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常位胎盤早期剥離により重症新生児仮死で生まれた息子についての記録。#低酸素性脳症#筋緊張#嚥下障害#脳軟化症

脳軟化症って

少し日が空いてしまった。

 

毎日、変わりない日々を過ごしている。

お昼に病院に行って、おむつ替えや沐浴をして、抱っこして、搾乳して、あんこちゃん(長女)のお迎えに行く。

最近、痰吸引の練習を始めた。

 

3週間ほど前に、脳のMRI検査をした。

一昨日、その結果報告と、今後の方針の相談。

入院している病院には専門医がいなくて、こんなに時間がかかってしまった。

 

でも

MRIを撮ったからと言って、なにかが変わるわけでもなく。

治療方針が変わるわけでもなく、ていうか治療というものはしていないし。

ただ、一日一日、なるべく彼が苦しいことのないように

なるべく心地よくいられるように、ケアしていくしかないの。

それは、どんな検査結果だって、変わらない。

 

 

そう思って臨んだ面談でした。

 

でも、現実は厳しい。打ちのめされる。

…いや違うなそんなに激しく感情が動かない

心がぽっかりしてしまう。

こどもの脳が溶けてる、って聞かされる親って、どれだけいるんだ?

ってちょっと笑えた。

ぜんぜんないんだもの。無事なところが。

ぜんぶ、もやもやして黒っぽく。

根元の脳幹だけが薄く残ってて、それで呼吸や消化ができる。

いやむしろ脳幹すげーな。なんでこれだけで生きていけるんだ。

 

脳軟化症というらしいです。

出生時に低酸素状態が続いた結果、壊死した脳がどんどん溶けていく。

おそらく、今後もっと広がる。痙攣とか、これまでないけど、出てくるかもしれない。

 

なにができてなにができないんですか、とか

聞くまでもないくらいだった。

 

でもね、昨日も、元気にもぞもぞしてた。

手足をのばしたり縮めたり。彼の意志ではないかもしれないけど、動いてた。

嫌いな鼻吸引をされると抗議の声をあげて、うるんだ目で睨みつける。

抱っこでとんとんすると、とろんとして寝ちゃう。

肩のあたりをマッサージすると、うっとりした顔でほぅ…ってする。

茶色がかったきれいな目で、じっと見てる気がする。

 

生きてる。

かわいいの。

なにも変わらない。

 

 

 

栄養摂取

現在、まめ太2ヶ月と2週間。修正(予定日から数えて)10日です。

 

GCUにも少し慣れたようで、血混じりの胃残もなくなりました。

相変わらずEDチューブ24時間持続注入での経管栄養を続けています。

少し前まで、胃へのOGチューブでの摂取を少しずつ行っていたけど、やはりたまに吐いてしまう。

おそらく仮死で生まれた子に多い、胃食道逆流でしょうとのこと。

嘔吐が多いと誤嚥性肺炎にもつながるということで、胃での摂取はストップ、EDチューブオンリーに逆戻り…。

 

EDチューブでの持続注入は管理が難しく、このままではおうちに帰ることはできないといわれています(その辺りは病院の方針によるようですが…)。

 

でも胃食道逆流のままではEDチューブ卒業できない。

他の選択肢は胃ろう、腸ろう…。

でも胃ろうするにしても胃食道逆流の手術が必要で、それはある程度大きくならないとできない。

腸ろうは胃ろうに比べて管理が難しく大変。とのこと。

 

え、八方塞がり?

