問題が起きた時、「なぜだろう」と原因をとことん考える人は意外に少ないのでは!? あっさりと諦めてしまう人が多いようですね。
「前方の安全をよく確かめていなかったのが原因とみられています」
新聞やテレビの交通事故報道で、こんな記事を読んだり、見かけたりします。
でも、よく考えると、「前方の安全をよく確かめていなかった」から事故が起きたというのは、当たり前の話です。
貴重な紙面、時間を使って、当たり前の話をわざわざする必要はないでしょう。
ついでに言うと、交通事故の記事やテレビのニュースの最後に「〇〇署が原因を調べています」というのも、当たり前の話。事故が起きても、警察が原因を調べなかったら、それは大きなニュースです。その事実をつかんだら、特ダネになります。
「前方の安全を…」に戻ります。新聞の読者やテレビの視聴者は、当たり前のニュース報道を期待しているわけではありません。
遠回しの話をして申し訳ありません。
何が言いたいかというと、事故原因は「前方の安全をよく確かめていなかった」ことではなく、大事なのは「前方の安全をよく確かめていなかった原因」です。
つまり、不十分な記事やニュースが時々見られるのは、警察も取材記者もきちんと調べていないからなのかもしれません。違っていたら、ごめんなさい。報道は締め切り時刻に追われていますので、取材した時点で、根本的な「原因」が報道されないケースもあります。大事故なら、続報で詳しく報道されるかもしれませんが、普通の記事なら一回きりで、続報はありません。そうすると、新聞の読み手もテレビニュースの聞き手も"未消化"のまま、頭の中に何かもやもやとしたものが残ったままになってしまいます。
例えば「前方の安全をよく確かめていなかった」の前に「車の左前方歩道に、とてもかわいい子犬を散歩させている素敵な女性がおり、そのかわいい犬と女性に見とれていたため」といった説明があれば、読者も視聴者も、「なるほど!」と納得するでしょう。原因の中身によっては「へぇ―!」ということにもなるでしょう。
前置きが長くなりましたが、あらためて何が言いたいのかというと、「『なぜ?』思考をもっと大切にしましょう」ということです。
私は今、「災害ボランティアコーディネーター(VCo)」として活動しています。大きな災害が起こると、被災地に「災害ボランティアセンター(VC)」が設置されます。VCoは、「室内に流れ込んだ泥を掻き出すお手伝いをしてください。私は高齢で、1人ではとても手が回りません」などと悲痛な声を上げる被災者の方と、全国から駆け付けてくださる災害ボランティア(Vo)を結び付け、迅速で効率的な支援ができるように活動するスタッフのことです。
その私たちの大きな課題の一つが、スタッフ不足です。
年に一度、災害VCo養成講座を開いていますが、仲間に加わってくださる方は多くはありません。今年は新型コロナの影響で、その養成講座すら開くことができませんでした。当然、私たちのグループに加入してくださる方もいらっしゃいませんでした。
せっかく養成講座を受講しても入会してくださる方がいるとは限りません。
で、ここで「なぜ?」の登場です。
せっかく養成講座を受講しても、仲間に加わらないのはなぜか?
