時と異なる通学手段・時間、学習時間、部活動などに対し、生活のリズムに整えること
・普通教科で行われる予習を前提とした授業に対応すること
・進路について、具体的に考えること
などが、求められます。
これらに対し多くの生徒は、変化の大きさに驚き、戸惑ってもがきます。
高2:少し余裕が出てきて、自分の将来について考える。
高1に比べさまざまな面で高いレベルで求められるようになりますが、手の抜き方を覚えて余裕が出てくる時期です。
そして、冬休み明けには進路をおおよそ決めなければなりません。
高3:本当にこれでいいのか、自信がないまま進路準備を進める。
第一希望に向けた準備が、進路ごとにスピードアップされます。
就職する生徒:就職希望先の最終決定、履歴書の準備
AO・推薦入試の生徒:提出書類の準備
一般入試の生徒:受験科目中心の学習と模試
しかしながら、多くの生徒が、本当にこれでいいのか自信がないまま進めます。
ITパスポートに挑戦する直接的メリットを最大限生かすことがことができる。
高校生でITパスポート資格には、次のような直接的メリットがあります。
メリット1:専門学校の学費が一部免除になります。
メリット2:大学の総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜(推薦)で優遇されます。
メリット3:就職担当者から高く評価されます。
高2でITパスポート試験を資格を取ることで、次のように、これらのメリットを最大限生かすことができます。
推薦に向けた校内選考過程で高く評価される。
一般、学校からの企業や大学への推薦には、人数枠があります。
そのため、推薦のために選考過程で、本人が進路に向けた資格を取得をしていることは、本人のやる気・能力を客観的に示すものなので学校での成績とともに高く評価されます。
この選考過程の方法・時期は、学校によって違うでしょうが、2年生の後半から次第に関係者の間で意識されるので、2年生で取っておくことが関係者へのアピールとして効果的です。
提出書類に記載できる。
資格を持っていることを面接でアピールするためには、事前に提出書類(志望理由書、合格証の控、履歴書等)に記載しておくことです。
大学によって異なりますが、8月1日頃からAO入試の書類提出が始まります。
合格証の控を提出書類に含めるためには、5月中に合格しておくことが必要です。
(注意:上図は、IPAが公開している合格発表のスケジュールに基づき、試験日から合格証が発行されるまで時間を要することを示すために作成したものです。合格証の発行スケジュールを約束したものではありません。個別のスケジュールについては、必ずIPAのホームページで確認してください。)
3年生で再チャレンジする時間の余裕がある。
IPAの発表資料によると、高校生の合格率はおよそ30%です。
そのため、失敗することも考えておかなければなりません。
仮に、2年生の春休みに受験して不合格だったとしも、焦らずに、3年生の4月に再チャレンジして書類提出に間に合わせることができます。
ITパスポート試験への挑戦が生活を前向きにする。
高校生のITパスポート試験の学習を10年以上サポートしていましたが、生徒は学校と勉強とは違う面白さがあると言っていました。
・学校の授業と違って、他人と比べられない。
・社会で必要な知識を身に着けられる。
・社会を知るための言葉がわかる。
みなさんも、「中だるみの2年生」という言葉を、学校の先生から聞いたことがあると思います。
そんな2年生に対して、「ITパスポート試験への挑戦」は、日々の学習や部活動とは異なる新しい目標を持ち、また、社会と直結した勉強の面白さ知ることで、中だるみしがちな生活を前向きにさせることができます。
まとめ
高校3年間を見通と時間的に余裕があるのは高2
高1:生活や学習について、中学生の時との違いに戸惑う。
高2:少し余裕が出てきて、自分の将来について考える。
高3:本当にこれでいいのか、自信がないまま進路準備を進める。
ITパスポートに挑戦する直接的メリットを最大限生かすことができる。
推薦に向けた校内選考過程で高く評価される。
提出書類に記載できる。
3年生で再チャレンジする時間の余裕がある。
ITパスポート試験への挑戦が生活を前向きにする。
高校は、勉強・部活だけではありません。悩み解決の一提案
高校に入学するとすぐに、多くの場合、勉強と部活動のガイダンスがあって、進路希望調査が取られます。
でも、高校は学習と部活動だけではないんです。
将来に役立つ資格取得もできます。
資格取得というと、商業、工業、農業高校などの実業系の高校では盛んです。
でも、そのような学校でなくとも、独学で資格がとれます。
そして、メリットもとても大きいです。
高校時代は、勉強、部活、進路、友人、家族、お金など、さまざまなことで悩む時期だと思います。
これから紹介する、独学で「ITパスポート試験の資格をとる」という解決方法もあるので考えてみませんか?
