気がついたら前回の更新から1年半近く経っていてびっくり…
ちょっとサボりすぎましたね…何事にも三日坊主の私の性格がよく出ている😂
ただ、2023年という新しい年を迎えた訳だし、ゆったりと続けていくことにします!
久々の更新のテーマはタイタニックです。
タイタニックを映画館で見た話
『タイタニック』という映画をご存知だろうか。
あまりにも有名な、名作すぎてこんな質問をすることは無粋かもしれない。
実際日本では公開以来、195分という超大作ながら洋画部門では興行収入一位をキープし続けている。
セリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」や甲板の上でレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが寄り添い合うシーンは
あまりにも有名で、映画を見たことがなくても知っている人の方が多いと思う。
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私自身、初めて『タイタニック』を見たのは、2年前友人と一緒にDVDで鑑賞した時である。
当時私の中の「タイタニック」といえば、レオ様が超絶かっこいいこと、甲板の上でいちゃつく有名なシーンがあること、最後は船が沈んでしまうことという3点くらいのイメージしかなく、しかも超長いと聞いていたのでとりたてて見たいとは思っていなかった。(ただし、絶世期のレオ様には興味があった)
そんな私に友人がレオ様が本当にかっこいいから!本当に美しいから!と熱心に勧めてくれ、初めてのタイタニックデビューした。
いざ、タイタニックを見た私は3時間超という長さも忘れ、映画に没頭し、とんでもなく泣いた。
上流階級で育ち、このまま先が分かりきっている人生、芸術への理解もなく、女をただの道具としか思っていないお金持ちの男と結婚するしかない人生に絶望していたローズが、裕福ではないが人生を自分の心の赴くまま自由に生きているジャックと出会い、恋をする。
甲板のシーンはただの映える構図ではなく、一度は自分の想いに蓋をしてジャックに別れを告げたローズが、
初めて自分の意思で「上流階級のあたりまえ」に背き、自分の人生に自分の意思で向き合った超超超良いシーンなのだった。
タイタニックが沈没して海に投げ出されてしまったあと、1人残されたローズが「私は諦めない」と強く決意し助けを求めるところも、すごく良い。
言わずもがな現在のローズが、かつてのタイタニックのあの時計の前で再会するシーンは涙なしには見られない。
とにかく「名作」と言われるのが納得できる素晴らしい映画であった。
見終わってすぐ、Blu-rayも購入した。
ただ、「名作」で、見れば必ず心揺さぶられることが分かっている映画なので、軽い気持ちで簡単に見ることはできない。
3時間もあるので、見るにはある程度肉体的にも精神的にも余裕がある時でないとなかなか見る気にはなれず、Blu-rayは購入したものの、
特典映像しか見ていない日が続いていた。
初めて見た時から2年後。なんと、公開25周年を記念してタイタニックを劇場で2週間限定上映とのニュースが…!しかも3Dデジタルリマスターという。
あの感動のシーンの数々はぜひとも映画館で見たいーーー
私は連日ほぼ満席の中、月曜日の仕事終わり19時10分のチケットをもぎ取った。
初めての映画館でのタイタニック。
しかも3Dデジタルリマスター。ドキドキだった。
そして映画はー
やはりとても良かった…
言葉も出ないくらい素晴らしかった。
感想
まず映画館で見るという醍醐味。
やはり、この作品はDVDやBlu-rayといった家庭用の小さな画面で見るのではなく、
映画館で見ることでその素晴らしさをより実感できるのだなと思った。
3D自体、普段の映画は好き好んでみないので、3Dグラスをかけて映画を見ることに若干不安はあったが、酔わなかったし、そこまで気にならなかった。
ただ、3Dにする必要はなかったのでは?というのが正直な感想。
映像は、デジタルリマスターなだけあってめちゃくちゃ綺麗。ディカプリオが若返って、最近の技術で撮影した?と思うくらい綺麗(笑)
内容は言わずもがな素晴らしい。
実は仕事で疲れた後ということもあり、3時間あるので途中寝てしまうことを危惧していたが、全くの杞憂だった…
3時間どのシーン、どの瞬間もだれるところがない。見入ってしまったし、やっぱりめちゃくちゃ泣いた。甲板のシーンですでに大号泣してしまった笑
2回目で気づいたこと
次は、2回目に見て改めて気づいたところについて。
ローズの母親についてである。
ローズママは、典型的な上流階級の夫人で、見るからに貧乏なジャックや新興成金のモリー・ブラウン夫人には表向きは愛想良くしているが、心中で大層軽蔑している。
夫が死に家にはお金がなく、あるのはご立派な家名だけで、家計を助けることになるローズとキャルの結婚を強く望んでいる。
映画でもローズが上流階級の子女らしくない嗜みをすれば、すぐに見咎め叱っているシーンが多く出てくる。
当時の価値観通り、女性は結婚して夫に尽くすのがいちばんの幸せだと感じているタイプなのだろうと思っていた。
その印象は2回見たあとも変わらないが、気づいたのはローズママの「学」についてである。
ローズは当時の女性には不要(あると小賢しいとみなされる)とされた「学」があり、頭が良い女性だ。
芸術にも詳しく、婚約者のキャルがバカにしたまだ売れていないピカソの価値も見抜いている。
タイタニック設計者のアンドリュース、タイタニックを建造したホワイト・スターライン社社長のイズメイらとキャル、ローズママ、ローズ、モリーらと食事をするシーンで、
これまでで一番大きな船(タイタニック)を作ったと男性陣が話をして盛り上がっているところにローズが「フロイトによると、男性が大きさにこだわる理由について面白い分析をなさってるの…」とコメントする。
その言葉を受けてその意味を理解しているであろうアンドリュース、モリーはにやりとし、キャルや他の男性陣は意味がわからないといった表情を見せる。
ローズママは、その言葉を受け、「まあなんてことを!」とローズを非難し、その後キャルから「そんな博士の本なんて読まないように言っておきます」みたいなことを言われる。
フロイトの分析とは、男性が大きさにこだわるのは性的なコンプレックスの表れというネタであり、1回目はローズwww言うやんワロタwwwと思って流していたが、
この時の多くの男性陣の反応からしてフロイトの学説は当時の上流階級の人が話すネタとしてあまり一般的ではないと分かる。
ただし、先進的で学のあるローズやモリー夫人、アンドリュースの間では共有されるネタとなっている。
一方、ローズママはどちらか。これまでの印象であれば、「典型的な上流階級の夫人」であるローズママはそもそもフロイトの分析について知らない方が可能性が高いが、知らないのであれば「なんてことを!」という反応は違和感がある。
つまり、ローズママはローズの話すフロイトの分析について知っていて、ローズの言葉の意味するものがあまりにも上流階級の子女があけすけに話す内容ではないため、注意したのだろう。
そうなると、ローズママの印象も少し変わってくる。
彼女も、やはり「ローズの母親」というべきで、「学」はあるのだが、女性が知識があっても婚活市場では不利にしかならないし、社交生活上も同様であるので、敢えて無知な女性を演じているのだろう。
そんなローズママが「学」があるからこそローズを嗜めてしまったあのシーンは、実はローズママもローズと似たような上流階級ならではの鬱屈した思いを抱いたことのある女性ということを表しているのでは?と思い、ローズママの印象が少し変わった。
結び
タイタニックという映画は本当に素晴らしい。
主役の2名だけではなく、彼らを囲む脇役ひとりひとりについても実在の人物を含めきっちり作り込みがされており、それは映画を単なるラブロマンス以上の人間ドラマに仕立て上げていると改めて感じた。
しばらくは My Heart Will Go On が頭の中から離れない。