旧)今日もヨミトル!

あなたがわかっていること、伝えたい

「ヨミトリ君と麻痺手で遊ぼう♪会」は大好評でした!

こんにちは、たかぎです。

先般ご案内した「ヨミトリ君と麻痺手で遊ぼう♪会」を去る3月12日に開催しました。
おかげ様で、文字通り「麻痺手」で童心に帰ってみんなで遊んだ、とびっきり楽しい会になりました。
「ご一緒しましょ」のホームページに開催報告の記事をアップしましたので、ぜひご覧ください!

www.goisshoshimasho.com

 

手に麻痺のある方向けのお楽しみ会を企画しました!

こんにちは、たかぎです。

日頃は、意思疎通支援のヨミトリ活動に温かい関心をお寄せいただき誠にありがとうございます。

このたび、「ご一緒しましょ」のホームページにイベント「ヨミトリ君と麻痺手で遊ぼう♪会」のご案内を掲載しました。

ご一緒しましょのオリジナルデバイス「ヨミトリ君」と専用ソフトを使った、麻痺手で操作してゲームなどを楽しむ交流会です。おそらく日本初のイベント?!
皆さんに楽しんでいただけるようがんばって準備します。お楽しみに!

www.goisshoshimasho.com

 

新年おめでとうございます

今年も、ライフワークとしている意思表出支援(ヨミトリ)の活動に全力で取り組みます!

HP「ご一緒しましょ!」のブログカテゴリー「今日もヨミトル!」に、昨年の活動のふりかえりを投稿しました。

「2021年のふりかえり」
https://www.goisshoshimasho.com/look-back2021

併せて、本「旧)今日もヨミトル!」の最初の記事「閉じ込め症候群の友と語る?!」を、タイトルと内容に修正を加え、下記に移転しました:

「『閉じ込め症候群』状態の友と語る?!
https://www.goisshoshimasho.com/dialogue-in-locked-in-syndrome/

本年もどうぞよろしくお願い致します!

ブログ移転のお知らせ

ブログ「今日もヨミトル!」をお読みくださりありがとうございます。

更新をしばらくお休みしていましたが、この度、新しいサイトにてブログ「今日もヨミトル!」を再スタートしました。

これからも、病気や事故の重度の後遺症による四肢麻痺や発話不能で、意識はありすべてわかっているのにご自分の意思を表出できない方の紡ぐ言葉を全力で読み取り、一緒に発信していきます。
新サイトへも、ぜひ引き続きご訪問いただければ幸いです。

尚、ホームページ「ご一緒しましょ!」にての記事更新に伴い、本ブログはタイトルを「旧)今日もヨミトル!」に変更しました。
当面こちらの「旧)今日もヨミトル!」もアーカイブとして継続公開します。

今後ともどうぞよろしくお願い致します!

2020年のふりかえり

たかぎです。こんにちは!

更新が滞ってしまいました。

コロナ禍で現在はヨミトリの活動をお休みしていますが、

 

え?タカシさんとのヨミトリはどうなった?

はい、たいへん申し訳ございません。

前回までの記事で、タカシさんを初めてお訪ねしてヨミトリのトライをさせていただいたことを書き始めたところで休載…。

 

結論を言うと…

タカシさんとは

たくさんたくさんお話ししています!!

 

「早くちゃんと書いてくださいっ!」と

タカシさんとたかぎを繋いでくれた友人のイッシーからは叱咤が時々届く。

 

年明けからまた書いていきますので、引き続きタカシさんの応援を

皆様、よろしくお願い致します!

 

今年は、2018年から意思表出支援にお通いしているシンさんともヨミトリでたくさんお話しすることができました。シンさんは交通事故による脳と脊髄の損傷で重度の障害を負われましたが、懸命にリハビリを重ね、少しずつ手を上げたり、頷いたりできるようになりました。現在は、自分の思いを誰にでもわかる形で表明できるように、タブレットの操作の練習をしています。たかぎとのヨミトリでは、たわいもないおしゃべりや、日々の思いに加え、そうした機器操作の際に機器を置く位置や角度、動作で難しく感じる点などをお聞きして、より効果的なリハビリ環境を作れるようなヒヤリングもしています。

シンさんとのヨミトリについても、またぜひご紹介させてください。

 