仲間に尋ねてみました。
「なぜ?」
「今は駄目みたい」
「なぜ?」
「忙しいらしい」
「なぜ忙しいの?」
「……。なぜでしょう」
ここで止まってしまいます。
そうではなくて「忙しい」原因は、「子育て?」「親の介護?」「仕事?」「他のグルーブと活動日が重なっている?」…。いろいろなことが考えられます。
だったら「何曜日の何時ごろなら活動に加われるの?」「災害時に、わずかな時間でも構わないから、一緒に活動できる?」と、「今は、駄目」な原因と、その人のいろいろな事情を詳しく聴いていくと、その人が「来年以降ならOK」と言ってくれたり、「その条件なら、今でも、できる」と応じてくれるかもしれません。
だったら、その人に合った活動日の設定をすれば、仲間が1人増えるはずです。曜日や時間帯を工夫するだけの話です。定例会やプロジェクトチームのミーテイングを曜日や時間帯をずらして月に2回開くだけのことです。それでも無理ならオンラインでやればいいだけの話です。
曜日や時間帯をずらして試みたこともあったそうです。結果は、参加者ゼロ。
で、「なぜ?」と聞くと、「検証していない」ということのようです。駄目だったままで、ストップしていたのです。
要は、何か困難、課題などにぶつかったら、その原因、要因を突き詰めて調べ、「障害は何か」が分かれば、代替案や対策を考えればいいだけのことです。
私たちの活動を振り返ってみても、なぜか、今、難題、課題にぶつかったら、すぐに「駄目みたい」であきらめてしまうことが多いような気がします。「『駄目みたい』と簡単に諦めてしまうのは、なぜなのか?」も含めて、みんなで考える必要があるでしょう。
ちょっとだけ考えてみると、例えば、リーダーの指導力不足、人材不足、メンバーの意識不足、定例会の運営の仕方の問題…。
あまり「なぜ?」「なぜ、できないの?」「なぜ、やらないの?」「なぜ、やろうとしないの?」と言い続けていると、相手はそのうちに眉間にしわを寄せ始めます。
でも、原因、要因を突き詰めて考えることは大切なので、そういう風土、雰囲気がないのであれば、少しでもそれが変るように、時々「なぜ?」と、仲間が問題意識を持ってくれるように声を出し続けようと思います。
もちろん、「なぜ、駄目なのか」の先にある代替案や対策も、どんどん提案していくつもりです。
『えっ、振り返り? 反省―とは違うの?』
「あなたが住んでいる地域では、どんな防災訓練をしていますか?」
防災に関する講座を聴講しているとき、講師からこんな質問を受けました。
そして、最後に、こんな質問も受けました。
「訓練の後、どんな"振り返り"をされましたか?」
その時、こう思いました。
『えっ、振り返り? 反省―とは違うの?』
というわけで、インターネットで調べてみました。
「仕事における振り返りの手法と重要性…」
「成長につながる振り返りの重要性と具体的な手法…」
「振り返りとは? 仕事でなぜ重要なのか?…」
などなど。
なんだか、ビジネスシーンでよく用いられる用語のようです。
その中身を幾つか読んでみました。一部を引用すると…。
振り返りとは、「内省」とも言い換えられる言葉です。内省とは、これまでの自身の行いを思い返し、自分の内面を見つめ直すことで、思考や気持ちを整理すること。
また、過去の自分を後悔する、過去から学ぶといった意味もあります。
このうち、組織で求められる内省は、過去から学んで次に生かすための振り返りです。
過去から学ぶとは、自分のとった行動や決断がどのような結果に結びついたのか見つめ、その原因を探し出し、次に同じ状況が起こった時の対策を立てることです。
一方、過去を後悔するだけでは失敗にとらわれてしまい、自責の念が増すだけで、未来の行動につながりません。
失敗によってモチベーションを下げるのではなく、失敗を次の糧にして、前向きに次のチャンスに向かっていくために行うのが振り返りといえます。
そして、効果的に振り返りを行うためのポイントが幾つかあると言われています。
その一つが、「客観的な視点で分析を行う」こと。失敗や目標未達成といった事実は、ネガティブな気持ちになりがち。でも、そのような感情に振り回されず、客観的に体験や物事を分析することが大切なようです。
