中東での出稼ぎCAの備忘録✈

自分の常識は世界の常識ではなかったということに気づかされ、常識を破られる日々

偉大なる中華人民共和国さま

世界一のワンダーワールド…それは中国といっても過言ではありません。Incredibleインディアといい勝負ですが、やはり中国のまだまだTHE共産国らしい雰囲気は独特で、フライト・ステイ先で常にアドベンチャーがつきまといます。

日本だと中国人観光客の悪いマナーが問題視されて、どっかのニュースで80%の日本国民が中国に悪印象を抱いているとかどうとか…。んーーでも本当に中国のイメージって日本のメディアを通すと悪いですよね。正直、私も中国に行く前はあまりいいイメージを持っていませんでした。facebookもグーグルもラインも全部ブロックされて使えなくて、国が国民をみっちりコントロールしてるって感じで。海外で中国人に間違えられると、不愉快な思いをしていたのも否めません。ニーハオニーハオ言われたら、ガン無視か「アイムノットフロムチャイナ!!!」とキレ気味に言い返してました笑。

でもそんなチャイナへの印象が初めて中国を訪れてガラッと変わったんです。初めて行ったときは正直楽しめるか、お腹壊さないか不安で…まったく期待してなかったんです。でも実際はスーパーエキサイティングなことしか起こらなくて、毎回中国のフライト・ステイおもいっきり楽しんでいる自分がいました笑。

やはり一見は百聞に如ず…とはまさにこのこと。実際行ってみていいところもダメなところも身をもって実感しました。

カタールは中国に6都市飛んでいて、都市によってお客さんの層がだいぶ違うのでひとえに言えないのですが、とりあえずフライト中共通しているのは、中国人のおっちゃんおばちゃん全く英語通じなくてぎゃーぎゃーうるさくて座らなくて井戸端会議はじめて、そのあと水筒をギャレーに持参してホットウォーター頼んで「サンクス」ってニコって笑って戻っていくという一連の流れがあります。なんだろ…おいおいってなるんですけどなんか全く憎めないんですよ笑。フライトはとりあえずジェスチャーと相槌でことが済みます。ご飯とお湯をあげれば、全然文句もあれこれ注文もなにも言ってきません。ただ私はなるべく漢字で筆談するようにします。チキンは鶏、ビーフは牛、パンはなんて書いていいかわからなくて小麦って書きました笑。なんとなく通じます。

私の友人は機内の揺れがひどいときに、お客さんを座らせる際にあまりにも英語が通じないので、掌に着席と大きく二文字を書いて中国人のお客さんに見せつけたところ、みんなそれまで動き回っていたのに素直にすっと座ったそうです笑。

 

ステイ先では毎回いろんなところにでかけるのですが、基本中国人のローカルの人とは、携帯のトランスレーション機能かまたは漢字での筆談。中国と日本の漢字は結構違うのですがだいたい雰囲気で通じます。それでなんとかコミュニケーションをとり、心を通わせます。ついこの前杭州に行ったときは漢字の筆談でたくさんのローカルの人と心を通わせ、とてもあたたかい人たちにたくさん出会いました。彼ら、大人数のグループになるとものすっごいうるさくて周囲を気にしない人が多いですが、一個人として接すると、優しくてフレンドリーな人がとても多いです。たぶん私はラッキーなことにいい人にばっかり会ったのかもしれませんけど。
杭州ではたまたま仲良くなった中国人の人とみんなで飲むことになり、中国のダンスクラブに初潜入してきました。そこはまさにビデオで見た日本のバブル時代そのもので、偽札だったけどお金が上からばらまかれていて、ダンサーたちがバブリーなダンスを披露していました。VIP席を用意してくださり、おすしやら刺身やらブランデーのボトルやらどんどんでてきて、チャイナマネーにだいぶあやかりました笑。

楽しくパーティーしたあとみんなと解散して、私とクルーの友達でタクシーに乗ってホテルまで返っている途中、私どーーーーしてもトイレに行きたくなったんです。でもなんか高速みたいなところを走ってるし、止まれないだろうな…とは思ったんですけど、ホテルまで1時間弱かかるのどうしても我慢できなくて泣。