春に、大切な友人の美津恵さんとのお別れがありました。

美津恵さんは小脳出血の後遺症で全身麻痺、発話不能となり、発症から1年半ほどは植物状態と思われていましたが、意識があり、周囲の会話もちゃんと理解していました。いわゆるロックトイン・シンドローム(閉じ込め症候群)と呼ばれる状態で、2014年に初めてお会いしてから、ずっとたかぎのヨミトリの先生でした。

美津恵さんはお身体の自由を奪われ、言葉を発することができない状況の中で、いつも前向きな気持ちを持ち、周囲の人を気遣う優しさにあふれていました。

美津恵さん、突然のお別れは本当に驚きで悲しかったけれど、でも、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。美津恵さんとの思い出をまた書かせてくださいね。

 

夏には、ブレイン・コンピュータ・インターフェース (Brain Computer Interface BCI)の研究者の方とお会いして、ヨミトリをご紹介する機会を得ました。意思表出支援に関するディスカッションはとても面白かったです。ヨミトリをしているところも実際に見ていただきました。

 

秋には、地域FMの福祉情報番組からお招きを受け、ヨミトリについてお話しさせていただきました。再び思いが届くようになってからの当事者の方の身体機能の改善や、ご家族の喜びをご紹介することができてとても良い機会となりました。反応がないからといって意識がないとは決めつけず、あきらめず、思いを伝える手立てを一緒に探していきましょうとお話ししたところ、番組を聴いてくださった方から「とても心に響いた」と嬉しい感想をたくさんいただきました。

また番組では、たかぎがヨミトリの活動を始めるきっかけとなった東日本大震災の支援活動でご協力いただいたシンガーソングライターの有坂ちあきさんの曲を2曲かけていただき、曲もたいへん好評で嬉しかったです。

ラジオ局から番組の録音をいただいていますので、YouTubeにアップしたいと思います。このブログにリンクを貼りますのでアップの暁にはぜひ聞いてくださいね!

 

以上、今年のヨミトリ活動のふりかえりでした。

ヨミトリはテレパシーではなく技能です。当事者の方が書字想起される際に伝わる信号をキャッチしますので手に触れないとヨミトリできません。密を避けるため、コロナ禍で活動の制限を余儀なくされ、タカシさんは、シンさんはどんな思いで過ごされているだろうと考えない日はありません。でも直接の支援活動はできませんが、この時間を利用して少しでも勉強して意思疎通支援について勉強するべく、関連する論文などを検索して読んでいます。

 

皆様には、日頃温かい関心や応援をいただき、本当にありがとうございます。 

早くコロナ禍が終息して、タカシさんやシンさん、そして、

わかっているのにまだそれを伝えられないあなたに、

安心して言葉を紡いでいただけますように。

 

来年も全力でヨミトリます!

熱き心に(8)リクエスト

音楽療法の先生が奏でるバイオリンのズンドコと

奥様とイッシーの掛け声 ♪タカシ~♪

に応えるかのように

タカシさんの手が何度か上がり、

お顔の表情もとても良いようで

 

うれしく 楽しい 音楽会♪

 

「たかぎさん、何か弾いてほしい曲があれば」と

イッシーが言ってくれました。

 

うひょー。

「はい! 『ユー・レイズ・ミー・アップ』をお願いできますか」

 

 f:id:miko-miku:20200720015502j:plainちょっ、ママ。やめて。

大人の対応してください。

 

※たかぎ家猫長女のアレサです。初登場は

 

goisshoshimasho.hatenablog.com

 

をご参照ください。

 

まったく、初めてお邪魔したお宅なんですから

少しは控え目にしてくださいっ。

リクエストどうぞと言っていただいたからって、

はい、お願いしますなんて図々し過ぎます。

先ずはいつも行われているプログラムの流れとかを把握してですね、

 

図々しいことなどあるものですか。

せっかくお声掛けくださったのですから

ぜひお願いすべきです!

 

と、思いつつ、

確かに、いきなりで

申し訳なかったでしょうか。

 

でも大丈夫。

先生は

「はい、ユー・レイズ・ミー・アップですね」とおっしゃって

すぐご準備を始められ、

ポジションを取られながら

曲の解説もしてくださいました。

 

荒川静香さんがトリノオリンピックエキシビションで使った曲としても有名ですね。」

 

そうなんです! 

