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重岡大毅くんと櫻井翔に貢ぐ日々の記録

少年たち危機一髪!が楽しかった3つの理由

9月4日から日生劇場にて上演されていた舞台「少年たち 危機一髪!」が全33公演を終え、28日に千穐楽を迎えた。
去年に引き続き主演はSixTONESとSnowManが務め、申し込み締め切り後に追加キャストとしてSexyZoneからマリウス葉が初参加した。

「少年たち」は歴代の先輩が主演を務めた舞台で、サブタイトルはこれまでに「格子なき牢獄」「jail in the sky」「戦争を知らない子供たち」とあったが、「危機一髪!」に決まったとき界隈ではコメディテイストに変わるかもしれない!とか、誰も死なない少年たちになるかも!と色々推測され、最終的にヲタクたちによる大喜利大会へと化していた。
蓋を開けてみれば、人は死ぬしコメディでも何でもないし、何なら危機一髪要素なんて微塵も感じられなくて、結局何だったんだ...と謎は解けないままである。

そんなこんなで、マリウスが追加されたり、少年たちと言えば欠かせない看守役がいないと事前にネタバレされ大騒ぎになるなど、初日まで物議を醸していた少年たちだったが、今年の少年たちは私が今まで見た少年たちの中でもかなり楽しかった気がした。*1
そこで、今年の少年たちがなぜ楽しかったのかを3つの理由を挙げて説明したい。SnoeMan寄りの感想なのは目をつぶってください。



マリウス葉の参加によるメッセージ性の高い舞台

マリウスが入ってきて、去年の少年たちから始まった戦争への強い思いがより一層分かりやすくなっていた。
マリウスは車の窃盗で捕まり兵隊に入るか少年院送りになるかを迫られ、シャバに入るくらいなら兵隊に~と、まだ子供なのに兵隊に入ることになる。
結果的に相手の、これまた子供の兵士にマリウスは撃たれ亡くなってしまう。マリウスは死ぬ直前自身の身を、自らに課せられた使命を守るため銃を持ち、隣で子供相手にこんなことできないと言うジェシーに対し「戦場で愛を持っていたら死ぬぞ!撃て!」と言い放つ。
これが戦場でのリアルなんだなと思うとこのシーンは本当に胸が痛かった。社長は自らが戦時中を体験している世代で、戦争を知らない層の観客や演者に戦争のリアルを伝えてくれている。それはとても良いことであり、結局何が言いたいんだろう?が多いジャニーズ舞台で、久しぶりに強いメッセージが込められた舞台だった。社長の強い思いは演者にも観客にも届いているはず。ただあのシリアスな空間に替え歌はきつかったよジャニーさん...。
また、マリウスの演技力の高さに驚いた。正直マリウスが演技している姿は見たことがなかったが、お立ち台で一点を悲しい目で見上げるマリウスは体で表現ができる素晴らしい役者だった。これからもマリウスの演技には注目したいと思う限りである。


