ぺとぺん日記

22歳 大学生です。  ナリワイと木のものづくりに興味があります。  ペンギン、Eテレ、きんもくせい、ねこ、ペトロールズが好きです。

移る心と変わらないもの

私は、幼いころから年上の男性に強く憧れを抱いていたようだ。

母が言うには、7歳のころには、俳優の藤木直人さんが好きだったという。その後「干物女」などドラマ改めて、好きだと感じた。

自分が認識し始めたのは、「私は恋愛ができない」の頃の田中圭さんだ。

まだTVの中の向こう側の人だけだった。

高校生になると、「生物」の先生に強く惹かれた。35歳くらいだっただろうか。

その先生は、自分の好きなものを語るとき、子供のように無邪気に楽しげに話す人だった。

既婚者であったが、昔その奥様が彼女だったころ、ドライブデートに連れ出し、「今から走る道の木を数えてくれ。」と言ったそうだ。

とんだ変人だが、私もそれでもいいからもっと先生のお話を聞いていたい、その楽しげな表情を見つめていたいと思ったのだ。

その後、浪人することになり、予備校に通い始めた。

そこの「物理」の先生が、一回目の導入の授業でこんな話をした。

「好きな女の子と曲がり角でぶつかるためにどうしたらいいか。」

女の子がどんな速度でどのくらいの距離から歩いてくるから、自分は、どんな速度で歩いて行けば自然を装ってぶつかれるか、これを解けるのは物理だといった。

いう人が言えば、気持ち悪がられるようなセリフだ。

しかし私は、この人に射貫かれてしまった。ああ、この人楽しそうだ、と。

授業の説明でも擬音の多い人だった。そして笑顔だった。

入口が後ろで黒板が前の教室では、先生が通るところの席に必ず座った。

匂いも好きだった。今まで生きてきた中で、誰よりも惹きつけられてしまった。匂いで、好き。という感覚をこの時知った。

匂いはずるい。言葉でうまく表せないし、思い出すことは難しいのに、ふと鼻をかすめる匂いは、胸を締め付ける。

匂いは暴力だ。一方的で、一瞬。

無事大学に入学した。教授陣はほとんどが40以上の男性ばかり。

だが、自分が好きなことを研究しているせいか、おもちゃで遊ぶ子供のように幸せそうに楽しそうに話す人が多い。

今の恋人は5歳年上だ。

大学の専門分野は同じだが、圧倒的に知識量が違う。わたしが、教わりたてのことをはなすと、その関連図書の内容がスラスラ出てくる。知識という香り立つ色気に魅了され続けている。

そんな恋人も、こんなことがしたい。とかこういうことしたら面白いんじゃないかとか、色々考えて、好きなことを話すときの子供のような姿を見せられると

かわいいなー、この笑顔をずっと守りたい。などど思ってしまう。

 

 

私にはかなわない、知識がある。それを感じさせる色気と裏腹に、好きなことを楽しそうにしている表情、子供のような無邪気さ、それを見せてくれる年上の男性にとてつもなく弱い。