トイレって中国語でなんていうんだろうって色々考えて、なぜかとっさに出てきた漢字が「厠」wwwww
便所とかあったはずだけど、その時はなぜか中高時代の古文の知識が生かされたという笑。厠の一文字を携帯で打って、タクシー運転手に画面を見せたところ、大きくうなずき(厠が通じた!!!よっしゃ!!)、トイレを探してくれるのかと思ったら、すーーーっと高速横の草原に止まって、私を見てニコリ。

中国式厠とは、野外か。むしろ草むらか。選択肢は一つということを我ながら察しました。

漢字を勉強していて本当によかったな、と思える瞬間が中国でこんなにくるとは思わなくて、何がどう役立つなんてこの世の中全くわからんなと思える瞬間でした。

 

まだ中国は重慶杭州・上海しか行ったことなくて、北京の万里の長城もすごく行ってみたい場所の一つで。必ずハプニングが起こるふつうじゃ絶対終わらない中国のレイオーバーを今からとても楽しみにしている自分がいます笑。

中国がこんな大好きになると思わなくて…中国に対するネガティブな固定概念を少しでも覆せたのはこの仕事のおかげだなとつくづく思います。謝謝。

Where is the mother of chicken?

「残暑お見舞い申し上げます」

日本でいうとそんな時期でしょうか。ここ中東カタールでは残暑の兆しもなく真夏灼熱地獄50度真っ只中!!

夜でも35度を超えるときがあり、太陽が出ていないのにも関わらず、摂氏35度です、と機内到着アナウンスをした際の機内のどよめきはハンパないです笑。
砂漠なのに海が近いせいで湿度もアンビリーバボーな位高くて、ドーハに帰ってきた瞬間に、メガネがラーメン食べた後みたいに白く曇ります。拭いても拭いてもずーーと曇っててなにも見えないし、いかんせんかなり滑稽な見た目なので、何も見えなくなるけれどしょうがなくメガネを外します。コンタクトすればいい話ですが、機内はだいぶ乾燥しているし、目の疲労感も大きいので、最近はもっぱらメガネです。他の外国人クルーもほとんどみんなメガネです。90%メガネ率フライトだった時もあります。日系ではメガネ禁止?だとかあまり推奨されてないみたいで、この話を日本人の友達にすると驚かれます。むしろ私達からすると、なぜフライトでコンタクトをしなければならないのか、疑問です笑。コンタクトはフライト先で100%本気で観光する際につけるからです笑。はは、意識の違い…なのかな。

 

さて、今回の記事は我が航空会社の数ある鬼畜フライトの中でも常にトップを走り続け、クルーを苦しみのどん底につきつける、史上最凶ストレスフルフライトの名が高い「ラゴス~西アフリカの脅威ナイジェリア~」をお送りしたいと思います。

 

毎月月末に翌月のスケジュールが一人一人に会社から送られてくるのですが、そこにもし「LOS」の文字があったら、それはもうその翌月の覚悟を決めなければいけません。LOS ANGELSだ~と喜んでいる場合ではないんです、LAGOSのLOSなんです。多くのキャビンクルーがなんとか苦しみから逃れるために、直前にコールシック(病欠の申請)をするので、実際はスタンバイからいきなり呼ばれて避けられない状況で嫌々くるクルーでフライトする場合が多いです。スタンバイ率高すぎるフライトでも有名です笑。(でもたとえコールシックしたとしても次のスタンバイで呼ばれる可能性高いのであまり意味なしw)

 

私も1度だけラゴスフライトに挑んだことがあります。もうそれはそれは…ナイジェリア人の脅威を目の当たりにしました。でも一言最初に言っておくと、基本的にアフリカ人のクルーもお客さんも明るくてフレンドリーで心があったかい人が多くて私はとっても好きなんです。だからナイロビやタンザニアウガンダのフライトをした際は、楽しかった思い出がたくさんあります。

だがしかし、ラゴスだけは他のアフリカのフライトと違うんです。なぜかって?こっちが聞きたいくらいです笑。

とにかく彼らは悪気はないのはわかっているけれど、基本姿勢がアグレッシブ!!態度も言い方も攻撃力MAX。搭乗時間の時点でこのフライト(戦争)絶対負けると静かに察しました笑。

