ソーシャル●●系サービスによくある勘違い
サービス開発中の僕が言うのもおこがましいですが、色々な方から受けた
アドバイスや他のチームのアイデアを聞いてきて、イケてないプランには
共通点があることが分かりました。
それは、「顧客(ユーザー)」に対する認識です。
(*普段は、顧客=お金を払う人、ユーザー=使う人と使い分けていますが、
ここでは同じ扱いにしています)
共通してるのは、ユーザーが集まる前提で考えていることです。
具体的なセリフは、
「みんなで使うから楽しいんです!」
「AさんがSNSに投稿して伝播していきます!」
・・・などです。このセリフを聞いたら要警戒です。
↓自分たちのサービスはこんな感じにドンドン広がる
と思い込んでいます。
以前、自分たちのサービスの新規性や差別性は「ひとりで楽しむのではなく、
みんなで楽しむことです」と自信を持って言っていた人がいました。
おいおい、ちょっと待てよ。ひとりで楽しくないサービスを誰が友達に
勧めるんですか?最初のひとりに刺さらなければ、拡散するわけない
じゃないですか?と思いました。
そして、こういうサービスに限ってビジネスモデルが広告モデルに
なっていることが多いですね。本当にそんなにユーザーが集まるの
ですか?そんなに儲かるのですか?というのを掘り下げた方がいい
と思います。
まとめると、自分たちに都合よく動いてくれるユーザーはいない
という事と広告で儲けますというのは思考停止ですよという事です。
mixiの位置情報系サービス「Pelo」を使ってみた
位置情報系サービス「pelo」についての所感です。
位置情報系のサービスは来る来ると言われ久しいが、未だに
キラーコンテンツといえるものはありません。
僕自身、位置情報系サービスの開発に関わっていたので分かるのですが、
位置情報系サービスがいまいち流行らない理由は、チェックインのハードル
の高さです。つまり一部のアーリーアダプター層を除けば、自分が今いる
場所を他人に知らせることに価値を見出せないからです。どうやってチェックイン
してもらうかが位置情報系サービスの肝になるので、バッジを用意したり、
ポイントを付与したりするのです。
では、peloのチェックインを誘発する仕掛けは何か。下記の3つです。
・友達に知らせる
・PETに合える(犬)
・クーポンがもらえる
■よいところ
・freeボタン
-暇な時、誰かに絡んで欲しい時このボタンを押すと1時間だけフラグが立ちアピールできる
・移動距離がわかる
・どこでもにチェックインできる
スポットに今いる場所の情報がない場合、新たに登録しなくてもチェックイン
することができる。
■所感
MAPを使ったインターフェイスでとてもシンプルなところは
交換が持てます。やはり、コミュニケーションサービスは
機能よりも誰が使っているかのか、そこに友達がいるのかが
重要なのでユーザーが増えないと面白くないですね。
ペットがいることはいますが、育成ゲームには程遠く、中途半端な
印象です。
僕の提案は思い切って出会い系サービスにしてしまえばいいと
思います。今いる場所もわかるし、Freeフラグを立てられたり
するのでEyeland みたいにしたらいいんじゃないかと。
まぁ、イノベーションのジレンマでmixiくらい大きな会社になると
あからさまに出会い系というのは難しいでしょうけど。
いずれにしろ、位置情報系サービスはビジネスモデルが広告
一辺倒になりがちで難しいですね。
ECのパイはまだまだあるよ
楽天のEC流通額が1兆円を超えました。10年ちょっとで1兆円の市場を
つくったのだから、三木谷さんはじめ楽天という会社は本当にすごいと思います。
楽天市場1兆円超す、三木谷社長「次は10兆」
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120213-OYT1T00879.htm
さて、そのECですが楽天やアマゾンなどのスーパーヘビー級王者がいるので、
優勝劣敗が決まっているのではと思う人もいるかもしれませんが、実はECは
まだまだのびしろがある領域です。
皆さんは毎月どのくらいインターネットで買い物をしますか?
