九年前

 

なぜこうも私という人間は過去の男に執着してしまうのか。また、昔好きだった人とあれこれしている。しかも九年も前の。

 

高校一年生の時に九ヶ月付き合った人。クラスメイトで部活も同じで、卒業してからもよく遊んでいる友達。

 

付き合っていた当時はしなかったこと、言わなかったこと、大人になった今はしている。お互い変わったなと思う。良い意味でも悪い意味でも。

 

どうして付き合ったのかどこが好きだったのかもうほとんど忘れてしまったけれど、一度好きだった人をもう一度好きになることは容易い。

 

ただ、前回と同じ過ちは繰り返したくない。また友人を失くすことにはなりたくない。その思いで一歩が踏み出せない。

 

でもあの人の一番でいたくて誰にも取られたくなくて。だから恋人という存在になるのが手っ取り早い方法なのだけれど、この気持ちが本当に恋なのか自信はない。好きなんだけれど。

 

勢いで告白なんてことにならないように身を引き締めなければ。今までかなり留まってきたけれど、より一層に。

 

 

 

薄く褪せて

 

 

 

慣れが良いか悪いかは時と場合によるようだ。

 

 

単純な作業を行う場合や効率を求める場合、慣れることは良いことだと思う。

 

しかし対人のときはあまりよろしくないことの方が多い気がする。

 

 

与えられることに慣れることは有り難みを失っているし、

嫌なことをされることに慣れれば心を失う。

うんやはり良いケースがあまり思い浮かばないな。

 

 

 

私の場合、彼氏に構ってもらえないことが諸々続き、

まあこういう人だから私からアクションを起こさないと会ってもくれないんだなと慣れ、

でもアクションを起こしても振られることが多くそれも慣れ、疲れてしまった。

 

始めこそこういう人もいるんだろうと諦めていたし、私の希望ばかり押し付けてもよくないなと思えていたし今も思っているけれど

 

この、なんだか合わないな、嫌だなという気持ちを抱えていてもこの人が好きだと思えるほどに好きにはなれないままこの状態に至ってしまった。

伝えても、受け止めてくれはしないし。

 

 

彼の一挙一動に心乱されることに本当に疲れてしまった。

好きな気持ちはもうほぼない。

 

 

 

それぞれの価値基準

 

 

数ヶ月前、勤め先の研修で自分の中の価値基準を知ろうというような講義を受けた。

 

20個だか30個だか、仕事をする上で大切にしていることや譲れないことなどを挙げ、

その中から上位5つを決めるという、なんとも普通っぽい作業だった。

 

 

 

同期との研修だったため若い女の集まりなわけで、大体皆同じような内容だろうと踏んでいたが聞いてみるとそうでもなかった。

 

私が大切にしていることと他人が大切にしていることは違うんだなあと、当たり前のことなんだけれど気づいた瞬間だった。

 

 

 

だがうちの会社の上の人間は皆そのことを理解していないのではないかと言うくらい自分の価値観を押し付けてくる。

それも仕事の話ではなく男の話で、だ。

 

貴方達も研修受けましたよね、と言いたくなるのをぐっとこらえ愛想笑いをする。

貴方達のその過去の栄光は何年前の話ですか、っていうのもぐっとこらえながら。

 

 

 

大体、人の好きな男が何を学びどこに勤めどこに住んでようがいいだろうが。

 

私が人を好きになるときに大切にしているところはお金ではないのだ。

地位や名声なんてくそくらえだよ、どうでもいい。

 

私が大切にしていることはそんなことではないのだよ。

 

 

 

その点私の友達はそういう価値観を押し付けず、好きなら好きで見守ってくれるからやっぱり私は私の友達がとても好きだなと思った。

 

人の大切なものを馬鹿にしないようにしようと思うが、やられたらやり返す根性は生まれつきなのできっと明日からもやられたらやり返して戦っていく。

 

 

 

自分で自分の首を絞めている

 

彼氏の話だ。

 

 

1つ上の彼とは五年前に知り合い、四年前に急速に近づき、そして離れた。

 

離れた直後こそ、気まずさだったり相手のためだったり、お互い距離を取っていたけれど

彼が1人になってからは再び友人のように戻った。

 

当時のことは無かったことに、冗談も言える先輩と後輩、

けれどたまに敬語が上手く使えない、そんな関係だった。

 

私に恋人がいた間も、彼は少し特別な存在としていた。

 

 

そんな長く気心知れた彼と、四年越しに今、付き合っている。

 

 

 

 

 

付き合う前、彼に「私のどこが好きなの」と聞いたとき

彼は「一緒にいて楽だから」と答えた。

 

 

 

それを聞いて私はとても嬉しかった。

彼の昔の恋人とは違うのだと感じられたから。

 

 

 

けれど付き合って少し経った今、その言葉に苦しめられている。

 

「こんなこと言ったら面倒臭がられるかな」

「こんなことしたら嫌がられるかな」

 

