#191970

言葉はミッドナイトブルーの文字から

病気が治ったら

HASAMI groupの「病気が治ったら」というMVを久しぶりに見ていた。このMVを見ながら泣いていた時期がある。

去年ハテナブログの記事を更新した後、帰省から帰ってきて受けた大腸内視鏡検査で大腸がんが見つかり、地元に戻り同じ病気で母親もお世話になった病院で腹腔鏡手術をし、その後転移が見つかり抗がん剤治療を受けた。今年2月末に治療が終わり、3月中頃に無事横浜の家に帰ってくることができた。検査を残してきたため、また実家に戻る。今その帰省の新幹線の中でこれを書いている。

 

4月初旬、恋人と初めて二人で出かける日だった。桜が咲いているからお花見に行った。早起きしてスターバックスリザーブロースタリーの入店予約が取れたので時間に間に合うように電車に乗った。駅から歩く間も川沿いに桜並木が続いていた。提灯みたいなやつがぶら下がっているのが東京っぽいな、などと思う。ドラマで見たことのあるような景色だ。

スターバックスリザーブロースタリー、1年以上ぶりに来たがやはり良かった。3階に空いてる席を見つけたので座った。この日は目黒川沿いのテラス席は有料予約が必要だったためか、3階はそこそこの混雑度合いだった。中途半端な時間だったということもあるかもしれない。

 

私の快気祝いということで、私も彼もドリンクを2杯飲むという贅沢をした。もちろんフードもいただいた。カルツォーネを2種類とオリーブのバトンみたいな細長いパンを半分こした。

私は1杯目はキャラメルのカプチーノをいただいた。彼はウィスキーの樽で保管された豆を使っている(もう結構前なのでうろ覚えだが)という水出しコーヒーをチョイス。一口もらったがかなり美味しかった。お酒みたいなコーヒー。昼から飲むには刺激的な香りだった。

フードを食べてから新たな注文をするために2階の紅茶のカウンターへ。2杯目は宇治抹茶ソーダフロートにした。抹茶なのにシュワシュワしていて不思議なドリンクだった。彼の2杯目はオレンジが乗ったウィスキーだった。まんまるの氷が入っており、ロックでしっかり濃いめの味だった。恋人いわく「ウィスキーの香りのするコーヒーを飲んだから本物が飲みたくなった」とのこと。この店の3階ではアルコールメニューも楽しめるので気に入ってくれているようだ。

席を立ったあと、併設のショップで友人に送るお茶と実家に持って帰るコーヒー豆を買った。どれもこの店でしか取り扱いのない物を選んだ。また来れるかわからないのが人生なので、こういうときは特別な物を用意したい。

贅沢を終えて渋谷に向かおうと中目黒駅へ向かったものの、駅は入場帰省をしており改札の外まで入場の列が出来ていたため来た道を引き返し乗ってきた路線の電車でその日は大人しく帰った。

 

また違う春の日、引っ越しの日に買ったIKEAのダイニングチェアがあまりにも疲れるので新しい物を見にいくため電車に乗った。

恋人が調べてくれた椅子はお洒落だしカラー展開も豊富で、この日は出かけたついでに渋谷のお店まで足を運んだ。狭い店内だったものの、実物を見ることができた。コラボのカラーも置いてあり、試しに座ってみて私はすぐに気に入った。オンラインで見ていたときは「昔よく見かけた駅のベンチの一つみたいだな」と思っていたが、座面がほどよく窪んでいてプラスチック製だから背もたれもちょうどいい柔らかさで心地よかった。この店には他のカラーは置いていなかったため、また別の日に別カラーを見に行くことが決まった。

 

