君がどんな風に世界と踊るのか もったいないからちょっとずつ教えて欲しいんだ
Summer Paradise 2020の感想が下書きに残ったままでした。せっかくなので世に出します。
当時この2人までしか書き残しておらず、すでに記憶もあやふやなので、最低限の加筆のみ。あとのメンバーはごめんなさい。
【川島如恵留さん】
〈ポイント〉
・彼を構成する重要な要素「ミュージカル」
・誰も取り残さない公演
パフォーマンスは「バレエの基礎が生きる手指の先まで美しいダンス」といった側面が大きい如恵留さんが初っ端ハードな楽曲を持ってきていて、これはかなり挑戦してきた公演だなと思った。如恵留さんをはじめ、7人全員の本気を、Danger Zoneで感じたと言っても過言ではない。
格好いいパフォーマンスでありながら、ミュージカルの色も濃い光一さんの曲を持ってくることで、その後に続く流れにあまり違和感は感じない。
プレゾン(少年隊)→ドリボ→えび座 というセトリ、やらされるでなく自分からやりたいと志願し、その楽曲のパワーに頼りきらず自分のものにできるジャニーズタレントが、何人いることだろう。
DREAMER(ドリボ曲)からは少年忍者も加わる。しかも如恵留さんが操るタクトによって出現する。ファンタジーが好きな人間には堪らない演出だ。
横アリでプロデュースしていた既存曲、TAMERも楽曲としてかなり強いコンセプトを持っており、新規曲が続いて過集中になっている観客のクールダウンを図りつつも世界観は保ち続けている。
そして「アンダルシアに憧れて」である。
こんなド定番曲、むしろやるのに勇気がいる。でも彼は知っているのだ。自分がいかにアンダルシアに憧れての世界観にふさわしい人間なのかを。ダークなスーツとボルサリーノといかすクツが似合う人間なのかを。そして、それを観客も知っている。だから、安心して最高のクオリティを期待して見ることができる。
上記の歌詞でジャケットを羽織り、ハットを丁寧に撫で、クツを指差すその姿はいちいち美しかった。
途中で挟むピアノコーナーがこれまた憎い。
「名脇役」の話をさせてほしい。
みんな聞いてよ 川島さん、Sexy Zoneの名脇役でコンテンポラリー踊ってもらう予定の子と交換日記してて、それ持たせてステージで踊らせんの 近くにいるのに思いが届かない歌をやるのにさ、自分たちの思いが詰まって日記を持たせて……………
— ネギ (@J_negiK) 2020年8月1日
っていうかあの最後のキラリ〜ンを川島さんが弾くことによっても意味が生まれすぎててむり
— ネギ (@J_negiK) 2020年8月1日
女の子の話が出てくるのは2番だから、1番だけ歌うなら異性愛に限った歌ではなくなると思うんだけど、それを踏まえて交換日記持たせたり最後に音を添えたりしてるんだったらちょっともう本当に完敗です
— ネギ (@J_negiK) 2020年8月1日
如恵留さんが公演前ずっと言っていた「誰も取り残さない公演」はなにも、耳の聞こえない方へ届ける手話だけではないのかもしれない。
後半はガラッと変わって、ちょっとジャニーズが好きなら誰でも知っている楽曲に焦点を当て、手話を多彩に盛り込んだメドレーへ転じていく。
セトリの緩急をつけながらも自分の個性をはっきり主張していて、構成が素晴らしかった。
ラストは自分たちの紹介ソングと、はじめて貰ったオリ曲で締めるのも、本当に如恵留さんらしい。
タップやるからタップシューズに履き替えるという行為、そりゃそうなんだけど、最後の最後に今一度襟を正して夢ハリに臨むような誠実さを感じてとても良いなと思った。
— ネギ (@J_negiK) 2020年8月1日
彼のやりたいことがTravis Japanという枠からはみ出てないというべきか、彼のやりたい方向性がそのままTravis Japanに大きく影響していると言うべきか。とにかく如恵留さんのソロコンは強烈に「Travis Japanの川島如恵留」だった。
