2019年に読んで良かった本まとめ
毎年年末に1年間で読んだ本のランキングを発表してたんですが、気づいたら1月も半分過ぎてしまいました。
今更ながらあけましておめでとうございます。
2019年が懐かしくなってしまう前に、2019年に読んだ好きな本をまとめておきます(2019年に私が読んだだけで、発売日は全く関係ありません)。
『ナナメの夕暮れ』若林正恭
去年の1位が滝沢カレンで今年はオードリーの若林のエッセイが1位です。
これまでも堺雅人や星野源などのエッセイが上位で、結局私はタレントエッセイが基本的に好きなんです。
それにしても、若林さんのこのエッセイはめちゃくちゃ良かったですね。
若い頃尖っていて、物事をナナメから見て冷笑していた頃から、おじさんになって丸くなって、少しずつ人生を肯定できるようになるまでの過程が描かれています。
若い頃の冷笑的な価値観だけなら、ほかのエッセイでもよく見るような感じだし、完全におじさんの価値観になった人の自己啓発本も世の中にあるんでしょうけど、この本はその中間だからこそ良いんだろうなと思います。
私も永遠に中二病みたいなものが一生治らないと思ってたのに、最近少しずつ変わってきた感じがしてきていて、でもその変わった自分にまだ違和感もあるっていう中途半端な時期だったのでめちゃくちゃ響いてしまいました。
若林さんのほうが私より10歳以上年上なんですが、私はこのまま歳を重ねても大丈夫そうかも、と思えた本でした。
自分の世界は大切にしながら、でもそれは誰かと比べてなんとか自分を保つような方法じゃなくて、少しずつ好きなことを増やして、好きなことが存在するこの世界を肯定していけばいいんだと思います。
散々話題になってた小説を今さらながら読みました。
村田沙耶香さんを初めて知ったのは、私が西加奈子さんのトークイベントに行きまくっていた頃で、西さんがいつも村田沙耶香さんのことを「小説界の宝」って言ってベタ褒めしてたんですよね。
本人は可愛いのにクレイジーなところもあって、世界で1番が1番気持ち悪いと思っていて、早く普通の人間になりたいらしい、みたいなことを西さんが言ってました。
それを聞いてから、数年前に『しろいろの街と、その骨の体温と』を読んで、たしかにすごいし、狂ってるけど、ちょっとしんどいな…っていうのが本音でした。しんどい本好きやから良いんですけど。
そのあと『殺人出産』を読んで、5人産めば1人殺せる、というヤバイ設定
で、これはめちゃくちゃ面白かったです。
でも、設定のヤバさがあるからか、村田沙耶香さん自体が持ってる狂気はそこまで感じられなかった気もしてたんです。
そういう意味で『コンビニ人間』は村田沙耶香自身の狂気みたいなものをめちゃくちゃ感じたし、面白かったです。
主人公はただコンビニで働いているだけ。
正社員として就職せず、結婚せず、コンビニのアルバイトを本気でやっているだけ。
誰も殺さない、誰も傷つけていない、何も間違っていないはずなのになんか狂ってる。
主人公の言い分はめちゃくちゃなようで筋が通っているし、狂っているのは世界のほうなんじゃないかとまで思う。
それでも、もし身近にいれば少し距離を置いてしまいそうな気もして、自分の思想の曖昧さにも気付かされる。
コンビニ人間を描くだいぶ前のテレビのインタビューをたまたま録画していて、今さら見た。
「コンビニで働いてたら嫌な客とかいませんか?」って言われて「それも愛するのがコンビニ店員だから」
って言ってて、この人たぶん本気で言ってるんだなと思いました。
『みらいめがね』荻上チキ
友人が誕生日にくれた本ですが、めちゃくちゃ良かったです。
自分が気づかないうちにかかっている「呪い」を解くための方法が少しわかったような気がします。
ディズニーで描かれている女性像の変化の話なんかは特に面白かったし、腑に落ちる話が非常に多かったです。
『だから片づかない。なのに時間がない。「だらしない自分」を変える7つのステップ』マリリン・ポール
普段なら絶対読まないタイプの自己啓発本やと思ったんですよ。
本読んだだけで部屋片付くほど人生って簡単じゃなくない?とか思って猜疑心100パーやったんですけど、本として面白かったですね。
この本は整理整頓術という実用面よりも、なぜだらしない生活を過ごしてしまうのか、
という心理的アプローチが多い。実際にだらしない人の経験を元に、いろんなパターンを紹介してます。
この本、めちゃくちゃ正論で煽ってくるんですよね。ずっとぐうの音が出ない感じで丸め込まれるんですよ。
1番刺さった部分引用しますね。
システムや日課?
冗談じゃない。毎日決まったことをするなんて、退屈でやってられないね。システムだって、どうやって作るんだ!」。そう思う人もいるだろう。日課で人生が退屈になりそうな気がする人は、ちょっと考えてみてほしい。あわてふためいて鍵や所得税申告書を捜すことが、実際、そんなにおもしろいことなのか。汚れていない服はないかと物色することに、やりがいを感じられるとは思えない。
この本については一度ブログに書いてるのでもっと興味ある方はこちらをご覧ください。
http://nabelab00.hatenablog.com/entry/2019/06/23/145427
『しょぼい喫茶店の本』池田達
就活に失敗し、人生に行き詰まった大学生が、「しょぼい喫茶店」をやりたいとブログに書き、有名な人に発見されてブログがSNSで話題になり、見ず知らずの人から100万円もらい、感動した女性が「手伝いたい」と上京→ふたりで「しょぼい喫茶店」をオープンし、ふたりは結婚…
という嘘みたいな実話です。
概要だけ見れば奇跡みたいな話ですが、実際は著者が何度も小さい行動を起こし、分析し、新しい行動に移すという段階を踏んできたことがわかります。
何者でもない自分を受け入れたうえで、できることをして、いろんな人を巻き込んでいくことの素晴らしさがわかる本です。
『新しい猫背の星』尼崎武
短歌の本は今年もたくさん読みましたが、単純に1番好きな歌が多かった本を一冊挙げておきます。
新鋭短歌シリーズの『新しい猫背の星』。サンプリング(本歌取り)の技法が多用されているんですが、私はサンプリングがめちゃくちゃ好みなんやと思います。
短歌からの引用ではなく、歌詞だったりキャッチコピーだったりと元ネタが多岐に渡っていて、私たちの日常からちょっとズレただけで一気に異質な世界観になるのが良いんだろうなと思いました。
共感できる短歌も多くて、「そうや私はこういう短歌が好きやったよな」って改めて思ったんですよね。
〈引用〉
この道はいつか来た道 ああそうだよ 進研ゼミでやったところだ
おはようからおやすみまでをライオンが おやすみからおはようまでおれが
この恋を不本意ながら終えた日の吹雪がすごい! 2013
ハリセンボンになったら ハリセンボンになったら 友達ひとり抱きしめられない
人一倍罪悪感がありながら赤信号を渡ることは渡る
疲れてる俺にやさしくしてあげたい 見て見ぬふりが下手になりたい
もう俺は今日から生まれ変わるのに昨日のことで怒られている
神さまが弾を抜いたと気づかずにロシアンルーレットを続けてる
【漫画ランキング】
「ブルーピリオド 」
ここ数年で好きな漫画が立て続けに完結し(君に届け、セトウツミ など)、これから何を楽しみにすれば…と思ってたんですが、昨年この漫画を知って以来、1番楽しみにしてます。11月に出た6巻で「受験編」が完結しました。
何にも本気になれなかったインテリヤンキーが東京藝大を目指すというストーリーですが、あまりに面白いので「これ受験受かったら終わるんかな…合格して藝大編になるか、落ちて浪人編になるんか、なんにせよ続いてくれ…」と思ってましたが、11月に出た6巻で主人公の合否が出ました。
読み始めるなら今がチャンスです!ぜひ!!