今年初めて長袖ブラウスのみで出かけた日。恋人と先述のダイニングチェアを見に電車に乗っていた。中途半端な時間に起きてトーストしか食べていなかったため、外出中にめちゃくちゃお腹が減った。ゴディバカフェに寄りたいと言ったら「これ以上ドムになったらあかんで」と怒られる。ドムとは、ガンダムシリーズに出てくる紫色の重モビルスーツのことだ。彼は度々私のことをドム脚だのなんだのとイジってくる。もう慣れたから良いけど、初めて言われたときはわけがわからなかった。

噂の家具屋に着くと、渋谷店とは違いかなり広い。休日だからか仕事用の椅子を試す人を多く見かけた。我々の目的だったダイニングチェアも見てみたかったカラーは確認できた。彼はミントグリーン、私はパウダーピンクにしようという話をして晩ご飯の用意とケーキを買って帰った。

 

さて、横浜への一時帰宅の思い出はこんなものだろうか。久しぶりに帰る我が家、変わっているところがほとんどなく、私がいるときよりも気持ち綺麗だった。彼も私もアレルギー持ちなので掃除はこまめにしてくれていたらしい。帰宅直後、リビングを見回すと私の母が作ってくれたコースターや私が普段使っている薬やサプリを入れておく皿はテーブルに放置されており、「ああ、ここから私がいなくなっただけなんだ」と変な実感があった。怪しさを感じさせる綺麗さというよりも、私を待つために綺麗を継続させてくれていたんだなと素直に思った。私担当の水回りの掃除は全くできていなくてギトギトだったから。

 

長い期間抗がん剤治療をしながら実家にいたせいで自力で買い物をする力は衰えてしまったが、今回の一時帰宅でなんとか少し取り戻せた気がする。

今でもまだ化粧も着替えも風呂も着手するのになかなか気が進まないが、天気が良い日に桜を見に近所の公園に散歩に行けたりもした。一人暮らしをしたことのない私にとって一人で外に出かけるというのはものすごいハードルなので、そういうことが自発的にできたのは褒めたい。少しずつ元気を取り戻せた1ヶ月だった。

恋人が帰ってくるまでの時間に風呂にも入れず一人でリビングにいると寂しくて気が狂いそうにもなったが、これも勉強だな。

また実家に戻って生活ペースが狂うのが嫌なところだが、関東では会えない友人もたくさんいるので今のうちに会っておこう。また次いつ帰ってこれるかわからないのが人生、悔いのないように地元での日々を過ごさなければ。

 

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

また時間を見つけてちょくちょく書こうと思います。

神戸で再訪したいカフェがありすぎてカフェデーを何日作ろうかと今からわくわくしています。横浜宅でコーヒーを淹れるやつを始めたいのでそれ系のグッズを揃えたい。行きたい店が多すぎる…。全部行けるだろうか…。

 

病気が治る(寛解)まであと5年は定期的な検査を続けなければならないが、気を落とさず何かあったらそのときに考えようと思う。私はいまいち決断力に欠けるけど、そんな私が決めることだからこの先もきっと大丈夫だろう。悩んで悩んで決めるんだから。

結婚も出産も育児も、夢はあるけど今すぐじゃなくてもいいなと今は思う。恋人と二人でいられるのは当たり前じゃないことだ。家族や友人と一緒に語らえるのも同じくらい尊い時間だ。一瞬一瞬を大切にしよう。いつでも元気で会えるなんて約束されていない。今を生きよう。少しずつ頑張ろう。自分のペースで。

 

一歩戻って一歩前へ

横浜に引っ越してから移動距離が少なくなったからかブログを書くことがなくなった。土日は大体恋人と一緒に行動しているから、書きたいことはたくさんあるけど圧倒的に書く暇がない。一緒にいることが当たり前になってきているのかな、と思うと少し怖くなる。

7月2日に実家に帰ってきて、以前からお世話になっていた美容院でカットとカラーもしてもらって、今日は久しぶりに友人に会いに行く。大阪までのこの長い道のりをいつも何も思わず電車に乗っていたんだな、と思って懐かしくなる。恋人と集合するときもこの道だったな。帰省すると、恋人と同棲する前の生活に戻れるからそれはそれで楽しい。一足先に横浜に帰った恋人もガンダムのドムを組み立てるなどして一人の時間を楽しんでいるみたいだった。

