身の丈生活 これからも

いまあるもの、もてるもの、それでじゅうぶん

心理カウンセラーとファイナンシャルプラン

心の悩みや不安とお金の不安は、切っても切り離せなかったり、心の悩みや不安を辿っていくと実はお金の不安に繋がっていることが良くあります。

 

毎日が何となく不安。

仕事もしていて家族もいて周りからしたら幸せな生活だけど、心の底にはいつも不安が溜まっている。

時折言いようのない寂しさや不安が襲ってくる。

 

そんな時ありませんか?

 

なぜなぜ分析のように、自分で掘り下げていく方法もありますが、個人的には傾聴してくれるだれかに話をするのをお勧めしたいです。

 

方法はさておき、不安を辿っていくと実は今の生活を維持するためには「仕事を続けなければならない」不安であったり、「今の会社にしがみついて嫌な仕事も続けなければならない」という不安であったりします。

 

つまり、自分の人生の自由がなくなる不安であり、その根底には生活をするためのお金があることが分かります。

 

ライフプランを作ることで必要な年収や生活費のレベルが分かりますので、実はそこまで心配しなくても大丈夫なことが分かったりします。

また、その流れから実は本当に心配していることが分かったりします。

 

わたしのクライアント様で将来の貯蓄が不安でご相談にいらした方が、最終的には大病を患った時の不安が根底にあることが分かり、保険商品の検討に進まれた方もいらっしゃいました。

 

ただ、そこまでの話になるためには、しっかりとした傾聴の姿勢が必要不可欠ですが、最終的に金融商品の紹介を目的にしていると、なかなか難しい面もあります。

 

そのため、あくまでカウンセラーとして軸足を置きながら、ファイナンシャルプランもアドバイス出来るカウンセラーというのが必要なのだと考えています。

変わるための行動ってどんなこと?

(変わりたいのに変われない。) 

(みんな出来るのに私は出来ない。それどころか行動すら取れない。)

(あの本を読んで、今度こそと思ったのに…)

 

貴方の感じてることは何でしょう。

 

(あぁ、またダメだった。)

(でも今度こそ、この人の話を聞けば変われるかもしれない。)

(この本を読めば変われるかもしれない。)

 

でも変われない。

変われたと思ったのに直ぐに元に戻ってしまった。

 

きっとこのブログを読んで頂いてる方も、既に沢山の情報を本やネットで調べられているのだと思います。

そして無意識のうちに「自分に出来そうなこと、自分の耳に聞こえの良いこと」を選り分けて情報を仕入れているのだと思います。

 

そう、貴方も気付いている通り、人は無意識にしろ意識的にしろ「自分の趣味趣向に合うことを優先的に見ようとする」のです。

 

これは論理的な話ではなく、感情に関わる話となります。

例えば、貴方が何か物が欲しいと思った時、それはどのように決めていますか?

iPhoneとGALAXYがあるけどiPhoneが良いな。と思ったことはありませんか?

その時、そう思った理由は論理的にありますか?

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多くの方は「何となく良さそう。みんな使っているから良さそう。あの人が言うから良さそう」などの様に明確な理由が少ないものです。

 

理由は意思決定に関わる判断を右脳が担っているからなのです。そして、右脳は感情に左右されますがスピーディな判断を得意としています。

それに対して左脳は、論理的に冷静に物事を考えることを得意としています。

従って、「何となく良さそう」と感じて物事を判断するのは至極自然な事なのです。

 

前置きが長くなりましたが、本やネットの記事を色々と探していても、どこかで聞いたような話と感じ、新鮮味に欠けるのはこの「無意識に自分の趣味嗜好に合った情報を集めるため」であり「本当に論理的に必要と思える情報だとしても、感覚的に合わない場合は取り入れられないから」なのです。

 

そうすると、当然の事ながら今までの自分から逸脱したような内容に出会うことがないので、取る行動も過去と同じような範囲に留まります。

もうお分かりかと思いますが、結局今までの自分と大きく変わらない。また今回もダメだったと言う結論に至ってしまうのです。

 