これも一度ブログにしてます。
創作してる人みんな読んでくれ『ブルーピリオド』 - なべとびすこのなすべきこと
http://nabelab00.hatenablog.com/entry/2018/12/19/232856
『君に届け 番外編 運命の人』
完結してしまった『君に届け』ですが、主人公の友人、くるみちゃんを主人公にした新たなストーリーが始まりました!
この漫画のすごいところは、同じ作者の『CRAZY FOR YOU』の赤星というキャラクターが出てくるところです。
赤星は、少女漫画でよくある「主人公の女を好きになるめちゃくちゃいいやつやけど、絶対に主人公とうまくいかんやつ」です。
花より団子の花沢類の枠です。
読者全員「牧野つくしはどうせ道明寺とくっつくんやろ」と思いながらも「いや道明寺より花沢類のほうがええけどな」と思って見るやつです。
言うたら赤星って「噛ませ犬」枠なんですよ。
そんな赤星が15年(漫画ではなく実際の時間軸)のときを超えて漫画に登場し、
「君に届け」に出てくる
「主人公とくっつく男のことをずっと好きな可愛い女の子で、最初のほうに主人公にめちゃくちゃ嫌がらせしたのち、改心して友達になったりするけど、結局好きな男とは絶対結ばれへん女の子枠」
のくるみちゃんの「運命の人」になるわけですね…。
君に届けのくるみちゃんの描かれ方は、よくある「嫌な女を経ての主人公の友達枠」に見えます。
ただ、25巻くらいまで読んだ人にはわかると思いますが、くるみちゃんは最初に自分がしてしまった悪事を本気で反省し、悪いことをしてしまった主人公に本気で謝れるような良い子なんですよ…
この『君に届け』25巻が、私が人生で読んだ漫画のなかで1番泣いたシーンです。
もはやこれを読んでしまうと、「ドラゴンボールのピッコロとかベジータとか許されてる感じあるけど、お前ら地球人めちゃくちゃ殺したくせに正義側の顔すんな」って思いますね。誠意を持った謝罪というのはそんな簡単なもんじゃないぞ、と思います。
ってことでそんなくるみちゃんの新しい恋愛をみんなで見守ってあげましょう。
まだ1巻しか出てないので今後も楽しみです。
「ミステリと言う勿れ」
去年から激推ししている「ミステリと言う勿れ」。
超大作の「7SEEDS」完結直後に発売された田村由美先生の新作です。
1→2巻にかけての事件が面白すぎた(2回目読むと伏線も効いてて最高)反面、3→4→5の序盤にかけての事件が難しくてちょっと怯んじゃったけど、途中からまた面白くなりました。
3巻の
「子どもは馬鹿じゃないです
自分が子供の頃バカでしたか?」
っていう台詞にはハッとさせられましたね…。
相変わらずの名言連発で、古い価値観に一石どころか何石も投じてくれてて良いですね。
以上です。
2020年から再就職により電車通勤になり、めちゃくちゃ本が読めるようになりました。
積んでる本をどんどん読んでいこうと思います。
【まとめ】
2019年読んでよかった本
『ナナメの夕暮れ』若林正恭
『みらいめがね』荻上チキ
『だから片づかない。なのに時間がない。「だらしない自分」を変える7つのステップ』マリリン・ポール
『しょぼい喫茶店の本』池田達也
『新しい猫背の星』尼崎武
漫画
「ブルーピリオド 」
「君に届け 番外編 運命の人」
「ミステリと言う勿れ」
アナ雪2公開記念!「アナと雪の女王」観てない内にネタバレされすぎたし、自分でストーリーを予想してから観る
皆さん、ついに「アナと雪の女王2」が公開されるらしいですね!!!
……ウチ、「アナと雪の女王」観たことないのに?!
アナ雪を観ていないままアナ雪の2が決まって夏、歪む空
っていう短歌を詠んでしまうくらいショックでしたよ。
自分が流行に完全に乗り遅れたことを今更ながら理解しました。必修科目を取り忘れて留年したような気分です。
アナ雪公開時の私は、「流行りの映画観るの恥ずいわ」という思いっきりイタい思想に支配されており、元々ディズニーに苦手意識があったこともあり、アナ雪に見向きもしなかったのです。
*イメージ図は雪の国の動物でお送りします。
そんななか、周りの友人たちはアナ雪の話をしようとします。
こういうとき、いつもなら「いつか観るからネタバレやめて!」と言うのですが、アナ雪に関しては
「どうせ観いひんからいいよ」とネタバレを許可したのです。
しかしそれから数年後、ズートピアを観て、トイストーリーシリーズを観て、感動で胸がいっぱいになるなかで、「最近のディズニー、めちゃくちゃ良いんちゃう?」となり、
「流行ってたからってアナと雪の女王観てないウチこそ、めちゃくちゃ恥ずいんちゃう?」
と思いはじめました。
しかし、散々ネタバレをOKした私は、アナ雪の知識を断片的に持ってしまいました。
もう記憶は消せません。
さらに、会社の出し物でなぜかアナ雪のパロディみたいなムービーを撮ったことがあり、メインのLet it Goじゃない曲(王子と気が合うやつ)もフルで聞いたことがあります。
それでは、まず私が知っている曖昧な情報をまとめていきましょう。
※これ以降はバチバチのネタバレが含まれているので、今後観る予定のある方は読まないでください。
【ふんわり知ってる登場人物】
・アナ(エルサの妹。タイトルに名前入ってるから主人公のはず。大した情報なし。)
・エルサ(=雪の女王。いろいろ凍らせる)
・オラフ(雪だるま。声はピエール瀧)
・王子(アナかエルサを騙そうとする悪いやつらしい。この王子とは結ばれない。「僕もサンドウィッチ好き」=気が合う みたいなことを言う)
【ふんわり知ってるポイント】
・「Let it Go」はわりと序盤でかかる(クライマックスではない)
→「ありのままの姿見せるのよ」の結果、エルサは「雪の女王」になって孤立するっぽい。みんなにも迷惑かけるらしい。
・「雪だるまつくろ~♪」みたいな曲がある
・昔のディズニーのヒロインは王子と結ばれて終わったが、アナ雪では結ばれない
・姉妹愛がテーマ
・原題は「Frozen」。
(=アナよりエルサのほうが主役?)