振り返りの注意点もいろいろあるようです。例えば…。
「失敗の原因追究はあくまでもプロセスの一部。そこから、今後に生かせるような対策を考えることが大切です」
「行動を思い出して、よくなかった点を反省することは重要。しかし、失敗の追求と同様にそこで終わらせては、意味がありません。ただ反省しただけでは、次にどのように動くべきか明確にならないからです」
そして…。
「フレームワークなどを利用して決めたことは、まずは手順に従ってやってみましょう」
何となくわかってきました。なるほど、なるほど。
振り返りの効果なるものが、うまくまとめられているサイトを見つけました。一部を引用させていただくと…。
・原因について論理的に考えるので、達成できなかったことを感情的に責めなくなる。
・建設的な取り組みができる組織づくりにつながる。
・問題や課題を自分一人で抱え込まなくなるので、安心感が生まれる。
・自分の役割が明確に認識できる。
・ミスを恐れずに自信を持って取り組めるので、チャレンジする空気が生まれる。
・働きやすいと感じる環境が整い、帰属意識が高まる。
で、いろいろ振り返ってみました。反省も含めて、振り返りなるものをこれまであまりしてこなかったことに気が付きました。
「防災・減災」についても同様です。個人のレベルだけでなく、組織のレベルでも同様のようです。
例えば、地元自治会の防災訓練。そもそも、あまり活発には行われてこなかったのですが、昨年からはコロナ禍の影響で、ほとんどと言っていいくらい行われていません。
記憶をたどって昔のことを思い出すと、やってはいても、なんだか毎年同じようなことの繰り返しだったような気がします。
なぜなのか、原因を考えてみました。
一つは、自治会の防災担当者が任期1年でころころ入れ替わっていること。そして、やった訓練の"振り返り"が多分、行われてこなかったこと。だから、次の年の訓練の計画がきちんと立てられておらず、なんのために訓練をするのかという目的も考えられてこなかったこと…。
こうして、毎年毎年、ただ惰性で続けられていただけだったようです。
このことは、自治会の訓練だけの話だけではなく、一部の市民団体でも同様の問題を内包しているようです。
講座の講師がこんなアドバイスをしてくれました。
「例えば、訓練をする時、目的をきちんと考えているでしょうか。目的は、計画したことが、ちゃんとできたかどうかを確認することです。それがないと、改善につながりません。ですから、計画を立てる時には、何を確認するための訓練なのかをしっかり考えることが大切です。そして、どういう結果が得られれば『OK』なのかも事前に考えておくことが必要でしょう」
幸いなことに、今、私や私の周りにいる一部の仲間たちは、これまで私たちが漫然とやってきたことを振り返り、「これではだめだ」と気づき始めました。
というわけで、今後は、「次にどう動くべきか」という目標を定め、「決めたことをやってみる」、そして「振り返る」。その流れの中から、何か気づきがあればしめたものです。
すると、活動がどんどん活発化していくことでしょう。
こうした試みに挑戦しない限り、自治会の防災訓練にしても市民活動にしても、いくら長年続けても意味はないでしょう。
振り返りの手法で問題点、改善点を見出すことができれば、それは、とてつもない「宝物」になるはずです。
これからは、この「宝物」探しを地道に続けていこうと思っています。
《引用・参考文献、webサイト》
・ 振り返りの意味とは?仕事における振り返りの手法と重要性/webサイト「あしたの人事」
・振り返りとは?成長につながる振り返り(リフレクション)の重要性と手法/webサイト「Katsuiku Academy」
・振り返りとは?仕事でなぜ重要なのか?効果・実施のポイント・注意点について/webサイト「TECH CAMPブログ」
「古い人は自ら退くべきだ」。机上に埋もれていた資料に記された高杉良の言葉を、じっくりと読み返しました。