ほとんどの人は月に1万円前後ではないでしょうか?今後ECを利用する層が
拡大し利用者は増え、ひとりあたりの使う金額ももっと多くなるでしょう。したがって、
ECの規模は確実に大きくなります。現在のEC化率が2.5%で、今後10年間では
おそらく10%くらいになりそうなので、少なくとも4倍にはなりそうです。国内だけでも
このくらいポテンシャルがあり、さらに海外に向けての市場もあるわけですから数十倍
の規模があると思います。
つまり、楽天が10兆円になってもまだプレイヤーが足りないということです。あと10個
くらい楽天みたいな会社が出てくる可能性があるということです。
今多くのスタートアップはソーシャル系のサービスに集まっているけれど、マネタイズ
の難しさ、厳しい競争があります。ECはモノが動く分、分かりやすいビジネスモデル
が考えられるし、市場規模も大きいのでここを狙ってみるのも面白いと思います。
2010年EC市場規模調査、経済産業省、国内BtoCは7.8兆円に
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2011/06/2010-1.html
仕事と人生の考え方
今週末、本棚と資料の整理をしました。今回もこの本は要らないなとか、
この資料は後で使えそうとかやってたのでほとんど進みませんでした。
その中でマジマジとみていたのが、エドガー・H・シャインのキャリアダイナミズム
という資料。シャインはキャリア論で有名ですね。仕事と人生に対する価値観を
下記の5つに分類している。この分類はほんとうによくできていて、自分自身や
周りの友人を思い浮かべるといずれかに当てはまると思います。
■仕事と人生の考え方の類型
1.スペシャリスト志向で、技術力などの専門能力に誇りを持っている
2.マネジメント志向で、分析能力や対人関係の調整能力を重視する
3.常に安定と保証を求め、堅実であることをモットーとする
4.創造性を重んじ、自分自身をビジネスで表現することを志向している
5.自由人であることを志向し、常に自律的に生きたいと思っている
僕自身はずっと2の考え方であったけど、今は4に変わった感じです。
これまでずっと日本の会社では1か2のタイプの人が評価されてきたように
思いますが、ソーシャルメディアの普及や働き方の多様化によって、4や5の
タイプの人も増えてきたように感じています。皆さんはどのタイプに当てはまりますか?
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やらかしました。
転職のタイミング
先日、ある人と転職相談みたいな話をしました。
最初に断っておきますが、転職するのは彼の方です。
これまでキャリアとは無縁のノープランで生きてきた
僕ですが、そこは年の功で「プランド・ハップンスタンス」
とか「点と点はつながるよ」などと言って色々な話をしてきました。
細かい話はしませんが、ひとつ気になったことがありました。それは、
転職するタイミングです。本当はお金とか人間関係とか色々な理由が
あると思いますが、よく聞く理由が「仕事が一区切りついたから」という
理由です。一見すると、それなりの責任を果たし成果をあげたのだから
いいだろうと思いますよね? 僕自身も転職活動していた時は責任を果たして
きたし、今がピークだからこのタイミングと思っていました。
しかし、よく考えると今がピークだから転職するというのはあまりにも
利己的であることに気づきました。本当はお世話になった人や色々な経験
をさせてくれた人に恩返しをしてこそ、転職のタイミングなのではないでしょうか?
つまり、「もらって終わりではなく、ちゃんと返す。あるいは相手に先に与える」
ことがいい関係を築くコツなのでしょう。
きっと、転職して業界が変わっても関係を維持している人はこの法則を理解
していた人たちなのでしょうね。これから新しいことを始めようと思っている
人はぜひこのことを頭に入れておいてみてください。
以上、気づきでした。
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やらかしました。
その○○○万人ユーザー、○○億pvは幻想では?