・音楽が良い
・松たか子の歌が上手い
待って、散々ネタバレされたと思ってたけど、ストーリー的に私が知ってることって
・王子がエルサを騙そうとする
・エルサが雪の女王になる
くらいしかないんちゃうか。雪の女王って概念なに?というか、王子が騙そうとしたのって、ほんまにエルサかな?アナの可能性ない?まあエルサと仮定して進めるわ。
エルサが雪の女王になった後にたぶんアナ(とオラフ?)が助けにいく展開がたぶんあるよな。それで感動の再会とかするやろ。
待って待って、エルサが王子に騙されたのをきっかけに雪の女王になったんか、雪の女王になってからアナが連れ出して王子と合わせようとしたのかの順序がわからんな。
てか、エルサが孤立する前からオラフはおるんかな?
ONE PIECEでチョッパーが初めて出るの15巻やで? オラフも最初からおるとは限らんやろ…
アナとエルサが再会するときにオラフもともに再会するんか、エルサがオラフ初見かとかも微妙やな。
あっ!!!
「雪だるまつくろ~」みたいな曲あったよな?!
友達がカラオケで歌ってたわ!
「雪だるまつくろ~」のあと「ドアを開けて~」みたいな歌詞じゃなかったっけ…
この「ドア」は、雪の女王として閉じこもったエルサの心のドアじゃない?
しかも、これで作った雪だるま=オラフ なんじゃない?
トイストーリー4でも人間がフォークでおもちゃ作ってたし、人間が人間以外のモノを作りし展開があるんじゃない?
手塚治虫の世界観やん。
【ストーリー予想】
①エルサとアナは寒いところで平和に暮らす
(たぶん雪遊びとかするシーンがある)
②エルサが悪い王子に騙される
③騙されたエルサが雪の女王になり孤立する
(Let it goを歌いながら氷の城を築く)
④アナが困る
⑤子どもの頃の思い出から、アナは「雪だるまつくろ~」って歌いながら雪だるまを作る
⑥雪だるまに命が宿ってオラフになる
⑦アナとオラフが一緒にエルサを助けに行く
⇅この間に様々な困難有り
⑧アナとオラフがエルサと再会してめでたしめでたし
ストーリー的にはそこまでひねってないって聞いたことがあるので、まあこんなもんでしょう。
ということで鑑賞します。
【鑑賞後】
①エルサとアナは寒いところで平和に暮らす
(たぶん 家の中でエルサの力により雪遊びとかするシーンがある)
→アナがケガ。氷の力がバレないように城を閉じる。(アナは記憶を消される)
②エルサ アナが悪い王子に騙される(後半に判明)
③騙された 怒って力が解放されたエルサが雪の女王になり孤立する
(Let it goを歌いながら氷の城を築く)
④アナが困る
⑤子どもの頃の思い出から、アナは「雪だるまつくろ~」って歌いながら雪だるまを作る
⑥雪だるまに命が宿ってオラフになる (昔エルサが作ってた雪だるまがなぜか急に。理由不明)
⑦アナとオラフとクリストフが一緒にエルサを助けに行く
⇅この間に様々な困難有り
⑧アナとオラフがエルサと再会(ここからの方がいろんな困難有り。アナが死にかけるなど)して(真実の愛=姉妹愛 自分より相手を思う心を知って)めでたしめでたし
でした。
大筋は合っているものの、ある程度予想すると、「いやクリストフて誰〜?!」ってなったり(パッケージにちゃんと写ってたわ)、「オラフ出てくるの急〜!」ってなったり、「エルサもアナもなかなか可哀想〜!」「のわりにアナが天真爛漫すぎ〜!」「王子が悪い奴って判明するんめちゃくちゃ後の方なんか〜い!」ってなったりしました。
(王子に関する情報が1番のネタバレでした)
あと、会ってすぐの王子と婚約しようとするの、エルサとかクリストフにめちゃくちゃ否定されてましたけど、エルサとかクリストフがタイタニック観たら文句言いそうですね。
でも全体通して、思ってた数倍面白かったです。
自分の強大な力に振り回されて、ずっとドアを閉めざるを得なかったっていう設定はなかなかアツいじゃないですか。しかも、「ありのままの姿を見せる」ことで、孤立するだけでなく、街に多大な迷惑をかけてしまうし。
実際、単にひとりで好き勝手生きようとすると、どこかに歪みが生じたり、誰かに迷惑をかけてしまったりすることってあると思うんですよね。
「ありのままの姿を見せる」ことは危険も孕んでいて、ちゃんとそこに信頼関係や愛がなければいけないみたいなことですよね。
姉妹愛と言いつつ、結局アナはクリストフと良い感じになってましたが、単に一方的に現れた王子というよりは、一緒に危機を乗り越えた仲間的な感じなのもよかったじゃないですか。
ということで、アナと雪の女王、公開から6年経ちましたが、観れてよかったです。
<ついでに読んでください>
*歌人のおすすめ映画を互いに観て短歌を作る企画で「リズと青い鳥」を観て短歌を作りました。
*歌人のおすすめ映画を互いに観て短歌を作る企画で「リトル・ダンサー」を観て短歌を作りました。
地道に運営中です。
予言者になりたいから今後の朝ドラ主題歌を予想する
みなさん、予言者になって注目されたいって思うことありませんか?