秋の雰囲気が感じられ始めたこともあって、机周りの整理を始めました。
この4カ月間、いろいろなことがありすぎて、机の上、机脇の書棚は本や書類、プリントアウトした資料、新聞の切り抜きなどがごちゃごちゃに積み重ねられ、どこに何があるか分からない有り様になっていました。
整理しているときに、ふと目に留まったのが高杉良のインタビュー記事でした。
出典は、今年5月4日に配信された「Yahooニュース オリジナル 特集」。
高杉良は経済作家の第一人者と評価され、私も「金融腐蝕列島」など、ほとんどの作品をリアルタイムで読み漁ってきたファンの一人です。
机上整理の手を休め、赤ペンでアンダーラインが引かれた部分を読み返してみました。
強かった日本はどこへやら、もう東アジアの中でも霞んだ存在。これはやっぱり、政治が悪い。三権分立だなんて言っているけど、圧倒的に政治が強いもの。かつ、その、政治を仕切っているのは、過去にしがみついた高齢者ばかりでしょ。古い人は自ら退くべきですよ。そして、若い人、特に女性をもっと登用してもらいたい。(中略)。能力のある女性たちに、もっと自由に活躍してほしい。そうすれば、日本全体が底上げできるでしょう。
ほんの一部分だけ引用させていただきました。このほかにも、自分の周りのことしか見えず、国家論も持たず、責任感もない政治家や"小役人"になってしまった役人を痛烈に批判する言葉が並んでいます。
時代を象徴する巨大組織に鋭いメスを入れ、「誰にでも言いたいことを言ったし、書きたいことはすべて書いてきた」という高杉らしい言葉です。
その高杉が「古い人は自ら退くべきですよ」と指摘しているのは、このインタビューの文脈上、「政治を仕切っている人」ということになるのですが、それは「政界」だけではなく、巷間、どこでも通じることのような気がします。
もちろん、高杉が言っているのは「自分の周りのことしか見えず、国家論も持たず、責任感もない人」であって、「古い人」の中にもリスペクトすべき人は少なからずいらっしゃるでしょう。
でも、そうではない人も数多く見受けられます。
それと、「古い人」というのは、必ずしも「年を重ねた人」とは限りません。「年を重ねた人」の中にも思考に柔軟性と幅があり、とても魅力的な人物がいらっしゃいます。だから、「年を重ねている」というだけでその人を機械的に排除することは間違いですし、差別にもつながると思います。
要は人物次第ですが、「年を重ねた人」は社会や組織の中での自分の立ち位置や役割をしっかりと考えることも大切だと思います。そうでないと、周り中から「老害」などと指摘されても、自分では理解することができないでしょう。
そういう「裸の王様」みたいな人が組織のトップに居座り、周りの人たちの行動などを結果的に阻害するといった現実が、最近、あちこちで見られるようです。
大した権力ではなくても、長年にわたってそれなりの権力を持ち、それを他人には譲ろうとしないので、勝手に人事や事業を進める「権力の集中」という弊害が生まれます。それに、批判の声を聞こうとしないので自部の行動が正しいと思い込み、だらだらと権力にしがみついているだけという「惰性」の弊害も生まれます。
かくいう私は、どうなのでしょうか。「自分の周りのことしか見えず、きちんとした意見、持論も持たず、責任感もない輩」、あるいは「自己中心的で、保身、名誉欲だけが生きる基準となっていて、他の人の意見に耳を貸そうとしない輩」に成り下がってはいないでしょうか。そのようにみられてはいないでしょうか。
そばにあるテレビが「激震! 永田町」の報道番組を流しています。
「永田町」のことはともかく、プリントアウトした資料を読み直しながら、高杉のこれらの言葉を、じっくりとかみしめました。
「防災・減災」関連の情報を独立させ、新たなブログとして立ち上げました。
訳あって、数カ月もの間、更新を怠ってきましたが、ブログを衣替えして、再開することになりました。
これまでは「里山って いいな」*1というタイトルのブログに「防災袋」というカテゴリーを付け足しのように設けていましたが、これを独立させて新たに「防災・減災! 地域ねっと日進」*2というこのブログを立ち上げ、2本立てとすることにしました。
