ことばの教室担当 成長記録

ことばの教室担当になって3年目。自分で成長するために勉強してきたこと(構音障害や吃音など)を今後担当になる方の参考になるように自分の経験や本・サイトなどを紹介してブログに記録していきたいと思います。

日言研の夏の大会 2019年第52回(平成31年)大会

昨日書きました,日言研ですが,毎年夏に研修大会を開催しています。今年で52回目のようです。たまたま私が初めて参加したのが49回大会で,翌年が50回でした。その記念として昨日紹介した本ができたようでした。

基礎からわかる言語障害児教育

基礎からわかる言語障害児教育

 

 この本ですが,Amazonや本屋で購入すると3780円です。しかし,大会に参加して購入すると特別割引価格3,000円です。うーん,得しているような,普段が損しているような。幅広い分野(構音障害・吃音・言語発達遅滞・難聴・保護者連携など)について書かれているので,教室に置いておくといろいろ調べるときに便利です。

 

 今年は8月5日~6日

そして,昨日記事を書くためにアクセスしたら,もう今年の夏の大会の日程がアップされていました。日程はちゃんと令和になっていました。

・2019年第52回(令和元年)大会予定
・期日 2019年8月5日(月)~6日(火)
・場所 国立オリンピック記念青少年総合センター

 

二日間に別れていて,どちらか1日だけでも参加できます。もちろん2日間参加がお勧めです。一コマが90分の大学の講義のような感じで,一コマの中で同時に3つの講義があって,好きなものを受講できます。一応申し込みでどれを受けるかを出しますが,当日変更しても大丈夫です。構音障害・吃音・言語発達障害・難聴など様々なテーマを扱っています。1日目が3コマ,2日目が2コマが例年です。

※今年は2日目が3コマになって,3コマ目がワークショップで2時間になっていました。これは過去3年間はなかったと思います。

おすすめの講座

さて,いろんな講義がある中で、私の一押しは,2日目に行われる帝京平成大学の山下 夕香里先生による側音化及び口蓋化構音の指導ⅠとⅡです。(2コマ)ことばの教室担当になって,改善するのが難しいといわれるのが,側音化構音や口蓋化構音という異常構音です。異常というのはインパクトありますね。別名として歪み(ひずみ)ともいいましす。日本語にない特別な音と言われています。

 

ことばの教室担当になる前はこの側音化構音などを聞き分けることが出来ませんでした。私の場合はことばの教室担当になって半年位でやっと聞き分けることができるようになりました。指導についても本などもあります。しかし,舌の状態などが白黒だとわかりづらかったり,実際に動画で見ないとわからなかったりします。

 

山下先生は,とても親しみやすいフランクな方です。さらに,多くの写真や動画で説明してくださいます。特にことばの教室担当になってすぐの方にはお勧めです。私は2回受けましたが,また受けたいと思います。以前お知らせした全難言のはじめのいっぽという研修会もとてもお勧めです。しかし,抽選なので,受けたくても受けられないことがあります。

 

kotobanokyoushitsu.hatenablog.com

 一方,日言研は抽選ではないので,申し込めば大丈夫です。(過去3年間の私の経験上ですが。)ただ,人気な講義は講義室がいっぱいになってしまうことがあるので,早めに座席を確保することをお勧めします。

おすすめサイト 日言研

以前,全国のことばの教室や聞こえの教室の団体として全難言を紹介しました。

kotobanokyoushitsu.hatenablog.com

 ここが一番有名で全国のことばの教室や聞こえの教室で会員になっている場合が多いと思います。もう一つ,私が毎年研修に参加する団体があります。それが,日言研です。正式には,日本言語障害児教育研究会です。

nichigenken.jp

名前には,難聴が入っていませんが,研修では難聴に関する研修もあります。研修についてはまた明日書きます。五十年以上の歴史のある団体です。2017年にはこのような本も出ました。(「基礎からわかる言語障害児教育」日本言語障害児教育研究会/学苑社) 

基礎からわかる言語障害児教育

基礎からわかる言語障害児教育

 