Travis Japanの看板を背負ったトップバッターとして、こんなに相応しい公演はないと思います。素晴らしかったです。
【中村海人さん】
〈ポイント〉
・流行へのアンテナの張り方
・先輩のバックで学んだことを生かす力
2019年のサマパラでソロの候補として上がるも、結局選ばれなかった北山さんのドンワナ。できてよかったねくらいの気持ちで見ていたが、「いつもと変わらぬこの部屋も 特別になるんだ」を、配信ライブの1発目に置くという、なんとも洒落た結果になった。*1
壁一面にTravis Japanのメンバーの写真が飾られた廊下を進み、「ただ君といたいよ」ではメンバー全員で撮った写真を指さす。ひとりで立っていてもグループを忘れてないよという思いやりと、ひとりでステージへ飛び込んで行く自分自身を鼓舞しているようにも見えた。
〜Love Situationまで浮遊感のあるお洒落な楽曲が続くが、中でもHa-haは良かった。ジャニーズ御用達の、後ろのスクリーンに時間差でどんどん映してカノンを見せていくあの技術は、これまでなにを見ても心揺らがなかった。*2しかしこの夢心地でついにうみちゃんの幻影が見えはじめたような感覚に包まれた。
あれが素敵だと思ったのははじめてだった。
2019年のサマパラのソロでやった「君の瞳の中に見えた丸くて青い星」では、うみちゃんの飛躍的な進化を見ることができた。
当時、うみちゃん(天使)の背中には小さな羽しかなかった。そして曲の最後には高大から飛び降りて終わる。同年のツアーで北山さんが披露したドンワナの演出の影響を大きく受けているのだろうが、あの時期*3に、命を落とすとも取れるあのラストはなかなか衝撃的だった。
ちなみに、サマパラ後のインタビューで彼は「最後に天使が落ちるのは、死んじゃったかどうか考察して欲しかったからだ」と語っている。
そしてうみちゃんは、この一年で羽を得た。スクリーンいっぱいに緑の羽を広げ、もう飛び降りたりしない。
本当に頼もしい人だな、と心から思った。
ここからは満を辞してのニートまんだ。
うみちゃんが「関東随一のヒモジュニア」と呼ばれるようになって久しい。だからずっと歌って欲しかった。本家を除いて、彼以上にニートまんが似合うジャニーズはいない!という自信があった。
トラジャ名物「簡単な振り付けだからみんな一緒に踊ってね!が全然簡単じゃない問題」という、意図してるんだかしてないんだかという引っ掛かりポイントを作っていたのも良かった。
ずっとやれる機会を伺っていたのかなとも思う。やってくれて本当にありがとう。
careをしっとり歌い上げ、カ・ク・シ・ゴ・トを北山さんへのオマージュで傘を使って披露したら、お次は溺愛ロジックだ。
これまでかめにゃん&剛くんっていう女性的な美しさの側面も持った人の溺愛ロジックしか知らなかったので、うみちゃんというニューカマーに度肝抜いてる
— ネギ (@J_negiK) 2020年8月2日
お肌や目元は全然化粧してないのに、なんならちょっと髭が生えはじめてるのに、ベッタリ真っ赤な口紅塗って10センチ超えのピンヒール履いてるみたいな、ちょっと乱暴で、でも妙にコケティッシュな感じ………なんか…イメージの話なので実際はそんな格好なわけじゃないんですけど…
— ネギ (@J_negiK) 2020年8月2日
かめにゃんや剛くんは退廃的な女って感じがするんだけど、うみちゃんはもっと荒々しくて男感が強く、逆に強烈な色気を生んでいた。
姫とか女児とか言われるタイプじゃないポジションの人間がやる溺愛ロジック、凄いぞ。文化遺産の新解釈なのできちんと然るべき対処を取って後世へ残してほしい。
ずっとYJ遺族みたいな選曲だったが、全体としてお洒落な音がするものを中心に構成しており、やりたい方向性がはっきり見えた公演でした。現時点で見たいもの全部見せてくれてありがとう。素晴らしかったです。