一瞬頭をよぎってしまう。

 

 

 

私は本当は面倒臭くて重い女なのに、嫌われたくなくて楽な女を演じている。

 

 

 

季節は巡る

 

 

ここの存在を自分の中ですら隠しすぎていて、また間が空いてしまった。

 

久しぶりに読み返すと、恋愛の話に関しては本当にその場限りの小さな悩みだったのだなと実感し驚くばかりだ。

 

 

 

好きになれそうな人のことは結局好きにはなれなかった。

好きだなと感じたポイントは覚えているけれど、何故好きになれなかったかは忘れてしまった。

 

まあ結局、その程度の盛り上がりだったのかなと。

 

 

 

 

先月、元彼に会った。

別れてから初めて、久しぶりに会ったあの人には何の感情も生まれなかった。

 

もっと何か、「ああこういうところが好きだったなあ」とか、そういう思い出が蘇るかなと思っていたのだけれど意外とそうでもないらしい。

まあ、別れてから色んな男と散々遊んでおいて今更何を言っているんだとも思うが。

 

 

昔好きだった人を好きじゃなくなるとかなり見る目が変わってしまうし、昔は愛していた部分も今では少し気持ちが悪いなと感じることもある。

(やっぱりまあまあ太ってるなあと少し幻滅した。)

 

 

 

 

 

そんな自分だが、昔一度好きだった人と付き合うことになった。

 

実らなかった恋ほど美化されているのだろうか。

ずっと特別な存在だった人。

 

 

上手くいくといい。

もし上手くいかなくても友達に戻れないなど無いように願うそれほどに特別な人だ。

 

 

 

 

想定内の想定外

 

 

 

好きになれそうな人ができた。

この時点で既に好きなのかもしれないが。

 

 

こんな歳になって、「好きってなんなんだろう?」というかなり初歩的な問いが生まれている。

(いわゆるこじらせ女子だと思う。)

 

 

 

最近付き合った人たちとはどうやって付き合うことになったかを思い返すと相手からの押しに負けて付き合うケースが続いている。

 

付き合う時点で自分が相手のことを好きだったかと言うと、付き合うわけだしさすがに良い人だなとは思っていたけれどおそらくすごく好きだったわけではないなあと。

 

 

つまり久しく自分から人を好きになっていない!

そりゃあ「好きってなんなんだろう」という気持ちにもなるわけだ。

 

 

 

 

しかしその、好きになれそうな人というのが

どうにも私のことを好きではないことが明白で。

久しぶりにこの気持ちのやり場に困っている。

 

 

 

なんとなく、この人私の好きなタイプだなあと思っていたのがまさか当たってしまった。

 

知っていくうちに色々な行動や仕草が自分のツボなことが判明してしまい、どうにもこのままだと好きになる。

 

 

 

さて困った。

 

 

 

 

 

化石

 

 

彼氏に振られた。

秋が来たら四年だった。

 

 

 

付き合っていた月日が長すぎて、

私はまだ彼のことを元彼と呼べない。

 

 

 

 

私が唯一許せないことを、

これだけはやめてねと言ったことを

彼は束縛だと言った。

 

ずうっと注意していたのに

直してもらえなかったところを、

私は彼を信用できなくて

つい弱さに負けて責め立てていたこと

今更になって別れの理由にされた。

 

 

ここ最近、おかしいなと異変は感じていた。

これが倦怠期なのだろう、

私が今まで乗り越えられなかったものだ、

今回は倦怠期だと分かる、乗り越えられると

昔付き合っていた人との経験から理解していた。

 

 

けれど彼は違った。

 

 

半年前、いやもっと前から

私に対しての気持ちがおかしくなっていたと言う。

 

 

 

人はなぜ好きだった人を

急速に、突然、

好きではなくなることができるのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

別れたい理由にはひとつも納得ができなかった。

 

なぜ、自分のことを棚に上げて

もう我慢できないなどと言えるのか。

 

いつも我慢していたのは私だ、

けれど我慢さえしていれば

これからも付き合っていけたじゃないか。

 

 

なぜ、なぜ、なぜ。

 

 

 

 

あなたに限って次の女を見つけずに

私を捨てることがあるだろうか。

 

なぜ私ではダメだったのか。

 

 

 

 

 

 

私はあなたを一生忘れられないのだろう。

一緒に行った場所、食べた物、作った物、

聴いた曲、歌ってくれた曲、くれた言葉、

全て大切な思い出で、

私はその思い出さえあれば

どんなに喧嘩をしたとしても

あなたと生きていけたのに。

 

 

 

 

私に悪いところはたくさんあった。

無条件に、ずっと一緒だとばかり思って

努力を怠り甘え過ぎていた。

 

分かっているけれど。

 

 

 

とてもひどい振り方をされたのに、

どうして嫌いになれないのだろうか。

 

 

いつまでここに止まっているんだろうか。