ただ、残念ながら私に特殊能力はないので予言はできません。
でも、ちゃんと理論立てて「予想」するならできる気がしませんか?
理論立てて予想するには、予想するための過去のサンプルがたくさんあるほうが良いですよね…。
ということで、今回は
「NHK 朝の連続テレビ小説」の主題歌を予想しようと思います。
10月から「なつぞら」が終わり「スカーレット」というドラマが始まりましたね。
主題歌はSuperfly。
「あー、そういえばSuperflyって朝ドラの主題歌やってなかったっけ」と思いました。
ここ数年、朝ドラ主題歌のアーティストがどんどん豪華になってきてる気がしませんか?
でも、こんだけ大物かつ大人気のアーティストを起用し続けてたら、もう候補のアーティスト減ってきてるんじゃ? って思ったんですよね。
これはいける…!
ということで予想していきます。
まずは適当に予想する
まずはやっぱり朝なんで、爽やかなイメージが強いアーティストですよね。
ということで最初に浮かんだのが、aikoだったんですが…
aikoもうやってました。
2009年放送の「ウェルかめ」というドラマでやってました。
主演は、私の家で「あの〜あの子、朝ドラに出てたちょっと名字が難しい子やん…」として毎回候補にあがる倉科カナです。
あと、なんかアーティストやけど、俳優・女優として活躍してる人もけっこう多い気がするんですよね。ここ数年でも松たか子や星野源が歌ってたじゃないですか…
ということは福山雅治?!
……はい、福山雅治ももうやってました。
沖縄系のドラマやるなら…HYとか…?
はいはいはいHYもやってました〜!!!
この「純と愛」は沖縄(と大阪)が舞台のやつなんです。だから沖縄のHYが起用されたわけですね!!!!
ちなみに同じく沖縄が舞台の「ちゅらさん」の主題歌はKiroroの「Best Friend」です。
沖縄が舞台の朝ドラをするなら沖縄のアーティスト起用されがち!
ちなみに、沖縄が舞台の朝ドラは「ちゅらさん」と「純と愛」のみ。起用されがちというか2/2で100パーセントです。
ただ、「ちゅらさん」から「純と愛」まで11年空いてるんです。「純と愛」からいま7年…3〜5年後くらいに沖縄が舞台になって沖縄のアーティストが歌いそうですね…BEGINとか。
その他、適当に思い浮かんだ中では竹内まりや、小田和正はすでに担当していました。
あと単純に大物というところでいくと槇原敬之やB’zでしょうか。
YUKI、コブクロ、スガシカオ、スキマスイッチ、山崎まさよし、木村カエラ、平井堅、JUJUとかも爽やかな曲で朝を始められそうな気がします。
もうちょっと若手ならmiwa、SHISHAMO、back number…
紅白に出たし米津玄師、あいみょんみたいな旬の人とか…
ちょっと意外性狙いならサカナクションとか…
いや、めちゃくちゃ候補おるわ。
朝ドラの主題歌を誰が歌うかとか簡単と思ってすみませんでした!!!
やっぱり闇雲に予想しても終わらん!!
ということで過去の主題歌を見ていきましょう。
ちゃんと予想するぞ!
「NHKアーカイブ」というNHK公式のサイトで、主題歌の変遷について触れられていました。
これによると、
歌詞入りのオープニング・テーマ第1号は『ロマンス』
と書かれています。
朝ドラ第1作は1961年の『娘と私』だそうですが、主題歌にはじめて歌が入ったのは1984年の「ロマンス」だそうです。
そして、1992年の「ひらり」でDREAMS COME TRUEが「晴れたらいいね」を担当し、そこからアーティストの曲が増えてきたようです。
ということで、
1992年からの主題歌一覧はこちらです。(見づらいのでさらっと流してください)
放送年 | 主演 | 主演 | アーティスト | 曲 |
1984前 | ロマンス | 榎木孝明 | 芹洋子、榎木孝明 | 夢こそ人生 |
1992後 | ひらり | 石田ひかり | DREAMS COME TRUE | 晴れたらいいね |
1993前 | ええにょぼ | 戸田菜穂 | 中山美穂 | 幸せになるために |
1993後 | かりん | 細川直美 | 井上陽水 | カナディアン・アコーディオン |
1994前 | ぴあの | 純名里沙 | 純名里沙&JOE'S PROJECT | ぴあの |
1994後・1995前 | 春よ、来い | 安田成美→中田喜子 | 松任谷由実 | 春よ、来い |
1995後 | 走らんか! | 三国一夫 | デュアル・ドリーム | アイ・セイ・ハロー |
1996前 | ひまわり | 松嶋菜々子 | 山下達郎 | ドリーミング・ガール |
1996後 | ふたりっ子 | 岩崎ひろみ・菊池麻衣子 | NOKKO | ナチュラル |
1997前 | あぐり | 田中美里 | ||
1997後 | 甘辛しゃん | 佐藤夕美子 | 原由子 | 涙の天使に微笑みを |
1998前 | 天うらら | 須藤理彩 | ||
1998後 | やんちゃくれ | 小西美帆 | ウルフルズ | あそぼう |
1999前 | すずらん | 遠野凪子 | ||
1999後 | あすか | 竹内結子 | ||
2000前 | 私の青空 | 田畑智子 | ||
2000後 | オードリー | 岡本綾 | 倉木麻衣 | Reach for the sky |
2001前 | ちゅらさん | 国仲涼子 | Kiroro | Best Friend |
2001後 | ほんまもん | 池脇千鶴 | ||
2002前 | さくら | 高野志穂 | ||
2002後 | まんてん | 宮地真緒 | 元 ちとせ | この街 |
2003前 | こころ | 中越典子 | ||
2003後 | てるてる家族 | 石原さとみ | RYTHEM | ブルースカイ・ブルー |
2004前 | 天花 | 藤澤恵麻 | MISIA | 名前のない空を見上げて |
2004後 | わかば | 原田夏希 | 福山雅治 | 泣いたりしないで |
2005前 | ファイト | 本仮屋ユイカ | ||
2005後 | 風のハルカ | 村川絵梨 | 森山直太朗 | 風花 |
2006前 | 純情きらり | 宮﨑あおい | ||
2006後 | 芋たこなんきん | 藤山直美 | FAYRAY | ひとりよりふたり |
2007前 | どんど晴れ | 比嘉愛未 | 小田和正 | ダイジョウブ |
2007後 | ちりとてちん | 貫地谷しほり | ||
2008前 | 瞳 | 榮倉奈々 | ||