先日、スタートアップの先輩起業家とお話する機会があった。
そこで話題になったのが、コンシューマ向けサービスをやるのか、
ビジネス向けのサービスをやるのかということである。
年明けTechCrunchにも同じような記事があり、これも話題になっていた。
http://jp.techcrunch.com/archives/jp20120106dont-blindly-accept-techcrunch/
この記事で印象的だったのは、500 StartupsのDave McClureの次の言葉だ。
”「国や地域によって成功するビジネスは違っている。国によっては靴屋のようなものが成功するところもある。日本のスタートアップはシリコンバレーのまねなんかしなくていい。お金がつくれないようなビジネスに参入する必要はない」”
確かに日本のスタートアップの現状をみると写真共有サービス、出会い系、
ファッション系、フード系などコンシュマ向けのサービスばかりが目につく。
これらのサービスはとてもワクワクするしとても楽しいと思う。しかし、ユーザーの
立場になって考えれば分かることだが、最初面白いと思っても長期的に継続して
使うサービスはほとんどない。
翻ってビジネス向けのサービスは、一度使うとスイッチングコストが発生するので
継続して使われやすいし、何よりも最初から課金することも比較的容易である。
要するにいつお金になるか分からないサービスをつくるより、堅実にお金に
なるサービスをつくった方がいいのではないかと言うことだ。特に問題なのは、
コンシューマ向けサービスのほとんどが○○○万人ユーザー、○○億pvと想定する
けれど、それって幻想では?ということだ。
どうしてもコンシューマ向けの場合、無料で利用させ広告で稼ぐモデルになって
しまうが、本当にそんなに獲得できるのかもう一度ビジネスモデルを考えて
みる必要があるのではないだろうか。
僕たちのチームも今位置情報系のサービスを開発していて、やはり広告
モデルであるが、このシステムを小売向けに転用しようとしているところ
である。広告に頼らなくても何とかなるところまで持っていきたいと思って
いる。
ちなみに、お話した先輩起業家も最初コンシューマ向けをやったけど、
鳴かず飛ばずだったのでビジネス向けに方向転換したそうだ。
開発期間をいかに乗り切るか(資金と時間の問題)
ネット系のスタートアップにとって開発期間をいかに乗り切るかは
とても大きな問題である。実のところ、ローンチする前にプロジェクトが
クローズしてしまうこともある。私の経験も含め、その原因は資金と時間
の2つの問題であると感じている。
■資金
資金の少ないスタートアップが生き残るために日銭稼ぎ、つまりラーメン代稼ぎ
をするか否かは意見の別れるところである。受託をしてラーメン代を稼ぐか、
それとも全力で走り続け一日も早い完成を目指すかは経営者の判断次第である。
ちなみに私たちの場合は後者を選択した。なぜなら私たちが目指したのは
ベンチャーだったからだ。ベンチャーとは、新しい価値を創造し急成長して
いく企業のことであり、私たちはスピード勝負が必要だと判断したからだ。
この決断が正しかったのどうかは今は分からない。最初から余命数ヶ月
で資金調達ができなければ死んでしまう状況でスタートした。そのため、
正直、気が狂いそうになるくらいプレッシャーを感じている。今は本当に
苦しいけど、いつの日か「あの経験があったから」と言える日がくることを
信じて前進しているところだ。
■時間
もう一つの問題は、時間の問題である。
いつまでにリリースするという予定を立て、開発を進めていくのだが、
当然予定通り行くことはほぼ皆無である。ここで問題になるのは、
どの程度のクオリティを求めるのかということだ。高い完成度を
求めるか、それともある程度の内容でリリースして後で改良していくのか
これも経営者の判断である。
まだこの段階まできていないが、私たちは後者のスタンスで考えている。
しかしながら不安もある。ソーシャルメディアが発達している現在に
おいて、悪い評判は一瞬にして広がるので最初のユーザーを満足させないと
二度とユーザーがこないことになりかねないからだ。
この資金と時間という2つのジレンマとどのように戦うかということが、
開発期間における大きな壁となるであろう。
私は現在格闘中であるけれど、最終的に決断の基準になるのはやはり「ビジョン」
だと考えている。自分たちが何を目的に事業を立ち上げたのか、一度立ち止まって
みることが必要だと感じている。
サービスをつくることが目的ではなく、そのサービスで人々を喜ばすことが
本当の目的であることを再認識した次第である。