では一体どうすれば良いのか。

この答えも全く代わり映えのない平凡なことになってしまうのですが

 

「とにかく何でも良いから、昨日までの自分がしてなかった事(出来なかった事)をどんなに小さくても行動を継続する」

 

と言うことに尽きてしまいます。

ここまで読んでがっかりされた方いらっしゃるかと思います。

 

(なんだ、そんなことか…)

(そんなことやったって意味ないじゃないか)

(もっと革新的な目から鱗のようなことかと思ったのに)

 

分かります。私も逆の立場であれば同じことを感じると思います。

ただ、実は貴方自身も薄々気付いているはずなのです。行動しなけらばならないということ。自分にできそうな事を探しているけど、見つからないことを。沢山の本やネット記事を読んでいるけど、その内の一つも継続していないか、あるいは試してすらいないこと。

変わるための行動と言うのは、自分が小さな達成感を感じらられるものなら何でも良かったりします。

 

  • 遅く帰ってきても必ずお風呂に入る
  • 毎朝靴を磨く
  • 毎週ジョギングする
  • 週の半分以上は自炊する
  • 寝る前に子供に絵本を読んであげる時間を週の半分以上確保する
  • 毎日とは行かないまでも毎週一回は日記を書く
  • 行きの電車ではスマホゲームをしないで、本を読む
  • 今まで読んだ本の中に書いてあった事を一つでも実践してみる

 

今まで貴方が読んできた本の中のことにもいろいろなメソッドが書いてあったと思いますが、大切なことは

 

今日はいままでの自分よりも一つ出来ることが増えた。そう感じられることが大切

 

なのです。

日記を断続的でも続ければ、書くたびに、回数の記録を更新しているのですし、それができていると言うことは、変わっていると言うことなのです。

ご大層な劇的な変化ではなく、小さな積み重ねが大切なのが実際のところなのです。

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そして、最も大切なのは自分自身がそれを認めてあげることです。

これを毎日続けなければならない、などと決められた型にはまって判断しがちですが、どんなことでも実践したその瞬間に既に貴方は変わっているのです。

それをしっかりと自分自身で認めてあげて下さい。

 

それが出来ないと結局何をしても認めることが出来ず、また新たな方法を探すという無限ループにはまり込んでしまうのです。

 

大丈夫。

不安なのは分かります。

 

そうは言ったってこんな事誰だって出来ることだ。

周りの人に比べたらこんなのやってるうちに入らない。

 

そう思いますよね?そしてまた言いようのない不安と、モヤモヤが胸に溜まってきますよね?

 

でも大丈夫です。

私も同じ考えで、行ったり来たりしながら、自信を無くしたりまた取り戻したり。そんな日々を今も繰り返しています。

一気に問題は解決しませんし、日々、同じところをグルグルしながらも、1日1日を過ごしていくのがリアルな実際の行動なのです。

 

心配しないで。

 

大丈夫。

 

私もいます。

 

そして実感出来ないと思いますが、私以外にも貴方と同じように悩んでいる人が居ます。

 

1人では無いとそれだけは分かって下さい。

 

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何故あなたは変わら(れ)ないのか?

貴方は変わりたいと思いますか?

今の生活、自分の性格など人によって色々ありますよね。

どんな理由からであれ、今の自分を変えたい!と思うのは人間の性なのかもしれませんね。

 

しかし、自己啓発セミナーに参加したり、自己啓発本を読んだりして、いざ「今度こそ変わるぞ!」と鼻息荒く決心しても結局上手くいかず、以前の自分に戻ってる…というような事はありませんか?

 

なぜ貴方は変われないのか?

  • セミナーに参加した時はあれだけやる気に溢れていたのに…」
  • 「本を読んで今度こそ自分に出来ると思ったのに…」

なぜ、こんなにも自分を変える事が難しいのでしょうか?