ITパスポート試験の勉強は、おもしろい。
前にITパスポート試験の勉強を教えていた時の、生徒から感想です。
私自身も”そうだね”と思うことを言っていました。
学校の授業と違って、他人と比べられないから、おもしろい。
一番、生徒からの感想で多かったのは、「学校の授業と違って、他人と比べられないところがいい。」ということでした。
高校の勉強では、実力テスト、模試、学期中間、学期末ごとに、各科目と総合で、得点、偏差値、学年順位、科順位、クラス順位が書かれた成績が生徒に渡されます。
ITパスポート試験の学習では、試験終了時に成績は返されますが、最終的に合格してしまえば皆同じです。
仲間同士で比べ合いしない限り、別に何点でも関係ありません。
その意味で、合格ラインを目指し、自分のペースで学習することができます。
社会で必要な知識を身に着けられるから、おもしろい。
「社会で必要な知識を身につけられるから面白い」という感想が多くの生徒から言われました。
英語や数学などの基礎科目と違って、ITパスポート試験の内容は、IT社会に出ていく自分にとって直接役立つことが理解できると話していました。
ITパスポート試験は、コンピュータの知識だけの試験ではありません。
会社の組織、決算、戦略など会社経営に関すること、著作権や労働法規などの法律のことなど社会に関することが問題に出ます。
高校の科目では、「現在社会」や「政治・経済」に関係する内容です。
高校の試験では、専門用語の暗記や専門用語の説明を覚える学習が中心で、いわば、知識としての勉強です。
ITパスポート試験の良いところは、知識を利用する視点で実例を挙げた問題が出題されるので、社会で役立つことがすぐイメージできます。
言葉がわかるから、おもしろい。
IoT、ビックデータ、AIなどの技術革新によって、社会が大きく変わろうとしています。
ITパスポート試験には、社会の変革に対応した最新の用語についての問題が多く出ます。
ITパスポート試験の勉強をしていると、電車や街頭の広告、新聞、TV、SNS等で頻繁に目や耳にする言葉がたくさん出てくることに驚くでしょう。
そのため、勉強していると、自分のまわりにあることが少しわかるようになっておもしろいと言っていました。
ITパスポート試験は、どんな試験?
ITパスポート試験は、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。(IPAより)
ポイントは、”ITを使うすべての社会人が備えておくべき”と、いうことですよね。
日本全体で”キャッシュレス決済”に移行している時代です。
ITを使わない社会人なんか、ほとんどいないでしょう。
すなわち、
ITパスポート試験は、すべての社会人が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
なんです。
高校生でも、独学で合格できるの?
皆さんは、ITパスポート試験の合格率を知っていますか?
受験者全体でみると、おおよそ5割です。
その中で、高校生の合格率は下の図のように、約3割です。
学習指導要領の範囲内で教えないといけないので、たとえ商業高校や工業高校などでも、科目「ITパスポート試験対策」というように、100%試験対策に絞った授業はできません。
事実、所属する科によって合格率の違いは出ていません。
すなわち、高校生でも、自力で、合格しているのです。
高校生合格率3割って、難しすぎない?
さて、皆さんは、合格率3割をどう見ますか?