 

実家に帰ると家族が全力で歓迎してくれるから嬉しい。二人が元気に生きている間に恩返しをたくさんしたい。だから私は横浜に帰って頑張らないといけない。頑張らなきゃと思うとしんどくなるから、頑張ろうくらいの心持ちでいいと思う。恋人と暮らすようになって、考え方が少しだけ前向きになった。横浜に帰っても、ホームシックにならなければいいな。なったとしても、少しホームシックになるくらいで抑えられたらいいな。

友人に会って最近の近況を話したり同棲生活のことを話したりした。話していたらいま悩んでることが同じだったから、今日分かち合えて嬉しかった。お揃いのルームウェアを買って帰宅。やっぱり関西に帰ってくるたびに友人と何かしらのお揃いの物を買って横浜に戻っている気がする。そうでもしないと寂しくて頑張れないからだと思う。

 

帰り道に電車の中でこれを書いている間、尾崎世界観の「声にしがみついて」というラジオをタイムフリーで聞いていた。ファンクラブ限定のライブツアー、やっぱり行きたいな。でも東京の公演に一人で行っても楽しくないから、母親と一緒に行きたいな。でも久しぶりのライブハウスツアー、元気なままで行けるかなあ。それよりも、10月に関西に戻ってこれるかなあ。本当は3ヶ月くらいの間隔で実家に帰ってきたいんだけどな。でも今通ってる就労移行支援の兼ね合いもあるしなあ。悩みは尽きない。遠く離れた場所に住んでいるから、新幹線に乗って新幹線が発車する瞬間が一番寂しい。でも恋人が待ってくれているから、横浜に帰らないといけないな。今年の3月に法事と引っ越し前に当たっていたクリープハイプのライブに合わせて関西に帰ってきたときよりは横浜にベースができているから、やらないといけないこともたくさんあるし行かないといけない病院もあるし、横浜には絶対帰らないといけないんだけどな。関西は何もかも居心地がいいから帰りたくないな。そう思わせてくれる実家は良いな。

明日もまた別の友人に会う。会えたら私は安心して横浜に帰れる。悔いなくお盆も横浜で過ごせる。横浜がもっと関西に近ければなあ。遠すぎるんだよ。でも、引っ越すと決めたのは自分だし恋人との生活を選んだのも自分。自分の人生に責任を持たないとね。自分の人生だから、自分で決めたわけだし。横浜に帰るまであと数日。実家に残してた夏服と寂しさを段ボールに詰めて、横浜に送ろう。

 

振り返りもせず前へ

関東への引っ越しを挟んでバタバタしていたら年末が来て正月が来て一年の振り返りもする暇もなく新しい手帳を使う。新しい手帳カバーは好きな革製品屋さんでずっと使いたかった革の限定色のカバーにした。2022年はほぼ日手帳のオリジナルサイズを使っていたけど、2023年は映画の半券とか展覧会の紙チケットを貼りたいという気持ちからカズンサイズにしてみた。関東ベースになってから今まで買わなかったキャラクターシールも2種類くらい買った。新しい手帳はデカくなったけど、書きたいこともデカくなった気がする。1月も中盤だけど、毎日よろしくな。

実家から離れたゆかりのない土地で恋人と二人で暮らし始めた。以前の生活よりも謝ることが増えた。気遣いとかそういう問題ではなく、私の気持ちの問題である。家事も簡単なことしかできないし、ここには書けない問題が星の数ほどある。大体が私のせいなので情けなくて不甲斐ない。音楽を作ることもやめてしまったし、本を読む時間も減った。一眼レフは母のために実家に置いてきたので写真もiPhoneで撮るくらい。関東はイベントもお店も多いし楽しいコンテンツはたくさんあるけど、一人で大都会を歩くのは少し怖い。昨日も病院の行きと帰りに知らない人から声をかけられて、毎回心臓が飛び出るほどびっくりしているのに相手はなんとも思ってない風で、だんだん自分が情けなくなってくる。大阪や神戸とは比にならない規模の大きさ。大都会はやかましいし歩きづらいけど、夜が綺麗だ。