 

理由は凄く簡単で「貴方が自然体で実行していないから」です。

あるいは単純に「実行していない」または「継続していない」からです。

どんなに感銘を受けても、自分が実行してそれを継続出来ていなければ、周りの環境の変化によって変わることはあっても、貴方自身としては何一つとして変わりません。

 

本当に初めて知った事ってありますか?

新しい本を買った時、ワクワクしますよね?

「あぁ、この本の中に自分を助けてくれる、今の状態から抜け出すためのノウハウが詰まっているのだ!」と期待して「この本を読んだ後の自分は、もう今の自分じゃないんだ!新しい自分なんだ!」と神頼みのような気持ちでページを、めくりはじめます。

 

ところが、読み進めるにつれて何だか不安がよぎり始めます。

何だか期待外れのような気がして来るのですが「いや!この本が期待外れのはずがない!自分がまだこの本の意味を汲み取れていないんだ!」とそれを認めたくない気持ちが沸き起こり始めます。

自己啓発本の特徴は、とにかくそのページと情報量の少なさなので、それこそあっという間に読み終わってしまいます。

そして読み終えた後には「あぁ、この本も違ったのか…」という落胆にも似た絶望感で一杯になります。

何故こんな事になってしまうのでしょうか?

 

その理由も簡単で「本当に初めて知った情報がありますか?」ということです。

既に他の本、ネットの記事、動画、講演で聞いたことがあるのではないですか?

 情報がとにかく容易く入手できる時代では「知らない」と言うことは少なく、既に何処かで聞いたことがあるものばかりなのです。

そのため、期待に沿うような内容に出会えないのです。

 

ならどうすればいいの?

本もセミナーも既に知ってることばかりで、心の底から感動する内容に出会えない。

自分を変えるような、劇的な変化が起きない。

なら自分はどうやって変わればいいのか?

そういった悩みを多くの方が抱えているかと思います。

 

これも答えは簡単なのです。

とにかく行動する

行動すること、それでしか人は変われません。

この行動に移るまでの動機付けができないため、人はセミナーに通い本を何冊も読んで、何とか動機付け出来ないかと試行錯誤するのです。

 

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残念ながらこの方法で行動が起こせない人がいます。よく「頭ではわかってるけど、行動に移せない」と言うのがまさにこの状態なのです。

であるならば、とにかく行動すること。これ以外にはありません。

 

セミナーで学んだこと、本で学んだこと、既に知っている事でも、その中で実践した事はありますか?

それらを実践すること行動することが、貴方を変える方法なのです。

 

具体的な方法はまた別の記事に書こうと思います。

 

もしあなたが鬱になったら? Log.03 「下された診断は?」

システムインテグレーター会社でSEとして働くNisyu。仕事のストレスから鬱になり、休業期間を経て職場復帰をした経験から「心身ともに健全」に生きることがどれほど難しく、そして素晴らしいことなのかを知りました。
ある日の朝、突然起き上がることが出来なくなり心療内科を受診することを決意しました。

01. 問診票への記載

 心療内科のドアを開けると、その日は月曜日の午後ということもあったのか、待合室にはNisyuの他に女性が一人いるだけでした。もっとも予約制なので待合室に人が少ないのは当たり前なのかもしれません。
 
 受付の女性に名前を告げると問診票を渡されたので、それまでの自分の状況を記載しました。
  1. いつも仕事のことが頭から離れなず、休日に家族と出かけても心が休まらない。
     
  2. 夜の寝つきが悪く、ベットに入っても数時間眠れず、心配事が頭の中をぐるぐる回り続けてしまう。
     
  3. ようやく眠りに入っても、夜中(2時)に目が覚めたり、早朝(4時ごろ)に目覚めることが週に2〜4日ある。
     
  4. 常に頭の中に霧がかかったような状態が続いている。
     
  5. 仕事での忘れることが多くなり、打ち合わせをしていても考えが纏まらずに、物事の整理ができない。自分から進んで意見を言えず、相槌か「はい、そうですね」程度しか言えない。
     