以前は、「里山」に関する内容が中心で、「防災・減災」関連は僅かでしたが、今後の情報発信は「防災・減災」がメーンとなります。このブログには、折々に感じたことを書き留める「巷間逍遥」のカテゴリーも設けています。
新しいブログ「防災・減災! 地域ねっと日進」のテーマは「地域防災力を高める」。南海トラフ地震に備え、自助、共助の観点から、地域の活動などについて情報提供をしていきたいと考えています。
「里山…」も継続はしますが、特別な事情がない限り更新は当分の間、予定していません。
この数カ月、更新がないにも拘わらず、毎日、「里山…」にアクセスしてくださった方が少なからずいらっしゃいました。本当に申し訳ありませんでした。
6月に「工事中」の案内をして以降、結局、このような形になりました。ブログに関しては、しばらくは「防災・減災」に傾斜しますが、いずれまた「里山…」でもお目にかかる日が訪れると思います。再開の節は、よろしくお願いいたします。
なお、「里山…」に収容していたカテゴリー「防災袋」の更新も停止します。ご了承ください。「防災・減災」関連は、新設のこのブログで展開していきます。関心がある方は、こちらを訪問していただきたいと思います。
知名度がまだまだ低い「災害ボランティアコーディネーターの会」。「仲間を増やし、活動の輪を広げるためにすべきことは何か?」と自問中。
今まで、ある資料をじっくり読んでいました。
しばらく前まで立て込んでいた「日進里山リーダー会」の活動が少し落ち着き、連日のようにアップしていたブログもちょっと休む余裕ができたため、今日は「防災」関係の勉強をしています。
読んでいるといったのは、3月13日に日進市中央福祉センターで行われた「災害ボランティアセンター[*注①]開設・運営訓練」でのアンケート集計結果です。
2種類あって、そのうちの一つが「駆け付けボランティア役」をしてくださった市内5自主防災会関係者6人からの回答内容でした。ちなみに、もう一つは、同じく「駆け付けボランティア役」をしてくださった市と市社会福祉協議会(社協)職員16人から寄せられた回答でした。
今、取り上げるのは前者です。設問は4項目。2番目に「『日進災害ボランティアコーディネーターの会[*注②]』のことはご存じでしたか?」という設問がありました。
回答を見ると、
a 知っていた…2
b 会の名前だけは聞いたことがあった…1
c 知らなかった…3
資料を読む手を休めて、このブログを書き始めたのは、実はアンケート結果のこの部分を読んで、少なからずショックを覚えたからでした。
理由の第一は、「知らなかった」と答えた人が一般市民ではなく、自主防関係者だったこと。
理由の第二は、今回の「災害ボランティアセンター開設・運営訓練」に先立つ1カ月前の2月13日に、「災害ボランティアコーディネーター養成講座」が予定されていて、受講生募集のフライヤーが昨年12月初旬の各自治回覧板に織り込まれていたこと。さらに、同月末、日進市の広報誌2021年1月号とともに各戸配布された社協の「福祉だより」2021年1/1号にも募集案内が掲載されていこと(新型コロナウイル感染症拡大防止のため講座は中止になりました)。
社協関係者によると、パンフレットやフライヤーではなかなか目に付かないため、暮らしにより密着した地元自治会の回覧板に織り込むことで、目に付きやすくなる効果を狙った」そうです。
実は、その効果の一つが、私の目に付いたこと。そのおかげで、私は今、日進災害ボランティアコーディネーターの会の仲間になっています。
にもかかわらず、参加した自主防関係者の半数が「知らなかった」というのは、驚きでした。
この事態を、どうとらえるべきでしょうか。
いざ大規模災害が起こった時、かなり多くの災害ボランティアコーディネーターが必要になります。「養成講座」はおろか「災害ボランティアコーディネーターの会」の存在そのものの知名度が低いということは、スタッフの増強にも大きな影響を及ぼしそうです。