いつもの夜の帰り道、星や月が見えていることを確認して安心する。同じ天体を関西にいる家族や送り出してくれた友人たちもきっと見ているはずだと思うとなんとか明日もやろうという気持ちになる。外に出られない日もあったりするけど、そんな見えない力に励まされている。私は元気です。総合的に見ても、楽しくやっています。

とりあえず前を向く。

 

一番くじ

二ヶ月もはてなブログを書いていなかったことに気づいてびっくりする。私は多分ライターとかブロガーにはなれない。ライターやブロガーになれるようなマメさが全くない。最近Instagramでさえ見るのが億劫になり、投稿するのも画面の向こうの知ってたり知らなかったりする人の表情を勝手に想像したら気が引けてしまい、あんまり開かなくなってしまった。Twitterなんて好きなアカウントの通知が来たときしか開かない。自分が一つずつ歳をとるのに連動して、SNSから離れていっている気がする。それが少し怖い。

 

土曜日。予約していた心療内科の診察を終えた後、恋人と会う約束をしていた。ちょうど14時にすれ違うようにして出会うことができたので、そのまま地下街の好きなカフェへと向かった。ちょっと大きめの季節のタルトを食べながら、JRの「サイコロきっぷ」の話をした。8月はとにかく暑いから難しいかもしれないけれど、9月まできっぷが売ってるならワンチャンスあるよね、と話した。

店を出た後、恋人が「カービィ一番くじ今日からやってるよ」と言うので、一番くじカウンターがある商業施設へ。一番くじカウンターには少し列ができており、カービィ一番くじがどんどん売れていくのを目の前で見ながらハラハラしていた。前回カービィ一番くじが金曜日から始まっていたとき、土曜日に来た際も全く何も残っていなかったことを思い出して、ちょっと奮発して3回引くことを心に決めて会計をした。こういうときくじを引くのは左手で、と決めている。そして店員さんにめくったくじを見せたところ、C賞のデカいカービィのぬいぐるみが当たるという快挙。本当は手のひらサイズのワドルディが雲の上でうとうとしているD賞のぬいぐるみが欲しかったけどこれはこれで可愛いなあ〜と思いながら、思いがけず荷物が増えたことに嬉しい気持ちで帰りの電車に乗っている。家のどこで働いてもらおうかな。サイズ的にもリビング勤務かな。私の部屋にはなかなか置けないレベルの大きさ。カービィ、ずっとお迎えしようと思っていた気持ちが伝わったのかな?とメルヘンなことを考えている幸せな週末。カービィカフェの衣装をまとったカービィ、可愛いしかない。語彙力の欠損。

日曜日、疲労と充足感

曇り空の日曜日、庵野秀明展へ行く。知らない作品の方が多かったので、知らないことを知れて嬉しかった。現在に至るまで、庵野氏が触れてきた作品群や好きな作品それぞれのこと、そして庵野作品が出来上がるまでの過程を見せてくれていたのが良かった。また観たい映画や作品が増えた。やっぱりこういう展覧会は作品や監督のことを好きな人と一緒に回ると小さなトリビアを挟んでくれたり思い出のシーンを話し合えたりできて楽しいな〜と思った。出来上がった映像が各所で流れていて、ここに並べられている下書きがこんなヌルヌルと動く映像になってしまうのか…とディスプレイに見入ってしまう瞬間がたくさんあった。