  6. 偏頭痛が続いており、左のこめかみから左目の辺りがズキズキと痛み、目を開いているのが辛くなりよく左目を閉じている。
     
  7. 食事量が増えておりその関係で、常に胸焼けが続いている。
 

02. 本当に病気なのかな?という葛藤

 内科の扉を開ける数時間前のこと。Nisyuは「自分の状態が果たして普通なのか、それとも異常なのか誰かに確認したくてしょうがない」状態になっていました。
 当時を振り返ってNisyu自身もびっくりしているのですが、この時に「Yahoo知恵袋」と「教えて!Goo」に質問を登録することにしたのです。
 
 誰でもいい、誰かに教えてもらいたい、ただその一心でした。
 
 この手のサービス見ることはあっても、登録することはなかったので登録するのには勇気が必要でしたが、個人を特定されないように気をつけながら思い切って自分の症状を投稿してみたのです。
 
 しばらく待っていると月曜の朝にも関わらずに、回答がポツポツと集まって来ました。
 ドキドキしながら中身を見ると、どの回答にも「その状態はおかしい」「無理な仕事をさせている会社に問題がある」というようなコメントがありました。
 人は自分の知りたい、見たい意見のみ集める。ということは分かっていましたが、その時のNisyuにとってはこれ以上無い勇気をもらえるものでした。
 
 心療内科を予約するという一歩を踏み出せたのも、この時のコメントがあったからであるのは事実です。どれだけ一人で悩んでも考えても踏み出せなかったことが、第3者の一言で一歩を踏み出せることがあるのだと分かった瞬間でした。
 「自分一人で出せる答えには限界がある」自分一人で悩むのも程々にしなければならないと思います。
 

03. 初めての診察と告げられた症状

 やがて自分の診察の順番が来ましたので診察室に入ります。
 この病院の先生はネットの評判で「声が聞き取りずらい」という書き込みがあったのですが、いざ話をしてみると本当に聞き取り難くく、書き込みの意味が良く分かりました。
 
 質問を何度か聞き直しながらも、今までの状況や家族構成を伝えた後、アンケートのようなチェックシートを渡されました。そのシートには様々な質問が記載されていて、自分の感じていることや心の状態に近い番号を選んで丸をつけると言うタイプのものでした。
 
 チェックが終わると先生が点数を付けて病状を判定しました。その時の点数忘れてしまいましたが、「通常」「初期」「中程度」「重度」の4段階の中で中程度の重い方(確か18点)という診断結果でした。
 初期状態であれば、生活習慣や気持ちの切り替えで改善していけるのですが、中程度以上となると薬による治療になるとのことでした。
 結局この日は以下の3つの薬を処方してもらい初めての心療内科受診は終わりました。
 
 調剤薬局で薬を処方してもらい帰路についた時、Nisyuの心は不思議な感覚で満たされていました。
 
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何かが変わってしまったようなショックと、やっぱり思い過ごしではなかったんだという安心感のようなもの。これらが複雑に混じり合い、Nisyuの心を満たしていました。
それと同時に「あぁ、これで仕事を休める」という思いと、サラリーマン人生を踏み外したような絶望感も合わさっていました。

 

効率化した時間はどこへ行ってるの?

働き方改革」「業務効率化」「残業抑制」「プレミアムフライデー」など、沢山の言葉が並びます。


  テレビのCMではスマートスピーカーやロボット掃除機、その他家事を効率化したり、楽にしてくれる商品の宣伝を見ない日はありません。


動画サイトではそんな商品を「買って見た」とレビューする動画が並び再生回数を上昇させています。


 スマホが登場し、いつでもどこでも情報が得られ、誰とでも連絡を取り合う事が出来るようになりました。


 電車に乗ればスマホをすぐに取り出し熱中する人、友達と駅で別れた後に直ぐにスマホを取り出す人、エレベーターのボタンを押したら直ぐにスマホを取り出す人。


 どんな商品もどんなサービスも、何かを便利にして効率化してくれるはず。だってそううたっているのだから。

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でも、それで効率化された時間はどこに行ってるの?