さらに重要なことがあります。知名度が低いということは、災害が発生した時、被災者が援助の手をどこに差し伸べればいいかを知らないということになります。これでは、全国から日進市に災害ボランティアが駆け付けてきてくれても、ボランティアを派遣すべき被災者が「いない」ということにつながりかねません。
災害発生時に設置される災害ボランティアセンターだけでなく、市・社協・日進災害ボランティアコーディネーターの会と、各地域自治会との連携強化が今、問われています。災害時を想定して、平時から連携を強化し、具体的な準備を整えておく必要があります。
そうした課題を考える時、今回のアンケート集計結果は大変重要な事実を突きつけていると思います。
みんなでじっくりと検討し、何をしなければいけないのか、まず何から手を付ければいいのかを考えていくことが必要ではないでしょうか。
危機感をもっとしっかり持ち、活動仲間を増やし、関係者ともっともっと連携を深めて活動していく必要性を痛感しています。
【注】
①災害ボランティアセンター 被災地に全国から駆け付けるボランティアを被災者のもとへスムーズに派遣し、すみやかな復旧・復興を支援するために日進市社会福祉協議会が設置します。同センターは次のことを行います。
1. 全国から駆け付ける「ボランティア」の受け付け
2. 被災した市民からの「ニーズ(困りごと)」の受け付け
3. 「ボランティア」と「ニーズ」をマッチングし、被災者のもとへボランティア
を派遣する
②災害ボランティアコーディネーター 災害ボランティアセンターに駆け付けた「ボランティア」と「ニーズ」をつなぐ人。ボランティアに安全に活動してもらうため、また被災された方に安心して利用いただき、速やかにボランティアを派遣するために重要な役割を果たします。社会福祉協議会は、日進市、日進災害ボランティアコーディネーターの会と協力し、毎年「養成講座」を開催し、コーディネーター増員に努めています。
日進市の2020(令和2)年度災害ボランティアセンター開設・運営訓練が13日、中央福祉センターで行われました。
新型コロナウイルスの影響で、昨年度の災害ボランティアセンター開設・運営訓練、本年度の災害ボランティアコーディネーター養成講座が中止となったため、本番に近い形での訓練が行われるのは昨年2月に開かれた同養成講座の時以来、1年1か月ぶり。主催した同市社会福祉協議会のほか日進災害ボランティアコーディネーターの会、市内各地の自主防災会関係者ら約40人が参加しました(写真はクリックすると拡大表示されます)。【注】
訓練の目的は2つ。第1は、「災害ボランティアセンター」そのものを知ってもらうこと。その上で、「災害ボランティアセンター」と「各地域」が連携することの必要性を感じてもらうことです。
そして、今回の訓練の主眼は①コロナ禍との向かい合い方②屋外での初めての訓練実施―の2点です。
災害時には、センターのスタッフとなる社協職員や災害ボランティアコーディネーターの会メンバー、各地から駆け付けるボランティアらでかなり多くの人が交錯することになるため、いかに「密」にならないようにするかといった工夫が求められます。
さらに、訓練はこれまでは室内でしか行ったことがありませんでしたが、地震などにより中央福祉センターが損壊して屋内に災害ボランティアセンターを開設することができなくなった場合などを想定して、屋外での訓練実施が求められていました。
このため、当初は中央福祉センター北側駐車場を利用したプランが計画されていましたが、あいにくの悪天候のため、急遽、連年通り室内での訓練に変更されました。
会場が室内に変更されたことに伴い、新型コロナウイルス感染防止対策の観点から、訓練の内容も縮小。各係担当者からの指示や説明を聞いて駆け付けボランティア役が本番並みに実際に行動するのではなく、各係担当者がそれぞれの部署で行う業務や、ボランティアに対しどのような指示や説明をするかなどの概要を説明する形式に変更されました。
午前9時30分から始まり、訓練の目的や被害想定の説明があった後、早速、訓練開始。