 

頼まれておりませんが、

私もタカシさんの方に向かってお話しします。

「タカシさん、ご存じかもしれませんが、

この曲はメロディーもとてもきれいですけど、

歌詞がまたすごく良くて、

内容は、だいたい

 

時に心が重く疲れても

あなたがいてくれるから、

私はまた力を得て

がんばれる

 

というような意味なんです」

 

もちろん

自分が大好きな曲だからのリクエストですが、

瞬間的にこの曲が浮かびました。

 

タカシさんと奥様、

お互いを見つめ合って、

お互いを支え合って、

生きて来られ、

そして今も、これからも

お二人で共に歩まれる

 

まだお会いしたばかりだけれど

きっとそんなご夫婦。

お二人にぜひ贈りたい歌です。

 

先生、よろしくお願いいたします♪

 

先生がバイオリンで奏でてくださった

「ユー・レイズ・ミー・アップ」は

本当に素敵で、

心が揺さぶられました。

 

曲の間は、タカシさんの手は動きませんでしたが、

奥様はタカシさんのお顔をずっと見つめておられ、

「今までに見たことないくらいの表情。すごく良い顔してる」と

呟かれました。

 

「原曲は、アイルランドの民謡の『ダニー・ボーイ』と言われています。

こちらも弾いてみましょう」

と、先生が続けて演奏してくださいました。

 

これがまた素晴らしかったです。

バイオリンの調べが心に直接語りかけてくるような

気持ちになりました。

 

タカシさん、

こんな間近で、素敵なバイオリンの演奏を

奥様やご友人と定期的に楽しめて

本当に素晴らしいですね。

 

「では、次はお父さんの十八番を」

奥様が言われました。

 

イッシー「待ってました!」

 

タカシさんの十八番は何でしょう?!

 

(続きます)

熱き心に(7)動いてますね…の奇跡?!

タカシさんのテーマソングって

何の曲でしょう。ワクワク。

 

先生は著名なバイオリニスト。

きっと誰もが知るクラシックの名曲?

 

タカシさんのテーマソングで

さあ、音楽療法の始まりです!

 

♪ズン ズン ズンドコ♪

 

え…。

 

「タカシ~」イッシーが突然隣で叫びました。

 

ええっ?!

 

♪ズン ズン ズンドコ♪ 奥様も「タカシ~♪」。

 

バイオリンの貴公子から、まさかの

ズンドコ節

の調べ。

 

うーん、やられた。

軽快なリズムに

生のバイオリンの音色。

そして

「タカシ~」の掛け声。

楽しくて気持ちもとてもアップします。

タカシさんの身体にきっとすごく良い刺激が届いています。

 

「いつも最初の曲はこれに決まっていて。

お父さんのテーマソングだもんね。

先生はクラシックの専門家ですけど、

ジャンルにこだわらず、

気軽に何でも弾いてくださるんです。タカシ~♪」

手拍子と掛け声をしながら、

タカシさんに話しかけながら、

奥様が教えてくださいました。

 

そして、私も手拍子をしながらふと見ると、

タカシさんの手が少し上がって動いています。

 

あ、タカシさんの手、動くんだ。

さっきのヨミトリの時は、初めてだから

きっと緊張していらしたんだな。

やっぱりリラックスって大切なのね。

 

先生の演奏中、タカシさんの手が動くのを見て

とてもうれしくなりました。

なぜなら、

動くなら、きっと文字も書けるから。読み取れるから。

そうか、そうか。タカシさん手が動くんだ。いいぞー「タカシ~♪」

 

タカシさんのズンドコが終わりました。

私は早速感想を言ってしまいました。

「いいですね~。生の音がいい。テンポがいい。掛け声まで入って。

タカシさん、テーマソングをお持ちなんて贅沢ですね~」

 はしゃぐたかぎ。

 

ところがなぜか先生、奥様、イッシーは違う雰囲気です。

 

「手、動いてましたね」と先生。

「はい、動いてました」とイッシー。

 

え?

 

再び先生。「手、動いてましたね。動いたところ見たことないですが」

「はい。いつも硬く、手出してくださいと言っても全然動かないのに。

動いてました」と再びイッシー。

 

奥様「私、手が動くところ見えなかった。

顔が、お父さんの表情がいつもと全然違って、

ずーっと顔見てた…」

 

再度、先生。「よく動いてましたよ。すごいな」

イッシーが茶目っ気たっぷりに言ってくださいました。

「さっきたかぎさんが、ちょっと準備運動をしてくれたので」

 

先生、「ああそうなんですか」とおっしゃりながら、

不思議そうな表情です。

 

そうか、私は今日初めてタカシさんとお会いして、

手が動くところを拝見したので、

状態が良ければ普段も手が動くのだと思ったのですが、

 

タカシさんの手は今まで全然動かなかった?!