とにかく、もう少し大きくなるのを待ちましょうって言われた。

 

でも調べちゃうよ色々。

論文漁ってみた限り、重症心身障害児の胃食道逆流症は成長とともに治癒することは少ない。

近くの大学病院では体重10キロ以上の子にしか実施しないらしい手術も、他の病院では1歳未満でやってるとこもたくさんある。

 

ずっとEDチューブで退院できないくらいなら、手術して胃ろうも増設して顔のチューブなくして楽に栄養摂取して、呼吸も楽になって、ちょっとずつ口から食べる練習しながらお家ですごすほうがいい。。

でも手術、こわいよね。

ママ、まだわからないよ。

出産時のはなし②

①の続き。

 

バタバタと手術の準備。胎児の心拍は、もうほとんどない状態のようだった、

麻酔を背中から入れられるが、激痛で体が動いてしまう。急ぐ先生、動かないで!時間がない!と叱られる…痛いよ…

 

 

夫は、ここですぐ開腹するか、大学病院へ搬送するか選択を迫られる

選択肢なんてあってないようなもの

ここで、新生児科があるわけでもない個人病院で、取り出すしかないのだ。緊急帝王切開ができるだけでありがたい。すぐ赤ちゃんを搬送できるよう、救急車には待機していてもらう。

 

時間がなさすぎて、麻酔半分しか効いてないけどもう切るね!我慢して!と言われて、もうどうしようもないけど本当に怖い。スーッと切られる感覚と、ぐりぐりと内臓を引っ張り出されるような衝撃、思い出すだけでつらい。。

お腹引っ張られながら、先生は叫んだと思う

 

お母さん、赤ちゃんだめかもしれない!

 

 

死んじゃってるの?昨日元気だったのに?助けて、痛い、息が苦しい、私死ねないよ…!

 

 

やっと麻酔が効いてきた。意識が遠のく。

赤ちゃんの顔も、声も、なにもわからないままだった。

 

 

 

 

夫は、ただワクワクと弟の誕生を待っている娘の隣で、私と息子の死を覚悟していたらしい。

赤ちゃんはすぐに蘇生術を受けながらNICUのある病院に搬送され、夫と娘はタクシーで向かった。

 

 

出血から取り出されるまで、約1時間。

この間、胎盤が剥がれたことで赤ちゃんには酸素が送られていなかった。むしろよく生きてたよね。

出生時、アプガースコア1点。

かろうじて、ほんの少し、心臓は動いてた。

 

 

 

私がなったのは、常位胎盤早期剥離、というものです。

赤ちゃんが生まれるより先に胎盤が剥がれてしまうもので、妊婦100人に1人発症し、原因はわかっていません。母体死亡率1〜2%、児死亡率30〜50%と言われています。

妊娠高血圧症や喫煙、既往症、外傷などがリスク要因となりますが、私はどれにも当てはまりませんでした。原因不明、ということも多いようです。

 

  

そのまま私は産院で入院し、赤ちゃんは搬送先のNICUに入院することになりました。

出産時のはなし①

その日は31週目の日曜日でした。

切迫早産の診断により自宅安静を続けていた私は、のらりくらりと家事をして、お昼ご飯の準備をしていました。

少しの張りを感じながら、オムライスを作って娘に先に食べさせはじめ、夫のを仕上げたところでお腹がいたい。

便秘のせいかとトイレに入って、出てもまだ痛い。張りとは違う。

夫に告げて、ベッドで休んでいました。

激痛ではなく、張りとは違う、でも持続的で陣痛でもない、変な痛み。なんだろう、なんだろうと思っていたら、

バシャン!

と何かが出た

破水だと思いました。

こういうとき、パニックになれない。

夫を呼び、バスタオルを持って来させてお尻に当てた

血が出てるよ!

