北京首都空港の疑問
西寧から北京の飛行機は遅れず無事に到着した。しかし北京は大雨だった。
旅行中ずっと続いた成都から北京まで斜めに続く大雨前線がまだ停滞していた。
少し雨が小降りになると次々離陸させる、そのうち私の乗る飛行機もアナンスされ搭乗した。
帰りの飛行機は日本人がいっぱいいた。
上海空港にくらべトランジットがしやすいので北京空港を使っているが、なぜいつも遅れるのだろう。
そして、搭乗してから滑走路までの距離がとても長い。
滑走路に着いてからも、飛行機が並んでいてなかなか飛び立たない。
滑走路が一本しかないのだろうか、着陸と離陸が交互になっていて時間がかかる。
不満に感じているのは私だけだろうか。
飛行機はめずらしく羽田着だった。
遅れたせいで乗りものが終わっていて、航空会社が用意したバスで新宿まで戻りぶじ家へ帰った。
よくばっていろいろ行きすぎたせいで、帰国後しばらく旅行ボケになってしまった。
三週間は少し長すぎた。
三週間のよくばり旅行行程図
蘭州のライチー
「永靖」からのバスを降り、ターミナルの前の道を歩いて街の中心に行ってみる。
工事中の歩道に屋台がたくさん並び、すごい数の人が歩いている。
その上日差しが強い、うんざりしつつもけっこう好きだったりする。
朝ホテルのお姉さんに、旅行前にテレビで見た蘭州のラーメン屋の店の名を三つ書いた紙を見せたのだが、一つしか知らなかった。
その一つも、あなたの持っている地図の中にはないわ、もっと西の方と言われた。
地図に書いてある有名なラーメン屋を指差し、ここがおいしいからここにしなさいと言われた。
でもそこには行ったことがあった。
しかたない自力で歩いて探そうと思い歩いているが、ラーメン屋など全くなかった。
帰りのタクシーで紙を見せると、お姉さんが言ったのとは違う店を差しあっちの方だと言いう。
今行くのか、駅前に行くんだろ、どっちなんだとすごいけんまくでどなる。
明日行くんですとあやまってしまった。
駅から北へ延びる二本の大通りをつなぐように小さな道があり、そこに食堂が並んでいる。
昼間見たときは、こんな汚い所で飯なんか食えるかと思ったが。
夕方通ってみると、よく冷えたビールを店の前に並べたテーブルに座り、客がうまそうに飲んでいる。
ずーーーっと、旅の間中ビールは常温だった。冷えたのがあると言った店でも日本人からすればぬるい。
もうがまんできなかった! 肉の串焼きを食べながら冷たいビールを思いっきり飲んだ。
少しくらい汚くても暗くて見えやしないぜ。
食後一回りしてホテルに戻る途中、果物屋の屋台があった。
そこにきれいに枝を結わいたライチーがあった。
すごくおいしそうだ、思わず買ってしまった。
100グラム8元、300グラムね。ってことは24元。お姉さんは売れたのでとってもうれしそうだ、きっと彼女が考えて結わいたのだろう。
あと旅行は一日しかない、こんなに食べられるかと思ったが実においしい、半分残すことのほうががたいへんだった。
東南アジアに行くとどこでもあると聞いていたが、実はライチーは中国広東省あたりが原産地らしい。
旅行中いろんな所で見かけた。
唐克で売ってたライチー、蘭州とは大ちがいだ。
そして健康にもいいらしい、食いすぎだと思ったが、翌日なんとなく体調が良かった。
翌日の朝、昨日聞いたラーメン屋の紙を違う運転手に見せると、知っていた。なぜかうれしそうにしている。
かなり走って東のはずれの川の近くにあった。しかしそこは高級中華料理店で、小さなラーメン屋の予想を裏切った。
そして午前11時をすぎないと開店しなかった。
あきらめることにした。
前に食べた有名な店で、たくさんの人に囲まれながらラーメンを食べて終わりにした。
蘭州ラーメン食いつくし大会は見事に失敗に終わった。
えんじゅの並木が美しい蘭州の街並み、立派な都会だ。
そしてバスに乗り、今までと違いとても乗り心地のいい高速道路を西寧へと戻った。
蘭州 炳霊石林と炳霊寺
予定より蘭州に一日早く着いたので、炳霊寺に行くことにした。
ここは10年以上前にも訪ねたことがある。昔の黄河の渡し船のあった場所にある石窟寺院だ。
しかし石窟寺院にはあまり興味はない、その周りにあった山々が今まで見たこともない不思議な景色だったので、もう一度見に行くことにしたのだ。
黄河と大夏河が合流する所に造られた、大きなダムをボートで1時間半くらい行った所にある。
ホテルの前からタクシーに乗る、ダムのある劉家峡行きのバスのターミナルに行きたいと言うと、西ターミナルに着いた。
若い運転手は、劉家峡行きでなく「永靖」行きに乗ればいいと教えてくれる。若い中国人はみんな感じがいい。
ぶじバスはダムのある街、永靖のターミナルに着く。
しかしボートに乗る船着き場がない、果物を売っているおばさんからなんとか聞き出すと、タクシーで5分ほど戻ったとこにあるらしい。
船着き場でワイワイやって、ぶじ中国人5人と一つのボートに乗り合わせる。
前来た時は何もない湖だったのに、浮島を造ってレストランができていたり、対岸に遊園地が造られたりしてずいぶん観光化していた。
寺の少し手前にある船着き場に着いた。
なんだよ、みやげ物屋にでも行かせるつもりか、やめてほしいなと思っていると。
入場券を買わされ、ゴルフ場にあるような車に乗せられた。
入り口に「炳霊石林」と書いてあった。
なんと見たかった山々をぬって道が造られ、たっぷり景色を見ることができた。
蘭州大学の地学科が研究と観光を兼ねて造ったらしい。感激だ。
山の上まで道が造られている、頂上から見た景色を想像すると登ってみたいが、そんな時間はない。
5人は女性一人をのぞき、みんな金持ちらしくメタボだ。
15分くらい行って折り返してくる。
640年ごろ文成公主がここを通ったらしい(唐からチベットにお嫁に行った人、チベットに仏教を広めたとされ、尊敬されている。)
寺に着く。昔来た時は地元のおばさんたちが露天を出してるくらいのさみしい所だったが、いまは店が並ぶコンクリートで造られた立派な船着き場になっていた。
アムドを流れた黄河が、右の方から流れて来て寺のわきを過ぎていく。
寺はパスして店で昼飯を食べ、日陰で休んでいた。そしてまたボートに乗り街へ戻った。