食事のサービスの時間になり、さっそく火花が散り始めました。心を落ち着かせ、いつものフライトのようにお客さんにチキンを提供すると

「Where is the mother of chicken?」

と言い放たれました。母鳥はどこ…と。…これは小鳥…??なのだろうか。

ぽかんとしていると3口ほどで、機内食を食べ終わり、

「Give me next! Another one!!!」と、おかわりをねだられる。

ここは機内…おかわり自由な定食屋ではない!!!と言い聞かせようとしても、意味がないことはわかったので、とりあえず全員サービスして余ったら戻ってくると約束。

でもこの約束、このあとほぼ全員とするとは思いもせず…泣。

 

ドリンクサービスで普通にジュースを注いでいたら、一人のナイジェリア人の女性に

「もっとたくさん注げないの、あんたは?!毎回毎回ちょびちょび注いで…ほんとけち臭いサービスなんだから」

と言い放たれました。(これ、ちなみに誇張せずに完璧な日本語訳です)

他のお客さんも便乗するように、「そうだそうだ、もっとサービスしろーーー!!」

と一致団結して言い迫ってきました。

 

そして、一人の女性のお客さんに紅茶のレモンを頼まれたときに…ついに怒りの限界に達したのです。

「あのさ、レモン一つじゃなくて、もっとくれない?こんなんじゃ足りないんだよね」

 

カッチーーーーーーーーーン!!!!!!怒怒怒

なんだその言い方!どいつもこいつも偉そうに攻撃的な言い方で…もっとエクストラエクストラって!!!オラァァァ!普通にもう一枚レモンくれって言えないの!?!?

ともう私心の中でキレまして…

 

ほらよっと。レモンが10枚ほど入っているプラスチックケースごと彼女のテーブルに投げやりました。無言で笑。

ちなみにクルー人生でお客さんにこんな態度をとったのは最初で最後です(今のところ笑)

そのあとは…ご想像にお任せします笑。

 

といのは冗談で、大きな喧嘩になることはなく、私がもうへとへとに精神的にやられてギャレー(台所)に戻っていくと、他のクルーがすごい心配してくれて、みんな大丈夫!?とハグして慰めてくれたんです。みんな口をそろえて、彼らは決して悪い人たちではないんだけど、ただ本当に言い方と態度がアグレッシブだよね…。日本人からしたら未知の世界だよね…とたくさんフォローしてくれました涙。。。

一人ナイジェリア人で、でも生まれも育ちもパプアニューギニアのクルーがいて、彼女がナイジェリア人や国について私に丁寧に優しく説明してくれて…優しくなだめてくれました。

このフライトで私は何回「文化の違いを理解しなければならない」と自分自身に言い聞かせたか・・・。

特に日本って島国で孤立している分、本当にいろんな国と小さいことから違うことが多くて。日本の常識は世界で通じないことも多くて。そんな文化の違いを楽しむことも、この仕事の醍醐味の一つでもあるのはわかっているけれど、ラゴス線はその許容範囲を超えていました…。

でも本当にそんなアグレッシブ軍団も決してみんな極悪とかではなく、それが生まれ持った血というか、なんというか血統というか。日本が柴犬だったら、ナイジェリアはドーベルマンといえばいいのか笑。

 

着陸前に一人お客さんに会社のメンバー会員になりたいと言われ、登録書とペンを持っていきました。どこのフライトから乗り継ぎしてきたのか聞くと、まさかの日本wwww日本語めちゃめちゃペラペラなロナルドさんwwwwもう日本に住んで10年近くだそうで。。。ホテルでシェフをしているそうで!!!

正直弊社はナイジェリア人を日本に運んでいるのは有名な話で、私勝手にほとんどが六本木のクラブのセキュリティか上野で洋服売りさばいている人たちだと思い込んでました笑。

ロナルドさん、もう完全に日本人化していてその穏やかさ、飛行機内で際立っていたというか浮いてました笑。

 

最後に誤解を招かないように〆させていただくと、私一生ラゴス線やりたくないけれど、ナイジェリア人決して嫌いではないです!!笑

アグレッシブだけどハートウォーミングなのはわかっているし、わざとではなくこれは彼らの文化。Cultural differencesについて深く学び考えさせられた貴重なフライトでした。(前向きなとこだけが取り柄です)