確かに、客観的にみて、合格率3割に挑戦するのは楽ではありません。
でも、10年以上高校生に教えていた私の経験上、合格率3割は、高校生にとって難しすぎる値ではありません。
なによりも、上の図を見てください。
学校の所属している科に関係なく合格率は、似たようなものです。
これは、学校の勉強の成績と関係ないことを意味しています。
よく、「学校の成績がいい」=「頭がいい」から合格できる。と考えがちです。
でも、私が見てきたのは、単純に「頭がいい」から合格したのではなく、勉強したから合格した生徒たちでした。
高校生で取ると、こんなメリットがあります。
メリット1:専門学校の学費が一部免除になります。
多くの専門学校には、資格に関する特待生制度があります。
例えば、ある専門学校では、入学時にITパスポートの資格を持っていると初年度学費より10万円免除になります。
なお、学校によって異なるので詳しくは、専門学校の資料で確認してください。
メリット2:大学の総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜(推薦)で優遇されます。
入試優遇のある大学は、全国240校の大学入試で、ITパスポート資格の優遇があります。(公表不可37校含む、IPAより)
優遇の内容は、学校によって異なります。
資格を持っていることを、書類に書くだけで優遇される場合もあります。
そうでない学校でも、ITパスポートの資格は、総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜(推薦)の根拠になります。
総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜(推薦)では、選抜を受ける資格があるか示す必要があります。
その際に、ITパスポート試験に合格していれば、「志望動機」、「興味関心」、「高校在学中に取り組んだこと」などを客観的に証明することができます。
例えば、情報分野に関係する学部・学科の場合、「小学生のころからコンピュータに関心があります。」だけよりも、「実際、ITパスポート試験に合格しました。」と付け加えたほうが断然説得力が増します。
決して、情報分野に関係する学部・学科だけではありません。
学部・学科に限らず、ITパスポート試験合格で、総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜(推薦)で求められる本人の「積極性」を示すことができます。
メリット3:就職担当者から高く評価されます。
危険物取扱者や電気工事士の資格と違って、ITパスポートを持っていることが条件になる仕事はないでしょう。
しかし、ITパスポート試験に合格したことで、就職時に、本人の「自主性」や「計画性」をアピールできます。
特に、運動部に入っていない生徒の場合、自分をアピールする材料があまりありません。
そんな時に、ITパスポートを持っていると、とても自分を理解してもらうのに役立ちます。
ITパスポート試験に限りませんが、高校生活で国家資格を取得することは、就職担当者から高く評価されます。
まとめ
高校時代は、勉強、部活、進路、友人、家族、お金など、さまざまなことで悩む時期です。
その解決のために、独学で「ITパスポート試験の資格をとる」という方法を紹介しました。
1 ITパスポート試験の勉強は、おもしろい。
学校の授業と違って、他人と比べられないから、おもしろい。
社会で必要な知識を身に着けられるから、おもしろい。
言葉がわかるから、おもしろい。
2 ITパスポート試験は、すべての社会人が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
3 高校生の合格率が、所属する科によって違いがないということは、独学でも合格できるということです。
4 高校生合格率3割は、試験が難しすぎるとためと思うかもしれません。しかし、10年以上高校生に教えていた私の経験上、合格率3割は、高校生にとって難しすぎる値ではありません。「学校の成績がいい」からではなく、試験の勉強をしっかりやったから合格した生徒たちをたくさん見てきました。
5 高校生で取るメリット
メリット1:専門学校の学費が一部免除になります。
メリット2:大学の総合型選抜(AO)・学校推薦型選抜(推薦)で優遇されます。
メリット3:就職担当者から高く評価されます。
コロナ不況の時に、親が子供に第一にすべきこと
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、社会に不況感が蔓延しています。
子供たちは、そのような負の情報に敏感です。
教師をしていた経験から、こんな時には、子供たちが進路選択から逃げたり、安易な進路選択をすることが増えると予想します。
今、子供たちにしてあげなければならないことは、たくさんあります。
そこで、”子供たちが自分の道をしっかり選ぶことできるようする”という視点から、親がすべきことについてお話しします。