順路の最後にあるギャラリーショップで、この展覧会に行こうと随分前に話をしていたときに恋人にすすめられて初めて"DAICON III"の映像を観たときに時代を感じないクオリティの高さにびっくりしたことを思い出しつつ、DAICON IIIのデザインの帆布のトートバッグをカゴへ。その他、ヱヴァンゲリヲンQのアクリルキーホルダー、Qの各シーンを切り出して並べたクリアファイル、[決定稿]と判子が押された"シンジのSDAT(スーパーデジタルオーディオテープ)"の設定資料をそのままポストカードサイズにしてしまったカードを購入。個人的にヱヴァンゲリヲンQはストーリー共にキーカラーも含めて一番好きなのでアクリルキーホルダーが用意されているのは嬉しかった。アクキーはいくらでも部屋に飾っておけるから良い。トートバッグは東京で開催されていたときに恋人が先に買っていたので結局私も買うことにした。こういう機会でお揃いの物が増えるのは面白いし楽しいし嬉しい。展覧会後に帰ってきてから会ったときに恋人が熱く話してくれていた"第3村"のジオラマなどはスペースの都合で割愛されていたようだけど、とても満足感の高い展覧会だった。また個人的にヱヴァンゲリヲン新劇場版を最初から観たいな〜とか、理解が深まったらテレビシリーズ→劇場版"Air/まごころを、君に"もちゃんと観たいな〜とか、いろいろ観た後に原点に返って"トップをねらえ!"もしっかり観ておきたいな〜とか、いろんな欲が湧いてきた。時間は有限だけど、ゆっくりでいいから暇なときを見つけてまたいろいろと鑑賞したい。

 

夏の旅の計画をうっすらと立てながら、こういうなんでもない時間が一番楽しかったりするよね、と言いながら笑い合っている時間が幸せだ。楽しいイベントを作って、少しずつ延命している感じ。言い方は悪いけど、こういう生き方だと近くの目標に向かって頑張れるから良いのかもしれないと思いながら長い帰り道の途中にいる。半分くらい帰ってきたところで足に疲れが溜まっていることがわかって少し安堵した。これで今日も風呂に入って寝るだけだ。明日からまた通常運転しながらやることをやる。普段の生活が送れるのは、こういう楽しい日の思い出があるからだなあとなんとなく思って快速電車に揺られながら帰るのであった。

 

ステップ

午前中の海はラメの織り混ぜられた布みたいに波打ってはキラキラと光る。朝日を浴びる海は美しい。海の近くに住んでいて良いことの中の一つだ、と思いながら底冷えする駅から電車に乗った。

Lucky Kilimanjaroの新曲が先行配信になり、日付が変わってからひたすらそれを聴いては踊りたくなる衝動に駆られながら目的地へと向かった。

この間、「SINGING A RAIN 雨に唄えば」のミュージカルへ行ってきた。劇場で観るミュージカルは初めてだった。土砂降りの雨を浴びながら踊る役者たちが生き生きとしていて、なんとも美しかった。帰り道、ステップを踏みながら家までの路地を歩いてミュージカル俳優になったような気分になった。ステップを踏むだけでもパワーがあるな、などと思いながら、誰かのいるあたたかい家へと帰ることは幸せだと思った。

また別の日。スニーカーを履いていた日。いつも革靴を履いている自分にとってはイレギュラーな日。世界から値踏みされているような気分になって最悪だった。別に誰かがジッと見ているわけでもないのに、誰がどう見ても格好いいスニーカーなのに、足元を見るたびいつもと違って気分が落ち込んだ。どこまでも歩けたけど、どこへでも行けるわけではない。この小さな街に拘束されているような気分になって、そんな簡単な事が悲しくて、どうせ捨てもできない自分の情けなさに怒りが湧いた。こんなに自分のことを許せないのは数週間の中でかなり久しぶりなので、きっと春が近いのだと思った。何も成し遂げていないから、春が近づくと怖くなる。変わろうとしている人たちに押し出されるようにして歩く。どうしても変われないから自分に苛立つ。皆何をきっかけにして変わるのだろうか。もう死にたいな。でも死んでも何もならないから、生きるしかないな。どうせ痛いだろうし。ああ、こんな気持ちで生きていたくないな。もっと自由になりたい。でも?そろそろ自分であることをやめたい。疲れた。こんな日に入る風呂は大体気持ちがよくて、まあいっかと思ってまた明日になる。こんなことの繰り返しだ、いつも。