ヤクザ集会の地、カサブランカ

今回は「土曜ワイド劇場:CAは見た!」シリーズでお送りしたいと思います。そう私見てしまったのです。Unbelievableな光景を…。

みなさん、カサブランカと聞くと…?たいていの人がかの有名なアカデミー賞を受賞したラブロマンス映画を思い浮かべるのではないでしょうか。
しっしかし、そんなロマンティックなイメージとは裏腹に、私の3年間のクルーライフ上、衝撃的ワーストフライトがモロッコの都市、カサブランカでございます。

カサブランカはすんごいしんどいフライトとしてとても有名で、噂はかねがね聞いていたのですが、入社後一年記念日のフライトとしてアサインされ、このフライトを経てまたさらに成長した(正しくは強くなった…)といっても過言ではありません。


今でも忘れられないボーディングタイム。出発ぎりぎりになっても全然来ない10人程のドバイからの大家族。やっと来たよ…と思ったらいきなりシャウト!!!

「Where is the bed for our infants!???」赤ちゃん用のベッドはどこだおりゃぁぁぁとヤクザ並みの勢いで、ただ傍に立っていたなにも罪のない私にシャウト。はぁやれやれ。とりあえず遅れてきたんだから少しは反省の色を見せてくれ…(彼らにこんなこと思っても全く意味のないことはわかってます笑)
ベッドは離陸後に設置しますから…となだめると4台分ほしいと。その家族に提供できるベッドは2台。他の2台は他のお客さんの赤ちゃん用。そしたらまたシャウトッッ!チケット代返せとか、こんな飛行機乗らないとか、スーパーバイザーとグランドスタッフ呼んで来い!!とかもうキレッキレ。
彼らのクレーム対応で1時間弱出発時間が遅れると、今度はまた別のお客さんが「いつまで待たせるんだ、こんちくしょーーこんな飛行機もう乗らない!!ドアを開けろーーーー!!」と駄々をこねだし、無茶なことを言ってくる。そんなんでいろんなお客さんが立ちだして、おりゃぁぁぁみたいな(アラビア語なのでわからず笑)言い合いを始めて機内はパニック。そう…中東全域(主にクエート、パレスチナ、ドバイetc)からヤクザが集結してしまったのです。

 

なーんとか事態は収まり、かなりの遅延でやっと離陸。しかし、ふぁーと息つく暇なんかなく、ノンストップコールベル&要求の嵐。しかも頼むのではなく超威圧的な要求。かわいい顔した子供まで指をぱちんぱちん鳴らして「エクスキューズミーー!!!!」とすんごい上からメイド扱い。

クルー全員、機内を行ったり来たり全力疾走。こんなに肉体的にも精神的にも辛いなんて…心半分折れかかり、仕事本気で間違えたと絶望していた時に、

「あなた、日本人?大丈夫??」と優しい声が。そうそのフライトには中東のヤクザとは別に日本人の団体グループのお客さんも乗っていたんです。ヤクザの対応に追われ、まったく日本人のお客さんに気をかけてる時間もなく、もう気が付いたら着陸に近い時間に。日本人ということを伝えると、1組の老夫婦が

「あなた、海外の日本人がいないところで頑張ってるわね、機内を本当に忙しく走り回って…応援しているわ、これほんの気持ち。」

と、即席で作ったと思われる折り鶴が…。たぶんこのお客さんたちは日本線では絶対に見ることのない機内の状況に愕然としたのだと思います。でも、この優しい言葉と気遣いがすごく嬉しくて…自然と涙がほろり。

しかしそんな感傷に浸ってる間もなく、カサブランカに着陸!機体が止まるまで着席していなきゃいけないのに、そんなの彼らには関係ねぇ。即行起立!!涙
もうこっちも我慢できずヤクザ口調で「Sit Dooooown!!!!!すわれぇぇぇぇぇ」とコントロールをしに行き着席させて、また自分のクルーシートにやっと戻ると、目の前に座っていたモロッコ人のお客さんが、

「本当にハードワークお疲れ様だったね。大変だったのがよくわかったよ…。ところで君は日本出身だろう?なぜ日本で仕事を探さないのかい??」

と、ついにお客さんに転職を進められる始末…返す言葉も元気もありませんでした苦笑。

 

まぁこんな史上最凶のフライトをなんとか乗り越えたので、きっと帰りの便は少しはマシだろうと、ここにいる全員が共通して思いますよね?っね?

