気のすむまでバケツ2杯分くらい

漫画の感想を書いていきます。主にBL 漫画 たまにBL 以外の漫画と小説も。

ちょこざいうつわ

かなり久しぶりの更新になってしまいました。

この頃はBL漫画も電子書籍の単巻で購入したものをちまちまと読んでるくらいであまり完結した物を読んでいなかったので、なかなか感想が書けなかったのです。 

それはそうと、オンブルーで連載していた丸木戸マキさんの「インディゴの気分」が最終回を迎えましたよ…あの「ポルノグラファー」のスピンオフ作品です。最終回、すごく良かったのでコミックス化したら感想と書きたいなぁ。

さらに更に、こめりさんの新連載「彼と付き合う10のメリット」も今後楽しみです!またちょこちょこ単巻で読んで、オマケにつられて一冊にまとまった物も購入するんだろうなぁ私。

 

前置きが長くなりましたが、今回はこちらの感想です。

ちょこざいうつわ (ショコラコミックス)

ちょこざいうつわ (ショコラコミックス)

 

 碗島子さん、初めて読みました。他にも「理解できない彼との事」という作品が人気あるみたいですね。他の方の感想を読むと好き嫌いの分かれるタイプの作品が多いようで、いつも躊躇してはやめ…を繰り返してました。性描写が独特なんでしようかね?そんな感想が見受けられるので。でもサンプルを見た感じでは面白そう…というわけで碗島子さんの漫画の中でもわりとエロシーン少なめと言われているこちらを選んで読んで見ました。私はわりとエロは保守派なのです。

 

あらすじ

経営コンサルタントの樋口は赤字続きの陶房「こんの」の担当になるが、三代目の弟である由一郎のクソ生意気な態度に、初日からむかつきっぱなし。そんなある夜、忘れ物を取りに「こんの」を訪れた樋口は、由一郎が実の兄をおかずに一人エッチしているところを目撃する。弱みを握ってやった!! 勝利を確信した樋口は、バラされたくなければ仕事の邪魔をするなと釘を刺すが、調子に乗って由一郎を無理やりいかせたことで立場逆転。「人の○○○を握る変態」として、扱いは悪くなる一方で……!?(RENTA!の内容紹介より引用)

感想

●ネタバレ含みます、未読の方ご注意を〜

 

受けのキャラクターを好きになれるかならないかが、評価の分かれ目なのかもと思いました。ほとんどデレることのないツンデレです。…が、私の中ではかなり大ヒットでした…!久しぶりに心を掴まれた感じがします。何度きゅんきゅんした事か…!!!最初は確かに、何故そこまで樋口を嫌うのか?不自然すぎではと思っていたんですが、理由がしっかりありましたし。ただ、由一の家族がちょっと酷すぎますね(笑)まぁ半分くらいギャグですけど、お兄ちゃんがもう少し彼の気持ちを汲んであげていたらなぁ…。

樋口が由一の事を好きになっていく過程が1番キュンとしました。人を好きになっていく時の追体験をしているようでドキドキドキ…。好きだ…!の場面でプチプチロールに抱きついてましたけど、私も何かにギュって抱きつきたくなりました。ああ由一可愛い。

由一が樋口を意識し出したのはいつ頃なんでしょうね〜徐々にっていう感じはあるんですが、1つは、あの接待飲み会なのかなとも思いました。大学で学んで自分が会社を支えていく気でいた由一にとっては、自分が将来こんな事が出来るのか?…と現実を思い知ったのではないでしょうか。。だから、「思ってもない事をよく言えるな」ってきっと、ほんとは嫌味ではなく樋口への尊敬の念から出た言葉なのだと思いました。この辺からだだーっと樋口へデレ始める由一の可愛いこと…!!!膝枕のお返しとかもう萌えすぎて鼻血ものでした。まぁ靴ぶん投げたり酷い場面もありましたが(笑)、ツンツンなのに漂う、あの計算ではない天然の色気はなんなんでしょう〜あああ(重症) ホテルでのやり取りは最上級に萌えますね…

碗島子さんの作風なのか、とても真剣な表情なのに笑いをぶち込んでくるのが面白すぎでした。なんてシュールな笑いなんだろう。最初はそんなギャグがくると思ってなかったので、一体何が起きたのか一瞬わからなかったです(笑)なぜかギャグマンガ日和を思い出したました。表情のせいかな?