 

幸せな日のこと

休みの日のことを思い出しながら、これを書いています。別に誰も読まないだろうから無駄に長い。もうずっと前のことから、昨日になってゆくことまで。

 

祝日。早起きができたので脈絡もなく水族館へ行くことに。乗ったことのない路線の電車に初めて乗る。見たことのない景色を見ると脳が活性化する!とか大昔に誰かが言ってたな、と思いながら電車に揺られていた。

水族館は回廊式になっていて、水槽の深度が上がっていくという仕組みだった。自分の作るミュージックビデオの素材になるだろうと思い、魚が泳いでいる様子を動画としてたくさん撮った。動画についてカメラマンとしての腕はないので、帰ってから確認して使えるか使えないかの判断をしようと思っていた。まずはその映像を使うための音楽を作らなければならないな、と思って帰り道は久しぶりにGarageBandを開く。夕陽が背の高いオフィスビルの窓ガラスに反射しているのを電車の中で見る。日の長さは少しずつ短くなっている。

帰ってから素材動画を見返してみると、やはり手ぶれが見られる。機材として使っているiPhoneもそんなに新しい物ではないので、手持ちで使える三脚みたいなやつが欲しいなーと思い、ジンバルを探す旅へと出た。

 

土曜日。少し、というよりだいぶ遠いところへ。用事がないと滅多に行かない街。前ここへ来たのは何年前だ?あの日の展覧会に訪れた私はたしかロリィタ服を着ていたから、もうずっと前のことだろう。

9月もそこそこ終わっているのにもかかわらず日差しは眩しく暑い。とりあえずモールに入ってまず昼ご飯を食べた。洋食屋さんに入るのは久しぶりだった。まさか頼んだビーフシチューにかさ増しでスパゲティが入っているとは思わなかった。

行きたかった店にちょこちょこ寄って、あれがいいだとかこれがいいだとか小声で話しながら歩く。コートが欲しいと思っているけれど、心の中のコンパスがグルグルと回って、結局何も選べない。当たり前のことだけど金は無限にあるわけではないし、優柔不断なときにする買い物は後になって気持ちが悪くなるから、諦めてしまうのがいい方法なのだと思っている。物欲とさよならしたいな…と思いながらまたいつもの街へと戻った。

 

ガシャポンがめちゃくちゃたくさん置いてある施設にここ最近頻繁に通っている。先週来たときはカービィコピー機能を表現したフィギュアを一回まわし、目当ての物ではなかったので二回目。同じやつ(デデデ大王のコピー)が出てめちゃくちゃ落ち込んだ。それを目の当たりにしていた恋人が、今日せっかくここまで来たけどまわそうか否か…と悩んでいる私を見て、おもむろに小銭入れを出した。ガシャポン一回分の100円玉を私に渡して、「回してみる?」と言った。「回す権利をくれるってこと?」と聞くと、「デデデが出たら、引き取ってあげる」そう言われて、ガシャポンを回した。

 

あれから何週間か過ぎて10月になった。残暑はまだまだ厳しく、半袖の人を見かけることも多い。私は重ね着が下手くそなので長袖を着ているけれど、正直言うとめちゃくちゃ暑い。早く涼しくなってくれたら好きな服もたくさん着られるのにな、と思っていた。