 

帰りは超超超酔っ払いのモロッコ人女性が繰り広げる数々のドラマの対応に追われることになるのです…とほほほほほほ。

フライトのしょっぱなからワインをがぶ飲みし、ついにはギャレーにまで来てありとあらゆるお酒を頼みだしたんです。私達クルーはお客さんのアルコールの摂取量もモニターしなくてはならないので、みんなで彼女に提供するお酒を減らしてさらに時間を遅らせようということになりました。(トランジットでだいぶ酔っぱらっていると、次の国に行くフライトに搭乗できないことだってあるんです)

最終的にお酒を提供できないことを告げると、ガチギレ。私は酔っぱらってないし、まだまだ飲めるーーー!!!と典型的な酔っ払いが言うセリフを放ったのちに、なんと周りに座っていた男性人たちにキスをし始めたんです!そして彼らからお酒を譲ってもらっていたんです(ちなみにここはクラブでもバーでもなくまぎれもなく機内です笑)

 

そして私は見てしまったんです…。彼女が一人の男性を連れて、トイレに入っていくところを…。オーマイゴッド!!OMG!!!

私は第一発見者だったので、トイレを開けなくてはならず、とんとんとんとんドアを叩いたけれど、返事無し。しょうがないのでチーフパーサーと共に、強行突破で鍵を開けると…

酔っぱらってぶっ倒れている二人がwwwwww

その後水を飲ませて看病。お願いだから、機内でもうお酒をこんなに飲まないで…機内は通常より4倍酔っぱらいやすいの…だから過信は禁物!!!!彼らにこの想いが届いたことを願うばかり…

 

私もうこのフライト終えて、当分なにも恐れるものはありませんでした。でももしもう一度カサブランカ線をやることになったら…怖くて震えてトラウマが蘇えるでしょう笑。

ちなみにフライトは鬼畜ですが、カサブランカの都市自体は普通に良いところでした。でもこんな苦しい思いをしてまで来るところではないかな~~というのが本音です笑。

Same Same but Different! Part②

さぁ~今回もホットなトピック、Incredible Indiaが続きます。

ところでタイトルの 【Same Same but Diferrent】って聞いたことありますか?アジアを旅行した人には聞きなれたフレーズかも? これ意味、矛盾してますよね笑。「同じ、同じ、でも違うんだ!!」これドインが大好きなフレーズなんです。(ちなみに彼らは同じ言葉を2回繰り返していう特徴があります。かなり徹底的に笑)

何か頼んだ時に、それが無くて代替案をオファーしてくるときとか、本物じゃなくて偽物を売るときとか、まぁいわゆる逃げの口実に近いものがありますね。これあまりにもドインから聞きすぎて、私もたまーについつい口走っちゃうんです。(ラオスでこのフレーズ入りのTシャツまで買っちゃいました…ドイン化進行中w)

 

まぁそんなことはさておき、今回はUS線~アメリカがインドと化した時~をお送りしたいと思います。前回の記事で書いたようにUS線は移民のドインで満々満席でございます。私の初USフライトはダラス。でも機内から見る光景は完全にデリーwww

しかし今回は3,4時間で終わらない。14時間という長丁場。生きて帰れるかは自分次第…ボーディングの時点で私は半分死を覚悟しました…

 

これからUSに行くということで、お客さんのほとんどはUSパスポートホルダー。若者がUSで勉強して成功して…そして親戚中をUSに呼び寄せる、というループが出来上がっているようです。ただ彼らのほとんどは年長者。パスポートはUSでも英語はまったく喋れないんです。だから私、もう驚きません。USパスポートでも英語が話せない人を見ても。
でもパスポートの強さだけは見せつけてきます笑。「Where is the toilet for US citizen?」とか冗談抜きに言ってくるんです。エコノミーゴーバック!と笑顔で対応しますけど笑。

 

US線はとにかく長いので4サービスあります。朝食、スナック、サンドウィッチ、夕食と。果てしないんです。まぁベジorノンベジといつものインド線のようにやっていればいいのですが…US線のようなロンググライトの時にはサンドウィッチサービスの時に一緒にアイスクリームもリクエストでオファーします。