日進災害ボランティアコーディネーターの会のメンバーが①案内②事前オリエンテーション③受け付け④活動紹介⑤活動オリエンテーション⑥資機材貸し出し⑦活動フォローの各ブースに分かれて待機。駆け付けボランティア役となった社協職員、自主防関係者が会場を順に回って、各ブースの担当者から業務概要の説明を受けました。
新型コロナウイルス感染防止のため、説明役のコーディネーターの会メンバーは、マスクだけでなくフェイスシールドも着用。駆け付けボランティア役の皆さんは、「密」になることを避けるため5~6人単位の4グループに分かれ、時間差を設けて会場を回っていただきました。
災害ボランティアコーディネーターとして私が心がけたのは、いかにスムーズにボランティアを活動現場に送り出すかという点。詳しく説明しすぎると時間がどんどん経ってしまい、ボランティアのやる気を削いでしまうので、どのくらいの時間を割き、どの程度まで説明するのがよいかなどを他のメンバーらと話し合ったり、資料の掲示方法、マニュアルの改善点などの課題を拾い出しながら作業を進めました。
このようにして、「駆け付けたボランティア」と「被災した住民の困りごと(ニーズ)」がどのようにして結ばれ、復興支援ボランティア活動につながるかを学びました。
そして、その後のミーテイングで社協の担当者から説明があったのは、それぞれの「弱点」。
一例として、次のような点が挙げられました。
①災害ボランティアセンターの弱点…困りごと(ニーズ)が上がってこないと運営ができない。
②駆け付けボランティアの弱点…日進市(被災地域)の細かい地理が分からない。とにかく何かしたい!!
③助けてもらいたい住民の弱点…ボランティアが来てもらえる仕組みを知らない。
「こうした問題を解決し、効率良い活動を実現させため、区・自治会・自主防災会など地域の皆さんとぜひ連携をしていきたい」と強調していました。
この日浮かび上がった課題などは、日進災害ボランティアコーディネーターの会の定例会などで議論を深め、今後の活動に生かしていきたいと思います。また、駆け付けボランティア役を担ってくださった方々から寄せられた声、アンケートの内容も大いに参考にさせていただきます。
マニュアルを読んでばかりいても仕方がありません。訓練を重ねて場数を踏み、いざという時のために十分備えておきたいと思っています。
【注】
①災害ボランティアセンター 被災地に全国から駆け付けるボランティアを被災者のもとへスムーズに派遣し、すみやかな復旧・復興を支援するために日進市社会福祉協議会が設置します。同センターは次のことを行います。
1. 全国から駆け付ける「ボランティア」の受け付け
2. 被災した市民からの「ニーズ(困りごと)」の受け付け
3. 「ボランティア」と「ニーズ」をマッチングし、被災者のもとへボランティアを派遣する
②災害ボランティアコーディネーター 災害ボランティアセンターに駆け付けた「ボランティア」と「ニーズ」をつなぐ人。ボランティアに安全に活動してもらうため、また被災された方に安心して利用いただき、速やかにボランティアを派遣するために重要な役割を果たします。社会福祉協議会は、日進市、日進災害ボランティアコーディネーターの会と協力し、毎年「養成講座」を開催し、コーディネーター増員に努めています。
「災害ボランティアコーディネーター養成講座」受講生の募集が始まりました。申し込みはお早めに
「もしもの時に あなたの力が必要です!!」―日進市社会福祉協議会が、今年も「災害ボランティアコーディネーター養成講座」受講生の募集を始めました。私は今年2月に受講し、その後も「日進災害ボランティアコーディネーターの会」のメンバーの一人として訓練を続けていますが、とにかく《災害が発生した時、復旧・復興に向けて予想を上回る多くの人の手が必要になるだろう》と痛感しています。「災害ボランティアコーディネーター」もその一翼を担う重要なスタッフです。多くの方が受講し、さらに私たちの活動の輪に加わってくださるとうれしいなと思っています。