暑い中、キャラクターカフェのイベントが行われている街へ。指定されていた時間まで暇だったので繁華街のほうへ向かった。街全体で3日間にわたって行われているサーキットイベントが今日だったことを行きの電車の中でイベントのリストバンドをつけている人を見て思い出し、懐かしくなったので歩いてみることにした。

歩きながら、たくさんのライブハウスを通り過ぎる。タイムテーブルを遠目から見る。自分がまた好きなライブハウスに行けるようになるかはわからないけれど絶対にまたきっと必ず来るぞ、と思う。こんな状況下でライブハウスには潰れてほしくないのだけれど、なかなか支援できない自分が情けない。必ずしもしなきゃいけないってことではないのだけどね。気持ちだけあれば、それでいいのかもしれない。

 

帰り道、真っ暗になった景色の中にビルの照明がきらきらと光っているのを見る。人工的な明かりは、人がそこにいないと作り出されないから美しいのかもしれない。夜景も同じ原理だと思う。

最近の私はお金を使い過ぎだ。慎ましやかに生きなければ、と言いながらキャラクターミニマスコットを3つも買ってしまった。3人で一つだから、箱推しなら仕方ないか。

 

11月に入るか入らないかのタイミングで大好きな人からGoPro HERO10を誕生日プレゼントにもらう。その後カメラは大活躍することになる。

全体的に言うと月の始まりから終わりまでろくでもないメンタルだったけど、とりあえず今生きているので大丈夫だったということでしょう。

今どこに住んでいるのかもわからない友人と呼ぶにはなんとなく気恥ずかしい、古い関係の相手から結婚したこととコロナ禍で出産したことを報告された。古のアカウントを持っていてよかった、と思った瞬間だった。育児アカウントを持っているということで即フォローさせてもらったがSNSをダラ〜っと見るのが耐えられないタイプなので自分はたまにしか投稿を目にすることはないけれど、そんな中でも頑張っているんだなあ…ということが伝わってくるポストが多い。同じ歳で出来ることはこんなにも変わってくるのか、といつも思う。すごいなあ、世界はどんどん変わっていくなあ。私も頑張らなければ、とただひたすらに思いながら思うだけで実行ができない私なのであった。

 

気がついたら12月になっており、焦りを感じ始める。焦ったってもう遅いのに、焦るときはとことん焦るから嫌になる。懐かしい人が夢に出てきて心がかき乱されたりする朝もあったけど、なんとか今日も生きている。

今年の年末は忙しすぎる。人と会う機会がめちゃくちゃ多い。でもそれが嬉しくてたまらないから仕方がない。人と会うと喋りすぎて疲れるけれど、それは気持ちのいい疲れだから良い。

 

嗅いだことのある匂いがして、ふっと振り返る。親しかった誰かがレギュラーでつけていた香りなのだろうけど、誰のものであったかはもう思い出せない。匂いというものはその時々の情景まで巻き戻して見せてくるから好きじゃない。でも人らしい匂いを嗅ぐと安心できる。例えば好きな人のうなじの匂いとか。好きな人のものなんだから大体好きに決まっているけれどね。たまにこういう気持ちの悪いことを平気で言うから、簡単に気持ち悪がられるのは自分でもよくわかっている。

 

noteにて、クリープハイプのニューアルバム「夜にしがみついて、朝で溶かして」のライナーノーツを募集しているそうで、雪平蒼の名義で現在絶賛執筆中です。年内には書き上げるので、もしよかったらそちらもぜひよろしくお願いします。

 

もうすぐ一年が終わってしまうけど、それを追い抜くスピードで駆け抜けていくぞ。

また別で振り返りブログを書くかもしれないけれど、予定は未定。何があるかわからないしこの速度の毎日だと振り返る暇もない可能性もある。まあぼちぼちやります。

こんなところまで読んでくれたあなたへ、ありがとうね。いつも助けられています。今年の分、まだ少し頑張るね。約3,000文字の愛を込めて。