とあるお客さんに「Ice cream?」と聞くと「ベジ?」と度肝を抜く質問が返ってきました。

んーーーと…、まずアイスって乳製品だよね。

「Ahhhh Madam. It contains milk」と説明はしたが、返ってきた答えは「ベジ?」の一点張り。そうベジダリアンの人は肉が中に入っているかどうかにとにかくこだわるのです。
まぁアイスにチキン入ってないし、野菜ではないけど、ベジかノンベジかって言ったら「ベジ」か笑。おばぁちゃんは笑顔でアイスを受け取ってくれました。

 

ながーいながーい戦争という名のフライトを終え、やっとたどり着いた先はアメリカ。こちらとしてはインドを4往復している気分なので、なぜか自分がチキンビリヤーニくさい…。ホテルに着くと死んだように12時間寝て、せめてアメリカにいる感覚を少しでも実感せねばと、ランチはステーキを…束の間の喜び。やっと自分がアメリカにいると気づかされる笑。そしてあっという間に帰りの便のピックアップの時間。いざ戦場へ…

 

これが中東CAのリアルUS線の実情です笑。機内で巻き起こる数々のドラマで、苦労が絶えることはありません。ドインの脅威、恐るべし…。

 

Same Same but Different! Part①

今回のお題は一大トピック。その名も

『Incredible India~信じられない未知なる世界~』

長文になることを覚悟しますが、絶対に裏切らないネタを約束します。

 

まず中東に来る前にインディアについて思っていたことといえば、カレーが美味しくて頭にターバンみたいなのを巻いてる人がたくさんいるヨガの聖地。みたいなほんとざっくりとした適当なイメージ笑。

ただ今は違います。知りすぎてしまったがゆえに、インディアについて語ったらもうどにも止まりません。(以下インド人については中東クルー用語の[通称ドイン]として呼ばせていただきます)

 

ここ中東には私の勤める航空会社だけではなく、本当にたくさんのドインが出稼ぎに来て生息しております。初めてのインドのフライトから帰ってきたときに、セキュリティもドライバーもクリーナーもレストランの店員もみーんなみんなドインで、ここはまだインドなのか。。。と寝ても覚めても周りはドインな環境を目の当たりにし、ここでドインと共に共存していく覚悟を決めました。 

 

ドインは人口がはんぱなく多いのでひとえにこうだ!と決めつけてしまうのは申し訳ないですが、経験上から勝手に決めつけさせてもらうと笑

「人のプライベートゾーンにずけずけと土足で入ってくる天才」

ではないでしょうか。いい意味でも悪い意味でも笑。だから言ってしまえばとってもフレンドリーで「ヘイ、マイフレンド、ギブミーウィスキー・ウィスキー」とニカーって満面の笑みでとても人懐っこく迫ってくるんです。でもそれと同時にうっうざい…という感情が込み上げてくるんです笑

 

私の初めてのインドフライトはアハメダバートというわけわからん名前の都市でした。先輩クルーからドイン線はまじできついからと口をそろえて言われてきたので、だいぶ構えてフライトに臨みました。
ボーディングの時点で、今まで見たことのない膨大な手荷物の量を見て驚愕したことを今でも鮮明に覚えています。そうみんなUSに行く移民の方々なのです。引っ越しの為のありとあらゆるグッズを持ち込んでいるのです。鍋とか、スパイスとか、布団とかもうなんでも笑。そう、中東はインドとアメリカを最短・最安値で繋ぐトランジットスポットなのです。(だからUS線も99%ドイン。想像してみてください、14時間のインド線…泣けてきます)

そしてサービスが始まり、最初のお客さんに「チキン or ベジタリアン?」と聞くと「ノンベジ、ノンベジ」と首を横に振りながらそう答えるのです。

…むむむ、まずノンベジとは…Not ベジタリアン…あぁぁぁチキンね!そして確認のため「May I offer you Chicken?」と聞くと、また笑顔で首を大きく横に振るんです。
この首振りは…ワッツ!?ノーなのかなんなのか。世界一般常識からすると顔を横に振るのはノーという意味であるが、ここはincredible India。しかも顔だけではなく、首から思いっきり横に振っているので、このジェスチャーはなんなんだ!?なにを示しているのだ!?とキャビンを見渡してみると…