講座は来年2月13日(土)午前9時~午後4時、日進市中央福祉センターで開かれます。参加費は無料。定員は20人。申し込み期間は来年2月5日までですが、申し込み順に受け付けるそうなので、希望者は早めに申し込みを。ちなみに24日現在、既に8人の方が申し込まれているそうです(詳しくはフライヤー=写真㊦=参照)。
地震や豪雨などによって大きな被害が発生した時に設けられるのが「災害ボランティアセンター」。センターは▽全国から駆け付ける「ボランティア」の受け付け▽被災した市民からの「ニーズ」の受け付け▽「ボランティア」と「ニーズ」を「マッチング」し、被災者のもとへボランティアを派遣するー業務を行います。
災害ボランティアは、基本的に被災地が困っている問題を解決することが役目。この被災地・被災者の困りごとが「ニーズ」と呼ばれています。そして「ボランティア」と「ニーズ」をつなぐ役割を果たすのが「災害ボランティアコーディネーター」。「ニーズ」に合わせて「ボランティア」に活動を紹介することを「マッチング」と呼んでいます。片仮名ばかりで恐縮ですが…。
私は災害現場で体験したことがないので実感はできませんが、「この『ニーズ』の把握と『マッチング』、実は簡単な作業ではありません」と、関係者や先輩から教わりました。
内閣府のホームページなどによると…。
「例えば、高齢者を含む4人家族の場合でも、20代の若者が1人いるのといないのとでは状況がかなり違います。独り暮らしをしている80代のおばあちゃんは途方に暮れてしまうでしょう。『土砂の片付け』などニーズの表面的な内容は同じであっても、被災者が置かれた環境や家族構成によって困りごとの大変さは随分異なります」
「被災者1人につきニーズが1つとも限りません。『ひと』『もの』『かね』『情報』と複数のニーズを抱えているのが実態です」
さらに…。
「同世代や同性の方がという被災者もいるでしょう。炊き出しでは調理経験がある人の方を優先したい、といったニーズもあります」
私は活動を始めたばかりで、まだまだ勉強不足で技術も未熟です。定期的に行っている訓練の中でいつも考えているのは《混乱した状況の中でこうした仕事を臨機応変に、適切に進めるにはどうすればいいか》ということです。
私が持っている「日進市災害ボランティアセンター設置・運営マニュアル」はA4版で63㌻。簡略版でも19㌻あります(写真㊨)。これらの内容を頭に叩き込むだけでも大変ですが、《知識として持っているだけではだめ。被災者の心に寄り添う支援の在り方なども含めて身をもって実感し、自信をもって対処するには、繰り返し訓練を行い、経験を積み重ねるしかない》と痛感しています。
さらに最近は、新型コロナウイルスについても配慮しなければならず、従来と同様のマニュアルでは対処できないのではないかという課題も新たに出てきています。
この講座では、基本的な知識を学ぶ座学だけではなく、受講生が「ボランティア」と「災害ボランティアコーディネーター」の両方の役となって「災害ボランティアセンター」開設・運営の体験もすることになっています。私も両方の役を体験することによって、作業の基本的な流れだけでなく問題点や改善しなければならない点などを把握することができ、貴重な体験となりました。
クリスマスイブの24日、日進市の広報誌2021年1月号と同時に我が家に配布された日進市社会福祉協議会の「福祉だより」2021年1/1号(写真㊧)にも募集案内が掲載されていました。
しかし、それよりも3週間も早く、募集案内のフライヤー(写真㊦)が12月の市内各自治会回覧板に挟み込まれました。皆さん、お気づきになられたでしょうか。
こうした情報が人々の目に届く機会はそれほど多くはないだけに、閲覧率が高いと思われる自治会回覧版に挟み込むというのはなかなかいいアイデア。実は私も1年前に講座開催の情報を知ったのは、回覧板がきっかけでした。今年もその効果が現れたのか、21日の申し込み受け付け開始前から問い合わせがあるなど、反応はいいようです。
《講座開催の情報が一人でも多くの方に届くといいな》
こんな思いを込めながら、今、このブログを書いています。
当日は私たちもお手伝いします。一緒に勉強してみませんか。