話せば長いふたりの話

 こめりさんの、はなせば長いふたりの話 の感想です〜。

話せば長いふたりの話【ペーパー付】 (arca comics)

話せば長いふたりの話【ペーパー付】 (arca comics)

 

あらすじ

「ハルちゃんと別れることになったら、俺生きていけないよ……下半身も」

同人作家とファンとして出会って以来、慎也と春彦は5年越しのラブラブな恋人同士。でも慎也が萌え系漫画家としてデビューし、春彦が証券会社で働きはじめてからはすれ違いの日々が続いている。慎也の作品も慎也自身もたまらなく大好きな春彦だけど、大事な日の約束をすっぽかされて遂に我慢の限界! 激おこで別れを切り出すものの、いつものように押し倒されたらすぐメロメロになっちゃって……。

オタクなふたりのラブ&エッチな波乱の日常

(RENTA!の内容紹介から引用してます)

 

感想

ネタバレ含むので未読方ご注意を〜

 

 「風花、つもりつもる」を読んで好きになった作家さんで、風花〜に続いてこちらを読みました。こめりさんの持ち味(?)の可愛らしい絵とほのぼの系のお話で、私が好きな系統であり、ものすごく安心して読める作品でした。ほのぼの系のBLって世の中に沢山あると思うんですが、何か展開に違和感があったり、キャラの性格や言動を好きになれないっていうのも、今まで色々読んできていくつかあったんですよね…。「話せば長いふたりの話」には、その違和感要素が全然なかった。風花〜の感想にも書いたんですが、キャラ同士の会話が自然で、テンポが良くて、生き生きしてるんですよねぇ。特に何か大きな事件が起きるわけでもなく、ゲイのカップルがケンカしたり仲直りしながら日々を重ねていく物語なんですが、ほんとに実際いそうだなぁっていう気がしてきちゃうんです。

特殊なところと言えば攻めの職業が漫画家ってところですが。これも、まぁ作者は漫画家ですし、仕事風景とか違和感あるわけない(笑)むしろ漫画家さんの生活という、自分の知らない世界をちょっと覗いてる感じで楽しかったです。

私が好きなシーンは、お盆の帰省後に慎也の締め切り前の漫画を手伝っている春彦が、学生の頃は良かったよなぁと言い出した辺りです。私もたまに思うので…だけど少し考えると、やはり大人になった今の方がいいなと思うので、2人に共感してしみじみしちゃいます。そしてその後に目薬差してる慎也くんがやたらイケメン…慎也は何気にイケメンって言われてる設定が好きです(笑)

あーこのカップルのお話をずっと読んでいたい。。

BLは2人がくっつくまでのドラマチックな展開のお話も好きなんですが、私はどちらかといとこういう、カップルのそれから…的なお話が好きなんだなと自覚しました。だから好きになったBL漫画の後日談をやたら読みたくなるんだな…。 

STAY GOLD 2

 STAY GOLD二巻の感想です!

STAYGOLD 2 (onBLUEコミックス)

STAYGOLD 2 (onBLUEコミックス)

 

 2巻のあらすじ

中学3年生を目前にして高校へは行かず就職すると言い出す駿人に、見かねた優士はコウの友人・日高を家庭教師として中山家に招き入れることに。しかし日高から「おしてダメなら引いてみろ」とアドバイスを受けた駿人は、優士にそっけない態度で接してくるようになり…?

(RENTAの内容紹介から引用してます)

 

感想

ネタバレ含むので未読の方ご注意を〜

 

今回は駿人のお受験問題から始まります。あっそうか駿人ってまだ中学生だったんだな。ずいぶん大人びてるから高校生かと勘違いしちゃいそうです。そりゃまぁどんな大人も高校受験しないと子供が言い出した日には、優士や担任と同じような反応しちゃうよなぁ。私だったらどうするだろうと考えてしまいました。うーん。駿人には駿人の考えがあるんですよね〜。中学生でここまで確固とした意志を持ってる人がいたとしたら、もうそれはバカというより天才肌に近いものを感じてしまいます。たぶんどこへ行ってもこんなに強い意志を持った人は簡単には崩れないんじゃないかと、なら信じて思う通りにやらせてみてはどうかと。でも中学生だしなぁ〜〜 ってBL漫画なのを忘れて考えてしまうくらい面白い展開です。

コウと菊花はどうにも出来ないながらも、モヤモヤしてます。家族の問題って神経すり減るんですよね〜。自分のことじゃないなら余計に何も出来ないし。受験だけじゃなくて、後半の2人のギスギスした空気、コウも菊花もそれなりに気遣っているんですよね。秀良子さんほんとすごい。家族の描き方がリアルです。歪だけどこの人たちは本当に家族なんだなとびしびし伝わってきました。

 