みんな首振ってる。しかも笑顔で。そうみんな揃って首振りカスタマーwww

そして私は確信した。これは彼らのYESという意思表示。ドインと心が通った瞬間w

そして次にドリンクのサービス。「 What would like to dr...」まだ私の問いかけが終わる前におもいっきりかぶせて「ハードドリンク、ハードドリンク!!」

ハードなドリンク?!固い…いやそれとも激しい。なにが欲しいかよくわからないため、とりあえずカートにあるお酒にひとつひとつ指をさしていって、確認したところ

「ノン、ノン!!」と首を横に振る一方。

ワッツ!?また首振ってるけど笑!!でも今度は笑顔じゃなくて若干しかめっ面で顔の角度が微妙に下がり気味。
そしてウィスキーを指した瞬間、「イェエエエス、マイシスター!」と笑顔で首を振ってきた。そう彼らのいうハードドリンクとはウィスキーのことだったのです。そして、彼らにとってはイエスでもノーでもとりあえず首を振るんです。頷く感覚で。首振り具合と表情の変化と顔のうつむく角度からイエスかノーかを瞬時に判断しなければならないのです。(これがわかったら晴れてドインマスター笑)

ウィスキーをダブルでなみなみ注いで、次のお客さんにカートを進もうとした瞬間、
「シスタシスタッ!ワンモア」と私の腕をつかみ、グラスを差し出してきました。

え…いま飲み物あげたばっかじゃん…飲むの早すぎだし、ウィスキーってショットじゃないし、そもそも私はあなたのシスターではない…と思ったのも束の間。これが to be continued...Forever…サービスが終わらない~~~ギャレーが遠い向こう側に…だれか…ヘルプミー。
そんな感じでしっかりとドイン線の洗礼を浴び、初フライトを異文化交流という形で終えました笑。

まぁもちろん全員が全員こんな感じではないですよ、普通のお客さんも普通にいます。んーーーでもだいたいの人がこんな感じ笑。あるもの全部くれ精神ってやつです。彼らの貪欲な精神、控えめな日本人からしたら理解できないレベルですが、学べることはあるのかもしれません…ね?

やっぱりドインについて語ったら語りきれない!!笑
今度はUS線バージョンでパート2を書きます。

気付いたら…ラマダーン4回目!?

最初の記事を書いてから早くも7か月が過ぎており…気楽にマイペースに書くと宣言した結果、三日坊主を極めました笑。

 

さておき、この7か月の間に砂漠生活3年コンプリートをし、エコノミークラスを卒業し、ビジネスクラスに昇進しました。月日は流れるのはとても早く、今年で砂漠生活4年目に突入し、ラマダーンもかれこれ4回目。慣れってコワイですね、もうなにも抵抗も恐れることもなくなりました。

 

ラマダーンラマダーンと言っておりますが、日本では全く馴染みのないこのイベント。イスラム圏の国ではスーパービッグイベントとして毎年開催されております。私のような出稼ぎで来てかつイスラム教ではない一般人からすると、〈一か月間太陽が出ている間全ての飲食店が閉まり、お酒が一切公共の場で飲めない〉という言ってしまえば生き地獄のような日々なのです。豚肉はもちろん普段から食べられません。

 

イスラム教徒の人たちからすると、それはそれはとても大切なイベントで、日中飲食は一切せず、敬虔な人はつばさえも飲み込まないといいます。飢餓で苦しむ貧しい人々の気持ちを理解し、断食した分のお金を貯めてイスラム教の貧しい地域の人々に寄付をするというのが本来のコンセプトらしいです。

ラマダーン中にはイフタールという日没後初めてとる食事があり、家族や友人と一緒に伝統的な料理を楽しむことが日課とされています。

 

しかしこの断食ですが、イスラム教のエアラインクルーにとって、とても困難な状況に陥ることが多々あるのです。普通に生活していればその住んでいる国の日の出から日没のタイミングに従えばよいのですが、昼夜関係なしに世界各国飛び回り、かつ時差がある中で断食をするのはすごく難しいと彼らは嘆いていました。言ってしまえばずっと夜ならいいんです笑。でも夏の北欧とか日が全く沈まなかったり、朝出発してずーっと西に進んでいたりすると太陽が一向に沈まないんです。となると彼らはたまに24時間近く飲食できない環境に陥り、もう仕事どころではなく、イライラと疲れと空腹に耐えられずいわゆるDEAD。私はそんな彼らの目の前で食事をすることをためらうこともありました。でも食べ物を進めることももちろんできないし…。宗教や文化を理解することは難しいけれど、敬意を払いリスペクトすることはとても大切だと感じました。