2008後 | だんだん | 三倉茉奈・三倉佳奈 | 竹内まりや | 縁の糸 |
2009前 | つばさ | 多部未華子 | アンジェラ・アキ | 愛の季節 |
2009後 | ウェルかめ | 倉科カナ | aiko | あの子の夢 |
2010前 | ゲゲゲの女房 | 松下奈緒 | いきものがかり | ありがとう |
2010後 | てっぱん | 瀧本美織 | 葉加瀬太郎 | ひまわり |
2011前 | おひさま | 井上真央 | 平原綾香 | おひさま~大切なあなたへ~ |
2011後 | カーネーション | 尾野真千子 →夏木マリ |
椎名林檎 | カーネーション |
2012前 | 梅ちゃん先生 | 堀北真希 | SMAP | さかさまの空 |
2012後 | 純と愛 | 夏菜 | HY | いちばん近くに |
2013前 | あまちゃん | 能年玲奈 | 大友良英 | あまちゃんのオープニングテーマ |
2013後 | ごちそうさん | 杏 | ゆず | 雨のち晴レルヤ |
2014前 | 花子とアン | 吉高由里子 | 絢香 | にじいろ |
2014後 | マッサン | 玉山鉄二 シャーロット・ケイト・フォックス |
中島みゆき | 麦の唄 |
2015前 | まれ | 土屋太鳳 | (合唱曲) | 希空~まれぞら~ |
2015後 | あさが来た | 波瑠 | AKB48 | 365日の紙飛行機 |
2016前 | とと姉ちゃん | 高畑充希 | 宇多田ヒカル | 花束を君に |
2016後 | べっぴんさん | 芳根京子 | Mr.Children | ヒカリノアトリエ |
2017前 | ひよっこ | 有村架純 | 桑田佳祐 | 若い広場 |
2017後 | わろてんか | 葵わかな | 松たか子 | 明日はどこから |
2018前 | 半分、青い。 | 永野芽郁 | 星野源 | アイデア |
2018後 | まんぷく | 安藤サクラ | DREAMS COME TRUE | あなたとトゥラッタッタ♪ |
2019前 | なつぞら | 広瀬すず | スピッツ | 優しいあの子 |
2019後 | スカーレット | 戸田恵梨香 | Superfly | フレア |
2020前 | エール | 窪田正孝 | ?? |
1992年以降も、インスト曲の場合も多いですが、最近のほうがアーティストが担当する機会が増えています。
特に、2008年以降はインストはかなり少なくなってきて、歌のない主題歌は「てっぱん」「あまちゃん」くらいですね。
そして、次回の朝ドラの情報が続々発表されてますね。
しかし、主題歌はまだ発表されていないようです(いろいろ見たけど見逃してたらどうしよう…)
タイトルは「エール」。
昭和という激動の時代に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家とその妻の物語
だそうです。
主演は窪田正孝、ヒロインは二階堂ふみ。舞台は福島・愛知・東京ということで、それぞれの土地のキャストが一部発表となっています。
せっかくなんで、まずは「エール」の主題歌を予想しましょう。
「エール」の主題歌を予想する
今回は「作曲家」の古関裕而さんがモデルということなので、主題歌はアーティストではなくて、古関裕而さんの楽曲のカバーを、オーケストラのような形でやるんじゃないか…? という予想です。
「あまちゃん」(2013)以来、歌詞のない曲はないので、7年ぶりのインスト曲は逆に新鮮に感じられるのでは?
さらに、これまでの朝ドラで、出演した人がなかで挿入歌を歌う、というパターンがあります。
「あまちゃん」は先述の通り、主題歌は歌詞のないテーマソングですが、挿入歌として、小泉今日子さんが天野春子名義で「潮騒のメモリー」を披露しています。
さらに、2003年の「てるてる家族」は、もともとインスト曲で、後半で歌が入ったという経緯ですが、劇中では「ブルーライトヨコハマ」を出演者の上原多香子が歌うシーンがあったりしたようです。
もし主題歌がオーケストラだった場合、挿入歌で別の何か歌いがち…と思ったら、「エール」は出演者に森山直太朗がいるんですよ。
……森山直太朗、歌うんじゃない?
しかも、今回の舞台は福島→愛知→東京 と移り変わっていくんですが、森山直太朗は福島のときに出てくる音楽の先生なんですよね。
歌うんじゃない?
もはや主題歌が森山直太朗でもよくない?
ということで、
「エール」主題歌予想は、
主題歌はオーケストラ形式で、挿入歌を森山直太朗が歌う!!!
ということにします!
「エール」関係なく、数年以内に担当しそうなアーティストを改めて予想する
★再起用あるんじゃない?
予想を始めた時は、一度起用されたアーティストは再度起用されないのかな? と思ってたんですが、ドリカムが1992年「ひらり」で「晴れたらいいね」を歌っていて、2018年の「まんぷく」でまた担当しています。
この間、26年空いてるので、1990年代に担当してまだ活躍しているアーティストは再度主題歌を歌う可能性があります。
山下達郎(1996年「ひまわり」)、松任谷由実(1994後・1995前「春よ、来い」 *1年間放送)、ウルフルズ(1998年「やんちゃくれ」)も数年以内にあり得ますね。
さらに、桑田佳祐、原由子は主題歌を担当しているものの、サザンオールスターズとしては担当していないんです。
たからサザンオールスターズとして歌う可能性もゼロではないんですが、桑田佳祐が主題歌を担当したのが2017年の「ひよっこ」なのでもう少し時間が経ってからかもしれません。
★紅白に呼びたい人を呼ぶんじゃない?
朝ドラの主題歌を担当したら、次の紅白歌合戦に出る可能性がありますよね。
2017年の「わろてんか」で松たか子が主題歌を担当し、同年18年ぶりに紅白歌合戦に出場しています。
それ自体はまあ普通ですが、2013年「アナと雪の女王」で「レット・イット・ゴー」がヒットしたとき、紅白には出ていません。このときも、おそらく松たか子に出て欲しかったけど、なんらかの事情で辞退したんじゃないかみたいなことをいろいろ言われていたような気がします。
それが、朝ドラ主題歌になったことで18年ぶりの出演が決まった流れですよね。
だから、紅白に出て欲しい(けど簡単には出てくれなそう)アーティストに頼む流れはありそうですよね。
去年の出演で話題になった米津玄師が今年の紅白に出るかどうかはわかりませんが、「パプリカ」も「〈NHK〉2020応援ソング プロジェクト」の一環で作られた曲ですし、朝ドラも米津玄師!とかもやりそうじゃないですか…?