2巻でもなかなか良い味が出してる日高ですが、コウの家に行ける口実として家庭教師案にグイグイなの笑いました。無表情なのに気持ちが熱いところがまた良い…。

恋をすると強くなる人と弱くなる人がいる。うんうん。ちなみにどうでも良いことですが私は完全に後者です。惚れた方が負けって、思い込みだしものの考え方次第だと思うんですが、それでも多くの人がそうなるんじゃないかなぁ。でもそれってどうしてなんだろう。駿人はそういう常識みたいなのをどんどん超えてくる存在ですよね。駿人目線のときは、それはそれであれこれ悩んでいる姿が見えるのですが。私の好きなミュージシャンにそういう考えの人がいるんですがやはり生き様がロックなんですよね。そして天才。近いものを感じます。

夏がやってくるーーで終わってますが、今後どうなっていくんでしょう〜。まだまだ今後の展開が読めません!楽しみ!

あ、日曜日にみんなでお出かけしたお話すごく良かったです。あんな充実した日曜日があるのだろうか!羨ましい!

アケミちゃん

この頃新しい漫画読んでないので、今まで書くと言っておきながら書いてなかった漫画の感想どんどん更新していきたいと思います…!

今回は丸木戸マキさんのアケミちゃんです。

アケミちゃん (ダリアコミックスe)

アケミちゃん (ダリアコミックスe)

 

 ポルノグラファーの感想を先に書いてしまったのですが、丸木戸マキさんの漫画で初めて読んだのはアケミちゃんの方でした。某BL漫画レビューブログで紹介されてるのを読んで気になって購入したんです。刊行順だとポルノグラファーが先なんですね。

あらすじ

【人生まだ諦めてないクズ男×男運のない男】

前科持ちとなり、大学を中退した蒼介は、金の無心をしに病院経営をする実家へ戻ってきた。そんな時、寂れた町の一角で、家業のスナック「アケミ」で働く元同級生の静雄に再会する。

女顔をからかい「アケミちゃん」と呼んでいた過去から苦い顔をする静雄だが、実家を追い出された蒼介は静雄の家に転がり込んでしまう。ケンカをしながらも少しずつお互いを認めていくふたりだったが、ある時、男性教師に無理やり関係を持たされた静雄の過去を知ってしまい――。

(RENTA!より引用してます)

 

感想

ネタバレ含むので未読の方ご注意を…!

 

まず絵柄が好きです。ちょっと個性的なところありますし、古い絵柄かなと思いきや、全然そうではないんですよね〜。独自の絵柄を確立してるというかすごく上手で…特に好きなのは、丸木戸マキさんの描くタレ目キャラなんですが(笑)このアケミちゃんの攻めの蒼介のビジュアル大好きです…最初かなりクズ男な設定ですけど、見た目が好きすぎて全然クズに思えない補正がかかってしまいました。。クズ男とは言い切れない部分も、読んでいくと見えてはくるんですけどね。

2人とも田舎町で生まれ育ち、蒼介は東京へ出たものの、周りに流されていく人間性で失敗しているし、一方シズオも周りの人々の中に埋もれていくように自分を出せない生き方をしている。そんな2人が、今までと違う方法で生きていこうと一歩踏み出した所がとても感動しました。今までと違うっていうのは、例えば蒼介は親の金を受け取らずに出ていくし、シズオは、母親ではなく自分のために東京へ出るというところです。

人生の1つの大きな転換を描いた作品という部分ではポルノグラファーとも通じるものを感じました。そこから何かがまた始まる感じ。素敵ですね〜。

本編だけ読むと、キスのみでエロはないし、若者2人の青春映画的な、なんとなくBLじゃなくても成り立ちそうな所がありますけども…おまけの後日談で幸せそうな2人が見れたので満足です(笑)むしろ後日談もっと読みたい!

他の方の感想を読むとシズオ母のハルコさんが大人気でびっくりでしたw蒼介のビジュアルとシズオから漂うエロさについて考えてたら魅力に気づかなかった!シズオのエロさは、あのうなじのせいなんでしょうか…あと、服がものすごくダサいのも田舎の閉ざされた空気を感じられてたまらなかったです。蒼介に色々教えてもらえばいいと思うよ!2人が洋服買いに行く後日談とかも読みたい…。。読み切りなんかで描いて欲しいです…!