ネットにある負の情報や感情を理由に、生徒は、進路を考えることから逃げたり、安易な進路を選んだりしました。
ネットにある負の情報や感情は、子供たちにすぐに伝わります。
そして、ネットにあることが、すべてであると勘違いしている子供がとても多いです。
私は、教師をしているとき、放課後に生徒とよく雑談していましたが、いつも感じていました。
確かに、進路の選択は、不安でなかなかできないものです。
そのため、生徒は、ネットにある負の情報や感情を理由に、進路を考えることから逃げたり、安易な進路を選んだりすることがありました。
そこで、私が教諭をしていたときには、ネットの情報を認めたうえで、自分の企業での実体験を生徒に話していました。
不景気や災害の時でも、悪いことだけではありません。
不景気でも、みんな、前向きに働いていました。
バブル後の不景気であった時期を、「失われた20年」と言うことがあります。
私は、「失われた20年」と言う言葉が嫌いです。
子供たちに、無駄な20年と勘違いされそうだからです。
私は、この時期に会社生活を送っていました。
その間に、「乾いた雑巾を絞る」ようなコストカット、ボーナスの商品券支給、派遣切り、人員削減、頻繁な組織改革、人事制度改革、会社分割、事業売却などがあり、直接的にあるいは間接的に影響を受けました。
でも、私を含め多くの人々は、前向きに働いていました。
確かに、この期間に、それまで隆盛を誇っていた業種・企業が衰退することがありました。しかし、情報や通信関連などで、新しい業種・企業が新たに生まれてもいます。
私の経験でも同じことがありました。
私が入社して間もない時期に、社内で飛ぶ鳥を落とす勢いだった事業部が、10年後に事業売却されました。
逆に、入社時に新入社員が配属されなかった事業部(つまり、会社から当てにされていない事業部)が、10年後に会社の代表的な事業として新聞で紹介されていました。
SNSや一部の報道は、今後、不況感を煽るような情報であふれるでしょう。
しかし、実際のところ、どうなるかはわかません。
災害のときでも、みんなで助け合っていました。
災害報道では、人命救助や道路・建物のことなど、報道記者が目にしやすいことが中心に報道されます。しかし、復旧のためにがんばっていたのは、そのような職業の人やボランティアだけではありません。
私の仕事の顧客は、公共関連でした。
そのため、阪神淡路大震災の時には、東海道新幹線復旧のための機材を24時間体制で対応して、極めて短い時間で納入しました。
また、雲仙普賢岳の噴火の時には、社内、関連会社にある出荷可能な製品を探し出し、緊急に監視機材を現地に送ったのを覚えています。
これらは、営業、システム、設計・開発、生産管理、製造、検査、ロジスティクスなど多くの部門の人々が、事態の重大性を認識して柔軟な対応をして実現しました。
私は、この経験を生徒に話していました。
これから、新たな事業や雇用が生まれることも期待できます。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、一部ではありますがテレワークの取り組みが広まりました。
また、事業継続計画(BCP)の重要性が再認識され、生産工場の配置検討、国内回帰などが動き始めています。
そのため、今後、電力・通信網の強化、通信機器の需要増大などで、あらたな雇用が生まれることも期待できます。
親は、これまで、不景気や災害の波を乗り越えてきた経験を話してあげることが第一です。
これまで例をあげたように、不況のときでも災害の時でも、皆、必死になって生きてきました。
みなさんも、それぞれの仕事や立場で同じような経験をしていると思います。
今後、新型コロナウイルスによる影響を受けて、倒産する会社や解雇される人も多くなるでしょう。
しかし、そのような話だけでは、子供たちは自分の将来に希望を失ってしまします。
子供たちが、不安ながらも自分の道を選ぶことができなければかわいそうです。
そうならないようするためには、子供の近くにいる親が、不景気や災害の波を乗り越えてきた経験を話してあげることが一番効果があります。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、経済に深刻な影響が出ています。このため、社会に不況感が蔓延しています。
子供たちは、ネットなどの負の情報に左右され、しっかりと自分の道を選ぶことができなくなりそうです。
子供たちがしっかり自分の道を選ぶことができるようにするためには、親が自分が乗り越えてきた経験を話してあげることが第一であることをお話ししました。
新型コロナウイルスで社会が不安な今こそ、キャリア教育のチャンスです。
新型コロナウイルスの影響による消費の落ち込み、企業の生産調整、資金繰りの悪化などのため、多くの人々の雇用や収入に深刻な影響が出てきています。
また、学校が休校になるなど、子供はいやでも社会情勢に関心を持たざるを得ない状況です。
ところで、「キャリア教育」を知っていますか?