ただ、個人的には、あんまり米津玄師の曲の感じ、朝ドラのイメージじゃないんですね…夜に聴きたい声というか……
もしかしたら、パプリカのときのように、誰かに提供するんじゃない? という気もします。
米津玄師が提供しがちといえば菅田将暉。
松たか子、星野源、福山雅治など、これまでも俳優・女優をやっているアーティストがけっこう担当してるんですよね。
米津玄師が提供して菅田将暉が歌うパターンありそうじゃないですか?
あと、去年の紅白で話題になったといえば、あいみょんも普通に朝ドラの感じいけそうじゃないですか?
感覚的にはあいみょんは数年以内にありそうな気がします。
★やっぱり大物に頼みたいんじゃない?
となると、最初に予想した槇原敬之もある気がするんですよね。
もちろんB’zが担当したら絶対に話題性もあると思うんですけど、なんか槇原敬之のほうが合いそうですね。
★意外とアイドル枠があるんですよね
2012年「梅ちゃん先生」でSMAP、2015年「あさが来た」でAKB48が起用されています。
V6…あるんじゃない…?
いや、「エール」ならぎりぎり嵐が担当して、紅白でそれも歌うとかいけるんか…。
一旦休止で、おそらく紅白で休止前の最後の出演ですよね。NHK的には目玉のはずです。朝ドラ主題歌として4月から聴き続けていれば、幅広い年齢層に馴染める曲になるわけですし…
もちろん代表曲たくさんあるから、わざわざ新曲は…って感じもするんですが、去年の紅白も新曲からのHappinessだったので、新曲も歌いそうですよね。
★まだまだいろんなアーティストおる
最初に書きましたが、
YUKI、コブクロ、スガシカオ、スキマスイッチ、山崎まさよし、木村カエラ
、平井堅、JUJU、miwa、SHISHAMO、back number、サカナクション…
あっ、もっと最新ならOfficial髭男dismとかも朝いけそうやな…
ジャニーズ、AKBがあるならEXILEファミリーも無しではないか…
【結論】
朝ドラの主題歌当てるのは難しい!!
告知
*最近ブログ更新してなかったけど、短歌のwebマガジン「TANKANESS」頑張ってます。見てください。
真面目な話はnoteで書いています。
トイ・ストーリー1から4全部観ました
この1ヶ月で、「トイ・ストーリー」を1から4まで全部観た。もともと「トイ・ストーリー」は子供のころに一度観ていて、そのときは「面白かった」と思った記憶がある。
でも基本的に映画をあまり観ないタイプだったことや、思春期以降「流行っているもの」への苦手意識が強くなり(※完全に中二病)、そのままトイストーリーシリーズを観ずに大人になってしまった。
何人かの友人は4が公開するより前は「3が1番好き!」と言っていてシリーズもので「3」が1番ってけっこう珍しいなと思って話を聞いていた。
そして今年、「トイ・ストーリー4」が公開されて、けっこう「賛否両論」と聞いた。私は「賛否両論」と聞くとわりと観たくなってしまうタイプなので気になりだした。そもそもトイ・ストーリーは前から観たくて、機会を探していたところなので、「もう1から順番に4まで観てしまおう!」と思った。
ここからトイストーリー1から4まで観たうえで全部ネタバレ有りの感想を書くので、まだ観てない人は読まないでください。
(それぞれ1回ずつしか観てないので考察が甘いところとかは大目に見てください)
トイストーリー1のウッディは、誕生日を迎えるアンディが最新型のおもちゃ、バズ・ライトイヤーをもらったことで自分の立場(アンディの一番のお気に入り)が脅かされる。
ウッディはバズに嫉妬しまくりで、自分の立場を守るためにそこそこ汚い手も使っている。そのせいでトラブルに巻き込まれるし、仲間からの信頼も失う。
大人の視線で冷静に見てしまえば、ある意味1で起こるトラブルは「自業自得」にも感じられる。
これに対してトイストーリー好きな友人からは、「それはあくまで大人の目線で公開当時の自分たちの年齢で見れば、ウッディの気持ちがめちゃくちゃわかるねん」と言われた。
たしかに、ウッディのバズに対する嫉妬は、子ども時代に妹や弟が生まれた時に感じるものと似てるのかもしれない(私は末っ子なのでそういう記憶ないけど)。
その嫉妬によってトラブルも起こるが、そこを乗り越えて絆ができる。
また、バズに関しては、自分がスペースレンジャーだと思い込んでいた状態から、おもちゃであることを突きつけられ、それを受け入れて「おもちゃ」としての居場所を見つける。バズはバズで、アイデンティティの喪失→獲得のストーリーになっているのも良い。
トイストーリー2は、ウッディが悪い大人に誘拐されるという外部要因でトラブルが起こる。バズは1のストーリーでウッディから教えてもらったことやウッディとの絆によって動く。
ウッディは誘拐された先で、自分が大人気の人形だったことを知る。高値で買い取られて博物館でほかのカウボーイ人形(ジェシー)たちと飾られることに最初は抵抗を示すも揺らいでゆく。ジェシーは捨てられた過去があることも聞く。
3の大きなテーマである、「いつかアンディに遊んでもらえなくなる」ことは、2から劇中でも示唆されていた。
なんやかんやでジェシーたちも連れてアンディの元に帰る。ジェシーは新たに遊んでくれるアンディと出会えたことで幸せになる。
2では揺らぎがありつつも、「アンディのおもちゃ」であることを望んでいたウッディだが、3ではアンディが大学生になった頃の話になる。
大きくなったアンディはおもちゃで遊ばれなくなり、おもちゃ達は寂しい日々を送る。
実際に、2から3の間でいなくなったおもちゃが何体かいた。(2で声が出なくなっていたペンギンや、4で活躍するボーも3では姿がない)
アンディが大学生活を送る新居への荷造りをする際に、お気に入りだったウッディは新居へ送る箱へ、ほかのおもちゃは屋根裏行きの袋に入れられる。
ウッディ含め全員幼稚園に寄付されてしまい、アンディに選ばれたウッディとほかのおもちゃの間には亀裂が入ったりもして、なんやかんやでみんなで戻ってきて、最終的にはアンディからモーリーという女の子におもちゃは受け渡される。(最後にアンディがモーリーと一緒におもちゃで遊んでるところで泣いた)
前から示唆されていた「いつかアンディに遊んでもらえなくなる」という悪い未来が現実になりつつも、別の子どもに受け渡されるという着地点は素晴らしかった。
4はモーリーに受け渡されてからのストーリーになる。
観る前は、トイストーリーで「賛否両論」ってどういうことやろう?と思ってたが、観たら否の気持ちもわからんでもなかった。