夫の声で、ただの破水ではないことに気づいた

すぐさま病院に電話。

でも日曜日ですぐ先生がつかまらない。

10分後くらいに折り返し。

その間にもどくどくと何かが流れる。

痛みは感じない。

怖くて下を見ることができない。

救急車呼んでいいからすぐ病院へ、といわれ、119番。

自分が電話するほうが話が早いから、自分で話した

夫には出かける準備をお願い。

入院準備なんてまだしてなかったから、ばたばた。

娘を不安にさせないようにと、大丈夫だよー赤ちゃんうまれるかもね!と明るく声を出す。

この辺りで、出血のせいか、足の感覚がなくなり手が震えてきた。

全員で救急車に乗り込み、産院へ向かう。

向かう途中もどくどくと何かが流れ、だんだん意識が遠のいていくのがわかる。救急隊員の問いかけにも、ぼんやりとしか答えられなくなる。気持ち悪くなり、2回ほど吐く…

到着してすぐ先生はお腹を触り、お母さんこれ胎盤早期剥離で間違いない、すぐ帝王切開するよ!と言われる

ああ、やっぱり コウノドリで見たことある、やばいやつじゃん…とぼんやり思ったのを覚えてる。

②に続きます。

NICU卒業

昨日いつものようにNICUへ入ったら、いつもの場所にいない…!

予告なしとは言われていたけど、突然のN卒業でした。

といっても隣のGCUに移動しただけなんだけども!

ガラスを隔てた向こう側は結構異世界でした。

Nとは違い、バイタルモニターもなくコットに寝かせられているだけのたくさんの赤ちゃん。

(まめ太は変わらずオープンクベースです)

もちろん色々な症状、病気の子もいるんだろうけど…人数が多く隣が近くて、密度が違う!

静かでモニターの音だけが響くNと違い、赤ちゃんの泣き声、スイングの音、オルゴールの音…いろんな音が聞こえる。

まめちゃん、聞こえてる?

赤ちゃんて、泣くんだよ。真似してよ。

まめ太は環境変化を敏感に感じ取ったのか、分泌多め、胃が荒れちゃったのか胃残(未消化のもの)に血が混じる…あーあー。

ストレス?場所見知り?

数日で落ち着くといいのだけど。

くらべない、あせらない。

まめ太を生んでから、心の標語。

がんばれ私たち。

予定日

今日は予定日。

もう産まれてから2ヶ月も経ってますけどね!

この週末は上の娘も連れて両親とガラス越しに面会しました。

保育器が面会用の廊下から遠くて、今まではほとんど見えなかったのが、抱っこで廊下近くまで連れていくことができるようになり、すぐ近くで顔を見せることができました。

かわいい〜!と言いながらじっと見つめるお姉ちゃん。

会いたくてしょうがなかったもんね。

数分後には飽きて、じーじ行こっ!と言ってたけど笑

でもママは見てたよ

小さい声でじゃんけんぽん!と言ってチョキを出してたね

まめ太くんはずっとグーだから、負けてくれたんだよね

優しいお姉ちゃん

はやくおうちで一緒に遊びたいね

息子について(修正39週現在)

我が家の息子についてです。

ブログではまめ太と呼びます。

31週、常位胎盤早期剥離による緊急帝王切開で生まれました。約1400gでした。

今現在、1ヶ月半。修正週数39週。約2100g。おっきくなったー。ぷくぷくしてきました。

帝王切開で取り出された時は泣き声はもちろん呼吸はなく、かろうじて心拍がほんの少しだけ、という状態でした。アプガースコアは1点。重症新生児仮死です。胎盤が剥がれだしてから取り上げられるまでの3.40分間、酸素が届かない状態だったと。

朦朧とする意識の中、ごめんねお母さん、赤ちゃんだめかもしれない!という先生の声が聞こえました。

搬送先の病院で蘇生処置をされ、まめ太はなんとか一命を取り留めました。

詳しくはまた記事にします。

今彼はNICUのオープンクベース(箱型の保育器ではなく、温度調節できるコット)にいます。

自発呼吸できていて、口から十二指腸までのチューブを入れて母乳を24時間少しずつ注入しています。消化機能は良く、自力でおしっこもうんちもできます。 体温も安定してきました。

よく目を開けて、色々な方向を見ています。目が合うような気がするけど、見えているのかはまだわかりません。

手足をもぞもぞとよく動かしますが、その動きは固く、たまに震えもでます。低酸素の影響でしょう。 このまま関節が固くならないようにリハビリを毎日行っています。

いまの息子についてはこんな感じです。 まめ太、がんばってます。