「キャリア教育」は、一言で言うと、社会的・職業的にひとり立ちするための能力や態度を育てることです。
ですから、親であれば少なからず、誰でもやっていることで、特別なことではありません。
しかし、「キャリア教育は難しい」とよく言われます。
私も、そう思います。
なぜなら、子供は、親や教員の話を自分のこととして、なかなか聞いてくれないからです。
そこで、新型コロナウイルスで仕事で直面している課題やそれに対応している姿を子供に話してあげましょう。
社会への関心が高まっている今こそ、子供のキャリア教育のチャンスです。
今回は、今がキャリア教育のチャンスである理由とどうすればいいのか、私の経験をもとにお話しします。
本当は、子供は自分の将来のことを不安に思い、社会のことを知りたがっています。
私の授業では、企業人としての経験や考えたことを多く話しました。
私は、教員採用のときに、書類提出、小論文の筆記試験、複数の面接などで、「どうして教員を目指したのか」、「教員になったら何をしたいか」を何度も問われました。
そして、一貫して「自分が企業人として経験したこと、考えたことを生徒に伝えたい。」と主張して採用されました。
そのため、教員になってからは、学習指導要領に従って教科書の内容を教えるのは当然ですが、その過程で、企業にいた時の仕事の内容(守秘義務に反しない範囲で)、人間関係、失敗、成功などを生徒に話しました。
なお、キャリア教育についてイメージがわかない方は、以下のサイトがわかり易いです。
生徒は、私の授業を関心を持ってよく聞いていました。
私が元会社員だったこともあり(教師らしくないので)、学校の事務員や用務員の方ととても話が合いました。
用務員は、トイレットペーパーの交換や校舎内の点検のために、よく校舎内を巡回しています。
そのため、授業の様子をよく見ていて、「あの先生の授業は、生徒がかってに話していて授業になっていない」とか、「あの先生は生徒が寝ていても注意しない」とか、先生方の授業の様子をよく知っていました。
(校長よりも知っている感じがしました。)
そんな彼らに、私の授業を見て、「教えていることは何か難しそうなのに、生徒がよく話を聞いている。」と言ってもらえました。
(ごめんなさい、自慢のつもりではないです。でも、研究授業をやったときの他の先生方のコメントよりうれしかったです。)
生徒に、授業でためになったと思うことを書かせると、企業での話を挙げる生徒がとても多くいました。
学校では、すべての授業について期末ごとに授業アンケートを取ります。
評価項目、評価基準は学校で決められています。
(名目は授業改善のためのデータ収集ですが、教員からすれば通信簿みたいなものです。)
私の授業内容についての生徒の評価は、悪くはありませんでしたが、特別にいいわけでもありませんでした。
一方で、授業アンケートとは別に一年間の最後の授業で、私は生徒に授業で覚えている事、ためになったことなどを自由に書いてもらいました。
すると、多くの生徒が挙げたのが、会社での私の経験の話でした。
(文部科学省の定めた授業の目的からすれば、あまりよくありません。)
新型コロナウイルスで社会不安になっている今こそ、子供に寄り添った視点でみて社会状況を教えてあげると聞いてもらえます。
インターネットの発達によって情報があふれています。
そのため、読者の皆さんは、大人よりも子供たちの方がさまざまなことを知っていると思っていませんか?
教員になる前は、私もそう思っていました。
しかし、教員として多くの生徒と接してみてわかりました。
確かに、SNSの発達で断片的な情報が広く早く伝わるようになってはいます。
でも、子供たちは、情報をしっかり受け止めることができていませんでした。
つまり、
一方的、感情的な情報が多く、その情報が信用できる情報でない事を子供たちも気がついています。
そのため、何を信じていいか自信が持てず、情報に基づいた行動ができない子が多くいました。
もちろん、学校や教育関係の会社からキャリアに関する情報が伝えられています。
でも、多くの生徒を対象としており、生徒からすれば一般的なことしか書いていないため、自分のこととして受け止められないでいます。
そこで、今こそ、子供のそばにいる保護者が、自分の目で見たこと、聞いた事、経験したことなど、信用できる具体的な情報を子供に伝えると聞いてもらえます。
今回は、新型コロナウイルスで社会不安になっている今こそ、子供に寄り添った視点でみた社会状況を教えてあげると、自分のこととして聞いてもらえます。今が、子供のキャリア教育のチャンスであることをお話ししました。
ご意見、コメントお待ちしています。