その隙間時間で得ている情報は何の役に立ってるの?


満員電車の中で体を捻りながら見ている画面には何が、映し出されているの?


あなたの人生は効率化されているの?


されているとしたら、何のために効率化しているの?


 

もしあなたが鬱になったら? Log.02 「それは突然やってきた」

システムインテグレーター会社でSEとして働くNisyu。仕事のストレスから鬱になり、休業期間を経て職場復帰をした経験から「心身ともに健全」に生きることがどれほど難しく、そして素晴らしいことなのかを知りました。辛いプロジェクトのPMとして頑張るも4月のある日突然それはやって来ました。

 
それは突然やってきた
 その日は月曜日でした。
 新しい1週間の始まり。仕事の始まり。きっと誰もが思っている憂鬱な日。
 月曜の朝は本当に辛いものです。昨日までの楽しい週末の思い出が頭をよぎり、あと少し眠りたいと思いつつも頭の奥では今日、今週の仕事の内容が次々と浮かんで来て、「あぁ、仕事に行かなくちゃ。。。」と重い体を起こします。
 
 家を出て電車に乗りながらiPhoneの音楽で無理やり気持ちを高めて、何とかオフィスに到着します。聞き取れないような挨拶をしながら、自分の席に座ってメールを処理して、徐々に仕事モードに切り替わって、何とか月曜日が終わって。と誰もが同じ経験をしたであろう1日をその日も送るはずでした。
 ただ、その日の朝はいつもと違いました。
 
不眠、早朝覚醒そして「体が動かない」
 その日の朝はいつもと違い、目が覚めても起き上がることが出来ませんでした。
 いえ、正確に言うと ”起き上がる気力が湧いてこない” という状態でした。
 起き上がるのが面倒くさい「あぁ、また仕事か」といったような気怠さはいつものことでした。夜ぐっすりと眠ることが出来なくなってから半年は経っていたので、起きた時の眠気や頭の重さ(目の奥の方に何かが引っかかっているような状態)も「いつものこと」と思うようになっていました。
 その当時の私は眠りについても、その日のやり残した仕事や翌日以降の仕事のことが、(文字通り)頭の中を駆け巡り眠るまでに2〜3時間を要していました。また、早く眠れたとしても夜中の2時に目が覚め、そこから再び眠りにつくまでに時間がかかっていました。
 さらに起きる時間の数時間前に目が覚めてしまい、眠いけど眠れないまま出勤時間を迎える。こんな日が1週間の半分以上を占める生活でした。
 
 そんな状態が半年近くも続いていたので、すっきりさっぱりと目覚めたのはいつだろう?という感覚でした。
 でもその日は何と言うか、いつもと同じような体調だったのですが起き上がれるようで起き上がれない、そんな感覚でした。
 「鬱になるとある日体が動かなくなる」という記事を読んでいたので「ついに来たか?」という感じでした。
 でも思っていたのは本当に体が動かないという状態を想像していたので、この時は「そんなに酷くないのかな?」と思いもしましたが、「起き上がろうと思うことすら出来ない」という状態になっていました。
 
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そして”一歩"休む決断
 その日は仕事でも急ぎの対応は無かったので、一緒に仕事をしてくれている先輩や上司に、ひとまず午前中はお休みすることを伝え、そのまま寝転がっていました。
 少し寝ていれば気力も回復するだろうと考えていました。しかし、一向にその兆しが見えて来ません。
 その時の自分の判断は今でも正しかったと思っているのですが、最寄りの心療内科に電話して診断の予約をその日の午後に入れました。
 「午後も休んで大丈夫かな?明日の朝はやく会社へ行けば大丈夫かな?」といったことを考えていました。
 その時は先輩からも無理せず休んだ方が良いと言うメールをもらったこともあり、結局1日お休みすることにしました。
 妻には体調が悪くて今日は休むと伝え、午後の診断の時間を待ちました。
 初めて門をくぐる心療内科は自分が何かとんでもない世界に踏み込んでしまうようで、もう戻ってこれないようで怖くもあり、同時に自分の中だけで考えてた悩みが、本当にそうなのかを確認できるという期待と不安が入り混じった複雑な感覚でした。