 

一日一緒に働いたクルーと共に、断食が終わる日没までのカウントダウンを一緒にやったことがあるのですが、散々我慢した後に解放された瞬間の彼らの輝きと幸福感…今でも忘れません。欠食児童のような勢いですごい食べます。飲みます。すかさずおかわり用の食べ物と飲み物スタンバイさせておきました笑。

そしてラマダーン後によく聞くのは「もうイフタールで食べすぎちゃって4キロ太っておなかパンパンでユニフォームはいらなーいww」とか。「ラマダーンでお金貯めて○○買っちゃったっへへ」とか。

この断食…やったことのない私から言ってしまうのもなんですが、はたから見て、本来のコンセプトは何処へ…というのが本音です。

 

まぁ実際日中のフライトはイスラム教のお客さんはなーーーんにも頼んでこないので、一瞬でサービスが終わります。いつもあれこれこれくれって言ってくるのに、その間はとてもおとなしくなるので、そこは感謝です笑。ただ日没後のフライトは言わずもがなカオスですが(T_T)

中東での出稼ぎCAの備忘録として*

中東ベースの航空会社の客室乗務員として働き始めて、来年の3月で早3年。ここでしか経験できないこと(主にネタ笑)が、山ほどあったにも関わらず、めまぐるしく毎日が過ぎていくためなかなか書き留めておくことができませんでした。先月27歳の誕生日を迎え、何かを新しく始める良い節目となったので、日々の備忘録としてブログを始めようと思います。文章を書くのはもともと好きですが、三日坊主にならないように、マイペースに気楽に書いていこうと思います。


ハンドルネームのなでおかめは、わかるひとにはわかる地元〇神社の超人気キャラクター。毎年酉の市になると、熊手を買いに来た人々が、なでおかめをなでるために長蛇の列をなします。地元の先輩に誘っていただき、何回か巫女さんのアルバイトをさせて頂きました。その際にあまりにも私の顔がなでおかめに似ているという話になり、むしろモデルではないかという疑惑まで浮上しました。並ぶのが面倒だという友人は私の顔をなででくるという仕業まで笑。福顔だということで前向きに受け止めています。

巫女さんのバイトの小話を少しすると、それはそれはとても神聖で特別なお仕事をお手伝いさせて頂きました。熊手を買ってくださる方に対して、「熊手一体1000円になりやーっす、ありがとうございやしたっ」のような下町口調で対応するのではなく、「参拝ご苦労様です、1000円お納めください」と巫女口調で対応しなければなりません。
そしておみくじ担当のときは、いかに人々が大吉ないし吉をひくことを祈り、思いを込めておみくじを引いているのかを目の当たりにしました。凶が5回連続で出てしまいこの世の終わりレベルに落胆してしまった方に対しては「大丈夫ですか・・・?」「大丈夫じゃないです・・・。どうしよう・・。」そんなかわいそうな姿を放っておくことはできずとっさに一言「あの・・・よかったらお祓いしましょうか・・?」
素人の分際で、お祓いを何度かオリジナルでやらせていただきました。すいません。でもなんだか気持ちが晴れたと言ってくださったので、少しはためになったのかと。何事も気持ちですよね笑。
地元の土地柄、ヤ〇ザの方々もたくさん来たのですが、ちゃんと巫女の私に対しては忠実で「頭ををお下げください」と言ったら深ーーーく頭を下げて、必死にお願いモード。私がその頭上で鈴をしゃんしゃんしゃんしゃん鳴らしている、、、という見る人から見たらかなりシュールな光景。人生みんな最後は何事も神頼みなのですね。

地元の仲良しの先輩と後輩と一緒にやった巫女のバイトはすっごく寒かったけど、とても楽しくて、毎年酉の市の季節になるとそんな思い出がよみがえります。ここ3年は日本に帰れず行けていませんが、来年こそはなでおかめをなでに、酉の市に行けますように・・・。

            f:id:nade_okame:20161221222653j:plain