 Amazonから目次を引用します。

第1章 言語障害児教育を効果的に進めるために(谷 俊治)
第2章 言語発達遅滞とその理解(藤野 博)
第3章 言語発達遅滞児の支援(大伴 潔)
第4章 構音障害児の支援(山下 夕香里)
第5章 吃音の基礎知識と新たな視点(伊藤 友彦)
第6章 吃音児の支援(小林 宏明)
第7章 聴覚障害とその理解(濵田 豊彦)
第8章 聴覚障害児の支援(澤 隆史)
第9章 ディスレクシア・読み書き障害の理解と支援(小池 敏英)
第10章 幼児期のことばが育つ環境と人間関係(野本 茂夫)
第11章 言語障害児の指導における樹木画検査の実施と活用(石川 清明)
第12章 事例報告のまとめ方と事例研究の意義(羽田 紘一)
第13章 難言教育における子どもとの関わりと教室経営の基礎基本(牧野 泰美)
第14章 保護者との連携の実際(淺利 昇)
第15章 わが国の言語障害児教育のあゆみと日本言語障害児教育研究会(綾部 泰雄)
第16章 言語障害教育の研修について(櫻井 正二郎) 

 やや,理論的かもしれませんが,いろんな分野について調べるときにとても役立ちます。大会について明日アップします。

吃音とは

新年度スタートの今 吃音について知って欲しい

新年度がスタートしました。これから新しいクラスで担任したり,または新しい職場や新入社員が入って来たりしたときに、吃音の方がいるかもしません。これまでマンガなどの紹介をしましたが,吃音の概略をまとめていきます。(下に関連記事はまとめておきます。)

 

吃音の主な特徴

吃音(きつおん)とは,次のような主な状態があります。

 

◎連発(繰り返し)

 「ぼ・ぼ・ぼ・ぼ・ぼくは,~」

◎伸発(引き伸ばす)

 「ぼ~~~くは,」

◎難発(言葉が出にくい)

 「・・・・・・(言葉が出ない)・・・・・・・ぼくは,」

 

の主に3つです。これにプラスして,言葉が出にくいときに,体を動かす(手を動かすなど随伴運動と呼びます)こともあります。

 

原因と治療法は?

原因はいろいろな予想や研究はされていますが,はっきりとはわかりません。

また,治療法も確定されていません。(しかし,自然治癒する場合や,吃音の症状が出たり,あまり出なかったりする波がある場合があるようです。)

 

発症率や男女差?

発症率(吃音の症状が出たことがある人)は5パーセント程度で,有病率(吃音で困っている人)は1パーセント程度と言われています。ん,4パーセント少ない?そうです。幼児期に発症することが多いものの,自然治癒(消失)する場合があります。

男女差でいうと,発症率では1~2:1が有症率では4~5:1で男性が多いです。(下記を参考にしました。「特別支援教育における吃音・流暢性障害のある子どもの理解と支援 (シリーズ きこえとことばの発達と支援) 」小林宏明・川合紀宗編著/学苑社) 

 

吃音が出にくい時はある?

個人差が多いのですが,一般的に次のような時には出にくいと言われています。

◎歌を歌うとき

◎一斉に音読するとき。(1人ではなくみんなで。)

◎独り言

これらではあまり出ないと言われています。後は,学校や幼稚園では吃音が出やすく,家では出にくい等もあります。そして,その逆や両方もあります。特定の音,例えばア行で出やすい人もいます。

 

吃音そのものよりもとらえ方や受け取る側の問題

上で述べたように,なめらかな話し方ではないかもしれませんが,吃音そのものは話し方のくせのように捉えることもできると思います。早口の人やのんびりの人,いろいろある話し方の1つだと考えることも出来ます。

しかし,吃音が出たらどうしようと本人が気になって人と話せなくなったり,周りの人が吃音が出たときにそれをからかったり,馬鹿にしたりするのが問題だと思います。

 

吃音について正しく知って当たり前に

ことばの教室担当になって,それまでなんとなくとしか知らなかった吃音について学んだり,話を聞いたりして少しずつ理解してきました。まずは正しく知ることと,吃音の方の話をしっかり聞く姿勢が大切だと思いました。

最近,Twitterやブログ,YouTubeでも,吃音で検索するとたくさんヒットします。これは,吃音のことを広めたい,理解して欲しいという方が増えているからだと思います。まず吃音って何だろう?という興味をもって知ることがスタートラインだと思います。

 

これまでの吃音関係の過去記事など

 吃音がある人たちのセルフヘルプグループ「言友会」

kotobanokyoushitsu.hatenablog.com

 

 吃音当事者である作者が書いた吃音がテーマのマンガ

kotobanokyoushitsu.hatenablog.com

 

 映画化もされた吃音当事者の心について考えたいマンガ

kotobanokyoushitsu.hatenablog.com

 

 吃音について知る初心者向けの本

kotobanokyoushitsu.hatenablog.com

 

 外国のテレビ番組で吃音症の方との関わりについて考えるブログ記事

kotobanokyoushitsu.hatenablog.com