マウンテンハイ

旅の記録

この時しかないというタイミング

 

鳥取県の最初のイメージは、「教習所」だった。

高校生の頃から付き合っていた彼が、友達と免許合宿に行くと言った場所が、鳥取県だった。

なんで鳥取?と聞くと「教習代も安いし免許が取りやすい」かららしかった。なんでも田舎だから道が空いていて、大阪より真っ直ぐな道が多いのだそうだ。

その頃私たちは大学生になりたてだったし、知らない土地に2週間くらい住んだり少し大人びたことをしてみたかったのかもしれない。

 

 

そんな鳥取を旅行場所に選んだ理由は、大阪から比較的近く、砂丘に行ったことがなかったしラクダに乗れると知ったからだった。

 

片道3時間かけて、鳥取砂丘へ。

 

駐車場に車を止めて、砂丘への入り口に繋がっている階段を登る。登りきったところで目を丸くした。

 

「全部砂やん!!!!!」

 

誰でも考えれば思いつく心づもりを私は準備できていなかった。まさかこんなに砂だとは。こんな広大な土地一面が全部砂だとは、、、。

そりゃバリバリ故郷の大阪弁も出てしまう。

 

 

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それよりビックリしたのは、砂丘の中に巨大な水たまりがあったことだ。

乳白色の池と、毛の短い草が砂地に生えている。砂漠のオアシスはこんな感じで、きっとヌーの群れやシマウマの大群が休みにくるんだろう。水があるのとないのでは、ライオンも容易に狩りが出来ないだろうなと、本能の部分で感じる。

平日ということもあって観光客は少なく、いても他国語を話していた。

 

砂丘の砂は踏み込むと、履いてきた白いコンバースをいとも簡単に飲み込みすぐ足首まで埋まってしまった。

ここに敵はいないのに、走り出せない状況と知った脳が私を不安にさせていく。

30度程の傾斜に手を焼いていると、一緒にきていた友達は軽々と登って行ったので、自分が運動音痴なだけだと思い知らされることになった。

 

大きな水たまりは「オアシス」と呼ばれていて、夏に降った雨が春先まで残ってるのだ そうだ。

砂丘の入り口にはラクダもいて「また物珍しいもん見にくるやつがきた」と言いたげな目で観光客を見ていたが、砂丘と格闘した後の私にはラクダに乗る体力も好奇心も残ってなかったのであった。

 

次に向かったのが、鳥取市内にある「サンタナ」というヴィンテージ雑貨と家具を扱うお店。埃っぽい古いビルの階段の踊り場大きい机に、鳥取県内の様々なお店のDM(チラシ)が置かれている。気になるものをセレクトしてこっそり鞄の中に忍ばせた。

店内に入ると先客がいた。気の良さそうなおじさまとおばさまが楽しげに店主と話している。「こういう植物は育てにくいのよねぇ」「そうですねぇ」なんてことない会話。でもそれがなぜか愛しく感じる。旅の魔力だとも思う。

 

 

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緑のドア:ボルゾイレコード  ピンクのドア:サンタナ

 

次は隣の「ボルゾイレコード」さんへ。

壁一面のレコードと本棚には癖の強そうな本たち。

初めて来た場所なのにすぐに気に入ってしまったのは、自分が「本と音楽が好き」なのと「大きい窓が好き」だったからかもしれない。それか「ずっと前から探していた本が偶然手に取った一冊」だったからかもしれない。或いはその全ての要素が“この時しかない”というタイミングで訪れたことかもしれない。

 

自分の足で歩いて自分の好きと出会うことはこんなにも不思議な何かを引き寄せるんだなぁと感じる旅だった。

 

 

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新譜のほとんどがインディーズバンドのものらしい。

初めてジャケ買いをした。「muffin」さんの「茂みとイバラ」というアルバム。青い背景に青いキツネの絵。

 

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店内の音楽はこのレコードプレイヤーから流れていて、一曲終わると店主さんが違う曲を替えにくる。

 

最初に


つい1年前まで某アパレルショップで働いてました。

 

毎日四角いビルに囲まれた生活。

お客様へのスタイルの提案・季節ごとに代わり映えしない服達を買い続け、同じことの繰り返しで食欲もなくなり、ついにお昼はカロリーメイトとサラダという最悪な食べ合わせへと発展。

このままよく分からない生活をし続けて、働き続けて、少ししかない休みは近場で飲んで、何も感じないまま死ぬのか。と思ったとき、ふと「辞めよう」と思い立ちました。


都会で生まれ、都会で育った私は田舎の不便さも便利さも知りません。

田舎への憧れはその分強くなって同じものがどこでも買えるチェーン店やネット通販よりも個人店へ足を運ぶようになりました。

そんなどこにでもいる女子のブログです。


観光地もいいけど、雑貨屋さんもいいよ。ってみんなに教えたい。

自分の旅の記録も兼ねて更新します。