4では結局、ウッディはバズ達のおもちゃやモーリーと別れを決意することになる。
「否」側の意見で聞いたものは主に
・ウッディとバズにはずっと相棒でいてほしかった。
・ウッディにはずっとおもちゃとしての使命を果たしてほしかった
という部分のように思う。
1から3のストーリーで築き上げてきたバズ及び他のおもちゃとの絆や、ウッディがそれまでに何度も主張してきた「おもちゃとしての使命」に反する答えを出したように見える人もいるのかもしれない。
また、3があまりにも綺麗な終わり方をしたため、そこで終わっていて欲しかったというのもわかる。
個人的には、「ウッディにずっと誰かのおもちゃでいてほしい」は、エゴに近いものになると思う。
子どもにずっと子どものままいてほしいと思うようなものだ。
ウッディはモーリーから何日も遊んでもらっておらず、おもちゃとしての役割を失いかけている。
その状態で、役割にしがみついたとして、本当に幸せになれるとは思わない。バズや他のおもちゃとは楽しくやれるかもしれないが、ウッディはずっと子どものために生きてきたから、そのぬるい幸せだけで満足できるとも思えない。
ウッディはいわば、新卒入社で入った時はめちゃくちゃ仕事ができたけど年数を重ねてからにパッとしない社員や、子育てを終えたのに子離れできない親のようなもので、その社員や親が過去の成功体験にいつまでもしがみついていたら悲しすぎる。
そんな状態で過去に一緒にいたボー(3でいなくなっていた)が新しい場所で自由に生きているのを見たら、気持ちが揺らいでしまって当然だ。
3では、アンディ自身が「ウッディを手放す」決断をした。それは、遊びはしない自分の家に置いておくよりも、他のおもちゃとともにモーリーの元に行った方がウッディの幸せになると思ったからだろう。アンディもウッディの幸せを思った上での決断だったはずだ。
4でのウッディの決断は、より多くの幸せを生むための決断に思える。
モーリーの元にいても、幸せにできるのはモーリーだけである。しかも、モーリーには自分よりもっと気に入られているおもちゃが多数いて、自分がいなくてもモーリーが幸せな姿は想像できる。
4で、遊園地で子どもの元に行けないおもちゃや、ボイスボックスがなくて誰のものにもなっていないおもちゃの姿を見るなかで、ひとつでも多くのおもちゃが子どもの元へ行くことが幸せを生むことにウッディは気づいたのではないかと思う。
3で終わっていた方がよかった、という声もあるが、4でウッディとボーが示したのは、「いつか飽きられて捨てられる」という、これまで描かれていたおもちゃ側の不安へのアンサーのように思える。
「いつか飽きられて捨てられる」は、「おもちゃは子どもと遊ぶことでしか幸せになれない」という価値観の言葉である。
ボーとウッディが選んだ道は、おもちゃが自分自身のために生きても良いという、新たな幸せの形だ。それを示したことで、1〜3で繰り返し言われていた言説に応える形になっていたのが良いと思う。
主題歌で繰り返されるフレーズ「俺がついてるぜ」という歌詞も、それまでは物理的に近くにいるというように聞こえたのが、楽しい思い出の中で一緒に生きてるぜ、という感じに聴こえるのも良かったと思う。
何が言いたいかというとトイ・ストーリー本当に面白かったし感動しました。ありがとうございました。
【告知】歌会神経衰弱@東京 (9/14・土)
8月末で仕事を辞め、9月からは隔週くらいのペースで、週末は東京に勉強に行くことになりました。詳しくは↓
せっかく東京に行くなら、関東の方と「歌会」をしたいですね…!
ということで、以下の企画を行います。
歌会神経衰弱@東京
日時:9/14(土)14:00〜 (だいたい夕方までを予定)
概要:
作者は自分の代表作(有名なものでも、個人的に気に入ってるものでも何でも良い)と新作の2首を用意。
全員で新作の合評(ふつうに歌会)をした後、どれを誰が作ったか当てるゲームもする!
*神経衰弱することを見越して新しい作風にチャレンジするの歓迎! 逆に自分の作風を固めるために、自分っぽい短歌を目指してもOK。
*短歌初めて日が浅い人は、新作1首だけでもOKです。これを機に初めて短歌詠みたい!という方もぜひどうぞ!
*発表された短歌は、ブログ等(もしかしたらTANKANESS)で掲載させていただく可能性があります。
参加希望者は
「短歌神経衰弱参加希望」の旨と、
筆名と代表作の短歌一首をTwitter@nabelab00またはメール(nabelab00あっとgmail.com)のいずれかでお送りください。
新作は当日までに作って、メモに書いて準備しておいてください。
*新作=未発表作品です(誰の短歌かバレてたら面白くない、という理由だけなので、未発表の過去作でも一応OKです)
9/14(土)14:00〜
場所は検討中ですが、山手線沿線の駅近になると思います。たぶんルノワールでやります。
よろしくお願いします。
noteで真面目な内容の文章を書き始めました。興味ある方はこちらもどうぞ。
機械に話しかけるのが恥ずかしい
Hey,Siri.
OK,Google
とか言うのがめちゃくちゃ恥ずかしくて、言ったことがないです。
まあ上の2つは英語やし、ちょっといけすかん感じがあるからわかるんですけど、ふつうに音声入力とかも無理なんですよね。
最近文字起こしする機会があって、そういうときに内容を自分の声で読み上げて入力するのがいい、みたいなのを見たことあって、「おっ、それええやん」って思ったんですよね。
思ったんですけど…
機械に話しかけるのが恥ずかしい私が、機械に向かって文章を読み上げられるわけなかったんですよ。
前にあべのハルカスで時間つぶしてたら、ロボホンのキャンペーンをやってたんですよ。
ロボホンはロボットのiPhoneみたいなやつです。
営業のお姉さんはギャルっぽい感じの人で、ロボホンにめちゃくちゃ愛着持ってる感じでした。
暇やけど買うつもりはなかったから、時間取るのもアレかなって思ったけど、「話だけでも!」って言われたから、(ほんまに話だけですよ?)っていう顔で座って話聞きました。
「この子買ってホントに良かったな〜って思うのは、この子、プロジェクターになるんです!だから夜にYouTubeとかNetflixとかで映画観たりしてから寝るのが日課なんです〜!」
みたいなことを言われて、
へえ〜そういう機能もあんのか〜!まあ金銭的に買う余裕はないけど良いこと聞いた感じある!