もしあなたが鬱になったら? Log.01 「Nisyuの場合」

Nisyuが「鬱(うつ)」と診断されたのは心療内科を受診して、ここ数ヶ月の症状を伝え、ストレスチェックを実施した後でした。

正確には「鬱状態(うつじょうたい)」という診断でしたが、心療内科の先生曰く「どちらでも同じ意味」とのことでした。

Nisyuは都内のシステムインテグレーター(*1)でシステムエンジニアとして勤務する30代の男性で、同年代の妻と2人の娘(4歳、1歳)と共に都内に購入した小さな1戸建で暮らしています。


*1.システムインテグレーターという仕事がどのようなものか、分かりやすい例えをするなら建築会社をイメージすると良いかもしれません。
お客様(クライアント)に建物のイメージを提案して、建物を設計して必要な資材や道具を調達し、工事をします。建物が完成した後は定期的なメンテナンス、水漏れ等何かあった時の対応、将来的に建て替える時の工事を行います。


ITの仕事と言うと「PCに向かって黒い画面に向かって文字列をひたすら打ち込んでいく」というイメージを持たれるかもしれません。(実際に映画では残り時間の少ない状況下で、額に汗を浮かべながらキーボードを必死に叩くITエンジニアの姿がよく描かれます)
確かにPCに向かって仕事をしますが、プログラムを入力するような事は全くなく、メールソフトとエクセルを多用するSEという立場でした。


SEという仕事は「家を建てる時の現場監督」と言い換えると分かりやすいかと思います。
家を建てると一言で言っても様々な工程と様々な役割の人が関わることになります。
 ・家の設計図は設計事務所が作成し
 ・柱を立てたり釘を打つのは大工さんが行い
 ・壁紙ははクロス屋さんが貼り
 ・窓ガラスはガラス屋さん(サッシ屋さん)が設置し
 ・ガス管は配管工さんが通す
といった具合に、様々な役割の人が分担して一軒の家を建てるわけですが、そうなってくると全体を把握している人が必要になります。(例えば、クロス屋さんに家のベランダに屋根を付けたいと言ってもわからないですよね?)


こうした場合に全体を通じて状況を把握して、それぞれの役割に人にうまく情報を連携していくのが現場監督の役割になります。
これがITの世界にもぴったりと当てはまります。
PCに向かってプログラムを入力する、と言うよりはお客様の要望を聞いたり、全体の作業状況の管理、業者間のやりとりのフォロー、お金の管理が主な仕事となります。


一見すると「現場で作業する人が一番大変で、調整だけなんて大したことない」と思えるかもしれませんが、実はこの役割が本当に大変で、思った以上にやることも多いのが実態なのです。


分かりやすい例が、飲み会の幹事です。
皆さんも飲み会に参加するのは楽しいとしても、その幹事となると「面倒だなぁ」とか「大変だなぁ」と思うのではないでしょうか。(そう、なぜなら大変だからなのです。)
参加する人のスケジュールをまとめ、開催日時を決定し、予算を決めたらお店とメニューを決定し、それを案内します。当日は急に来れなくなる人が必ずいるので、お店に人数変更の交渉をして、お金を集めます。会場では席を案内してオーダーを取り、挨拶を段取りよく進めなくてはなりません。最後は二次会に参加する人を数えて、急遽会場を探しに奔走します。
飲み会の幹事を例に出すと、調整役が大変なことは誰の目にも明らかだと思います。


システムインテグレーターの仕事が少し分かって頂けたところで、当時のNisyuが鬱になっていき、そこから復帰した(今も復帰している)一連の流れを振り返ってみたいと思います。

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この記事はNisyu自身の鬱体験と振り返ると共に、同じような悩みを抱えている方に、少しでも助けになりたいという思いから執筆しています。