②ストーリー改変

今まで少年たちと言えば看守サイドのシーンや脱獄、懲罰房があったが、今年は看守が不在のためすべてカット。その余った時間はこれまで詳しく描かれることのなかった少年たちの出所後にあてられた。
ダンスで世界を目指す人や、たくさん勉強して夢だったテレビ局に勤務する人、バーを経営する人と人それぞれだったが、みんなが「前科者」という事実に変わりはなく、そのせいで生きづらい人生を送る人もいた。フカザワ,ホクト兄弟は前科者だったため関係のない罪を押し付けられたり、アベ,サクマ,ワタナベの3人もテレビ局内で前科者と偏見を持たれ軽く見られていた。
実際の社会のそんなもんだよな、と思う。何か事件があれば前科者は真っ先に疑われるだろうし、いくら良い大学出てても少年院に入っていた過去があれば軽視されるだろう。そんな現実を美談にせず、わざと描いたところが気持ちよかった。
特にアベ,サクマ,ワタナベが喧嘩するところは私の一番好きなシーンで、プロデューサーに悪く言われ落ち込むアベ、気にするなと言うワタナベ、2人の間に入り喧嘩を止め実は裏でアベのために頭を下げていたサクマ、3人の関係性がすごく良くて役ではなくSnowManの阿部,渡辺,佐久間ともリンクしてしまい、ついついウルッときてしまう時もあるくらい。それに3人とも毎回熱演してて、何度も打ち合わせをして出来上がった大切なシーンなんだろうな~と思った。
鳥さんから兄弟のシーンでふっかの人柄の良さも滲み出ていて本当に良かったし、ふっかから始まる約束の歌は最高だった。約束の歌が復活してくれて嬉しい。約束の歌こそTHEジャニーズ舞台曲という感じがするし、これからも兄弟のシーンでは積極的に使っていってほしい。
宮ちゃんと慎太郎のダンスも、元暴走族が拳じゃなくダンスで相手に向かうという極めてジャニーズ舞台みの強いシーンであった。2人が置いていったラジオから「君にこの歌を」が流れて死にたいと嘆くホクトを救うところまでがジャニーズ舞台。
また、今回初めて新しい演目として行進が加わった。徴兵されてアメリカに帰らされたジェシー含むすのすと12人で銃を持ち軍服を着て、兵隊行進群舞が1幕終わりに披露された。銃をバトンのように回したり、上に高く投げてキャッチしたり、戦争が背景になるシーンでこういう言い方は不謹慎でもあるが、とても楽しい演目である。


③Show Timeが楽しい

ここにきてそれかよ、ファンなら何でも楽しいだろ!という声が聞こえてくるが、本当に楽しかった。
まずSixTONESビークレ、SnowManジグザグのコラボはジャニヲタがみんな好きなやつで、エビキスを彷彿とさせる間違いなしの演出。今勢いのある2つのグループが互いを煽るように、時に仲良く歌う姿はとても貴重だなと思った。
両グループの新曲はどちらも気合の入っている曲だった。SixTONES新曲の「IN THE STORM」はいま彼らのイケイケ感に勝てるJr.はいない、そう思わせる楽曲と振付だったし、対するSnowMan新曲「Acrobatic」はV6や嵐系の爽やかな楽曲で、お揃いの黒コンバースと赤い新衣装が似合っていた。絡み合った状態で始まり、彼らが今出せる最大限のアクロバットで魅了したと思えばサビではキャッチ―な振りで盛り上げ、最後は最初の絡み合ったポーズに戻るという完成度の高い構成に大きな可能性を感じた。SnowManもイケイケ系の楽曲は似合うと思うが、すとんずや他のJrユニとのバランスを見て爽やか系に進路を定めたことはとても良いことで賢いなと思う。
そして私が今年の少年たちの中で最もお金を出したと思うのがマリウスのソロ曲「Welcome to the paradise」である。何と言ってもバックにつくSnowManが最高で最強!ステッキ持って日生劇場で踊るSnowManが見られるのは少年たちだけ!ありがとうマリウス!!!
これは私の個人的な考えだが、SnowManのバックについた時のバックに徹する力はすごいと思う。あくまでバックダンサーだということは忘れず、だからといって適当に踊るのではなくメインを立たせるような踊り方をしていて他のどんなジャニーズJr.にもその力は負けていないし、JrはみんなSnowManをお手本にして勉強してほしい。もちろんSnowManにはバックで終わらずにデビューしてほしい気持ちが大前提にあるけども。
ShowTimeの、舞台のラストを飾ったのは安定の「We'll Be Together」。13人の劇中とは違う優しい顔で歌っている姿が印象的だった。途中、階段の上から登場するマリウスにはひれ伏す他ない。






戦争色がより強くなりメッセージ性の強い今年の少年たちだったが、個人的には過去最高に楽しかった。
これから看守がいなくなって戦争テーマの少年たちが一般的になるのか、また新しいテーマに代わるのか、楽しみである。
また来年も9月に日生劇場で「少年たち」が観られますように。

*1:DVDでエビキス、関ジュの2作とエビ関ジュは鑑賞済