チョコストロベリーバニラ

彩景でりこさんのチョコストロベリーバニラという漫画を読みました。この方の作品は初めて読みました。

チョコストロベリー バニラ (バンブーコミックス 麗人セレクション)

チョコストロベリー バニラ (バンブーコミックス 麗人セレクション)

 

この漫画、3Pものなんです。

私は実は3Pに全く興味を持てないのですが、じゃあなぜ読んだかというと、RENTAでの評価がとっても高いんですよね。。読んだ方の感想を見ても絶賛されている方々多いし、評価低めに付けている方でも、ちょっと合わなかった程度で酷評はないし、エロさだけの3Pものとは少し違う雰囲気を感じ、気になって読んで見ました。

 

あらすじ

幼なじみのタケと“物"でも“人間"でも“好きなモノ"は何でも共有してきた拾(ひろい)。
その拾の好意にずっと応えてきたタケ。
拾に恋焦がれるあまりに、そんな二人を受け入れたミネ。
絶妙なバランスで成り立っていた同級生三人の関係が、それぞれの想いの微妙な変化により、少しずつ崩れ始めていく――!?

感想

以下、ネタバレ含みます。未読の方はご注意を

 

まず、登場人物たちの心理状態が普通じゃないですよね。主要の3人みんな、確実に何か心に問題を抱えてますって。現実にいたら病院へ行く事をオススメするレベルですw

拾の言っている理屈も筋道は通ってるけど理解はできないかな…。もし拾とタケのように、他人が自分の一部であると言い切る関係の2人がいたとしたら…と考えるとぞっとします。創作の世界だからこその面白さです。

更にここへミネが入ってきて始まる3人の関係なんですが、最初は抵抗していたミネも、拾と付き合うならタケとも一緒でなくてはいけないというメチャクチャな関係をわりとすぐに受け入れる不思議な人でした。

体の相性が良かったが故に?嫌い合いながらもタケとミネは少しずつお互いを受け入れていく様子が描かれているのですが、最終的にはミネは拾を好きなままで、3人でいる事に変わりはなく終わっていくんですよね…。タケとミネを見る拾の目が切なかったのですが、それでもこの3人は変わらないのだろうか?ほんとにこのまま続くとは到底思えないなぁと、不穏なままで終わっていくんですよねぇ。それで気になって続刊も2つ読んでしまったのですが(笑)、作者はこの3人の関係性を変える事は考えていないのだろうなと思いました。(まだ続刊全て読んでるわけではないのでこの後本当はどうなるか分からないですが)

タケとミネのエロシーンが続刊含めてとても多いので、作者の描きたかった核心はやはりタケとミネの心の動きなんだろうなと感じました。特にタケかなぁ。自分というものがほとんど無かったタケが、ミネに対してどんどん自分を剥き出しにしていく所。

うーんやっぱり不思議だ!心理描写は丁寧なのに、登場人物に共感できないまま、とにかく摩訶不思議な世界を覗き込んでいるような面白さがありました。全然暗い雰囲気は無いので、病み系ではありますが読みやすいかなとも思いました。

続刊1の、飼い主が拾、先住ペット1タケ(犬)、新入りペット2ミネ(猫)という設定がなんだかしっくりきましたwあぁ、そういう風に考えればちょっとわかるかな…みたいな(笑)

STAYGOLD 1

 秀良子さんのSTAYGOLD の感想です。宇田川町〜のおまけも収録の新装版を購入しました。

 

STAYGOLD 新装版 1 (onBLUEコミックス)

STAYGOLD 新装版 1 (onBLUEコミックス)

 

あらすじ

ひとつ屋根の下で暴走する片思い
「隙みせたら容赦しねーから覚悟しとけ」

―両親不在、血は繋がっていたり、いなかったり。ちょっとフクザツなお家事情の中山家は叔父兄弟と甥姪の4人ぐらし。それでも歪な「家族」は、なんとかうまくやってきた。―駿人(甥っ子)が優士(叔父)に好きと告げ、キスをするまでは。
13歳のままならない恋心は、大人と子供の境目で、ついに暴走をはじめる。

 

感想

(ネタバレ含みます。未読の方ご注意を)

 面白いなぁと思ったのが、お話の中でけっこうコロコロ視点が変わるんですよね。叔父の優士、甥の駿人、駿人のクラスメイトの女の子の美浦、優士の弟のコウ、コウの友人の日高、などなど。登場人物が多いから、こういう色んな人の目線で物語が進んで行くのがなかなか新鮮で面白いです。唯一、菊花ちゃん目線は今の所無かったですが。菊花は小さいけど、けっこうみんなの事を気にしていて大人びてる所があって魅力的です。そのうち菊花視点もあるのな。 

駿人と優士だけだったら1つ屋根の下でキュンとするBL…!という感じなんですが、そんな単純じゃない。そこに駿人の母であり優士の姉である女性の存在が入る事でちょっと暗い影が落ちているように感じました。心理状況的にすごく複雑じゃないですか。片方が身内に想いを寄せていてももう片方がノーマルならありがちだけど、もう片方も実は複雑だったっていうのが、こりゃあなかなか一筋縄にはいかなそうだなと。続き物なのも頷けます。