そういえば、

意思疎通ができなくなって5年とお聞きしたけれど、

その前からきっとお体の動きは不自由になられていたはず。

ご自分で字を書く機会がなくなって、

いったい何年になられるのだろう。

 

それがヨミトリの導入で、

横線、縦線、〇と/と、どれもシンプルな線ながら、

久しぶりにご自分で書かれたことで、

刺激が伝わり、身体が動きを思い出された!?

そしてお顔の表情にも変化があった!?

 

もしそうなら、

これからどんどん一緒に書いたら、

さらに手が動きを思い出すかも。

完璧に取り戻すことは難しいかもしれないけれど、

少しでも動かせたら、

ICT機器で文字入力もできるかも。

表情の変化が今よりもっと出せたら

コミュニケーションももっととれるかも。

 

なにしろ現代は、

顔のシワ1本の動きでも、スイッチで拾って

信号で送れる時代といわれているのです。

無責任な妄想はだめなのですが、

 でも、

No Promises. Just Possibilites.

(確約はない。でも、可能性はある)

 

ライフワークとしてヨミトリを行っていくにあたり

掲げている言葉です。

 

けっしてあきらめず、

タカシさんにたくさん書いていただいて、

タカシさんが紡ぐ言葉を、

全力でヨミトリます!

 

(続きます)

熱き心に(6)一休み

神経難病の進行による重度の障害で、

お体の自由と言葉を奪われたタカシさん。

「わかっている」と信じる奥様の強い気持ち、

そして支援者の方々の応援もずっと続いていたものの、

約5年間意思疎通は難しかったのですが、

 

ヨミトリで、

「はい」「いいえ」の〇と/をはっきりと書いてくださった

タカシさん。

 

初めてお会いするのに

ずっと前から知り合っているような気持ちになったのは、

温かいご家庭の雰囲気と、

ご夫婦と私をつないでくれた友人のイッシーの

熱い思いのおかげです。

 

順調にヨミトリがスタートできたので、

このまま一気に文字も書いていただきたいけれど、

 

書く方もヨミトル方も

ものすごく集中力が要ります。

タカシさん初めてだし、疲れてはいけないから、

ここは慌てずゆっくり進んだ方がいいかしら…。

でも、きっとタカシさんは、書きたいに違いない。

続けてもいいか、〇と/でお尋ねしようと思った矢先、

 

ピンポーン♪

 

音楽療法の先生が到着されました。

 

やっぱり一休みして、

音楽でリフレッシュしてから

本格稼働!

という流れがちゃんとできているようです。

 

「タカシさん、お疲れ様です。

久しぶりに書かれてどうですかね。

〇と/、しっかりわかりましたので、

素敵な音楽聴いた後、

今度は文字も書いていただきますね。」

 

タカシさんにそう申し上げてベッド脇を離れ、

イッシーと一緒に

少し離れたところに座って先生をお待ちしました。

 

音楽療法の時間には、

いつもご友人や支援者の方も聴きに来られ、

タカシさんと一緒に音楽を楽しまれているそうです。

なんて素敵なプログラムでしょうか。

今日は、ゲストはイッシーと私の二人ということで

貸し切りです♪

 

「こんにちは」

 

音楽療法の先生が入って来られました。

 

う…。

 

先生、美男子。

隣のイッシーもうっとりした表情をしています。

バイオリンをお聴きする前から二人、メロメロモードです。

 

ご挨拶すると、イッシーが続けてくれました。

「先生、たかぎさんも音楽やられてるんです。」

先生が美しいお顔をこちらに向けられました。

聞かれてもいませんが、調子に乗り、イッシーに続いてつい言ってしまいます。

 

「バンドやっています。キーボード担当です。

ボーカルは全盲の友人で、

歌詞カードは点字で用意して、

歌う時は全部覚えて歌うんですよ。」

 

先生に猛アピールしつつ、

タカシさんにぜひ聞いていただきたいと思って

お話しさせていただきました。

 

おそらく、

私について事前の詳しい情報はほとんどご存じなかったであろうタカシさん。

でも最初から真剣にヨミトリに取り組んでくださいました。

お互いをより知ることができたら

またそういう接点を糸口に

言葉を紡いでいただけるのではないか。

 

そんな思いもありました。

座っているところから

タカシさんのお顔は見えませんが、

奥様がタカシさんのお近くで、話しかけてくださいます。

「お父さん、すごいね。

いろんな人がいるね」

 

さあ、先生の演奏が始まります。

イッシーが説明してくれました。

 

「いつも最初の曲は決まっていて、

タカシさんのテーマソングを弾いてくださるんです」

 

タカシさんのテーマソング! 楽しみです!