こんなん要らんやろ、って正直思ってたけどこういう実用的なメリットを知れただけでよかったな〜〜!
と思ってたら
「せっかくなんで、この子に話しかけてくださいよ!!」
……終わった……
お姉さんが「踊って」みたいなことを言ったらロボホンは踊って、その間に私はもう冷や汗をかきまくってました。
お姉さんは明るく
「言ってみてくださいよ〜!」って、
たぶん機械に話しかけるのが恥ずかしいって人が世の中におるのも知らん感じの無邪気さで言って。
でも私は機械に話しかけるのが無理なことは不便とは感じてたんです。だから、
これは克服するいいチャンスでは?
って思ったんですよね。
自分の身体中から勇気を寄せ集めて、震える声で言いました。
「踊って……」
ロボホンは反応しませんでした。
お姉さんは
「あっ、声小さかったのかもですね!もう一回言ってみましょう!」
って言って、私はもう一度
「踊って……」
と言いましたが、ロボホンが反応することはありませんでした。
ロボホンはお姉さんにはしっかりぜんぶ反応してました。
ポケモンが捕まえてすぐに懐かないときのトレーナーってこういう気持ちなんですか?
ここ数年で唯一機械と話そうとした記憶はマジでその時だけで、結局今も私は機械と話せないんです。
このままじゃドラえもんが自宅に来てくれても、なんの道具も出してもらえずに終わりますよ。
来てくれてありがとう、も
申し訳ないけどロボットとは話せないから帰ってほしい、も
この服気に入ってたのに太って入らんからビッグライトでひとまわり大きくしてほしい、も
旅行の荷物重たいからスモールライトで小さくしてほしい、も。
いろんなこと言いたいけど言えずに口パクパクさせて終わりですよ。
すべての言葉を括弧でくくって終わりですよ。
(うわ〜〜マジかドラえもんがウチの家に来るとは…正直テンション上がるわ〜!
ウチドラえもんの短歌けっこう読んでるしな〜!それ伝えたら喜んでくれるかな…でもちょっと暗めの短歌多いもんな〜
てか動画何出してもらおうかな〜こんなことならドラえもんのコミックぜんぶ集めといたらよかったわほんまに。とりあえずネットでなんか便利そうな道具と逆に使ったらあかんやつ調べるか〜まあそのまえにとりあえず仲良くなりたすぎる…なんか目的あって来てんのかなあ…のび太に対しても目的持って来てるし普通にあるよな…気になるわ〜、てかドラえもんが家に来たこと言いたい…仲良い友達と家族だけでもいいから言いたいわ〜これって言っていいやつかな? マスコミとか来てもめんどいしな〜SNSとか載せんほうがいいよな〜…)
ドラえもん「びすこさん?」
……終わった……
モンスターファームのシステムってめちゃくちゃ画期的やったよな
歌人のなべとびすこです。突然ですが、モンスターファームって今思えば画期的なシステムでしたね。
昔やってたテレビゲームの話になったとき、世代的にどんぴしゃなのはポケモンです。
ゲームボーイを持ち始めた小学校低学年の頃にポケットモンスター赤緑が発売されて、
そのあと金銀が発売されたときもまだ小学生。
映画は公開されるしアニメは放送されるし、まさに大ブームの真ん中にいました。
ただ、個人的に思い入れがあるのはプレイステーションで発売されていた「モンスターファーム」、その後に発売された「モンスターファーム2」。
モンスターファームの思い出はいろいろあるんですが、そんなことより私はこのモンスターファームのシステム、今思えばめちゃくちゃすげえなって思うんですよね。
ポケモンの場合、モンスターはだいたい(ゲームの世界のなかの)「やせい」にいて、それをモンスターボールで捕まえる、っていうのが一般的です。
(それ以外にもおっさんからコイキング買わされたり、スロットでコイン貯めてポケモンと交換したりとか例外は多数ありますが)
モンスターファームのモンスターはね、CDから生まれるんですよ。
神殿ってとこに行って、CDを入れたらモンスターが生まれるんです。
プレイステーションのソフトはCDと同じ円盤型です。だからプレステでふつうの音楽CDも再生できたんです。
それを利用して、CDからモンスターが生まれるって仕組みだったのがモンスターファーム。(ほかのゲームでそのシステムがあったかは知らん)
CDによって生まれるモンスターが違うから、みんな自分の親が持ってるCDいろいろ入れたり、自分が持ってるほかのプレステのソフトを入れたりしていろんなモンスターを生んで楽しんでたんです。
レアなモンスターもいて、たとえば、Mr.Childrenの「深海」っていうアルバムを入れると、珍しいアンコウみたいなモンスターが生まれるんです。「深海」やからアンコウ。
攻略本にはレアモンスターがどのCDから生まれるか、みたいな一覧表もあって、そのCDが家にないか探したり。
あと、モンスターファームがアニメ化されたときの鈴木亜美のCDを入れるとレアモンスターが生まれたり(たぶんモンスターファーム2のほう)。
つまり普通は音楽を聴くために使うCDが、モンスターファームを持ってる人にとっては、モンスターの素材になるんですよね。
それでみんなゲーム上のモンスターを生むために、現実で行動する。
そういうシステムってめちゃくちゃ良いなって思っていて、なんか私はそういうことを思いつきたいんやと思います。
私が作った短歌カードゲーム ミソヒトサジは、5文字の言葉と7文字の言葉が書かれていて、組み合わせて短歌を作ります。
このゲームの制作中、私は世の中の5文字と7文字が、カードの素材に変わったんですよね。
もちろん普段から短歌を作ってるから多少敏感ではあるけど、ゲームにするという視点で見ると選び方も違ったと思います。
その気持ちを味わってほしいと思って、ゲームのなかにブランクカードを入れてます。自分で書きたい5文字と7文字を普段の生活で見つけてもらえるように。
あと、TANKANESSでルイージ店長さんに書いてもらってる「短歌コラージュ」もその意図があって、普通なら捨てるはずの紙が短歌の素材になるってところなんですよね。
新しい遊びのシステムを作れば、既存の要らないものが作品やたのしみに変わるのってめちゃくちゃ素敵やなって思います。
そういうアイデアをもっと形にしていけたら良いですね。