個人的には日高なかなか良いキャラしてて好きです。2巻以降も話に食い込んでくるみたいなので期待してます。1つの漫画で2つのBLを同時進行で拝めるなんて素晴らしい…!コウが日高をどう思っているのかが気になる所です。どうでも良い話ですが日高は某バンドの某ギタリストに顔も髪型も名前も似ている気がするんですがそこの所どうなんだろう(笑)流石に違うかなぁ。

駿人の誕生日の話はちょっと泣きました。家族へのプレゼントってあげる人とあげない人分かれると思うんですけど、私はわりと兄弟にあげていたし貰っていたので、コウと菊花がそれぞれ用意しているのに懐かしさを覚えてじんわりきました。クリスマスよりも誕生日が何より特別な日であってほしい派です(笑)誕生日に、帰ってきて誰もいないお家は寂しいよなぁ。

おまけで誰よりも早起きした菊花がコウと一緒にプリキュアみたいなの踊って寝落ちするのが可愛いかったです。

余談なんですが、私が昔コミケに行ってた時に秀良子さんがよつ●との同人活動をされていて、よつ●との家族パロディみたいな同人誌があったのを思い出しました。やんだが思春期の息子でとーちゃんが母ちゃんでっていう。ギャグだし全然違うけれど、何か印象が重なるところがあるのかふと思い出しました。たぶん家にあるはず…今度読もう。

 2巻の感想はまた近々書きます!

VOID

 コヨーテの作者ということで作者買いです。座裏屋蘭丸さん。間違いないだろうと思い。

VOID-ヴォイド-

VOID-ヴォイド-

 

 

あらすじ 

マキの元にやってきたヒューマノイドのアラタは、容姿と記憶の一部をコピーしたハイスペックな【愛玩タイプ】。 しかも最初に見た人間を好きになり依存する【すりこみ機能付き】。 すりこみ機能により愛情を示すアラタを、マキは嬲るように抱く。 「ちゃんと愛して欲しい」とアラタは涙目で訴えるが、マキの心には決して融けない「永久凍土」があり……。 描き下ろし50ページ超収録!ロゴにメタル箔押し&表紙にエンボス加工を施した豪華装丁! 総ページ数200P超の大ボリュームの完全受注生産の18禁コミックスです。

 (Amazonの商品説明引用してます)

 

感想

やはり間違いなかったです。絵もお話も素晴らしかった!

ヒューマノイドだとか、SF的世界観はありますが、コヨーテ同様にそれ程頭であれこれ考えなくてもスッとストーリーに入っていけます。全然強引な感じじゃなく、すごく自然にSF設定を受け入れられるんですよね。絵柄的にもそういった世界がすごく合う。設定に負けてない。本当に上手いなぁと感心してしまいます。

それから、座裏屋さんの描くエロはとても芸術的というか美しさを感じます。ただ、このお話は前半部分からエロ満載なんですけど、前半部分のエロシーンは萌えとか興奮よりも、悲しさを感じました。エロシーンが残念って意味じゃないですよ。主人公のマキに感情を寄せるとものすごく悲しいエロシーンなんです。さらに読み進めてマキの過去を知った後にこの部分を読むと悲しさが増します。

だけどその悲しい絶望的な状況から、まさに氷が解けていくような感覚でハッピーエンドへ向かってくストーリー展開。マキが、レンとアラタを少しずつ違う人間だと感じ始めていく過程、アラタって名前を呼ぶ度に、もうレンと重ねていないんだなと読んでるこっちも感じられるんです。 

座裏屋蘭丸さんのセンスの良さは漫画の随所に散りばめられていて、

例えば冒頭の、葬儀のシーンで棺が運び込まれている描写のあとに、アラタが入った箱がマキの元へ運ばれてくるシーンがくるんですけど、レンの入った棺とアラタの入った箱が対比になるような演出だったり、

「すりこみ」設定があるから後ろを向けと言われた前半と、最後の「後ろを見てみろ」

 というセリフもうまーい具合に対比になっていて、なかなかニクイ演出なんですよねぇ。レンは鳥嫌いだけどアラタがバードハウスを作ろうとする所なんかも良いですよね。

作者は映画をたくさん観られる方なのかもしれないなぁと勝手に想像してます。すごく良作の洋画にありそうじゃないですか。

悲しみから甘い甘いハッピーエンドへ向かう幸せを感じました。心が救われる作品です。読んで良かったなぁ。