 

(続きます)

熱き心に(5)なぜか縦線が

ヨミトリの続きです。

タカシさんはとても力強く〇を書かれました。

「いいですねー。では、いいえ、だめの意味のバツの方も書いてみましょうか。

バツは、〇と動きを区別するために、通常、右上から左下に向かって斜めに線を書いていただいているんです。

こう、右上から左下に/(「いや」「いいえ」と言いながら)。

斜めに、書きますよ。では、いいえを書いてみてください!」

 

…。

あれ…。読み取りにくい…。

動きが今一つ弱いです。

斜め上から下ろす線は書きにくいのかな。

 

「タカシさん、いいえは右上から左下に向かった斜めに下ろしますよ。

はい、もう一度。」

 

…。

 

うーん、困ったな。上手く読み取れません。

先ほどの力強い〇のような線の進み具合がないのです。

そしてしばらく考えて、

あ、ひょっとして…と思いついて私が言いかけた時に、

奥様が言ってくださいました!

 

「あの、元々ほとんど『いや』とか『だめ』と言わない人なんです。そういう否定的なことは言いたくない人で。なんでも、『いいよ』『やろう』といつもすごく前向きで」

 

なるほど! やっぱり信条とされている前向きとは反対のことは、ためらいが出るんですね。否定的なこと、できれば書きたくないですものね。わかります。

しかし、ここでは書いていただかないといけません。

 

「タカシさん、いつも前向きんなんですね。すごくいいことですね。ただ、ヨミトリの時は、私のために敢えてしっかり/を書いていただけますか。取り間違いしてしまうことがあるので、そのまま間違ったまま思い込んで対話が進んでしまうといけないですから、いいえがすごく大事なんですね。『今書いたのは違うよ』と教えていただきたいので、/も先ほどの〇のようにしっかり書いていただけますか。お願いします。ではもう一度。」

 

/。

出ました。力強い/。今度はしっかりわかりました!

 

こうして、お互いに書きやすい状態、読み取りやすい状態を工夫して一緒に探しながら、対話を進めていく、この協働がまさにヨミトリの一番大切なところです。

 

実は、ヨミトリは、初めてお目にかかり、すぐにトライしていただけるケースばかりではありません。動かない手で書けますというのをすぐ信じてくださいという方が無理なのかもしれませんが、当事者の方が懐疑的であれば決して無理強いできませんし、当事者が一所懸命書いても周囲の人がそれを信じらないと、書けるのに伝える意欲を失くされてしまうこともあります。

 

タカシさんも奥様も最初から心を開いて受け入れてくださり、柔軟な適応力と前向きな心でタカシさんが私の拙い説明をすぐ飲み込んで、トライが非常にスムーズに進むことに、心から感謝しました。

 

私はこれは行ける!と確信し、文字にも少し挑戦してみたくなりました。

 

(続きます)

熱き心に(4)番外編 長女猫 たかぎアレサ介入


f:id:miko-miku:20200720015502j:plain「ママ、ちょっといいですかっ。」

 

あら、どうしたんですか、アレサさん、いきなり。

 

f:id:miko-miku:20200720015502j:plain「皆様、たかぎ家に4匹いる猫の長女のアレサです。時々ママのブログに登場しております。たいへん申し訳ございません。ママのブログはいつもすごく長いんです。まったく、音楽療法の先生が来られるまでのヨミトリのトライのところだけで、何回使ってるんですかっ!」

 

「だって、タカシさんは5年ぶりに書かれたんですよ。この記念すべき瞬間を、その場にいられなかったご家族や親しい方にしっかりとお伝えするのが私の役目なのですから。」

 

f:id:miko-miku:20200720015502j:plainそれにしてもです!もう少しちゃんとまとめて、わかりやすく書いてください。音楽療法の先生のことも書くつもりでしょ。先生いつ登場されるんですか」

 

「むふふ、この後です。音楽療法の先生、とっても素敵で…」

 

f:id:miko-miku:20200720015502j:plainタカシさんのお話が最優先です!しっかりしてくださいね。皆様、お邪魔しました。

 

あーあ、アレサのお説教でその分また長くなってしまいました。

 

すみません、番外編でした。

 

(つづきます)